国民生活審議会消費者政策部会自主行動基準検討委員会(第8回)議事録

平成14年5月7日(火)

国民生活局消費者企画課

〔 松本委員長 〕 ただいまから、国民生活審議会消費者政策部会の第8回自主行動基準検討委員会を開催いたします。

 本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、前回に引き続きまして、中間報告(案)につきまして議論を行いたいと思います。

 前回、さまざまなご意見をお出しいただきましたので、それらを反映した改定(案)を作りました。それにつきまして、前回の素案からどのような点を特に変更したかということを中心にして事務局から説明していただき、その後でご議論をお願いしたいと思います。

 それでは早速ですが事務局からご説明をお願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 今日は、表紙がついたものと、前回との比較ができるように見え消しで書いたもの、これは委員だけになのですが2種類配らせていただいております。ページ数がずれてくる関係で下のページは若干変わります。

 最初に表紙がついている方をご覧いただきたいと思います。

 以前のタイトルは「「消費者に向けた自主行動基準」の策定・運用に関する指針」でしたが、それだけではちょっと淋しいということで「事業者と消費者の間の信頼確保に向けて」を本タイトルにしまして、副題として従来のタイトルをつけさせていただいております。中間報告(案)というのは変わっておりません。

 恐縮でございますが見え消しのほうをご覧いただきたいと思います。

 前回、だいぶご議論があったのですが、「はじめに」の最初の2つの段落につきまして、ここは線を引いていないのですが基本的に大幅に変わっておりますので読ませていただきます。

わが国においては現在、民間の自由な経済活動を促進するため、規制改革が進めら れている。そこでは、経済活動の自由度が高まる反面、事業者が消費者利益に配慮し、 消費者の信頼を得ていくことが一層重要になる。しかし、今まで以上に消費者の信頼 を得て、消費者利益の擁護・増進を確実なものとするには、法令による対応と事業者 の自主的対応だけではなく、新しいアプローチを取ることが求められている。その有 力な方策は、事業者による自主行動基準の策定・運用である。自主行動基準により、 これまで以上に事業者が情報を自らの責務として積極的に消費者に開示することによ って、消費者が事業者を評価・選択しやすくなり、商品・サービス等の選択を通じて 事業者を消費者の期待する経営姿勢に近づけることが可能になる。事業者にとっては 情報の開示により事業者内の透明化が図られ、経営の誠実さや倫理観が評価される利 点がある。これが本委員会においてこの指針の検討を行うこととなった主な理由であ る。

 今回の検討はその検討過程において続発している食品表示の偽装事件という異常な 状況に対して行われてきたものではないが、こうした事件は事業者の倫理観の喪失と いう意味で無視できない問題であり、信頼の再構築という本指針の検討の意義を増す ものである。

ということでございます。

 次の「(1)消費者と事業者の関係」の冒頭部分で、「相互依存の関係にある」とかという部分について表現が不適切というご指摘がありましたので、少し改めさせていただいております。

 池田委員からご指摘がありました2つ目のパラグラフで「消費者の信頼を獲得し、確実にする有力な方策のひとつは……」というところに、「明確な理念・方針の下」という文言を入れさせていただきました。

 見え消しの2ページにまいりまして、「(2)の消費者政策と自主行動基準」の4行目、従来の政策との関係ですが、「重点を移す」という表現から「重視することが必要」という表現に改めております。

 5ページにまいりまして、ボックスの中の中小企業のところですが、「特に……」以下の文章が落ちておりますが、これは本文の方でベンチャー企業のことを書いた関係で要約のところでは単に短くしておりまして、7ページをご覧いただきますと④に中小企業について書いた部分がございます。そこに「また……」ということで「ベンチャー企業の発展は経済社会に活力をもたらすが、こうした事業者においても同様に策定が必要である」という意見を書かせていただいております。

 細かい点は省略いたしますが、7ページの「e)透明性」の部分についていろいろご意見がありましたので書き改めさせていただいております。

8ページにまいりまして、「⑥法令との関係」ですが、役職員と消費者をどう扱うかというような議論がございましたが、そこの修正がございます。

 10ページにまいりまして、ISOの規格化との関係で表現を少し変えております。

11ページにまいりまして、「③取引事業者の考慮」のところですが、これは川本委員の方からクレジット会社と加盟店のご指摘がありましたのでそれを入れております。

 12ページにまいりまして、「正社員と非正社員」ということで書いてあったと思いますが、「パート」、「代理人」という書き方に改めております。

 16ページにとんでいただきまして、「c」約款などの見直しの手続き」ですが、山本(豊)委員からご指摘のあった点を直させていただいております。

 24ページにまいりまして、「③ 消費者と行政の役割」のところですが、消費者の部分の表現がやや冗長なところがありましたので、だいぶ修正させていただいております。

28ページにまいりまして、裁判外紛争処理のところですが「業界型のADRのあり方については分けるべきである」というタン委員からご指摘があったと思いますが、そういう分かれた記述に改めております。

 29ページの消費者教育のところについても少し修正させていただいております。

 とばしましたが、法令のリンクとか公正競争規約のところは、タン先生のご指摘もあっていろいろ変更させていただいております。

 30ページにまいりまして、「公益通報者保護制度」の一番最後のパラグラフですが、もう少し前向きに書くべきではないかというご意見がございまして「公的監視体制を補完するものとして積極的対応が望まれる」ということで少し表現を改めさせていただいております。

 31ページのSRIのところ、コメントがありましたので少し修正させていただいております。

 ざっとでございますが、主な変更点は以上でございます。

〔 松本委員長 〕 ありがとうございました。

 なお、(参考資料の2)としてお付けしておりますように、本日欠席されております3人の委員からあらかじめ文章によるコメントをいただいておりますので、簡単にご紹介をいたします。

 高 委員からは、「中間報告後も、特に公的年金の運用においてSRI的な評価を入れることの必要性について、今後さらにご検討願いたい」という意見が出されています。

 坂東委員からは、「自主行動基準のあり方について多方面から積極的な議論が行われることに強く期待するとともに、実効性確保の方策、とりわけ内部通報者保護制度について積極的な議論と制度設計がなされることが期待される」というご意見が出されています。

 さらに、吉岡委員からは、①の「はじめに」の(1)の表題を「消費者と事業者の関係の変化」というふうに変更してほしい。あるいは製品安全に生鮮食品なども対象に含めてほしい。「内部通報者保護法」を早急に制定して欲しい等のかなり詳細なご意見が寄せられております。

 また、山本隆司委員は、本日、出席されておられますが、前回の委員会後に意見を出されておりますので、それを文書で添付しております。

 本日、欠席されております委員の書面によるコメントも踏まえ、かつ、先ほどの事務局からの修正点についての説明も踏まえて、どの部分からでもけっこうですからご意見をお出しいただきたいと思います。

 さらに報告書全体のタイトルが本日新しく提案されたわけですから、これについても、もう少しいいタイトルがあるのではないかというご意見がありましたら、どうぞお願いいたします。

〔 鍋嶋委員 〕 細かいことで申し訳ありませんが、10ページのISOにおける話のところで、前の報告書のときは、確か企業の責任(Corporate Responsibility)に直っていたような気がしたのですが、これは「企業の社会的責任」から「企業の責任」になったはずなのですが、今回、それが戻ってしまったのかなと。

〔 堀田消費者企画課長 〕 名称の変更につきましては、私もつまびらかではないのですが、まだワーキンググループの段階での議論というふうに理解してはおかしいでしょうか。

〔 鍋嶋委員 〕 それはそうです。ワーキンググループの段階では「こう変えましょう」という話にはなっております、ISOの中で。

〔 堀田消費者企画課長 〕 正式な話でそうなっているのですか。

〔 鍋嶋委員 〕 それは経済産業省の報告の中にはあります。

〔 高橋消費者企画課長補佐 〕 ワーキンググループでは「Corporate Responsib-ility」になったわけですが、COPOLCO で決まってないのでとりあえずこのまま「Co-rporate Social Responsibility 」でお願いしたいということで、高 委員からも言われていますので、一応、このような形にしたいと思っております。

〔 鍋嶋委員 〕 わかりました。

〔 原 委員 〕 3点ありますが、その前に吉岡委員が出されたものは、今、突き合わせてみると、前回出された文章のページ数と文言で訂正がしてあるので、吉岡委員がおっしゃった部分で取り入れられるものは入っているということでよろしいですか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 基本的に素案の段階でのものに対するコメントということでいただいておりまして、昨日もちょっと電話でも話していただいたのですが。

〔 原 委員 〕 わかりました。ちょっとページ数とかがずれているので。

 今日いただいたもので3点ですが、1ページの「はじめに」のところで2つですが、 「これまで以上に事業者の情報を自らの責務として……」と書いてあるのですが、何の情報かというのがわからない。ここで言いたいのは「これまで以上に事業者は自らの行動基準を情報として開示することが責務だ」ということなので、単なる「情報」というのでは何の情報かというのがわかりにくい感じがいたします。

 第1点は、「はじめに」の一番最後の段落ですが、確かに今回の検討は直接食品の偽装表示の話とかを中心にした、そういうことを対象方針として考えたわけではないのですが、吉岡委員がおっしゃっているように、三菱自動車のリコール隠しの話が2年前でしたか、いろいろなことがあったわけなので、もう少し、偽装事件ではなくて三菱のそういうことも入れて、それに対して「直接行われものではないが……」というように「直接」という言葉を入れて、私は、それが議論に大きな影響を与えていると思いますし、これが出される意味もそういうことも含めているわけなので、やはり「直接」という言葉を入れていただいて、偽装事件だけではなくて、吉岡委員がおっしゃるように膨らませた方がいいのではないかと思います。

 第2点は、6ページの冒頭部分で全部アンダーラインが引かれているところですが、前回も「準拠」という言葉は適当ではない「参考に」というような表現にならないかということを申し上げたのですが、「準拠」のままで残っているのですが、少なくとも「準拠して行動することを約束し……」というような表現でないと、ただ単純に文言だけ引っ張ってきて「わが社の自主行動基準はこうです」というふうに示されるのには全然趣旨が違うわけなので、「それに準拠して行動することを約束する」というような表現にせめて直していただきたいと思います。

 第3点は、12ページの①のb)の対象者の範囲のところで、パートタイマーの話が前回も出てマクドナルドの話をしたのですが、確かにあのとき、消費者と関わるパートタイマーが多いので、そういう場合はどうでしょうという発言をしたのですが、ここに「消費者と直接に関わる」という冠を付けて「パートタイマー」としてしまうと少し範囲が狭くなってしまったような感じがして、消費者と直接関わらない形のパートタイマーもたくさんいらっしゃるわけなので、わざわざこの冠言葉はいらないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 第4点は、28ページの③のa)裁判外の紛争処理手段(ADR)について書かれていますが、(ADRとの連携)の一番最後「それと並行して消費者苦情処理のあり方を検討することが重要である」と書いてあるのですが、今、ADRの検討会で議論しているのは、感覚としては苦情処理のあり方だけではなくて「紛争解決」という表現をとっていますので、「消費者苦情処理・紛争解決のあり方を検討することは……」という表現にしていただいて、感じとしては「処理」ではなくて「解決」というところを目指しているわけなので、言葉を補っていただければと思います。以上、文章では4点です。

〔 滝川委員 〕 前回、アメリカ出張で欠席いたしましたので意見が述べられませんでした。

 今回の全体のペーパーは、これまで私が発言してきた内容、特に競争制限になることがないようにということをかなり気をつけて書いていただいているのでほとんどいいのですが、1点だけ修正した方がいいと思われるところがありますので指摘いたします。

 私は中間報告のところで見ていますので、14ページの消費者対応の前の「違反への対処方法」のところですが、ここで「事業者団体で作成した際には独占禁止法上の問題に留意しつつ、除名、社名公表云々の措置を取ることが考えられる」と書いてあります。特に「除名」というのが競争者を排除するために使われることがありますので、この点に注意して作文してほしい。

 具体的な修文としては「独占禁止法上の問題に留意しつつ……」を「不当な競争者排除等の独占禁止法違反が行われることのないように留意しつつ……」としたらどうかと提案いたします。必要でしたら後で文章で提出いたします。

〔 宮部委員 〕 29ページの消費者教育の2 番目のパラグラフですが「学校における消費者教育は、判断能力を身に付け……」となっているのですが、判断能力を説明するために、「より良い社会生活を営むための……」というような文章を入れていただいたらどうかと思います。

〔 稲岡委員 〕 もっと前に言うべきだったと思うのですが、31ページの「投資基準の開示・促進」のところの書き始めに「エコファンドが事業者の環境への取組み状況を考慮して投資するように」と書いてありますが、この1行はいらないと思うのです。

 つまりSRIというのはエコフエァンドからずうっと進化してきていると思いますので、エコファンドのことを書かなくても「年金基金や投資信託等の……」のところから書き始めたらいいと思いますが、いかがでしょうか。

〔 原 委員 〕 今のご提案なのですが、私自身、エコファンドはずいぶん関心を持って見てきているので、なかなか難しいという感じは持って見ているのですが、ただ、エコファンドのような形を通じて企業選択を始めようという動きは確かにあるわけで、私も前回ちょっと思ったのですが、エコファンドが冒頭から入ってきていますね。そうすると、なんかすごくエコファンドだけ推奨しているように見えて、エコファンドもまだけっこう問題があって開発途上みたいなところがあるので、頭は「年金基金や……」と書いて、その後ろか中に「こういうエコファンドの動きもある」という形で事例紹介的に持ってこられた方がいいのかなと。前回もそう思っていましたので、第1行のトップにはちょっとしんどいかなという感じはして見ておりました。

〔 池田委員 〕 中間報告(案)としては概ね賛同できる案だなと思っているのですが、実は2つあります。

 1つは、14ページ以降になると思うのですが、消費者対応の具体的な内容が書かれております。これらにつきましては自主行動基準そのものの性質、求める要件として、「明確性」、「具体性」、「透明性」、「信頼性」の4 項目が挙げられていて、これは極めて大切な4 項目だと思うのですが、しからば、消費者対応の具体的な内容をこの4 項目に従って明確にしていく際の実効性の部分を考えますと、ご参考までに申し上げますと、例えば消費者対応の中に出ている項目3つ「製品安全」、「環境」、「サービス」に関して社内で私なりに調べた限りにおいて、規定基準、マニュアル等が調査範囲だけでも 1,200ページを超えるのです。その疎密は別としまして、それだけのある程度の量がなければ実際の経営活動においてその具体性、明確性の実行をなかなかしきれない。これでも洩れている部分があり得る可能性があるわけです。

 それでは、この基本的な考え方を踏まえて具体的に、これらの3項目に関して私どもの1,200ページを超えるような量が一応必要であるとするならば、現実の自主行動基準においてそれをどのように具現化していくか。まさに3項目だけで 1,200ページを超えるわけですから8項目になるとさらに大きくなる。それをそのまま公開、オープンにするということは極めて非現実的でありますし、消費者のためにもならないだろうと思われます。

 それでは、現実的にどうするのか。理念を踏まえた上での現実的な取組みをこれからの中で検討していく必要が十分にあるのではないかというのが1点であります。

 2点目は、折々にいろいろな委員の方からも提案あるいは意見が出ていたと思いますが、まさに自主行動基準の「自主」ということに関する理念は正しいと思いますが、それが現実の経済社会の中においてどのような、まさに実効性が担保されるのかというところです。現実にはさまざまな事業者がいて、さまざまな消費者がいらっしゃる。そういう中で、理念をどう実行するか。そうなりますと、継続検討課題の3つの中の例えば量刑ガイドライン的な何らかの法令とリンクしながら、しかも事業者の自主的な取組みを消費者も社会全体としても支援していただくような何らかの法令的な関連性がある方がいいな、というよりも、むしろなければ、ひょっとすると理念だけにとどまって現実的な実効性は大きな課題になるかもしれないと考えております。

〔 松本委員長 〕 池田委員が第1点に指摘された点はかなり重要なことかと思います。社内で作っている社員向けのマニュアル的な詳細なものと、いままで多くの企業が「我が社の理念」という形で公表されているものとの中間がおそらくここで我々が目指しているものだと思うのですが、どのような細かさのものが対消費者向けの自主行動基準として公表されるのが望ましいのかという点について、特にご意見ございませんでしょうか。

 (参考1)は事務局が既存の自主行動基準の例などを集めて作ったものですが、例えばこの程度の詳細さのレベルでいいのか、あるいはもう少し簡単なものの方がいいのか、あるいはもっとより詳細なものの方がいいのか。

〔 稲岡委員 〕 もう中間報告(案)になりましたので申し上げるのもやめておこうかと思ったのですが、今の委員長の発言にエンカレッジされまして一言申し上げます。

 これは自主行動基準としてスタートしたはずだったと思うのです。例えば15ページの「②勧誘方針」のa)のあり方ですとか、16ページの「④製品(食品を含む)の安全」のところ、これは考えてみますと業種によってずいぶん違うと思うのです。したがいまして、11ページの「Ⅱ.消費者に向けた自主行動基準」のところで「以下においては、事業者が消費者に向けた自主行動基準を策定する場合に、公表することが望ましい項目を列挙するとともに……」となっておりますが、こういうふうに書かれるとやはり企業に「公表しなさい」という意思表示になります。ですから、「盛り込むことが考えられる項目」というふうに書いていただくと、事業者が選択して「自分のところは、ここにはないけれどもここのところを作ってみよう」というようなインセンティブが働くのではないかと思うのです。

 したがって、あくまで自主行動基準ということで盛り込むことが考えられる項目をとりあえずこの委員会で考えてみたと。したがって、これはあくまで業種によってずいぶん違いますよ、メーカーとサービス業は違うでしょうし、サービス業の中でもいろいろなことがあるでしょうということではないかと思います。

 それから、ずいぶん気の利いたメインタイトルを付けていただいたと思うのですが、「消費者に向けた自主行動基準」ということであれば、「消費者と事業者の間の信頼確保」ということで、まず「消費者」を先にもってきたらどうかなと思うのです。

〔 南条委員 〕 あまり言うことはないのですが、今言われたことに触発されまして、メインタイトルですが、今のでおかしいと思うのは、見たところ「の」がゾロゾロあったりとか、あまり汚いというのと、「間」と言うと、事業者も消費者との信頼確保に努力しないで、消費者も事業者に対するみたいな、ニュアンスがちょっとよくわからなくなっている。したがって、これは事業者にやってくれと言っているわけだから、それがわからなければいけないので若干悩ましいのですが、意味合いとしては事業者に対する消費者の信頼確保のためのものでしょう。ですから、そうやってスラッと書かないと、事業者と消費者の間の信頼と言うと相互信頼みたいな話で、消費者も事業者を信頼しなければいけないという、ちょっと意味がボケてしまうのではないかと思ったので、今、考えていたのですがなかなか思い浮かばないのですが、とりあえずは「事業者に対する消費者の信頼確保に向けて事業者がやること」というニュアンスが相対的に一番わかりよいのではないかと思います。

〔 稲岡委員 〕 今、南条委員からとてもいいアイディアをいただいたと思います。そうだとすれば、これはそもそも事業者のための指針でありますから「消費者の信頼確保に向けて」として、同じ大きさの字でサブタイトルとして「事業者のための自主行動基準の指針」とされたらいかがでしょうか。

〔 川本委員 〕 2点あります。今の点との関連では、あえてタイトルに「コンプライアンス」という言葉を使わなかったのかもしれないのですが、「コンプライアンス経営」とか「コンプライアンス重視」とか2ページでも一応定義は明らかにしているので、人によってはやや感じが違うのかもしれませんが、片仮名言葉は避けた方がいいと言う人もいるかもしれませんが、1つのキーワードなので、今回の中間報告というのは「コンプライアンス」というか広い意味の自主行動基準策定を含めた、法令遵守も含めた法令等の遵守、そういう定義で「コンプライアンス」をもっと意識してもらおうということなので、むしろその言葉を出した方が今回の検討のメインテーマをズバリ表していて、知らない人もまだたくさんいるかもしれませんが、「コンプライアンスって何だろう」ということで、初めての方は、消費者の方も事業者も従業員の方も今回の報告を通じて知ってもらう。

 そういう意味では、「コンプライアンス」というのはまだ必ずしも熟した言葉でないですが、故に表紙に出していくのがいいのかなという感じを持ちました。

 もう1点は、先ほど、厳密にそれに即して作っていくと、もちろん企業によって違いますがものすごく大部なものになると。私も、この委員会の初回で、あまりいろいろ書き込むと、ものすごくたくさん書いてあって普通の人はなかなか読まない金融商品の目論見書のようになるおそれがあるということを言った記憶があるのですが、ですから、いろいろな形で何層にも、比較的簡単な数ページのものと、10ページか20ページぐらいの重要事項を書いたもの、それからもっと細かく一つ一つ書いたものとか、目的に応じていくつかのバージョンを作らざるを得ないのではないかと思いますが。

〔 松本委員長 〕 メインタイトルを変えて、「コンプライアンス」という言葉を入れる場合について何か具体的なご提案がありますか。

〔 川本委員 〕 先ほどの稲岡委員の意見に続けて言うならば、「消費者の信頼の確保に向けて」ということで「コンプライアンス重視の経営」とか「コンプライアンス重視」とか……。

 そうすると、サブタイトルが2つみたいになってしまって具合が悪いのですが、そこはもう一工夫することにして、せっかくだから「コンプライアンス」というのを前面に出した方がいいと思います。いまのでは、あまりにも当たり前すぎておもしろくないですね。

〔 宮部委員 〕 「消費者に信頼される事業者となるために」と言ったらわかりが良くなるのではないかと思います。

〔 稲岡委員 〕 皆様のお陰でだいぶ煮詰まってきたようでございまして、「消費者に信頼される事業者となるために」として、棒を引きまして同じ大きさの字で「コンプライアンス重視のためのガイドライン」あるいは「コンプライアンス確立のためのガイドライン」としたらいかがでしょうか。

〔 南条委員 〕 私はそもそも「コンプライアンス」という言葉が嫌いなのです(笑)。日本人なのだから日本語でわかる言葉を使わなければ一般の消費者なんて……、はっきり言ってこの言葉は不愉快です、意味がわからないですもの。心理的に言ってもまず言葉が長すぎる。こんなものは日本語で簡単に作れるはずです。だから、むしろそういう新しいわかりやすい日本語を考えだして普及するぐらいのつもりでなければ、これはどう見ても業界用語ですよ(笑)。失礼ですけど、皆さんはそれがすごくいい言葉のように思われているようですが僕はやめてもらいたい。そんなのが出ると、そこで「うえっ」となってしまう。一般的に普及する、中小企業まで普及するということであれば。

〔 田中委員 〕 タイトルのところですが、最後に出てきた案に私も賛成で「消費者に信頼される事業者となるために」、副題はもっと簡単で、単純に「自主行動基準の指針」でいいのではないか。自主行動基準は何のためか上に書いてありますから、「策定」とか「運用」を言わなくても「自主行動基準の指針」と言えばもう十分ではないかと思います。

 先ほど、池田委員が現場に即したご意見をおっしゃっておられましたが、通常、「公表」というところになると、事業主が自分の中でやっている事細かなものを、それをそっくりそのまま外部に公表というのはかえって消費者の混乱を招く。非常に技術的な表現があったり、内部でわかりやすい短い言葉で書いてあったりしてなかなか理解できないものが多いと思います。

 通常、こういうガイドラインは3層になっているはずなのです。説明の主文とその従文、補足するような説明、それから一番下に「例えば」という「行動指針」とか事例、この3つが3層で並んでいるわけです。

 普通考えられるのは、第1の主文に相当するものは公表すべきではないか。2番目の従文とか事例のところは企業の判断に任せていいものであって、企業によっては従文の細かいところはちょっと困るというところも当然ありますので、主文のところをきちっと公表しておけば姿勢がわかりますから、「発表した」、「公表した」というふうに認めていいのではないか。そうでないと、まさに 1,200ページそのもの全部公表して消費者はかえってわからないという形になりますから、事業主の基本的な姿勢が項目について記されているところが最小限公表されれば十分ではないかと思っております。

〔 南条委員 〕 僕もそう思うのです。いままで優良企業表彰のヒアリングをしていても大体そういうことです。ですから、一般的にきれいな刷り物で出していくのはせいぜい数ページ、あと、こんなものがあってそれも一緒に見せられるけれども、こっちはとても目を通すあれはないのだけれども、ちゃんと運用していくためにはそういうものは当然必要ですから、3段階かどうか知りませんが、少なくともそういう分け方は必要でしょうし、その場合1ページでは書き切れない。感覚的に言って、会社にもよるし業態にもよるから、数ページぐらいのものは表に出すものとしては適当ではないかという感じがあります。

〔 松本委員長 〕 先ほど稲岡委員が指摘されました、消費者対応として掲げるべき項目の表現として「望ましい」という表現でいくか、「考えられる項目」ということでこの中から事業者が随意に選ぶなり、あるいは他を付け足すなりしてくださいという感じでいくかというところについては、他の委員の方、ご意見いかがでしょうか。

 この中間報告の文言からは、項目の中身についてまでは、ガイドラインに書かないけれどもこういう項目については企業としての態度を示してくださいという意味では項目はわりと義務的といいますか、望ましいというスタンスなのですが、項目の選択も含めて事業者の方で自発的に判断をしてくださいというやり方もあると思いますので、その点についてご意見をお伺いしたいと思います。

〔 南条委員 〕 ですから「望ましい」という言葉を、皆さんが一般的にどう受け止めるかということなのですが、「望ましい」わけで「しなければいけない」と言っているわけではないから、個々の企業の判断で「これは自分の企業としてはいらないよ」と思ったら、そういう幅でこの言葉のニュアンスがあると思いますが、それでも企業側としてすごく心配ならばあれする必要があると思いますが、それは受け止め方ですからね。だけど、少なくとも「望ましい」という言葉の概念規定がどこかに書いてあって、「これを1項目たりとも外したらクビとか×点」とかいうことはどこにも書いていないからいいのではないかと思います。

〔 田中委員 〕 私は南条委員と全く同意見でして、「望ましい」ということでいいのではないかと思います。

 なぜかといいますと、今回の非常に重要なところはco-regulation的な発想でありまして、事業者と消費者と行政がそれぞれの立場の知恵を出し合って作るということが根幹に流れているわけです。その結果、これほど熱意をこめて検討したわけですから、その姿として単純に考えられるのは「望ましい」というものを提案する。それを、自主行動基準ですから企業が自主的に裁量を持ちながら選択していくというのが姿ではないかと思っております。

〔 稲岡委員 〕 両委員のお考えよくわかりました。確かにそれもごもっともだと思います。

 例えば18ページの⑤環境配慮に関する情報などというのが挙がっているわけですが、例えば、私が関わっております業界などを考えてみますと、やはり書きたいなと思いますのは、もちろん環境も書きますが人権とかそういうことも書きたいなと思うのです。ここにはそういうことは盛り込まれておりませんので、つまり、サービス業ですからお客様とずいぶん関わりが出てまいりますので、関わる方すべての人権ということを書きたいなと思うわけなのです。したがいまして、そこら辺は業種業態企業の自主性に任せていただければありがたい。したがって、「公表することが望ましい」というふうにこういう政府の審議会で書かれますと、企業としてはやはりある程度縛られますので、盛り込むことが考えられる項目はこういうことです、その他に企業の自主性を発揮してもいいですと。その要項は公表することが望ましいというふうに書いていただいたら両委員のお考えも達せられると思うのですが、いかがでしょうか。

〔 松本委員長 〕 今の点につきましては、②の自主行動基準の対象範囲のところで「消費者取引及び安全に関する事項」というふうに、本指針の対象は一定の限定をした上で注)3で「事業者の判断により、それ以外の項目を含めることを妨げるものではなく、それ以外の項目を含めることが望ましい場合もあろう」ということで、むしろそういうふうに事業者としての姿勢をこれ以外の点でも積極的に示されることは、消費者の選択にとってもプラスになる場合もあるだろうということは当然前提にした上で、「取引」と「安全」に限定した上でこういう項目が望ましいという感じですから、「これ以外を含めるのは望ましくない」という趣旨ではありませんので、そういう意味では稲岡委員のご懸念はご心配ないと思うのですが。

〔 原 委員 〕 ここの話は、最初にこの自主行動基準の範囲をどうするかということを決めるときに、環境と並んで人権の問題ということで出されていて、ただ、限定として「取引」と「安全」ということにしたので、だんだん落ちてきて最終的には注)3にこういう形で入りましたから、「人権」ということも当然含めていいということだと思うのですが、稲岡委員の発言は18ページの⑤で「環境配慮に関する情報」というふうに書かれてしまうと、現在、ヨーロッパでは「環境配慮」と同じぐらいに「人権配慮」ということを商品選択で考えていまして、特に衣類がそうなのです。稲岡委員のところで扱っていらっしゃる衣類なんかがかなり該当するので、多分、そこを考えられたと思うのですが、確かに注)3が入るのでそういうことも拾えるということにもなるのですが、稲岡委員の発言は、多分、⑤に「環境配慮」が入るのだったら、やはり「環境・人権」ぐらいの言葉を入れていただけないかという趣旨であろうと思って、私も、皆様の了解が得られれば、そこまで範囲を広げておいた方が今後の消費者の視野の広がりには対応していくとは思います。

〔 鍋嶋委員 〕 今の原 委員のお話ですが、私は「環境」程度でいいような気もします。というのは、衣類については、繊維業界の方では小児の子どもを使う使わないということに非常に厳しい基準がありまして、何しろそれをクリアしていないと輸出ができないという状況は意外とはっきりしているわけで、今、ここで入れることはないような気がいたしますし、消費者対応の話については、私ども対応している人間としては、先ほど委員長がおっしゃったような注)3のものがあれば十分ではないかと考えております。

〔 松本委員長 〕 山本(隆司)委員から、先ほどご紹介しましたように、前回終了後に簡単なペーパーを寄せていただいておりますので、この趣旨について少しご説明願えますか。

〔 山本(隆司)委員 〕 その前に今の点ですが、18ページの⑦は顧客情報の保護方針というので人権の1つ個人情報の保護が入っておりますので、あるいは必要であれば、これにさらに続けてということもあり得るとは思いますが、それはそのぐらいにいたしまして、前回、私、欠席させていただきまして中間報告を見るのが少し遅くなりまして、ペーパーを出すのが遅れまして失礼いたしました。

 先ほど、池田委員が最後のところで言われた点に関することです。今日の直しが入っているペーパーで言いますと30ページから31ページのところなのですが、「連邦量刑ガイドライン」の考え方を導入するというのは、コンプライアンスを担保する手段としてはある意味で一番難しいところがあるだろう。それは今日お配りしてありますペーパーの一番最後に書きましたが、およそ日本の刑事法の体系に合うかどうかを検討しないといけなくなるという意味で、一番しんどいのではないかという気がいたします。

 それで、もう少し中間的な何かがないかということで考えられるものを挙げてみたのですが、1つは、問題があった場合に許認可等を取り消すとか、あるいは営業停止処分等を行うといった、行政処分を行うところで、きちっとした対応をしていたのだが問題が起こってしまったということをある程度考慮することが考えられるのではないか。

 2番目のところは、そもそも許認可等の事前規制がだんだん縮小してますので、どれだけ効くかわかりませんが、必要な事業の許認可等を免除するとか、あるいは簡略な手続きですませるといったことも考えられるであろうと思います。

 これは、ヨーロッパの方で環境監査に関してこういう議論があったかと思います。

 それから、ある意味でもっと手軽なやり方としては、国や地方公共団体が物品の調達をする、あるいは契約を結ぶ際、その相手方の選択をするときにコンプライアンスをやっているかどうかを考慮する。まさに環境の分野ではこういった考え方が出てきておりますので、例えばそういったやり方があるのではないか。

 さらに付け加えるのならば、国なり国が認めた第三者機関なりがある基準を満たしたコンプライアンスを認証する。適正なといいますか一定の基準を満たしたものですよということを認証するという程度に担保することも考えられるかと思います。

 いずれにいたしましても、これは今後の検討課題ということですので、ここでさらに詳細に論ずることはしませんが、ただ、量刑ガイドラインだけですとややバーが高すぎるので、もう少しいろいろなものを挙げておいた方がいいかなということです。

〔 稲岡委員 〕 今のご意見についてですが、確かにそうなので、刑事法については考えられないと思いますが、行政罰についての問題だと思います。それも31ページに「考え方を導入すべきとの意見が出ている。それは再発防止にとって有益であり、事後チェック能力を行政が高める一つの方策になるとの考えによるものである」というふうに評価した後、「しかし……」の後、8行目からガラッとトーンが変わって「課題がずいぶん残っているよ」と書かれております。そのとおりなのですが、例えば、考えてみていただければ容易におわかりいただけると思うのですが、国の委員会が企業に対して何らかの措置をとる、指導するといった場合に、企業の側からこういうことを言ったらあれかもしれませんが、もう既にこういう考え方が入れられているのではないかと推測いたしております。そういう場合は連邦量刑ガイドライン的なことというのは十分できることだと思いますし、それは行政法全体の中で議論すべき課題というほどのことでもないのかなと思いますので、「しかし……」以降、また大変あれですが、少し書き方を緩めていただいたらどうかなと思っております。

〔 松本委員長 〕 他の委員の方、いかがでしょうか。

 前のご紹介では、アメリカの連邦量刑ガイドラインの中に保護観察のような制度があって、コンプライアンス体制をきちんと確立するように、いわば一定期間の間にきちんと体制を立て直すように行政機関が命じて、それをきちんとやっているかどうかをチェックするという制度、罰金を取らないで代わりにそういう組織をきちんとさせるという制度があるということでした。我が国の行政処分の中でもおそらく実際は行われているのでしょうが、企業として再度、従業員に対する研修をきちんとやらせるとか、あるいはコンプライアンスのプログラムをきちんと作らせるというような内容の行政指導といいますか行政処分を積極的に行うということも考えられていいのではないか。罰金を取るというのはかなりハードなやり方でしょうが、そうでない形の行政による一定の制裁ないし指導がもう少しソフトな形で考えられていいのではないかと思います。罰金的なものに限定するのは少し狭すぎるということですから、山本(隆司)委員のご提案も含む形でもう少し幅のある表現ぶりにして取り込んだらいかがかと思いますが。

〔 稲岡委員 〕 今、委員長が大事なことをおっしゃっていただいたので、ややくり返しになりますが申し上げます。

 私自身が経験しておりますところでも、ある国の委員会の指導の中で、「こういう事柄に対して企業の中でどういう組織で機能させてますか、どういう研修をしているか、責任者の職名の入った組織図を持ってきてください」といった指導のされ方を現にしております。これはこれで行政のあるべき姿だろうと思っております。

 つまり、こういう発想の行政が既に行われているということを申し上げたいわけです。そういう行政の仕方、我々から言えば指導していただく行政のあり方というのも説得力があるわけです。そういうふうに指導されますと「それでは組織も作ろう、体制も作ろう、社員研修も定期的にしよう」という意欲になるわけです。既に行われておりますので、刑事罰を入れるというのはちょっとなかなかあれだと思いますが、そういう意味での導入の仕方というのは普通にイプソファクトに行われているのだと思います。ですから、はっきり書いてもらっていいのではないかと考えております。

〔 滝川委員 〕 この問題は具体的な文章作成を事務局に考えていただいたらいいと思います。その中で、今のご意見を入れたらいいと思うのですが、私が今考えていたものを参考にしていただきたいのですが、「しかし……」の後が厳密に書こうとして無理が出ていると思うのです。もう少し柔らかく書くとこういうことではないかと思いますので申し上げます。

 「我が国の刑事法体系についての整合性に配慮しつつ、自主行動基準を作成した事業者に対しては刑事罰の量刑の程度を軽くすることを検討することは有益である」、ちょっとゴチャゴチャしていますけれども事務局でシンプルに考えてください(笑)。

 「さらに、行政措置についても自主行動基準を作成した事業者に対しては有利な取り扱いをすることを検討することが有益である」、ちょっとすっきりしないかもしれませんが、あとは事務局できれいに考えていただければいいと思います。単なるアドバイスというか個人的なアドバイスです。

〔 宮部委員 〕 これは「あれもこれも書きたい」という人が全部書いたという感じがするので、「量刑ガイドライン的な考え方を導入すべきとの意見が出ている」、これは確かにそうです。その後、いろいろ書いてありますが、「それは消費者の被害救済、あるいは再発防止にとっても有益であり、また、ここで考えたような消費者のコンプライアンスを高めるこの動きをサポートするためにも必要である」とだけ記して、あとは全部消したらどうかと思います。今、存在しない制度についてあれこれ書かない方がよいと思います。

〔 原 委員 〕 ここにはいくつか意見が出ているのですが、基本的には「サポートする必要がある」というところももちろん入れて、山本(隆司)委員がご提案なさっているもう少しソフトランディングな部分も考え方としては紹介しておいた方がいいかなと思います。

 ただ、先ほどご意見が出ていたように、こういう自主行動基準を策定してそういう経営をしているところは、こういった量刑ガイドラインを軽くするとか、こういうものを定めているところは有利な取扱いをするというのは、全然あの趣旨とは違っていると考えますし、自主行動基準というのは「それにのっとってやります」ということの宣言といいますか、それにすぎないわけで、その実態がどうであったかということはまた別の問題なので、それを定めているということだけで軽くしたり有利になるということまではいかないのではないかと考えます。

〔 南条委員 〕 僕もそう思うのです。自主行動基準をあまりギシギシというのはもともと僕は反対なので、ここはやはり「こういう動きがあるし、こういうことはあるけれども、一番最後に、議論すべき課題が残されている」というところで終わらせておけばいいということです。「今後、どっちにいくかどうかにしても、考える余地がある」ということでいいと思います。それ以上書き込むには議論が全然されていないし、あまり行政介入的、行政取引的なものが最初からギラギラするというのは、自主行動基準というのはまだ始まってもいないし、何よりも議論がまだ十分ここでされているとは思われないので、ドサクサに紛れていろいろなことを書き込むのはいかがかと思います。

〔 鍋嶋委員 〕 先ほどの宮部委員のご意見にほぼ賛成です、それでいいと思います。今、南条委員がおっしゃったように、そういう議論をしているわけではないということと、この場でやることではないと考えます。

〔 タン委員 〕 関係のある発言を3点述べさせていただきます。

 今の30、31ページのところですが、べつにこの内容、言葉について発言するつもりはありませんが、1つだけ参考として情報を提供しますと、オーストラリアの場合は金融サービス改革法という法律の下で、金融サービス業界関係のいろいろな法律が全面的な改正をされました。その一環として新しい金融サービスにライセンシング・システムが導入されて、例えば保険業をしようと思うとそのライセンスをもらうために、自分のところで十分なあるいは有効なコンプライアンス・プログラムを持っているということを当局に証明できない限りライセンスがもらえないという法律ができたのです。

 先ほどの山本(隆司)委員のご提案と関係があるかと思います。全く新しいシステムですね。ちなみに、例えば生命保険業界の場合は、以前はcode of conduct があったのですが、どうもあまり守られていなかったためにcode of conduct の内容が今度は法律の内容になってしまったのです。そのように逆に、code of conduct がうまくいかないから法律の規制に戻ったというケースもあります。

 28ページのADRのところについては、私の日本語の能力が不十分だと思いますが、ちょっとよくわからないのです。業界団体のADRのあり方の項目の下の文章がわからないので事務局に確認をお願いしたいのですが、「業界型ADRについては、事業者団体策定の自主行動基準に基づいた苦情処理を行う……」の次の「それへの参加を事業者団体への加盟の条件とすることや……」の部分がちょっとよくわからないので、もし、説明していただければありがたいと思います。

3点目は、その下の「政府の関係機関がその中立性をチェックすることが必要である」と書いてありますが、私が聞きたいのは、政府の関係機関の中立性をチェックするのは誰ですか(笑)。やはり消費者の参加が「望ましい」ではなくて「不可欠」だと思いますので、是非、何らかの形でそういうことに触れた方がいいかと思います。

 4点目は、14ページの、先ほど滝川委員からご指摘がありましたところですが、上から6行目「独禁法上の問題に留意しつつ、除名、社名公表……」などの文章がありますが、私は、この間、「不当に」とか「正当な理由がないのに」という表現を入れた方がいいという提案をしたのですが、先ほど、滝川委員が同じような提案をなさったのですが、せっかくの強い文章がかなりやさしくなるので、私は滝川委員の提案に反対なのです。ですから、考えられる措置としてはこういうのがあるのなら原文の中に入れておいた方がいいと思います。滝川委員の方からまた何かご意見を聞かせていただければありがたいと思います。

〔 松本委員長 〕 最初に「業界型ADR」についての意味ですが、下の「政府の関係機関」というのは前回も言いましたような公正取引委員会を念頭に置いておりますから、公取委が中立でないかどうかは、おそらく国会の場で議論されるべきことになるのだろうと思います。

 その上の方の「事業者団体への加盟の条件として、業界の自主行動基準に基づく業界型ADRの判断に従います」という形をとる場合は、インサイダーに対する拘束がかなり強くなります。それが正しく運用されていれば、基準がクリアで公平でかつ運用がきちんとしていれば、消費者にとってプラスになるわけでしょうが、競争事業者排除のような形で運用されると問題が出てくる可能性もあるということで、少し注意すべき点があるという感じで入っております。

〔 原 委員 〕 今の「業界型ADR」のところですが、2点ですが、この前段の文章の書き方が悪いのだと思います。それできっとタン委員が理解しにくいのだと思います。「それへ……」などという言葉が入っているので、これが何なの?という感じなのです。ですから、今、松本委員長がおっしゃられたような感じで素直に文章を書けばOKではないかと思います。

 それから、「政府の関係機関」というのが公正取引委員会を指しているということなのですが、これは公正取引委員会は承知しているわけですか。というのは、すごくたくさんの業界型ADR、もしも作ろうとすればいろいろな事業者のいろいろなADRはもちろんのこと出てくる可能性がありますが、業態としては非常に範囲が広い。スッとここに書いていて、これは公正取引委員会の仕事としてやっていただきたいということで大丈夫なのかどうかということです。少し聞かせておいていただきたいと思います。

〔 滝川委員 〕 公正取引委員会は競争制限を取り締まることが仕事なので、この委員会で書かなくてもやります。ただ、それをここで書いておくことはいいことです。公正取引委員会とはっきり書いていいのではないかと思います。

 それに関連して、14ページに対するタン委員のご意見の趣旨はどういうことかなと思ったのですが、「不当」ということだったら「独占禁止法法上の問題に留意ししつ……」というところを、私の修文にするということでいいのではないかと思うのですが、そこを文章の中に入れるという意味がわからないのですが。

〔 タン委員 〕 滝川委員のご発言を誤解したのかもしれませんが、「除名、社名公表などの……」という文章を削りたいということではないのですか。

〔 滝川委員 〕 違います。

〔 タン委員 〕 それだったらいいのです。

〔 滝川委員 〕 「独占禁止法上の問題に留意ししつ……」というところを入れ換えるだけです。「除名、社名公表、役員辞任等」を削除しろ」とは言っておりません。

〔 タン委員 〕 それならわかります。

〔 鍋嶋委員 〕 先ほどのADRのところですが、この2行目がダブっているという感じがするのです。わざわざ「それへの参加を事業者団体への加盟の条件とすることや……」ということは、加盟すれば当然この1行目の話で当たり前なことになるわけですから、条件ということにはならないような気がするのですが、どうなのでしょう。

〔 松本委員長 〕 そこは、事業者団体のやり方です。業界が作ったADRにその業界加盟インサイダーは必ず参加して判断に従いますというような条件をつけるというやり方もあれば、そこまでは義務づけなくて、業界としてADRは作るけれどもインサイダーがそこに乗ってくるかこないかは自由であるとか、あるいはそこの判断に従う義務はないというような緩いやり方も考えられると思うのです。一番強いやり方をした場合は、その分、効果は高まりますが、運用とか内容によっては競争減殺的なことになりかねない可能性もあるという感じで、拘束力の強いものを作れば作るほど、うまくいけば効果は高くなるけれども、マイナスの要素も出る危険性があり得るから、少しチェックをしてもらった方がいいのではないかというようなニュアンスになっているわけです。

〔 池田委員 〕 いままでのかなりの論議の基盤として、私、考えますのは、26ページ以降の「Ⅳ.実効性確保・策定促進の方策」についての論議がずっとあったように思うのですが、今回の自主行動基準への取組みというのが、単なるモデルを提示するだけで留まるのか、あるいは提示だけに留まるのではなくて実効性を確保しなければいけないのではないか。こういう問題認識はこの中でずっと論議が出ていたと思うのですが、特にこれからの取組みとして、まさに「実効性の確保・策定促進の方策」の実効性の確保が大きなポイントになってくるのかなとまた、そういうふうに取り組むべきではないかと考えているのですが、このあたりにつきまして事務局から、今後に対する思いなどがありましたら教えていただければと思うのですが、いかがでしょうか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 今回、これまでご議論いただきましたものの中間報告として消費者政策部会の方に4月22日にご報告いたしまして、部会で今後の作業についてインストラクションがあるかによりますが、先ほどの独禁法との関係の部分とか、あるいは今後、いろいろな関係の企業の方が実際にこの指針をもらったときにどういうことがあるのか。パブリックコメントなども求めながら必要な修正をやるべきところはやっていきたいと思っております。

 実効性確保の部分で、さまざまな公益通報者保護制度とか、そういったものについても、今後、部会としてどうすべきなのかご議論をいただきたいと思っております。

〔 宮部委員 〕 実効性確保のところですが、ここにおられるような方々は一生懸命やっていますが、ここに出ていない事業者にどうやって問題意識を共有してもらうのか。これについてはあまり触れられてないのですが、これをどういうふうにされるのか。黙っているのか、その辺を少し書くのか。これは書いていただきたいと思うのです。どこに入れるかは問題なのですけれども。

〔 堀田消費者企画課長 〕 中小企業のところで……。

〔 宮部委員 〕 ちょっと弱いような気がするのです。実効性確保のところで何か書けないでしょうか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 中小企業についてどう普及促進するかとか、そういったことでしょうか。

 悪徳については書くのは非常に難しいかと思いますが、そういう普及・啓発を今後どうしていくか……。

〔 宮部委員 〕 そういうことの方が大切だと思うのです。

量刑ガイドラインとか何とかというのは、まだ何もない話だし、「こういうのがよその国にあるよ、日本も参考にしてはどうか」ということでいいと思うのです。

〔 池田委員 〕 理想として、まさに社会全体として、あるいは消費者、事業者ともどもにこういう状況を実現していこうという思いが、やはりみんなが目指す方向であることは事実だと思うのです。ただ反面、例えば消費者活動もかなり活発だと思われるアメリカにおいても、あるマーケティング学者の中には「アメリカにはグリーンコンシューマーはいない」と言う方もいらっしゃいます。この事実、見方はいろいろあるとしましても、まだまだそこまでいろいろな意味で成熟度が低い中で、言葉を変えて言いますと、いままでもこういうことに取り組んできた企業がさらに今後ともこの自主行動基準に取り組み、取り組んでおられないところは依然として取り組まれない状況も想定されます。それは結果として、消費者から見たときの信任の違いとなって競争力の違いになるのだという理念は賛同するわけですが、その理念が実際のものになるまでは、まだ長く時間がかかるのかなと。それまでの間にどのように社会全体としてコンプライアンスを推進するか。ここがおそらく実効性確保のところの要のところだと思いますので、その他についてのこれからのさらなる具体化を検討してはいかがと思っております。

〔 原 委員 〕 宮部委員の方から、27ページの実効性確保のところで中小事業者の話が出たのですが、私も前回、すぐ具体的に当面の取組みで「人材の組織化」というようなことが出てくるよりは、消費者側にとってもまず認知度を上げることが大事だという話をしたと思うのですが、それが特に書き込まれてはいないと思っていて、中小事業者ももちろん取り組まなければいけないし、消費者もこういう取組みを事業者がしているということを知らない限り、全然、支える側にも評価する側にもならないわけで、そこを是非書き込んでいただきたいという意味で前回発言したように思うのですが、大前提として、是非、認知度を上げるということを、普及・啓発をしていくのだということを書き込んでいただきたいと思います。

〔 松本委員長 〕 今の点につきましては、原 委員の前回の意見を反映した形で、実は項目立ての順番が変わっておりまして、消費者教育・啓発の推進というのが、前回は④だったのですが③にくり上げられております。その論理的な意味は、まず事業者が作ることが重要だろうということで「人材の組織化」というのが入っているのですが、確かにいきなり「人材の組織化」というのは少し飛躍があるようですから、事業者にまずこれが必要だということを啓発・普及することをいろいろな形でやる。その中の有力なやり方として人材の組織化が重要だというふうに少し書き改めます。その次に、消費者がそれを知った上で行動するということも重要だから消費者教育・啓発が必要なのですが、事業者の活動と消費者の認識をつなぐものとしてのNPOのようなところが、個々の消費者が評価するのは大変だから代わりに評価して、そのデータを提供するというような形でうまく消費者とつなげればいいのではないかということで、「評価組織の育成」という順序にした上で、ADR等はもう一つ後に持ってきたというような流れですので、事業者の認知ところを最初にもう少し強調するようなものを①の前に持ってきたいと思います。

〔 原 委員 〕 よろしいですか。

〔 松本委員長 〕 はい。

〔 原 委員 〕 それほど奥深い議論がされていたとは思わなくて(笑)、申し訳なかったのですが、私の感じとしては27ページとのボックスの下に3行ほど入っています。ここのところが、すぐに「遵守体制を整備する」という話から入っているのですが、遵守体制を整備する前に、どの事業者も取り組むのだし、消費者もこういう動きがあるということを認知するという、やはり1行か2行が入って,そして当面の取組みが出てくるのではないかという感じがいたします。

〔 南条委員 〕 中身もちょっとあれですが、この中身でもそれなりに入っていると思うので、(1)の①で人材の組織化っていきなりビッとあって、その上にある箱でも人材の組織化、評価というからあれなのではないかなと思うのです。ですから、啓発・普及というのが入っていればいいのでしょう、意味合いとしては。

 まず啓発・普及が必要で、そのための手段として人材を組織化して固めていくという順序であるので、中身を読むと「啓発・普及等を行う必要がある」とかいろいろなことが書いてあるのですが、見出し的に「人材組織化」というのが出ていて、それが箱の上の出だしの箱のところも「人材の組織化」がまずあってというのは確かにちょっと違和感があります。ですから、その辺を工夫していただければよろしいのではないかと思います。

〔 タン委員 〕 ちょっと確認したいのですが、啓発するのは誰ですか。

 例えばオーストラリアの場合は実際に業界団体がやっている場合が多いですが、業界団体がその責任を負うことになっていますから、業界団体の方で簡単な文章を作ることが多いのですが、どういうことを想像しているのですか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 田中委員のところとか、いろいろなところがございますし、国民生活センターなどでも先般トップセミナーということで、タン委員にもご出席いただいたと思いますが、内閣府の方でもこれからセミナーを開催して、こういう報告書の内容を事業者と消費者の両サイドに向けてメッセージを送っていきたいと思っております。

〔 タン委員 〕 そうしたら、若い人に国民生活センターなどあるのを知らない人がいっぱいいますが、そういう人たちにどうやってメッセージを伝えるのですか。これは非常に重要な問題だと思いますから、何かいい考えがありますか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 自主行動基準だけでなく、まさにそれは消費者問題のすべてにかかわるところだと思いますので、少しずつ努力はしているのですが、ご指摘のようにまだ十分一般の人まで行き渡っていないということがありますので、消費者教育も含めてできるだけ拡大していくようにしたいと思います。

〔 田中委員 〕 関連で、私の入っております経営倫理実践センターの方は大企業を中心に47社加盟しているのですが、経営倫理実践研究センターの場合には直接消費者というわけにいきませんので、まず事業者を集めて、そこでこういう指針の内容をきちっと説明する。来る人は、従来は企業倫理、コンプライアンスとか、ビジネス倫理の担当者ですが、今回はそうではなくて、それにプラス消費者関連の人にも説明会に来てもらって全部これを説明しようと思うのです。そうすると、そこを通じて、今度は消費者との部署ですから、自分たちのいろいろな行動のところを直すとか修正するとか見直して、そこを通じて消費者の方に情報を流すというふうに、私どもの立場ではやろうかと思っております。

 やはり、いろいろな方面から教育、研修、啓発に努力しないと一方通行ではなかなかできないと思いますので、多様なルートを使ってやってはいかがかと思っております。

〔 松本委員長 〕 他にご意見ございませんか。

 大体、対立する部分はなくなってきたと思います。

 連邦量刑ガイドライン的考え方の部分につきましてもいろいろな考え方があるということで、刑罰、罰則の方に反映させるべきであるという考え方や、さらには、行政指導等の内容の方にも反映させるべきであるという考え方もあるという形で、今後、検討が必要だというふうにして、あまり深く入らないようにしたいと思います。

 最後に、本報告書のタイトルをどうするかについては、できればこの場でうまくコンセンサスをおとりいただきたいのですが。何通りか案が出ておりましたが、最後の方に出ておりました「消費者に信頼される事業者となるために」というのが、何人かの方から「いいのではないか」というご意見が出た段階で、それ以外の案は出ていないのですか、いかがですか。

〔 山本(豊)委員 〕 最後に田中委員がおっしゃった案に賛成したいと思います。

 「信頼」の前に消費者の信頼というふうになる場合、信頼される主体なのか、それとも信頼する主体なのかというのがあいまいになる可能性もあると思いますので、田中委員の副題も含めての表現、これは他の何人かの委員の方からも支持があったかと思いますが、私も支持したいと思います。

 副題は「自主行動基準の指針」であったかと思いますが、ご本人に確認してください。

〔 松本委員長 〕 確認させていただきます。

 「消費者に信頼される事業者となるために」というのが主たるタイトルで、横棒が入って「自主行動基準の指針」でよろしいですか。

 テレビの2時間ドラマのように、副題が3つぐらい付くというのも考えられますが、一応シンプルな題で、これでご了解いただければ、検討委員会としてはこの案でということにしたいと思います。

 他にご意見、ご指摘はございませんか。

〔 宮部委員 〕 今日、お見えになっていない方もいらっしゃるのですが、もう一度バランスという意味で長いところ、ないしは思いのたけを一生懸命言っているようなところはできるだけ簡素にされた方が、読みやすいのではないかと思います。そういう意味でもう一度短くすることを考えてください。

〔 田中委員 〕 参考資料を付けていただいたのですが、これは、現場でやるときにこういう参考資料は有益だと思います。作成したり遵守するための一種の手引きという位置づけかと思うのです。

 つきましては、公表するときには、これも中に目次を作って、項目が何ページにあるかとわかるようにした方がずっと使いやすいかと思いますので、それをひとつ工夫していただければありがたいと思います。

〔 原 委員 〕 最後ということなので一言なのですが、実際に私、金融機関の評価ということをこの1年やっていて非常に感じるのですが、自主行動基準を策定して公表されても、やはりそれは文章にすぎないわけです。実際に「実効性確保」というところが一番ポイントになるかと思うのですが、そういう意味ではまだまだとても課題が多くて、評価をしようにも文章だけでしか評価ができていないというのが今の実態です。

 私が見て、今すぐにでも取り組めるようなことは、企業内の消費者教育と苦情の扱いの開示みたいなところは、すぐにでも取り組めるのではないかと思っておりまして、例えば企業内の消費者教育という部分については、実際に新入社員で入られたところと、管理職になられるところと、やっているところでも2回、それも本当に1コマぐらいでしかおやりになっていないので、そういう中では自主行動基準を定めて消費者のためというふうになっても、中でどのぐらい浸透していくのかということも考えておりますので、すぐにでも取り組めるところは是非取り組んで実効性を上げていただきたい。そして、それが開示されて評価ができる仕組みを整えていただきたいと思います。

〔 松本委員長 〕 それでは、大体ご意見をお出しいただけたと思います。この場で具体的にここをこういうふうに修正するというのはすぐには出せませんが、ご意見で大体一致したと思いますから、そこを最終的に反映させたものを検討委員会の報告として4月22日に予定されております消費者政策部会に報告したいと思います。

 文面の細かい部分につきましては、時間もございませんから私の方にお任せいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

             ( 「異議なし」の声あり )

 それでは、そのようにさせていただきます。

 なお、前回のご審議のときに「おわりに」というのを付けた方がいいのではないかというご意見がございましたが、「おわりに」は、これは最終的には部会報告になるということで、部会でお付けいただくのがいいのではないかということで、部会での委員会の審議経過の報告に当たりまして、私の方から特に重要だと考えられる点をいくつか委員会の意向として申し上げるという形にしたいと思います。

 そこでは、まず第1に、当指針が発表された後、その普及・啓発について努めること。事業者、消費者双方に必要ですが、とりわけ消費者の認知度の向上が不可欠だという点を指摘したい。

 第2に、この指針について広く一般や関係機関の意見を聴取することということで、パブリックコメントをしていただきたい。とりわけ何回も議論が出ましたが、公正取引委員会のご意見についてもきちんとヒアリングをお願いしたい。

 第3に、このような指針が出る前提として、消費者行政全般が20世紀型から21世紀型に変換を求められている時期にきているのだということで、全体的な見直しが必要ではないかということで、この3点を特に強調してご審議いただきたい旨をお伝えしたいと思います。

 この点についてもご一任願いたいと思います。

 それでは、最後に事務方を代表いたしまして、内閣府の亀井大臣政務官からご挨拶をいただきます。

〔 内閣府亀井大臣政務官 〕 一言お礼を申し上げたいと思います。

 今日は、消費者政策部会に報告いたします「消費者に信頼される事業者となるために」という自主行動基準の指針をこうして立派にまとめていただきましたこと、心からお礼を申し上げたいと思います。

 昨年の10月から、松本委員長を初め皆様方には8回にわたる会合、熱心にまた精力的に取り組んでいただきましてすばらしい成果が得られたこと、本当に心から感謝申し上げたいと思います。

 ご案内のように、構造改革の大きな柱の一つが規制改革の問題でございまして、これをどんどん見直してやっていけばいくほど、事業者の責任というものは大きなものになるわけでありまして、自主行動基準の必要性がどうしても避けて通れない問題ではないかと思います。

 今、食品表示の問題を契機として、食品の安全性ということが今問い直されておりますが、これは消費者問題、消費者行政のありようについて問われているわけでございまして、今日、こうしておまとめいただきました自主行動基準、皆様方の成果が必ず生きていくように頑張っていきたいと思います。

 具体的には食品安全の問題に絡んでは、これから法律面で具体的に検討を進めてまいりますが、その中で自主行動基準が避けて通れない問題でございますので、「ああ、こういう格好で生きていくのだな」と皆様方に喜んでもらえる日が早く来るように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 内閣府としては、この自主行動基準の普及の問題、啓発の問題など、さまざまな残された問題について取り組んでまいりますので、委員の皆様方にも、引き続いて温かい心強いご支援を頂戴しますよう心からお願い申し上げましてお礼の言葉にさせていただきます。どうもありがとうございました。

〔 松本委員長 〕 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。

 昨秋来、8回にわたりまして熱心にご討議いただきまして、誠にありがとうございました。                                                            

 以 上