国民生活審議会消費者政策部会自主行動基準検討委員会(第7回)議事録

平成14年4月30日(火)

国民生活局消費者企画課

〔 松本委員長 〕 それでは、国民生活審議会消費者政策部会の第7回自主行動基準検討委員会を開催いたします。

 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 前回までスケルトンに基づいて議論していただきましたが、本日は、スケルトンを文章化しました中間報告の素案に基づきまして議論を行いたいと思います。

 進め方としましては、まず事務局から全体を説明した後、「Ⅰ.自主主行動基準の考え方」、「Ⅱ.消費者に向けた自主行動基準」、「Ⅲ.自主行動基準策定・運用のための留意点」、「Ⅳ.実効性確保・策定促進の方策」のそれぞれについて順次議論をお願いしたいと思います。

 それでは早速ですが事務局よりご説明をお願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 お手許に中間報告素案と、今日はご参考までに全体の構成がわかるようにしてある1枚紙をお配りしております。中間報告素案の方からご説明させていただきたいと思います。

 目次をご覧いただきたいと思います。構成でございますが、「はじめに」の後にⅠ.自主行動基準の考え方ということを書いております。これはこれまでのスケルトンにほぼ沿った形でまとめてあります。

 Ⅱ.消費者に向けた自主行動基準ということでまとめてありまして、(1) が「消費者との関係」、(2)が「自主行動基準策定・運用の体制・手続き」、(3)が「消費者対応」ということになっております。

 以前ありました自主行動基準策定・運用のための留意点というのは「留意点」ということで順番を逆にしまして、Ⅲ.に持ってきているということでございます。

 Ⅳ.は、従来どおり実効性確保・策定促進の方策ということでまとめてあります。

 方策のところで、「(1)当面の取組み」と「(2)今後、一層の検討が必要な課題」ということで、スケルトンでは7つ並んでいたものを2つのカテゴリーに分けてあるということでございます。

 1ページの「はじめに」でございますが、スケルトンから少し構成が変わっておりますので、やや詳しくご説明させていただきたいと思います。

 冒頭に2つのパラグラフ、序文でございます。現在、経済社会のあらゆる分野におきまして制度の見直しが進んでおりまして、消費者行政の分野も決して例外ではないということでございます。技術革新が加速化しているとか、あるいは規制改革が重要な課題になってきているということを書いております。

 1番目のパラグラフの中ほどですが、こうした中で、消費者行政の新しいアプローチとして、これまで以上に企業の自主的な対応を促し、積極的に情報を消費者に開示し、それによって消費者が事業者を評価・選択しやすくなり、信頼を高めていくことができないだろうかというのが、この指針を検討することになりました主な理由でございます。

 次のパラグラフは、最近起こっております食品表示の偽装事件について、こういう異常な事態の中で特に法令の違反とか、単に法律だけの違反ではなくて、社会的なモラルについても信頼を損なうようなことが起きているということで、早急に信頼の構築をしていく必要があるということを述べております。

 (1)で、まず「消費者と事業者の関係」ということを述べております。過去、高度成長時代は消費者対事業者といった、やや対立関係でとらえるということもあったのかもしれませんが、最近では「大量生産時代」から「選択の時代」というように経済構造が変わっていく中で、両者の信頼がやはりキーワードになってきているのではないかということが書いてあります。

 次のパラグラフで、信頼を確保するための方策の1つとしまして、事業者が「真摯な約束」を消費者に表明して、それを守ることが必要ではないかということを書いております。

 消費者問題というのは、基本的、一般的に、「情報の非対称性」と言われますが、事業者が持っている情報と消費者が持っている情報にはギャップがあるということで、そういう非対称性を埋める必要があるのではないかということを書いております。

 2ページにまいりまして、「近年」という言葉で始まっている段落ですが、最近は自主行動基準の策定、あるいは法令等の遵守といった広い意味でコンプライアンスが盛んに使われるようになってきているということ、そのようにコンプライアンスを遵守する経営が「コンプライアンス経営」と呼ばれることもあるということを書いておりまして、こういうコンプライアンスというものを消費者行政の中でも重視する必要があるのではないかといったことを書いております。

 (2)は、「消費者政策と自主行動基準の関係」ということでまとめてありまして、従来、消費者政策というものは「事前規制によります消費者の保護」といったことが中心だったわけですが、従来の「消費者の保護」という側面だけではなくて、「市場のルールを明確化していく」ということが必要になってきているのではないか。それによって消費者の利益を確保していく政策へと重点を移す必要が出てきているということでございます。

 特に、技術の革新が非常に速いものですから、法律のようなルールですと、どうしても迅速性に欠けるといった問題もございます。ITなどがその1つの例だと思いますが、そういうことでルールづくりの1つの方法として「法律」というルールだけではなくて、こういう自主基準等によるルールづくりも必要ではないかということです。

 次のパラグラフでは、そういうルールを作る場合に、事業者が自ら自主的に作るということに加えまして、消費者とか、あるいは行政も加わった形でそういうルールづくりを行っていく方がより信頼性を高めることになるのではないかということを述べております。

 3ページにまいりまして、「なお……」書きのところのパラグラフですけれども、近年、消費者契約法とか、あるいは製造物責任法といった民事ルールが作られておりますが、多くの場合、包括的であるということもありましてミニマムなルールであるということで、実効性を高めるためにもそういった法を補完するような、あるいは具体化するようなルールの策定といったものが必要ではないかということを述べております。

 (3)では「検討経緯と本指針の構成」をまとめております。

 5ページから、「Ⅰ.自主行動基準の考え方」を書いておりますけれども、主な内容は四角で囲んである部分に書いてございます。これは、これまでスケルトンで述べておりますこととほぼ重複しておりますので、詳しい説明は省略させていただきます。

 10ページにまいりまして、消費者との関係におきますルールを書いております。「Ⅱ.消費者に向けた自主行動基準」でございます。先ほど述べましたように(1)は「消費者との関係」ということでまとめてありまして、「①企業が自主行動基準を策定する目的」、「②緊急事態時における対応」、「③取引事業者の考慮」といったようなところを(1)で書いております。

 (2)では「①自主行動基準策定・運用の体制・手続き」ということで、担当部署の問題でありますとか、対象者の範囲、策定の手順といったような事柄を書いておりまして、12ページ目からは「②教育・研修」でありますとか、「③モニタリングの方法」といったような、これまでのスケルトンに沿った形で書いております。

 13ページにまいりまして、「(3)消費者対応の問題」でございます。ここは若干の変更がございます。スケルトンでは広告につきまして2つの項目に分かれておりましたが、広告はここに1本にまとめてあるということで、他方で、表示につきまして独立してb)に「表示の方法及びその真実性確保」ということで、最近の虚偽表示に対応いたしまして「真実性の確保」といった名称のタイトルを付けてあります。

 14ページ以降はほぼスケルトンに沿った形でまとめてございます。

 17ページにまいりまして、⑥のところですが、スケルトンでは「その他業界・取引類型の特性に応じた情報」ということで「その他」という言葉が入っていましたが、「その他」を取りまして「⑥業界・取引類型の特性に応じた情報」と書いております。

 19ページにまいりまして、Ⅲ.自主行動基準策定・運用のための留意点ということをまとめてあります。ここも順番につきまして、スケルトンではまず手順を書いてその後に体制の話が書いてありましたが、それを入れ換えまして、「①効果的な自主行動基準遵守のための社内体制」を先に持ってきております。その上で、21ページからが「②効果的な自主行動基準策定の手順」ということで、<ステップ1>から<ステップ6>、各段階を経て自主行動基準を作っているということを述べております。

 23ページにまいりまして、「③主な利害関係者の役割」ですが、消費者の役割と行政が出てまいりますが、「事業者団体の役割」というのがありましたが、それにつきましては24ページの(2)に「事業者団体が自主行動基準を策定する場合の留意点」というところと併せて書いてあります。

 25ページにまいりまして、「Ⅳ.実効性確保・策定促進の方策」ということで書いてありまして、先ほど述べましたように7つの項目を「(1)当面の取組み」と、27ページの「(2)今後、一層の検討が必要な課題」ということで分けて書いてございます。

 「当面の取組み」のところでは、まず「①人材の組織化」ということで、各企業の中でそういうコンプライアンスを担当する責任者、あるいは担当者といったものが横断的に連携が図れるような組織化を行うべきではないか。アメリカとかオーストラリアでもそういった動きがあるということをまとめてあります。②が「評価組織の育成」ということで、企業がそうした努力をしていることについて評価するということで、消費者団体とともに横断的な基準に基づく事業者の評価・格付を行うという、第三者の立場から行うようなNPOといったものが今後発展することが重要であるということを述べております。

 26ページにまいりまして、上から3行目ですが、表彰制度につきましても、そういった表彰制度の取組みを推奨していく必要があるという点について述べております。

 ③は、「自主行動基準の実効性を担保する枠組み」ということで、ここは3つに分けて整理させていただいております。a)としまして、裁判外の紛争解決手段(ADR)といったものにこういう自主行動基準が活用できないかどうか、活用すべきではないかといった事柄を書いてあります。b)では、法令とのリンクということで、今後、独禁法等におきます「不公正な取引方法」の一類型といったような形で、何かリンクが考えられないかということを書いております。c)は公正競争規約といったものを、現在は「表示」というところに限られておりますが、それをもう少し広げることはできないかといったことなどを書いております。

 ④は、消費者もこういう企業の取組みに対して適切に評価できるように「消費者教育、あるいは啓発の推進といったものを進めていく必要がある」ということを述べております。

 (2)は、今後、一層の検討が必要な課題でございますけれども、①のところでは、以前は「内部通報者」という言葉を使っていたのですけれども、言葉としてあまり適当ではないのではないかということで、イギリスなどの新しい法律では「公益情報」といった名称が使われておりますので、それも参考にいたしましてタイトルを「公益通報者保護制度」というふうに改めさせていただいております。

 それは、当然、企業の中で「ヘルプライン」あるいは「ホットライン」といったような形で、まず企業の中の風通しをよくするということは当然のことですので、最初はそういうことを書いてありまして、28ページの2つ目のパラグラフのところで、「公益通報者保護制度は、単に法令違反だけに限定されるわけではなく、幅広く公の利益との関係をもう少し検討した上で、公的な面での措置が必要かどうか検討していく必要がある」ということでございます。

 ②では、アメリカの「「連邦量刑ガイドライン」的な考え方の導入」といったものが、日本でも今後さらに検討する必要があるのではないかということが書いてございます。

 29ページにまいりまして、③につきましてはスケルトンと同じように、SRI投資を企業に対して1つのインセンティブとなるような投資の基準について開示を促進していくといったようなスキームについて触れております。

 促進策のところにつきましては、今後、今日のご議論もいただきまして、さらに委員の方からいろいろアイディアを出していただければ非常にありがたいと思っております。

〔 松本委員長 〕 ありがとうございました。

 それでは、ただいま全体についてご説明いただきましたが、まず、「はじめに」の部分につきましてご意見、ご質問を伺いたいと思います。

〔 宮部委員 〕 毎回申し上げているのですが、この委員会のレポートは、「官庁の文章も非常にわかりやすくなったね」と言われるような画期的なものにしていただきたいと思います。私は以前から、「この報告書の文章には主語がない」と申し上げてきたわけですが、相変わらずわかりにくい文章になっております。そういう点は少し直していただけないかと思います。

 もう一つは、「はじめに」の書きぶりについてなのですが、この規制緩和なり、規制撤廃の時期に、国が企業に対して行動基準の指針を示すというのは、やはり奇異に感ずる面があります。そこで、なぜこのような報告書を策定するのかの理由を冒頭に持ってきて頂きたいと思います。後ろの方で「食品表示の偽装事件などもあって……」ということを述べていますが、偽装表示の問題は、確かに消費者の信頼に関する話ではありますが、企業の自主的な取組みとは別次元の法令違反の話です。「国としてこの際、どうしても事業者の自主行動基準の指針を示す必要があるのだ」という理由をはっきり示していただきたいと思います。

〔 山本(豊)委員 〕 「はじめに」というのは、(1)、(2)も含んでということですね。(1)のところで、「消費者と事業者が相互依存の関係にあり、これまでは消費者対事業者という関係でとらえられることが多かった」という記述があるのですが、消費者対事業者という関係は今後も多分そうだろうと思うのです。おっしゃる趣旨は、「これまでは、どちらかというと対立関係でとらえられることが多かったが、これからは消費者対事業者という関係はあるのだけれども、対話を促進していく必要がある。」という趣旨ではないかと思いますので、そういうふうな形で記述された方が明確ではないかと思いました。

 消費者と事業者が相互依存で渾然一体としてしまうということはないと思いますので、そういう誤解の可能性を排除するという意味でも、そういうことを提案したいと思います。

 (2)のところで、「消費者保護の政策だけではなく、消費者の利益を真に擁護・増進し得る政策へと重点を移すことが課題となっている」という記述がありまして、趣旨もこれもわかるのですが、日本語として、「……だけでなく」とあったら「これも……」という形で来るのが自然のように思いますので、この辺にちょっと悩ましさが出ていると思うのです。

 つまり、法令による公的な介入というものと、今回、私たちが扱っている自主行動基準というものとの関係ですが、それの整理がやはり必要なのではないか。私は、いくつかあるオプションの1つである、しかし、有力なオプションで、今後、有望だとは思いますが、やはり「……だけでなく、これも……」というあたりを中心に記述をした方がいいのかなと思います。全体のトーンもそうなっていると思いますけれども、これが、いわば公的な介入はもう不要であって、こういった自主行動基準が全面化していくとは考えられないと思っているわけです。

 ITなど、非常に動きの激しい分野においても、やはり電子契約法でありますとか、特商法の対応でありますとか、あるいは迷惑メールに対するいろいろな対応、法令による対応というものも1つの有力なオプションでありまして、それと従来型の全くの自主ルール、それから第3のオプションとしての自主行動基準、こういったものを適切なミックスをして対応していくということになるのではないかと考えておりますので、重点を移すということがあまり強調されますと、その辺の整理があいまいになるのではないかと思いますので、そのあたりに配慮した記述にしていただければと思います。

〔 池田委員 〕 「はじめに」のところで1点気になることがあります。それは、1ページの(1)の2、3行上なのですが、「いずれにしても、事業者は法令の遵守のみならず自主的な行動基準を策定・公表し……」ということなのです。言葉尻をとらえるわけではないのですが、法令の遵守は極めて大事ですがさらに大事なのは即「自主的な行動基準の策定・公表」と飛ぶのではなくて、「企業としての経営の意志、目指す方向・方針」ということがまず大事なのであって、それに基づいた1つの現象形態が行動基準であるというふうに企業行動を理解するべきではないかと思っております。

 これに関して気になる表現があと2、3あるのですが、この1ページの下から7、8行目だと思うのですが「消費者の信頼を獲得し、確実にする有力な方策のひとつは、事業者が真摯な『約束』を表明し……」で、これも極めて狭いのではないでしょうか。「約束」という形ではなくて、自らの行動をどう持っていくかという意志と、主に方針、これはまさに企業の活力だと思いますから、そういう点が気になります。

 また、2ページの上から2、3行目に、コンプライアンスという言葉の中身が、法令等の遵守に加えて「自主行動基準の策定・遵守も含めた」となっておりますが、これは少し私の理解とは違います。法令の遵守に加えて「企業としての方針・意志の遵守・徹底。それが現象形態として行動基準の策定・遵守という形をとるときもある。」、こういうことがコンプライアンスということの本質ではないかと思っております。もう少し広いとらまえの中で、自主行動基準というのを検討いただければありがたいと思います。

〔 稲岡委員 〕 1ページの(1)消費者と事業者の関係のところに、キーワードとして「信頼」と書いてありますが、「誠実さ」というものを加えていただいたらどうかと思います。今、池田委員がおっしゃいました「事業者が真摯な『約束』を表明し」というところの前にも「誠実に行動し」とでもいったようなものを入れていただいたらいかがと思っております。

〔 澤藤委員 〕 全体としては大変よくできている文章だと思います。敬意を表しますが、細かいことをいくつか申し上げますと、この指針を作る最終目的が「事業者への信頼を高める」ということに置かれているようです。その後の文章も何となくそうなっています。読み方によっては「企業の立場から企業への消費者の信頼を高める方策をどうするのか」という議論をしているように思われるのですが、やはり、本来は、消費者の利益を擁護することが最終的な目的でなければならないのではないか。結果的に、企業への信頼が増すということになればそれに越したことはないわけですが、消費者の事業者への信頼を最終目的として明記するということにはいささかの抵抗があります。やはり、消費者の立場から、企業の適切な選択ができるようにするということ、つまりは消費者の立場からの消費者の利益という目標になるのではないかと思いますので、ご再考いただければありがたいと思います。

 先ほど、山本委員からお話がありましたことについては、誠にそのとおりだと思います。法令との関係は後でも出てまいりますが、やはり、こういう指針を出すことがいささかでも弱者保護、あるいはアウトサイダー規制という別の消費者行政を緩めるようなことがあってはいけないと思いますので、その点も表現にご配慮いただければと思います。

〔 原 委員 〕 3点なのですが、1つは、「はじめに」の書き方なのですが、宮部委員からご発言があったように、「はじめに」には2つの意味があって、1つは「規制改革の中での消費者行政とか、消費者政策のあり方としてのコンプライアンスの議論」と、2つ目のパラグラフにあります「自主的な行動基準を策定・公表して、自ら行動していくのだ」というところ、この2つが大きな狙いだと思うのですが、最初の規制改革の話も、4行目のところに「規制改革も重要な政策課題となっている」という書き方になっていて、その前に「技術革新が加速化し……」などという言葉が入っていて、べつに「技術革新が加速化して、規制改革も……」ではなくて、技術革新の加速は特にここにはいらなくて、「規制改革の中で消費者行政の新しいアプローチが大事なのだ」ということがもっとはっきりわかるような、紛れ込むような形ではなくて、はっきりわかるような形の文章が必要なのではないかと思います。

 2つ目は、「本委員会の検討過程において……」とあって、こういう事件があったのは確かですけれども、それを受ける言葉が「いずれにしても……、自主的な行動基準を策定・公表……」では私としては弱いと思っております。「いずれにしても」などという言葉ではなくて、やはり事業者は、先ほどもどなたからか「『まず自らの行動をどういうふうにするのか』を立てて、それから『自主的な行動基準を策定・公表するのだ』」というお話があったのですが、そのとおりだと思うのです。

 ですから、「今、信頼が失墜しているから、ともかく急いでこういうことをやらなければいけませんよ」という話ではなくて、「根本的にこういうことをやる時代なのだ」ということがわかるようになっていた方がいいというか、2つの狙いがあるということははっきりしているのだけれども、何か文章の中に紛れているというのが第1点です。

 第2点は、(1)の消費者と事業者の関係の1行目が相互依存の関係ということで、この「相互依存」という言葉は適切ではないと思います。先ほど山本(豊)委員がおっしゃったとおりで、もう少し適切な言葉があると思います。

 第3点は、(3)の検討経緯と本指針の構成の部分なのですが、3ページから4ページにかけて「遵守体制を含めた自主行動基準の良し悪しを決めるには……」という表現になっているのですが、私は、良し悪しを決めることではないと思います。この自主行動基準は良くてこの自主行動基準は悪いということではなくて、表現としては、これは「自主行動基準を含めた、より良い自主行動基準というのは基本的に消費者の選択という市場原理を重視する」ということで、「より良い自主行動基準は基本的には消費者の選択だ」ということだけで、「良し悪しを決める」という言葉は不要なのではないかと感じております。以上の3点です。

〔 タン委員 〕 「はじめに」のところに「積極的に情報を消費者に開示することによって」という文章があるのですが、よく日本の教科書などの中にこの文章が出てきますよね。どうしてもちょっと抵抗がありますね。つまり、この文章を読んでみると、どうも「消費者に積極的に情報を提供することで消費者が必ず適切な選択ができる」というような感じがします。だけど、本当は消費者にいくら情報を提供しても、その情報を十分理解できない消費者がいるし、判断能力があるにもかかわらず、自らの利益を守ろうとしないcarelessな消費者がたくさんいますから、欧米諸国では、こういうcarelessな消費者の利益までも保護する必要があるという考え方が普通なのです。

 何が言いたいかといいますと、もちろん積極的に情報を消費者に開示することは大事ですが、先ほどどなたかが言われたように、もっと広く消費者の利益保護を表す言葉を入れた方がいいと思います。

 もう一つは、自主行動基準の目的の1つは公正な取引の確保だと思いますが、そういうことをもっと明記した方がいいのではないかと思います。

〔 鍋嶋委員 〕 大体皆さんがおっしゃったとおりなのですが、やはり「はじめに」のところの文章の一番トップの方に掲げるべきだと思うのですが、例えば規制緩和、「規制改革」という言葉を使っていますが、規制改革、あるいは規制緩和の中で、こういうものをわざわざ作るのだということを一番最初に言っていた方がわかりやすい。それをストレートに出した方がいいような気がします。そうでないと、先ほど宮部委員がおっしゃったように「またやんのかい?」という感じが出てくるような気がします。

〔 高 委員 〕 「はじめに」の出だしは、もし、規制改革との議論も最初に整理したいというのであるならば、規制緩和をするということは企業に自由を与えるということなのです。自由を与えるということは自分で自分をコントロールしなければいけなくなるという、この論理があって、コンプライアンスの体制を作って、セルフコントロールの体制を、だから作らざるを得ない。私は、この論理は常にあると思うのです。

 ですから、規制改革とコンプライアンスの体制を作っていくということは全く矛盾することではなくて並行する、相互にといいますか認め合う考え方だと思います。ですから、規制改革との観点で整理しろということであるならば、「フリー」、「フェア」、「グローバル」といいますけれども、フリーが進むときにはフェアを担保する仕組みを自分で作らなければいけないということを明記してはどうでしょうか。

〔 稲岡委員 〕 先ほどの原 委員のお話を聞いておりまして「なるほど、もっともだな」と思いましたので、「はじめに」の10行目から16行目までをいっそのことすっぱり削除してしまったらいかがでしょうか。つまり、「今の状況とは関係なく、大きな歴史の流れの中で、やはりこういうものがあるのだ」という位置づけにした方が、「こういうものがあったから、こういうことをやった」ということではないと思うのですが、いかがでしょうか。

〔 吉岡委員 〕 私もその意見に賛成なのですけれども、確かに今の時点で見ますと、食肉の偽装事件が中心となった偽装の問題が非常に取り上げられておりますし、関心の中心になっているような気がしますが、ここで私たちが検討している自主行動基準はもう少し幅のある根本的な問題だと思っております。この事件を書かなくてもいいということではないのですが、ウエイトの置き方として、たまたまこういう事件があったから余計、なおさら、ということであって、ただ、国民生活審議会の委員長の談話が公表されておりますので、やはりその辺のところも視野に入れておく必要があるので、全部カットしてしまうということよりは、こういう問題が起きてしまっているその背景には規制緩和に伴う事業者の自己責任、自己コントロールが、実はこういう事件で代表されるようにうまくいっていない、だから必要なのだという、ちょっとウエイトづけを変えた方がいいのではないかと思います。

 法令遵守、あるいは自主的に信頼を回復していくということは、当然、重要なことではあるのですが、先ほど山本委員がおっしゃったでしょうか、信頼の構築が急務だという、それよりももう少し突っ込んだ考え方があってもいいと思いますし、(1)の最初のパラグラフの終わりのところで「消費者信頼の獲得は事業者にとって利益の源泉であり……」とあって、確かにそうではあるのでしょうが、むしろ、その「責任」のウエイトを強めた方がいいのではないかと考えます。そういう意味で、「約束」という言葉も少し軽いというか、そういう感じがいたします。

 基本的には規制緩和の中で包括法がそれをカバーするということで、例えば、契約であれば消費者契約法ができているわけですが、それだけではカバーし切れていない問題がある、それを自主的に穴埋めしていくという、検討委員会が始まったときの基本的な考え方をもう少し鮮明にした方がいいのかと思います。

〔 池田委員 〕 1ページ目の下から7、8行目ですが「消費者は通常、どの事業が誠実な顧客対応を行い、……十分な情報を持てない状況にある」、これはまさにこういうことが必要だということの背景の説明だと思うのですが、併せて思うのですが、やはり商品そのものがより複雑性を高めて、あるいは極めて象徴的に言えばハードよりもソフトのウエイトが高くなって、商品を見ただけではそのものの信頼性、あるいはその品質水準がわかりにくくなってきているということも、企業が事業を誠実にやっているかということを、より消費者がつかむ必要性の背景の一つのようにも思いますので、そのあたりにも少し触れていただければ、より時代性を表現できるのではないかと思っております。

〔 松本委員長 〕 本日は、ご覧のように最新のハイテク機器を駆使して、具体的に修正提案があれば、即反映してご議論できるようにと考えたわけですけれども、あまりにもいろいろな箇所についてのご提言がありましたので、そういう作業は不可能のようです。そこで、一応、「はじめに」の部分の議論はこのぐらいにしまして、次の4月4日に向けて、再び起草者グループを中心にしまして文章を練り直して、もう一度ご提示をしたいと思います。

 それでは次に、Ⅰ.の「自主行動基準の考え方」につきましてご意見を承りたいと思います。

 なお、本日欠席されております南条委員からあらかじめメモをいただいております。6ページ目の③事業者にとってのメリットのところの1行目から2行目にかけてですが、「『以下のようなメリットがある』という断定的表現はやめて、『……メリットが考えられる』というふうにしてはどうか」というご意見。

 同じページの下から2行目の④中小事業者等における自主行動基準のところの「自主行動基準を策定すべきである」というところも言い切りですが、「『……策定することが求められる』という、やや柔らかな表現にしてはどうか」というご意見が出されておりますので、こういった点も踏まえまして、ご意見、ご質問を承りたいと思います。

〔 原 委員 〕 ここは、かなりたくさん意見があって大変申し訳ないのですが、6ページの②で自主行動基準の対象範囲で、これは私は前回も発言をして、私の発言の趣旨がちょっとうまく伝わらなかったのだと思うのですが、私があのときすごく言いたかったのは、ある程度対象範囲を限定しないといけないということで、消費者取引と安全に関する事項ということで今回は範囲を決めましょうというお話だったのですが、それぞれのいろいろな事業体によっては、これ以上にやはり消費者と関わりのある場面があると考えていて、この対象範囲というのはもう少し柔軟性を持たせるということが考えられないかと思っていて、適宜、業態に応じては消費者との関わりから見て、関連する事項を補っていただきたいといいますか、自分たちで考えて、やはりこれ以上に何かあると思われる場合は、当然、補っていただきたいというような趣旨を入れていただきたいと思います。

 ③の事業者にとってのメリットですが、2)の2行目で「また、その結果、企業経営の透明性が高まる」となっているのですが、直接、具体化され明確化できたことが、その結果、透明性が高まるということではないと思っているのですが、言葉の使い方がちょっと適当ではないのではないかなと思います。「また」ではなくて、「その結果、……企業の透明性を、明確化すれば高めることに寄与する」、そういうニュアンスではないかと思いますので、表現を考えていただけたらと思います。

 6ページから7ページにかけて、「業界団体による自主行動基準に準拠したり……」という表現があって、中小事業者に限らないのですが、新たに自分のところで作るのが大変な場合は、業界団体が作っている雛型を準拠したらいいのではないかということが書かれているのですが、私は基本的には準拠はよくないと思っております。

 今日も証券会社の勧誘方針について調査したものを、何人かの方には買っていただいたりして、皆さんにお配りしたのですけれども、証券業も大手もあれば中小もあります。中小のために証券業協会が雛型を作ったわけです。それを基本的に引用して作られているところがあるのですが、しかし、それは自分のところの業務の実態から積み重ねたものではないので、ただ持ってきているに過ぎないということですよね。それは、ここでいう自主行動基準の本来の定められ方ではないので、少なくともここの表現は「業界団体による自主行動基準の雛型を参考にしたり……」という程度の表現に留められるべきであって、そのままそっくり準拠するということは、本来の自主行動基準の策定の意味からも違うのではないかと思います。

 7ページにまいりまして、⑤のc)の透明性ですが、今回の自主行動基準の議論の中で、私がとても大事だと思っているのはここにすべて書かれているわけですが、明確性があって透明性があって信頼性を確保できるということなのですが、この透明性の書き方が大変弱いと思っております。

 ここで書かれているのは、策定と改訂と運用の全てのプロセスの情報開示ということで、その大事さが後半の文章にも書かれているのですが、私は、いままで各企業の中で社是、社訓みたいなものを含めていろいろ作っていらっしゃるのは知っていますが、どんなにいいものを作っても外から見えないことがまず問題だったわけです。外から見えないから評価のしようもないし、チェックのしようもない。そういうところが、今回、明確化されて透明性が図られれば、本当に信頼性確保のための第一歩になるであろうという位置づけでこの透明性をとらえているわけなので、やはりそういう趣旨がもう1つか2つ文章で入っていないと、本来の透明性の果たす意味とが十分に伝わらないのではないかと思いますので、是非、もう少し考え方を補っていただきたいと思います。

 8ページにまいりまして、⑥に「法令との関係」が出ているのですが、ここで最後の段落で「なお……」書きがあるのですが、「なお、役職員にとっても、また消費者にとっても自らに関係している法令を全て理解し……」ということで、役職員と消費者が並列になって法令をすべて理解することは難しいと書いてあるのですが、これはいくら考えても並列ではないですね。やはり消費者には難しいけれども、役職員は基本的には理解すべきであって、並列で書かれるのはちょっと……。状況としては役職員であってもすべてを理解するのは大変だろうとは思いますが、少なくとも並列で書かれるべきではないと思っております。

 9ページにまいりまして、⑦のa)の一番最後の行なのですが、「その基準は、まさに消費者に分かりやすい情報となっているかどうかにある」と書いてあって、これは、「わかりやすさ」だけが情報に掛かっている言葉なのですが、ここはわかりやすさだけではなくて、消費者に関わることが網羅されているかどうかという、情報の分量といいますか、それも書かれていないといけないと思っておりまして、まさに消費者に係ることがすべて網羅されて、そして「わかりやすい情報」になっているかどうかにあるという表現になるのではないかと思っております。たくさん申し上げましたが以上です。

〔 池田委員 〕 まず5ページですが、囲みの中の一番下のところ「自主行動基準は法令等の遵守を基本とし、その法令の具体化・明確化、法令適用の自主的拡大、法令の上乗せを含んでいる」となっておりますが、ここは非常に誤解のある表現、あるいは誤解を招く表現ではないかと思うのは、「法令適用の自主的拡大」、「法令の上乗せ」というのが果たして今回の目的だろうかということです。誤解といいますのは、衣の下から鎧がちらっとのぞいたという印象を与えるのではないか(笑)。行政指導の拡大ではないか、それが今回の趣旨なのか、違うのではないかと思うわけであります。

 したがって、あえて言うならば、「法令の具体化・明確化」の次の項目に代えて、「法の趣旨に沿って行動する」とか、そういう表現の方がおそらく意図が素直に伝わるのではないか。

 6ページにまいりまして、これは些細なことなのですが、4)の「役職員全て(非正規社員を含めて)……」とありますが、この「非正規社員」というのは、おそらく労働法の中でもこういう表現は使っていないのではないかと思います。後の部分を拝見しますと、パートタイマーの方も含めて指しておられるようでありますが、パートタイマーの方も正規の企業員でありますから、もう少し実態を踏まえた表現に変えていただいた方がいいのではないかと思います。これは言葉尻であります。

 7ページにまいりまして、「c)透明性」のところですが、まさに「自主行動基準の策定・改訂、運用の全てのプロセスに関し、消費者に情報が開示されることが求められる」ですが、私はこれに反対をします。運用について情報開示する、あるいは自主行動基準そのものの情報を公開する、これはやるべきだと考えておりますが、策定・改訂について、経過あるいはそれに対する意見を求める、そのプロセスを公表するということについては反対します。

 その理由は、事業者にもさまざまな事業者がいるということも事実ですが、消費者にも私も含めてさまざまな方がいらっしゃるというのも事実であります、先ほど意見がありましたけれども。そういう中で、まさに自主的な経営の意思である行動基準の企画、立案、方針策定に消費者が関与するというところは、今、申し上げた背景の状況も考えますと、まだまだそういう社会に到達していないのではないか、やがてはこういうことができ得る、またそれによって適切な社会運営ができる時代が来ると期待はしておりますけれども、現時点としては少し早いのではないかと思っております。

〔 宮部委員 〕 6ページの「④中小企業者等における自主行動基準」ですが、今、この国で求められているのは新しいベンチャービジネスによる、全く新しいシステムによる業界への参入だと思うのです。書きぶりはお任せしますが、「日本経済を活性化していくベンチャーを排除するのではない、しかしベンチャーも最低限皆が守っている法令や自主行動基準というものがあるということをよく考えてください」というようなことを入れた上で、「ベンチャービジネスによる日本の活性化」ということを、やはり盛り込んでいただきたいと思います。

〔 鍋嶋委員 〕 7ページの「④中小事業者等における自主行動基準」のところですが、「第三者機関等がそれを認証して」というのが、ここのところに突如として出てくるのですが、これはどういう意味か。それから、あまりここをきつくすると、それこそ中小企業の方では現実的ではないのかと思うのです。この第三者機関というのがそれを認証してということになると、何やら認証機関の話なのかよくわからない。NPOのことを言っているのか、ここは何を指しているのかちょっとお聞きしたいと思います。

〔 松本委員長 〕 ここは、先ほど原 委員がご指摘された業界団体等が作ったもの、業界としての規約とか、あるいは雛型を単純に引用するというだけだと、少しまだ信頼性が低いのではないかというところがあります。自ら積極的に作ったものであればそれなりに考えてやるだろう。しかし、単に「これに私は乗ります」というだけではまだ弱いから、当該団体等が事業者に対する面接であるとか、一定のチェックをして、それなりに「この事業者はだいじょうぶであろう」というような確認を行うというイメージで入っておりまして、ISOの9000とか14000が言っているような意味での認証というほど強いものではなくて、もう少し低い意味の確認というぐらいのものです。

〔 鍋嶋委員 〕 そうすると、やはりちょっと言葉を変えないと誤解を招くおそれが高いのではないかと思います。

〔 宮部委員 〕 今の件ですけれども、企業の自主行動基準に対する第三者のチェックをお考えだとなると、ものすごい数の中小企業に対して、どのようにチェックがなされるのか、お聞かせいただきたいのです。認証というか、チェックを、誰が、どうやって、行うのかということを教えていただきたいと思います。

〔 松本委員長 〕 私の個人の意見ことを言ってしまっていいのか、他に起草グループの方でご意見ございませんか。

〔 高 委員 〕 私の全く個人的な印象ですが、「こういうことも考えられる」ということで文章をつけただけで、「こういう方向で行きましょう」という提案ではないと思って理解したのですけれども。ただ、そういうふうに解釈されるということであるならば、少し文章を改めてもいいのではないかと思います。

 それから、余談ですが、確かにこういったコンプライアンスの取組みを認証するというのは非常にリスクが高くて、エンロンの問題もありまして、アンダーソンも大変な目にあってしまった。それでKPMGも最近はそういったところから手を引くというように、第三者認証という話を出したところで、ほとんどのところは今できないと思います、こわくて。

〔 松本委員長 〕 今の点に限定したいと思いますが、山本委員から順にいきましょう。

〔 山本(豊)委員 〕 限定しているかどうかわかりません。より非常に大きな問題で、先ほどからいろいろなご意見を伺っていて感じたのですが、やはり根本的にこの文書のステータスというものが、いままでの議論で明らかになっていない部分があるように思うのです。とりあえずここの委員会の報告書という位置付けですが、仮にこれによって義務づけのようなものが発生するのか。その義務づけはどのレベルの、例えば行政指導の根拠になるようなものなのか、あるいは法令上何らかのフレームワークを将来的に規定するようなことも何となく視野には入っているような印象も受けるのですが、すぐにではないかもしれませんが、それが不明確なために、例えば行政指導の拡大ではないかとか、衣の下から鎧というような話も出てきていると思います。私はそういうふうには受け止めておりません。これは自主基準であって、やりたい事業者はそれをやってどんどんコンプライアンス以上のこともやっていって消費者の信頼を受ける、それを開示する仕組みを作ることによって競い合うというふうに理解しておりましたので、行政指導の拡大ではないし、コンプライアンス、法令遵守にとりあえず戦線を縮小してやるという考え方もあるとは思いますが、いままでの議論の流れは「法令の上乗せを含む」、そこがまさにミソなのであって、そのために「今後の課題」の中で出てきているいろいろなガイドラインの話であるとか、投資基準の開示とか、そういうことが視野に入ってきていると理解しておりますので、そこは「含む」ということで、しかもそれは行政手続法の下では行政指導の根拠にはならないという理解でこれを入れるという方向で是非とりまとめていただきたい。

 その趣旨で、認証の話も「考えられる」ということなので、「やりたい人はそうやればいい」という、そのぐらいの感じなのではないか。すべて「非常に義務づけがかかって」という疑心暗鬼があり、これは日本における行政と企業とのいろいろな関係、これまでの関係とかいろいろ反映しているとは思うのですが、私の理解では、今、行っているのはそういう話ではないだろうと思っておりますので、ちょっと申し述べました。

〔 宮部委員 〕 中小企業は、非常に会社数も多いし、中の組織もそんなに完璧なものができるわけはないわけです。しかも、おそらく消費者トラブルの数が多いのではないかと思われます。大企業で自主的な取組みを先に進めた事業者が、中小企業に対して、「自分達はこういうふうにやっていますよ」、「こうした取組みに準じたようにやらないと市場から締め出しをくいますよ」というようなことまでは言えるのかなと思います。

 それから、新しい活力というのは、やはり中小企業から生まれることが多いので、中小企業にも自主的な取組みを進めてもらうことと、締め付けによりベンチャーの活力を削がないこととの兼ね合いを巧く書けないものかと思います。

〔 坂東委員 〕 山本(豊)委員のご議論、そのとおりだと理解しております。

 1つは、先ほど高 委員の方から話があったとおりですが、第三者機関による場合も、これもすることも考えられるわけです。つまり、むしろこの文章は、先ほどご説明があったように事業者の方々がこれに参加してくるというのは決して容易でない点が多々ある。とすると、いろいろなアイディアがありうるではないか。例えば、中小企業の方々がいくつか組んで、企業の研究所等に自らの事業体に関わる自主行動基準についてどういう考え方がありうるだろうかという形でご相談する。そういうことも含めていわゆる第三者機関というくくり方をしたわけでありまして、要するにどれだけ具体的に「こういう考え方もありますよ」という形で文章化するのか、それとも、非常に理念的なところで抽象的な文章の方がいいのか、一方でできるだけそういうことに加わっていただきたいということであれば、具体的な文章を中に入れていく方がいいのではないかという価値判断からこういう書き方になっているのだと思います。

〔 鍋嶋委員 〕 今のこの話だとすると、なぜ中小企業のところにだけに第三者機関が入ってきているのか、これがわからない。もしやるのなら、中小企業のところから外してしまって、①の本指針の意味の最後の方に「なんか、そういうこともできるよ」ということにするのか。中小企業のところにだけあると「これはかなりしんどいな」と思うだけで進展はないのではないかと思います。

〔 松本委員長 〕 わかりました。

 中小企業の場合は、単に準拠するというだけだと、消費者の信頼がまだ弱いのではないかというニュアンスで、第三者機関がチェックすればもう少し信頼が高まるだろうという感じだったのですが、大企業であっても信頼できない大企業もありうるかもしれない。そうだとすれば、やはり第三者機関が必要ではないかと、同じような話になってきますから、「第三者機関がそれを認証し……」という部分は特に必要がないということで削除して、中小企業であれ大企業であれ、自発的に取り組んでいただくのが第一ですが、それをさらに信頼を高めるという意味で自ら第三者による審査、チェック等を受けて、それを公表することによって競争力を高めるというやり方を自発的にとるかとらないかは各事業者のやり方にお任せするという感じにしたいと思います。

〔 澤藤委員 〕 先ほどの池田委員からの発言に関連して、少し話をさせていただきたいのですが、法令との関連はかなり根本的な問題だと思います。

 8ページの法令との関連を3つの役割を担うことになるというふうに整理をしていただいたことは大変有益だと思います。とりわけ、後2者「法令適用の自主的な拡大」、「法令の上乗せ」、これがいわば自主行動基準の眼目といいますか、こういうものを策定する最も実効性のある部分ではないかと思うのです。池田委員は「衣の下の鎧」というふうに言われましたが、私は外から見えるドレスそのものがこの部分になるのではないかと思います。

 ですから、これを外すとか、これが行政指導に当たるから少し筆を抑えろと言われるのは納得いたしかねます。

 もう1点は、透明性の問題で、「策定手続きについて透明性を」ということについては反対だとおっしゃいました。私は、それも1つの見識だと思います。それは堂々とそう述べる企業があってよろしいのではないかと思います。それも含めて消費者の選択に任せればよろしいのではないかと思うわけですが、全体としては、先ほどちょっと話がありましたが、消費者と一緒になってこういうものを作るということで、消費者の信頼を勝ち得ることができるという、ここのところでそういう方法があるということを強く示唆していただいて、取るか取らないかは各個別企業が自由に選択していただき、その理由も消費者に説明していただければいいのではないかと思います。

〔 原 委員 〕 「透明性」のところに関連してですが、先ほどの池田委員のご発言で、ここは、多分、読まれたときに、「すべてのプロセスに関し……」と書かれていて、先ほど「衣の下の鎧」というようなお話がありましたが、どうしても義務づけ的に見てしまうと「すべてのプロセス」みたいなことがある。これは非常にしんどいことが書かれているという印象になるのだと思うのですが、実際には2行目から3行目に書かれているように「何を公表するか」というと、「自主行動基準の公表」がまず一つ、これは当然ですよね。

それから「設計・作成のプロセス」となっていて、これは他の項目で「そういったところに、是非、消費者を参画させろ」と述べているわけですので、消費者の参画ということを述べている限りには、公表される、公開されるということになると思います。

 それから、「さらに……」の後に「運用の実態の公表」ということが出ているのですが、これはやはり苦情相談とか、そういうものの処理の仕方とかを公表しろというのも他の項目のところできちんと入っているので、「行動基準の公表」、「設計・作成のプロセス」も「運用実態の公表」もすべて他のところで入っている話で、特にここだけが厳しく言っているわけではないという感じがいたします。

 ただ、言葉として「すべて」というのが厳しければ、そこは何か違う表現にして、私が一番最初に発言した「透明性で何を果たそうとしているのか」ということの意味を最初につけていただければ、今回のコンプライアンスの議論の中で、ここは大変大きな位置づけと思っておりますので、是非、その趣旨を生かしていただきたいと思っております。

〔 吉岡委員 〕 「透明性」のところでなくてもよろしいですか。

〔 松本委員長 〕 それでは、先に宮部委員からお願いします。

〔 宮部委員 〕 今、原 委員の方からお話があった「消費者を交えて」という点ですが、例えば、私どもの会社が「消費者代表としてどなたか入ってください」と言ったときに誰に入っていただけるのかという不安があります。入って頂いても、消費者の中で「あの人ではダメだ」と言うことがあるかもしれない。従って、「あの人が消費者代表として入っていますから、問題ありません」と企業の側が言い切れるのかどうか。また、外部の批判や、万が一何か問題が発生した場合に「自分が責任を負うのだったら絶対参加したくない」とおっしゃることがあるのか、この辺を、消費者団体出身の委員にお聞きしたいと思います。

〔 吉岡委員 〕 条件によると思うのです。もちろん、消費者が理解できないような内容で判断しろと言われたら、それは責任が持ち切れないということになるかもしれませんが、自主行動基準という考え方で言えば、消費者が理解できないような内容であってはいけないということになりますから、それは責任を持って出られると思います。

〔 坂東委員 〕 これも経験の話ですので、消費者自身に参加させるのももちろん参加の方法ですが、それだけが方法ではないのです。例えば一定のドラフトができたときに消費者団体にそれを持って行って「悪いけれども、意見をくれないか」というのも参加の方法でございまして、参加の方法を何か非常に固定的にお考えになっていて、誰か呼んで来なければいけないとか、あるいはずいぶん長い時間をそれにかけなければいけないとか考えるのですが、そういうイメージでは必ずしもないだろうと思います。そこで「アイディアを出しましょう」というのがこれ全体の考え方のトーンではないかと私は思います。

〔 吉岡委員 〕 今の件ですが、「はじめに」のところのごく冒頭のところで「対立関係から対話に」ということを言っているのですが、基本的な考え方として「対立しているだけではなくて協調してやれるところは」という考え方がベースにありますので、そういうことから言えば、宮部委員のようにあまり神経質に考えなくてもいいと思いますし、逆に言うと、今は行政がやっているパブリックコメントに近いような形で一般の意見を聞いてみるという手法も、今の高度情報化の中では可能ですので、そういう両方からの参画はあるのではないかと思います。

〔 宮部委員 〕 わかりました。

〔 田中委員 〕 自主行動基準に求められる要件4つというのは極めて重要な内容に今度は書かれていると思います。なぜかというと、従来、こういう基準というのは、事業者の視点から事業者が思うことをいろいろと行動基準に書くというのが、どちらかと言うと大きな流れだったのです。この素案は、そこに消費者の視点を入れて、事業者と消費者の両方の目線、両方の考え方から各々明確性も、具体性も、透明性も、信頼性もあるようにという要件は、実はこれに通して書かれているわけです。

 いままで、各委員がお話しの部分、全部そうだと思うのですが、そういう大きな流れに沿ってご意見を組み入れて修正すれば、より良いものになるのではないかと思っております。

〔 タン委員 〕 「透明性」のところに戻りますが、「すべてのプロセス」という言葉はもしかしてオーストラリアのガイドラインがちょっと参考になったかなと、今、ふと思ったのですが、というのは、オーストラリアのガイドラインの中に確かにこの言葉があります。なぜあるかというと、ご存じのとおりオーストラリアの場合は業界団体が中心になって自主行動基準を運用しているのですが、国の政府の方針としては、その場合は「策定、改定,運用のすべてのプロセスに関し……」、「消費者」という言葉ではなくて「外部の参加が必要だ」という文章になっています。ですから、「外部の参加」というのは消費者であったり、あるいは場合によっては元裁判官だったり、行政の方だったり、専門的な消費者団体の顧問弁護士だったり、いろいろな可能性があります。

 ですから、業界団体が作った行動基準に関して言えば特に消費者に限定する必要はないと思います。ただ、何らかの外部の参加が必要だということには私は賛成です。

〔 松本委員長 〕 重要なところですが、文章の趣旨としては「消費者代表が委員として入って、起草の過程に従事、関与して……」というところまでの強い意味は入っていなくて、むしろ「パブリックコメントのようなものでもかまわないから、それぞれの節目節目で外部に情報を出して利害関係者から意見を聴取してやってください」というニュアンスです。「すべてのプロセスに関し……」という言葉が、「ずうっと常時誰か、外部の人が中に入って一緒に」というニュアンスに少し読めるところもありますから、ここはそうではないのだということがわかるような表現に手直しをしたいと思います。例えば「各プロセスにおいて」とか、もう少し点を意味するような感じに変えるというのが一案です。

〔 吉岡委員 〕 1つご質問したいことがあるのですが、⑦のb)ですが、ISOのJISの規格との関係が書かれています。JIS規格は国内規格ですからよろしいのですが、ISOになりますと国際規格になります。日本の国の考え方としては国際規格に合わせるという基本方針があると思うのですが、その辺のところで、今、作ろうとしている自主行動基準とISOの関係をもう少し詳しく、松本委員長はご存じだと思いますので……。

〔 松本委員長 〕 ISOの方が規格として具体的にどのようなものになるのかというところが、まだ煮詰まっていませんので、そういう動きを見ながら「それが実現しようがしまいが我々としては……」というスタンスで書いております。

 ISOの方で正式に国際規格ということになれば、おそらく国内でも同じような規格を作るということになりますから、そうなれば国内規格ということです。自主行動基準においてその規格を引用するということの意味が、例えば先ほどの第三者機関による認証を受けなければならないようなタイプの規格であれば、それなりの厳しい要件が入ってくるわけですが、自らが「我が社としては、国際的なスタンダードが非常にいいと思うから、それを採用して積極的に実施していくのだ」ということを宣言する分には、国内規格になっていようがなっていまいが関係ないわけです。それはISOでなくても、もっと他にも、こういう倫理的な経営や社会的責任に関して規格を提言している団体が多数ありますから、そういうところの規格、あるいは高 委員の作成されたような規格とか、そういうのを自主的に取り込む分には1つの見本としてそれがいいと思えば採用していただければいいというぐらいのもので、とりあえずはいいのではないかと思います。第三者認証が入ってこなければ。

〔 吉岡委員 〕 そういうお考えで多分これは書いているのだろうとは思ったのですが、ただ、グローバルスタンダードというような考え方で言ったときに、日本がいくらいいものを作って、厳しいものを作っていても、ISOの方がそうではないものを作ったときに、日本の国はそれに合わせなければいけなくなってくる。そうすると、その逆の効果が出ることになるとせっかくやったものが何にもならなくなるので、並行して、国際規格に対して日本の国として意見を反映するようなことをやっていかないといけないのではないか。そこのところがどの程度できているのかというのがちょっとわからなかったものですから伺いました。

〔 鍋嶋委員 〕 私の感覚で言うと、ISOとこれは全く関係がない。JISはISOと関係がありますが、ISOが作ったからといってこれがそれに影響されるということはないと思います。

〔 宮部委員 〕 私のところも品質管理について業界ないしは会社としての規格を採用していたわけです。相当内容のあるものをやっていたつもりでしたが、ISOの規格認証を取得したところ、既存の規格とは全く違って、みんなが辟易するぐらい厳しいものでした。ISOの認証を取得したお蔭で少し背骨がピシッとしたかなという気がします。

 今、ここで検討している自主行動基準なるものが緩いと言っているわけではないのですが、ISOの規格のほうがいままでの経験だとずっと企業に厳しい取組みを求めるものになるでしょう。

 これは稲岡委員がよくご存じなのですが、品質管理、環境の分野の認証取得数では、ISOを入れた事業者の数は日本がダントツに多く、欧米諸国の事業者の取得数とは1桁違うわけです。ISOのご本家の欧米諸国の事業者はほとんど取得していないのです。そういうことからすると、この報告書の指針に沿って自主行動基準を策定していても、私どもの会社の品質管理とISOの品質管理との差ぐらい自主行動基準との内容に差がある規格が出てきた場合に、日本の企業の対応がどうなるか、心配しております。

品質管理に関しては自主基準とISOの規格はそのぐらい内容に差があったわけです。

 こうした問題があるにもかかわらず、この報告書において、ISOに関する記述がここにしか出てきていないので、吉岡委員と同じように、私も、少し問題があるような気がします。

 それでは、どう書くのかといったら、ISOの手の内もわからないし、こちらの自主行動基準なるものも、今、こうやって検討している最中ですから、比較のしようがない。まず、双方の関係がはっきりしていないというところに大問題が残っている気がします。

〔 松本委員長 〕 ISOで国際規格ができて、日本が国内でISOの規格と異なるような規格を作った場合は、WTOとの関係でそれは関税外の障壁だと言われるリスクが生じますから、そういう意味で国内規格は国際規格に合わせなければならないということになると思います。

 ただ、自主行動基準についてのこの報告書、とりわけ次にご議論いただきますⅡ.以下の部分が、いわゆる国内規格に当たるような性格のものなのかどうかというところが、まだはっきりしないまま我々は議論しているわけです。それがJISに近いような規格であるということになると、もし、万一、ISOの企業倫理の規格が国内のこの自主行動基準の内容よりも特にある点で低いようなものであった場合に、日本は海外の事業者が入って来にくく活動しにくくしているのではないかという批判が出てくるという可能性はゼロではありませんが、おそらくここに書いてあるような内容であれば、そういう批判が出てくる余地はあまりないのではないかと思います。製品の回収等のあたりが各国によってあるいは違うかもしれないですが、具体的にどうしなければならないということまでは書いていなくて、こういう事柄について情報開示してくださいということですから。ISOの社会的責任の部分では、むしろ「こうすべき」、「こうすべきではない」という感じの議論がなされるのではないかという印象を持っております。

 それに比べますと、我々のは「この点についてはこうすべき」というものではなくて、「こういう点については情報を外部に出しなさい」と。どうするかは企業が判断すればいいのですが「方針を明らかにしなさい」ということですから、ISOとはコンフリクトはしないのではないかと想像しております。

 他にこの点についてご意見ございませんか。

〔 高 委員 〕 今のISOのことで、もしご関心があれば若干付け加えさせていただきますと、松本委員長に説明していただいたとおりなのですが、企業社会責任の規格と行動規範の規格というのは別の問題なのです。行動規範の方については私はあまり詳しくありませんし、実際にあまり進んでいないというのが実態だと思うのです。

 企業社会責任の方について言えば、これでずうっといくのかどうかわかりませんが、先回のワーキンググループのディスカッションでは、箱だけだということです。マネジメントシステムというただ箱を作って、中で守るべきものについてはそれぞれの組織で決めて、それを公表する。ですから、例えば日本で自主行動基準みたいなものを作ってそれを採用するというものは、社会責任のマネジメントシステム規格とは別に対立するものではないというふうに解釈できると思うのです。

〔 松本委員長 〕 ISOの問題はまだ流動的でもありますから、ここではきちんとした方針は書かないで、議論を見守りながら自主行動基準について考えていくというぐらいにして、次のⅡ.の「消費者に向けた自主行動基準」の部分についてご意見、ご質問を承りたいと思います。

〔 川本委員 〕 10ページの③ に関係するのですが、「取引事業者の考慮」というのは極めて重要だと思うのです。皆さん、ご承知だと思うのですが、例えばクレジット会社が加盟店にクレジットを使ってもらうように契約しているわけですが、現在の消費者の問題で食品とか製品の安全性の問題が1つあるわけですが、もう一方で取引関係のいろいろな問題があります。例えば、現在、把握しているもので60万件ぐらいの消費者相談、トラブルがある。そのうちの2割がクレジットを使った消費者問題なのです。いろいろな業者、いろいろな人がいるわけですが、やれ宝石だ、やれ屋根を直しなさい、やれパソコンで内職をするといいからと言って買わされたり、その場合に現金を何十万、何百万と用意できませんから「クレジットを使えば簡単ですよ」と言って、何でもというかほとんどのものはクレジットを使うことを勧めて契約させるわけです。そういう被害が相当増えてきている。

 そうすると、クレジット会社とその加盟店とか加盟会社との関係というのは事業者と事業者の関係ですが、そこには消費者がいて、消費者がそういう悪い加盟店、加盟会社によってクレジットを使うことをそそのかされてというか勧誘されてトラブルが起こっている。その相談だけでも年間10万件は超えているわけです。

 そういった現実の消費者問題を考えると、この③というのは、ガイドラインでも消費者の観点からの自主行動基準でありますから、この点、非常に重要だ。ただ、その辺は一般に十分認識されていない面がありまして、最近は、そういうクレジット会社と加盟会社の関係の問題についてもう少ししっかりやらなければいけないという気運は出てきておりますが、消費者問題のいわば数字的にも2割は占めている、あるいは2割以上を占めている状況ですので、ここでせっかく、10ページの下から2行目に「また、卸売・小売業者であれば製品を納入している製造業者」と書いてありますが、これは同じ関係にあると思うのです、クレジット会社とその加盟会社。その問題は非常に重要なので、注意を喚起するためにも、せっかく例示があるので、前の2つは抽象的ですが、それをしっかり書いておいてもらうと、この自主ガイドラインでその点が極めて戦略的な点なので、是非、そこを加えてもらうと注意喚起にもなるし、非常にいいのではないかと、個別の問題ですが極めて重要なので指摘しておきたいと思います。

〔 松本委員長 〕 クレジット取引に関しては、17ページの⑥の業界・取引類型の特性に応じた情報というところの3行目から4行目にかけて軽く触れているわけですが、今、川本委員がおっしゃったのは、むしろこういう意味ではなくて、クレジット会社が加盟店管理を通じて、その加盟店が自主行動基準を策定してきちんとやっている事業者かどうかをチェックすれば、被害が事前に防げるのではないかというご意見だと思います。実効性確保のための1つのやり方として、取引事業者がきちんとやっているかどうかを別の業者がチェックするというやり方に加えて、クレジット会社がそのような役割を果たすということも考えられますので、そこを少し書き加えて、そういうことも考えられるというふうにしたいと思います。また、最後の「実効性確保」のところで、このようなアイディアを他にもお出しいただきたいと思います。

 それでは、他の点につきましてどうぞ。

〔 原 委員 〕 3点あります。

 11ページの(2)の①の「b)対象者の範囲」のところですが、対象者の範囲を明確にするということで「当該事業者のグループ企業を含むのかどうか」というあたりは、ISO14000の関連でも対象の範囲はどこなのかということと似ているので、これはこういう表現が適切かと思うのですが、その次の「正社員だけでなく非正規社員(パート等)の行動を含むのかどうかなどについて」ということも対象者の範囲の議論の中に入っているのですが、これは消費者側から見ると「この人は正社員なのかパートなのか」というのは事業体の中にいらっしゃればほとんど判別できなくて、「この人の行動は自主行動基準に照らした行動だけれども、こちらの人は違います」というふうになると、ちょっと意味が違ってくるのではないか。意味といいますかナンセンスになってくるのではないか。例えばマクドナルドだと9割方がパートです。そういうところで「この人は違います」なんて言われても困りますので、ここで社員とパートの違いで外すというのはちょっと意味が違うのではないかと思います。

 次は14ページですが、「e)消費者の不利益情報提供の方針」ですが、「事業者にとってデメリットとなるものの、情報提供しないと消費者の不利益となるような情報に関して消費者に提供するか否か等、消費者の不利益情報の取扱いに関する方針を示すものである」と書いてあるのですが、事業者にはデメリットでも情報提供をしないと消費者が不利益になるものは必ず提供すべきで、提供するか否かなんかを考えてもらいたくないというのが私の感じです(笑)。

 それから、「特に消費者の生命、健康に関わる情報である場合……」のところですが、今、金融トラブルも増えていますので「財産」も付け加えていただきたいと思っておりますので、この表現はなぜこんなふうになったかなと思っております。

 これは細かいことですが、15ページの「③契約条項」の「c)の約款などの見直し手続き」ですが、ここの最後の文章が「見直し内容については、消費者対応部門には速やかに説明するとともに……」となっていて、消費者対応部門は見直しに入らないようにみえるのです。決まったことを速やかに説明を受ける対象とだけ書かれていますが、そうではなくて消費者対応部門は一緒に見直ししたりしろと他のところでもいろいろ言っているわけなので、これは多分、表現がちょっと食い違っているだけだと思いますが、検討していただきたいと思います。

〔 田中委員 〕 今のご発言のところの11ページの「b」対象者の範囲」ですが、お話はそのとおりかと思いますが、実はここは、現実にいままで事業主がいろいろとこういうものを作っておりましたから、事業主が教育研修をしたり周知徹底をするために誰を対象にするか。従来は経営者は関係なく「下がやりなさい」と言っていたのが、今はそうではなくて役員も職員も、いわゆる役職員全員がやるのだということになったわけです。そのときに対象者の範囲というのは通常は普通で言う正社員までというのが常識であったのです。今のご質問のようにパートを含むのが当たり前だと言いますが、それはかなりまた違う問題を含んでいるわけです。ですから、対象がどこまでかというのは、事業者が自主的に判断して明示させた方がよろしいのではないかと思うのです。そうでないと非常にあいまいになる。

 確かに流通業、食品業その他はご指摘のとおり正社員か、パートかわからないから全部我々が同じように見るということなのですが、従来、どうしても事業者の姿勢に正社員とその他を区別しているようなところがありましたから、やはりきちっと明示していただいた方がよろしいのではないかと思います。

〔 原 委員 〕 関連で一言だけよろしいですか。

 そうすると、おっしゃるように、そういう意味では確かに対象者の範囲を明確にした方がいいと思うのですが、消費者側からみると「当然、この人は入っているべきよね」というのが外されているということについては、こちらとしては意見を言いたいような部分があるので、対象者の範囲の明確化と同時に、関わる人はできるだけ入れるという方向性みたいな一言を入れておくべきではないかと思います。

〔 宮部委員 〕 10ページの(1)の①ですが、「事業者として(または団体・組織)」とあるのですが、行政サービスとか教育機関、医師、弁護士なども「事業者」に入ると考えてよろしゅうございますか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 通常、「事業者」というのは医師、弁護士などは入ってくると思います。

〔 宮部委員 〕 教育機関もいいのですね。

〔 堀田消費者企画課長 〕 そうですね。

〔 タン委員 〕 先ほどの原 委員と田中委員のご発言の11ページの「対象者の範囲」のところですが、私は田中委員のご意見よくわかりますが、「非正社員」という言い方はちょっと排他的な気がします。というのはオーストラリアの場合は、業界団体が運用している自主行動基準の場合は、例えば保険業界の場合は、保険会社は社員だけでなくて代理人の研修まで責任を負わなければならないのです。また、ダイレクトマーケティングのcode of conduct の場合は、加盟会社が使っているすべての業者、つまり配送業者まで、その配送業者の社員の行動まで責任を負わなければならないので、オーストラリアの場合は業界団体が中心になってやっているcode of conduct なのですが、この言い方だとちょっと排他的な感じがします。

〔 山本(豊)委員 〕 大変細かい点で恐縮ですが、この報告書で「明確性」という言葉と「透明性」という言葉がいろいろなところで用いられておりますが、15ページの「c)約款などの見直し手続き」のところで、「約款の透明性を高める」という記述がありますが、これはもしかしたら学問分野によって「transparency」という言葉が違う意味で使われているのかもしれませんが、法律の分野では「約款が透明だ」ということは、まず基本的に「約款が見やすい」、「内容が平易である」、「約款の組み立てがきちんとわかりやすく組み立てられている」ということを意味するので、見直し手続きのところで「透明性」という言葉が出てくるのは、かなり違和感があるということです。

 言っている内容も見直し手続きの話なので、もし、そういう言葉を使うのであれば、「約款の見直し手続きについての透明性」ということになるべきだろうと思います。

 そしてまた、なぜ、「見直し手続き」のところだけ「透明性」が出てくるのかということも奇異な感じがして、そもそも作るときに「透明性」とかそういうようなことも含めて組み直されれば、なおより良い報告書になるかと思いますので付け加えさせていただきたいと思います。

〔 鍋嶋委員 〕 13ページの下から4行目の「さらに、商品に期待されている表示が……」のところですが、これは、この間、食品の問題があったのでこう書いたのでしょうが、ここだけえらく細かく「このため、バーコードなどによる……」とか、「消費者代表等の立会いの下での検査など……」というようなことが書いてあるのですが、これは現実的にできるのか。先ほどの消費者を入れてという問題ではないですが、できるのかということまで書いてあるので、これはもう少し簡単に、あるいはカットした方がいいのではないかなと思います。

〔 池田委員 〕 12ページの「⑤消費者等第三者の関与方法」ですが、1行目は「消費者等第三者」と書いてあるのですが、その3,4行下のところには「消費者が関与または意見が反映されるように……」ということで「等」が抜けているかのように思うのですが、このあたりはいかがでしょうか。ささいなことではありますが、ちょっと本質的なところかとも思いますので。

〔 松本委員長 〕 これは単純なミスで、いわゆる関係するすべてのステイクホルダーというような感じの意味ですから「等」が必要だと思います。

〔 池田委員 〕 まさに社会からの関与というのが大事だと思いますので、そういう点では同感であります。

〔 原 委員 〕 17ページの⑧で「相談・苦情処理」が書かれているのですが、これは13ページの「(3)消費者対応」を受けてずうっと羅列されてきて、最後のところで「⑧相談・苦情処理」と書かれているのですが、a)、b)、c)、d)いずれを見ても、情報のところに力点が置かれていて「消費者にそういう窓口があるということを知らせなさい」、「処理結果について公表しなさい」、「斡旋、調停、仲裁の手続きがあればそれをやりなさい」と書かれていて、私は、これを消費者対応で言うのであれば、情報をオープンにするとか、消費者に知らせるという意味と併せて非常に誠実な対応をするのだということが明示されるべきだと思うのです。それが⑧のa)の消費者窓口手続きのところの「また、それらの苦情相談への対応方針についても公表することにより、すべての消費者に公平・透明……」と、「公平・透明」とだけしか書いてないのですが、ここに「誠実」というような言葉も入ってくるのではないかと思うのです。

 ですから、消費者対応は、相談・苦情処理については情報のことだけを問題にはしていなくて、やはりそこで処理される結果が公平であり誠実であるということを見ますので、やはり言葉を補うべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

〔 鍋嶋委員 〕 今のご意見ですが、それでけっこうだと思うのですが、今の原 委員がおっしゃった「また……」以下の部分をもう少し工夫して、⑧とa)の間に入れてしまった方がいいのかもしれません。結局、消費者対応というのは窓口の話ではなくて、消費者対応は真摯にやれよという話で、前段に置いた方がいいような気がします。

〔 松本委員長 〕 ただ、「誠実に」というのは、最初の「はじめに」の議論のあたりでもご意見が出ましたが、これ全部を通じての話ではないかというご指摘がありました。当然、表示のところでも「誠実に」ですし、製品の安全性確保でも「誠実」にですし、最後の苦情対応でも当然誠実だということですから、頭に書いた上で要所要所で書いていくということにした方がよりわかりやすいかなと思いますから、そのようにしたいと思います。

 他にご意見ございませんか。

 それでは、本日は、一応5時まで予定しておりまして、あと、まだ大きな「Ⅳ.実効性確保」のところも残っておりますから、ここで4時ぐらいまで少し休憩をとって、それから残りの部分をご審議いただきたいと思います。5時までやらなければならないということではなくて(笑)、5時までは皆さんに一応ご覚悟いただいているということですから。

( 休 憩 )

〔 松本委員長 〕 それでは「Ⅲ.自主行動基準策定・運用のための留意点」について、ご意見、ご質問を承りたいと思います。

〔 原 委員 〕 大きいところで2点あるのですが、まず21ページの〈継続的な改善〉のところですが、本来P>D>C>Aで回していこうと言っているときの〈継続的な改善〉の考え方からすると、ちょっと範囲が狭いのです。

 ここで言っているのは「問題が発生したときの緊急対応策の仕組みがうまくいったかどうかの検証」の話と、「申し立てられた相談・苦情の収集・分析」ということだけになっていて、ちょっと範囲が狭いので、もっと広げる必要がある。

 これは「緊急対応策」と「苦情相談」だけではなくて、もっと広いシステムの〈継続的な改善〉ということを言うわけなので、どこをどうというふうに文章の訂正だけでなく言えないところがあるのですが、広げていただきたいと思います。

 23ページにまいりまして、③の「主な利害関係者の役割」の「a)の消費者の役割」のところの、上から4~6行目ですけれども「我が国では消費者の間ではとかく、ブランド等の作られた過去のイメージのみを重視した行動が見られ、真に消費者のために努力する事業者を支援せず、逆に問題が起きた時のみ合理性を欠く批判を行いがちであった」というすごい文章が書いてあって(笑)、これは何でしょうというふうに思って、「ブランド」とか「真に消費者のために努力する事業者を支援せず」というのは、基本的に企業の行動というのが見えないためにできなかったという部分があるので、それが今回の自主行動基準の作成と公表につながれば、また違う選択も入ってきますので変わってくると思うのですが、「なぜそうであったか」という理由なしにすごく糾弾されているような印象があって、ここの文章は表現を変えていただきたいと思います。「問題が起きたときの合理性を欠く批判」などと書いてあるのですが、本当に合理性を全部欠いていたのかと思いますので、やはりこの「合理性を欠く」という表現も妥当ではないと思います。

 それから、同じような文章の感じなのですが、a)の「消費者の役割」の下から4行目「初期段階で主体的に公表した事件・事故に関する情報を取り上げ、感情的な事業者批判を展開すれば……」とあるのですけれども、これも「えっ、こんなこと私たち言われなければいけないのかな」というような感じがありまして(笑)、ちょっとこの2つの文章を考え直していただきたいというふうに思います。大きいところでは以上です。

〔 松本委員長 〕 確かに感情的な表現が見られるので、もう少し冷静な表現に変えたいと思います。

〔 高 委員 〕 多分、そこの原文は私が書いたところではないかと思いますが(笑)、もう少しトーンを落としていただければありがたいと思います。ただ、私の認識としては、これもあると思っておりますので、あまり角が立たないような表現で両面がうまく説明できればいいと思っておりますので、完全に捨ててしまうのではなくて少し緩いトーンで書いていただければと思います。

 もう一つ、21ページの<継続的な改善>の話ですが、これは文章の展開の仕方が悪かったからそういうふうにとられたのかもしれませんけれども、コンプライアンス体制のあり方で4点が特に重要だということで4つ挙げたわけです。その中の1つで<継続的な改善>を挙げたのですけれども、原 委員のおっしゃっているような、全体的な改善の問題というのは実はその次の23ページの<ステップ6>のところのことだと思うのです。ここに言葉が<継続的な改善>というのが出てきていないので、この<ステップ6>のところに入れれば大体解決するのではないかと思うのですが。これが<ステップ1>からこういうふうに動かしていくのですという説明です、プラン・ドゥ・チェック・アクトの。<ステップ6>というのが最後のところになるわけですけれども。

〔 原 委員 〕 <ステップ6>の書き方が、私の思っている<継続的な改善>のような感じがいたしますので、やはりこの<ステップ6>を少し生かした文章を、21ページの<継続的な改善>の「問題が発生したときの緊急対策を……」にすぐ入るのではなくて、1,2行入れられれば趣旨としてはわかるという感じがいたします。

〔 松本委員長 〕 今の議論はおそらく21ページの<継続的な改善>は社内体制のあり方についての改善ですね。20ページの一番上が<社内体制>ですから、21ページは自主行動基準そのものの見直しということだから、確かに高 委員がおっしゃったように少し見直しの中身が違うということかもしれない。多分、ここの部分は先ほどのⅡ. の(2)などと重なってくるだろうし、Ⅰ.に書かれてくることともおそらく重なってくることだろうと思いますので、以前にいろいろ意見が出されたことが多いかと思いますが、他にご意見、ご質問ございませんか。

 それでは、次のⅣの方に入ります。従前の部分についてもご意見がございましたら後でお出しいただきたいと思いますが、Ⅳ. の「実効性確保の策定・促進の方策」についてご討議いただきたいと思います。

ここにつきましても南条委員から若干ご意見をいただいておりまして、28ページの本文の下から7行目の「また、……」という部分を削除し、同じ行の「……有益な考え方である」を「有益、との考えによるものだ」というふうに修正したらどうか。

 それから、下から3行目の2文字目の「……ので」の「で」を削除すべきということで、この辺は修文になりますけれども、この2点のご提案をいただいております。

また、実効性確保というのは非常に重要なので、ここでは当面の取組みとして4点、今後の検討課題として3点、合わせて7点挙がっておりますが、これ以外にも是非論じるべきではないかという点がございましたら、是非ご提言をいただきたいと思います。

 先ほど、川本委員のおっしゃったクレジット会社にもう少し重要な役割を果たしてもらうというのも1つの考え方かと思います。

〔 原 委員 〕 思い立ったところだけで申し訳ないのですが、25ページ(1)当面の取組みということで、①人材の組織化ということで、事業者の取組みがまず書いてあるのですが、私としては当面の取組みとしては、やはり消費者にこういう議論をしているということを知ってもらうといいますか「こういうふうにこれから消費者と企業との関係を構築していくのだ」という、ここでの議論の認知度を上げていくということがまず最初に来るのではないかと思います。それが実効性確保の第一で、せっかく事業者が一生懸命考えられて自主行動基準を作られてこれからやっていこうというときに、消費者側は何も知らないというのが今の状況だというふうに私は思いますので、是非まず当面の取組みの第一はそういう認知度を上げていくということではないかと思います。

 26ページの③のa)に、裁判外の紛争解決手段(ADR)の話が出ているのですが、確かにこれはずっと司法制度改革の議論の中でやっていって、並行しているような感じで議論しているのですが、一番最後のところの「……業界に一方的に有利にならないように、政府の関係機関がその中立性をチェックすることが必要である」の書き方はちょっと気になるのです。

 結局、司法というのが一方にあって、そして、ADRはいろいろなタイプのADRが出てくるというふうに思うのですが、その中立性というのは必ず政府の関係機関がチェックする必要があるのかどうかというところで、「……チェックすることなどが考えられる」、せめてその程度の表現ではないかと思って、やはり「必要」という言葉ではないのだろうというふうに思います。

〔 松本委員長 〕 ここは、公正競争の阻害にならないようにということですから、明記していませんが、主務官庁がという意味ではなく、公正取引委員会のような機関がという意味です。

〔 吉岡委員 〕 前々回の議論の「ADRへの参加を事業者団体の加盟条件とする」というところにかかってくると考えてよろしいのでしょうか。

 ここでADRのこととNPOのことが出ておりますが、この両者ともになのですが、国によって、あるいは立場によって、考えている内容が必ずしも一致していないのが現状ではないかと思うのです。日本の場合でも、立っている立場によってADRの考え方が非常に狭い場合とものすごく広い場合とありますので、その辺のところを書きぶりのところでは少し配慮した方がいいのかと思います。

 NPOについては、消費者団体もNPOの1つだという考え方ももちろんあるわけです。それからNPO法人という考え方もあります。ここで言っているのは、法人格を持っているNPOよりは少し広い意味でのNPOということでお書きになっているのだろうと私は思っているのですが、それでよろしいかということが1点です。

 狭い意味でNPOというと、法人格を持っていなくても活動としてはかなりよくやっているところがあるので、そこのところは排除しなければいけないのではないかと思います。

〔 松本委員長 〕 おっしゃるとおりで、法人という狭い意味の、法人格を持っているという限定ではなくて、目的においてNPOということです。

〔 宮部委員 〕 ここには直接関係ないのですが、いろいろ新聞紙上その他、私に入ってきているニュースによりますと、100%近く外資が入っている事業者のビジネス・マナーは、日本の企業と全然違うと言われています。そうしたときに、この自主行動基準の指針は 100%の外資にはどのように適用されるのか、誰がチェックするのかという問題があると思います。それによっては、我々国内事業者が自分行動基準で自分を縛って競争上不利になってしまうという問題も起こり得ると思うのです。そういう問題をどうお考えですか。

〔 松本委員長 〕 どなたかご意見ございませんか。

〔 高 委員 〕 基本的にこれは強制ではないので、「こういうガイドラインに沿って作られる方は作りませんか」ということで公表するのですから、べつに日本の企業であろうが外資であろうと自由に採用してもらったらいいのではないでしょうか。とにかく最初の段階では競争力にはならないかもしれませんが、マーケットの評価が始まればそれが競争力につながることを狙ってこれを用意したわけですから、鈴をつけるとかそういうこととはちょっと違うのではないかと思うのですが、どうですか。私もよく整理できていませんけれども。

〔 宮部委員 〕 タン委員にお伺いしたいのですけれども、オーストラリアに海外から参入してきた事業者がcodes of conductを採用しないことで、既存の国内事業者と競争条件に違いが出るということはあるのでしょうか。あった場合にはオーストラリアの方々はどういうふうに対応しているのか、ちょっとお聞かせいただきたいのですが。

〔 タン委員 〕 例えば、日本の企業がですか。

〔 宮部委員 〕 日本でもいいですし、アメリカでも結構です。

〔 タン委員 〕 例えば、オーストラリアには日本の企業の子会社がいっぱいありますが、しょっちゅう問題を起こしていますね。私は講演会のとき、欺瞞的広告の有名な事件をよく紹介しているのですが、私の知っている限り、オーストラリアの子会社は本当にオーストラリアの会社と同じように認識されているのです。日本人はわりと外と内という区別をはっきりするのですけれども、オーストラリアの企業のほとんどは外資系なので、そもそもそういう感覚はないのです。お答えになっていないと思いますが。

〔 吉岡委員 〕 27ページの(2)の①のwhistleblower のところですけれども、呼び方を変えるということで、「公益通報者保護制度」という名前になっております。問題が公益なのかどうなのかという判断が、通報しなければいけないということにつながるかどうかというのがちょっと心配なところでして、私はむしろ「内部告発者保護制度」という名称でここでは言った方がはっきりすると思います。確かに暗いイメージはあるかと思いますけれども。

 もう一つは、最後の29ページの下から8行目のところで、「特に日本版401Kプランの導入も始まっており……」ということで紹介されておりますが、「自主行動基準を策定して、それが効果的に社内に反映している優良企業に対して投資の対象となることが期待される」ということはとてもいいことだと思っているのです。ただ、日本版401Kといったときには、どちらかというと投資信託のようなタイプになりまして、個別の企業の評価ではなくなる。選択肢はいくつかあるということにはなるのですけれども。このまま読むと少し説明が足りないのではないかと思いますので、日本版401Kを入れるのであれば、もうちょっと説明を入れて、間接的に影響が出てくるという、そういうことではないかと思いますので。

〔 田中委員 〕 先ほどの「公益通報者保護制度」の関係なのですが、前回、稲岡委員が、イトーヨーカ堂さんの中でヘルプラインを実施して非常に効果が上がっているというようなご報告旁々、やはり内部通報者が通報したことによって不利益を被るので、そういう人が保護されるような制度が社会全体にとって必要ではないかというようなご趣旨の発言をされたと思いますが、あのときの稲岡委員のお話の内容では、やがて、こういう法的な制度を何か作るというところまで踏み込んだご意見だったのでしょうか。

〔 堀田消費者企画課長 〕 前回の稲岡委員のご発言はやや踏み込んだ発言であったと私は記憶しておりますけれども。

〔 タン委員 〕 宮部委員のご質問の趣旨をよく理解していなくて、今ちょっと確かめたのですが、答えは日本から来た企業、日本であろうとどこから来てもいいのですが、オーストラリアの場合、義務的に入らなければいけないcodes of conduct とそうではないcodes of   conductがあるのですが、義務づけられているcodes of conductをお知りになりたかったのではないかと思うのですが、当然入らなければいけないのです。1つの例としては保険業界なのですが、日本から来ている保険会社がかなりあります。多分、日本で活動している大手企業はみんなオーストラリアに子会社を持っています。当然、義務としてはcodes of conductに入らないといけないし、そのルールを守らなければならないのです。

〔 宮部委員 〕 最低限の義務的に入らなければいけないcodes of conduct以外の、それ以上はオプションだという部分について、そこでどちらかの競争が制限されるようなことはあり得ますかという質問だったのですが。

〔 タン委員 〕 ごめんなさい、ちょっとわかりません。

〔 松本委員長 〕 義務づけられていないcodes of conductに日系企業が入らない。しかし、オーストラリアの企業はみんな入っている場合に、そういうところに入る方が、いわば自分で自分を拘束するわけだから競争上不利になって、日系企業の方が野放しで有利になるのではないか、そういう危惧はないかというご質問であったように思うのですが。

〔 タン委員 〕 義務づけられていないcodes of conductの場合ですね。日本の企業だけが入っていない場合があるのかな。例えばの話、入っていなくてもアウトサイダーに対して、 codes of conductを運用している委員会があります。そういうアウトサイダーに対する苦情が入ってきた場合は行政に回すというパターンもありますし、あるいは、例えば、ディレクト・マーケティングの場合はそのアウトサイダーに手紙を出して、まずcodes of conductの存在を知らせるのです。その企業の行為がcodes of conductに違反している可能性を教えて、「それではcodes of conductに入ってみませんか」と誘うと大体入ってくるらしいのです。だから、いろいろパターンがあるようですが、ただ、codes of conductの中に、そのアウトサイダーが起こした違反行為を行政に知らせるcodes of conductはありますね。

〔 宮部委員 〕 オーストラリアの場合はある程度しっかりした義務的に入らなければいけないようなcodes of conductがあって、それは守られているのだと思うのです。日本の場合に、自主行動基準の指針が出ても、義務的なcodes of conductまでなっていないケースが考えられますよね、「自主行動」ですから。海外から外資が来て「自主行動基準を自分は守らない」と言ったときに、自主行動基準を定めている事業者が「競争上不利になるのではないか」という質問が私のところに来ているのです。

〔 タン委員 〕 日本の企業が逆に不利になると……。

〔 宮部委員 〕 あまり一生懸命やって損するのではないかという議論があるのですよね。

〔 タン委員 〕 そもそもその考え方が間違っていると思うのです(笑)。 codes of   conductに入っているということは、競争上の不利益にならないはずです。それは本当はいいことなのです。だから、入っていないから利益になる可能性もないわけではないのですけれども。

〔 宮部委員 〕 codes of conductとしてある程度確立し、ほとんどの事業者が参加するようなものであれば、競争上の問題はないのですが、「『これは自分の自主行動基準で、今はまだ他の事業者はここまでやっていませんけれども、自分はここまでやっています』という程度の自主行動基準だと、自主行動基準を高く設定することで、競争上不利になるということは起こる可能性がありますね」と言っているわけです。

〔 松本委員長 〕 これは高 委員が先ほどおっしゃったように、こういう形で自分を自ら律する事業者が競争上不利にならないような仕組みにしないと、これを作ることの意味は全くなかった、むしろそれはマイナスだったということになりますから、こういうものを作って積極的に大々的に公表して真摯に誠実に行動していく事業者が有利になって、そして消費者もそれによって利益が確保されるというような世の中の仕組みを作っていくことと、各事業者に「こういうものを作ってください」と奨励していくことを一緒にやっていかないとだめだということです。そういう意味で非常に難しいことにはなるかと思いますが、その辺はまさに、ここで書いております「策定を促進するためにはどうすればいいか」ということになりますので、是非、知恵を出し合って、こういうふうな取組みをすれば今言ったように中身のよいものができて、かつそれが当該事業者にとって競争上優位に立てるのだというような仕組みをご提案いただければ大変ありがたいです。

〔 高 委員 〕 25ページから書いていることがまさにそれだと思うのです。我々がこれから何か具体的な枠組みづくりをやるとなれば、おそらく一番最初に出てくるのは25ページの②ぐらいかと思うのです。評価組織の育成。こういう組織が出てくることで、自主行動基準を採用して体制を作って取り組んでいくところが競争力を持てるようになっていく。ある意味では経団連さんもそういった発想に立ってこういう動きを推進していただければありがたいと思うのです。そういう意味で、こういう評価組織機関を作るときに、何かバックアップしていただければありがたいと思うのですけれども。

要するに、真面目にやるところが損をするのだったらどうなのだという疑問があるとすれば、真面目にやったところが競争力を持てるような仕組みづくりに協力していただければ非常にありがたいと思います。

〔 松本委員長 〕 真面目にやればそれがプラスになるというのはなかなか見えにくいところですが、真面目にやらないとそれが発覚したときに極めて不利になるというのははっきりしているわけで、ただ、そういう後ろ向きの抑止効果だけで前向きの取組みが促進できるかというと、やはりそれだけですとちょっと弱いですね。

〔 原 委員 〕 25ページから26ページの「②評価組織の育成」のところで、私どもが活動している金融オンブズネットの勧誘方針の調査のことを取り上げていただいて大変嬉しいのですが、実際に私たちが評価作業というか評価の一覧表を見ると、ほとんど 「×」で非常に厳しいという印象があるかと思うのですが、実際のところは私たちが狙っていることは「×」を付けるということが第一ではなくて、2つの意味があって、1つは「私たちはこういう勧誘方針を望んでいるのだ」ということの意見表明です。自分たちの評価基準を出すということはそういうものであってほしいということでの私たちの意見表明なのです。

 もう一つは、結果としては「×」になっているのですが、いい取組みをしていらっしゃるところはあるのです。今回は証券業なのですが、証券業の中でも、ある会社は「こういう商品については販売をしない」とか、「75歳以上の年齢の方にはやはりきちんとお話をして、本当にその人に適格かどうかということも判断させて販売させてもらう」というふうに、自分たちが考えた勧誘方針みたいなものを策定していらっしゃるところはありますので、それは私どもとしては評価をしているということで、必ずしも後ろ向きだけではなくてバックアップもしていると思っておりますので、こういったグループ活動みたいなことが、消費者運動もいろいろなタイプがありますが、これからの1つの大きな流れといいますか、方向の中にあるのではないかと考えてはおります。だから、必ずしも後ろ向きではないと思います。

 もう一つ、今日は全体を通じてのいろいろな議論なのですが、「はじめに」のところで「なぜ今これが必要か」という議論があるのですが、やはり「終わりに」にもあった方が、これからこれをどういうふうに企業と消費者との関わりの中に活かしていきたいのかということが最後にないと「じゃあ外資系はどうなのでしょうか」というようなことが出てくるのだと思うのです。企業が自分たちで自主行動基準を作ってやっていこうというところにこれからのメリットもあるし、やはり消費者との関係構築の上でも望ましい方向なのだということが「終わりに」に付けられると、今までたくさん出ていた議論も少し収斂されるのではないかと思います。

〔 川本委員 〕 今のご質問とも関係しますが、実効性の確保のところですが、特に今後の課題で重要な3つの問題について基本的な認識を示して、これはわりとはっきり示したので、これはこれでとても価値があると思うのですけれども、あといろいろなところとの関係もあるので広く検討ということで、それぞれ終わっているわけですけれども、これは後ほど、あるいは次回にお話があるのかもしれないのですけれども、この検討はもう他の場でオープンにして「これらを読んで検討しなさい」という意味で書いてあるのか、この報告書の性格とも関連します。中間報告素案ということになっているのですけれども、次回以降、事務局からお話があるのかもしれませんが、これが今後どういうふうになっていくかということと、(2)の27ページ以下とは主に関係してくるのかと。

 ですから、基本的な認識をはっきり示したことはすごくアプリシエートされるわけですが、「いろいろなことがあるから広く」というふうに、どうしてもこういうレポートではなりがちなのですけれども、それでいいのか、もう一歩、二歩先を言えるのかどうかというのは私もにわかにわからないのですが、その辺は今後の中間報告の性格とも絡んで、現時点の事務局のお話を少し説明していただけたらと思います。

 もう1点は細かいことですが、先ほど松本委員長が、私がクレジットの発言をしたところで17ページを指摘されたので見ていたのですけれども、どうもこの文章はよくわからないのです。「売買契約におけるクレジット会社等の第三者の位置付けなどがあげられる」というのは、いわゆる法律的な抗弁権の接続の話みたいなことを意味しているのか、もっと大きい問題をここでは言っているのか。先ほどクレジットの問題を言いましたが、今はクレジット会社と信販会社がたくさんあるから、悪質な業者というか、加盟店、ある会社に断られたら別のクレジット会社に加盟して、そのクレジット加盟店契約を結んでおいて消費者にそれを使わせればいいということで、むしろ加盟店の方がクレジット会社を選べるというか、クレジット会社間の競争がものすごく激しいようですから、そういう状況にあるのだと思うのです。だからいろいろな問題が余計に出てくるわけで、消費者問題のコアになる部分だと思うのです。

 これは何を言いたいのかということと、「例えば」ということで、電子商取引関係は非常に重要なのですけれども、その後に「……明確化の他……」ということでちょっとついているのですか、問題の大きさから言うと、こちらの方がまず出てくるのではないかという認識を私は持っているのですけれども。意味がわからないということと、優先度みたいなものがちょっと違うのではないかという、この点そういう認識を持ちました。

〔 松本委員長 〕 意味は、売り主と買い主の関係にクレジット会社が入ってきて三者関係になっていて、クレジット会社との関係ではこういう状況になりますということで、それ以上ではないわけです。重点の置き方について、後ろに置くのは問題ではないかというのは確かにおっしゃるとおりで、クレジットの仕組みというのが消費者にきちんと伝えられている必要があるわけですから、クレジットを使った取引の場合には、それが一番重要な情報だということになると思いますので、順序を少し入れ換えたいと思います。

〔 タン委員 〕 このⅣ.のところを読ませていただいたときに、日本語は本当に難しいなと改めて思いました。というのは、25ページの(1)当面の取組みという項目と、27ページの(2)の今後、一層の検討が必要な課題というのが時間的にどう違うのかなと。私は、最後のご挨拶として「今後ともよろしくお願いします」とよく書くのですけれども、これからは「当面よろしくお願いします」と書かないといけないのかとちょっと心配になってきました(笑)。

 具体的に言いますと、「当面」という言葉はわりと近い将来という意味ですから、ちょっと疑問に思うのは、26ページの「c」公正競争規約の拡充」のところです。この公正競争規約の制度についてはかなり批判がありますが、別に今時間をとってそれについて話をする必要はないと思いますが、当面の取組みとしては公正競争規約の改善が果たして可能かどうか、私は非常に疑問に思います。特に、公正取引委員会については、私、最近、あちらこちらで悪口を言っているのですが、今日も例外にしないで申し上げると、こういう問題というのは、公取は、いままではラーメン屋さんをやっていたのにこれからスパゲティ屋さんをやるということだと思うのです。麺は同じかもしれないのだけれども具が違うし、使っている道具もいろいろ違うわけですよね。だから、公取がいままではこういう不完全な制度をやっていたのに、それをベースにしてよりよい制度を作るというのが果たしてできるのかどうか、私は非常に疑問に思います。

 オーストラリアの場合は1つだけ例があるのですけれども、薬品会社の場合ですが、その codes of conductは1960年代にできたcodeなのですが、それをベースにして非常に現代的な、しかも世界的に評価されているcodes of conductに転換した。そういう例はあるのですが、果たして日本の場合は、特に今の公正取引委員会の場合は、できるかどうかちょっと疑問に思います。

 26ページの③のところなのですが、ADRの話をずうっと書かれているのですが、その中に急に事業者団体が作った自主行動基準の違反についての話が出てくるのですが、ちょっとよくわからないのです。2つ目のパラグラフの真ん中あたりから「自主行動基準違反があった場合、事業者団体からの除名などの制裁……」ということで、実効性を高めるために必要な課題についていろいろ書いてあります。ですから、ADRのところに、せっかく書く文章なのですから、独立させてもっと事業者団体が作った自主行動基準の問題について項目を作った方がいいのかと思います。

 もう一つ、この中に「公正競争の阻害」とか、「公正な競争を損なっている場合」とか、そういう言葉がここに書いてありますが、ただ、競争が減殺されただけでは独禁法の違反にはならないはずなのですよ。法律は文言上はそうなっているのです。やはり、正当化できない競争減殺、あるいは不当な競争減殺が、要件としては法律の中に書かれているのですが、公取委は不当な、あるいは正当な理由がないというところは無視しているわけでしょう。私はこういう書き方は公取委の今のやり方を肯定すると思っていますので、もし、こういう「公正競争の阻害」というような言葉を使うのだったら、例えば「不当な公正競争の阻害」とか、あるいは「不当に公正な競争を損なっている場合」とか、そういう言葉を入れた方がいいと思います。

 27ページの上から7行目のところにも「当該基準が関連事業者や新規参入者の利益を害するおそれがないように……」とありますが、それを「不当に利益を害するおそれがない……」というふうに改めるべきだと思います。

 ついでに言いますと、④の「また、……」から始まるパラグラフに「賢い消費者」という言葉が出てきますが、私は先ほどそれと反対の「バカな消費者」という言葉を使ったのですけれども、本当はこの言葉を使うのだったら括弧を付けた方がいいと思います。

「賢い消費者」という言葉に対してはちょっと抵抗があります。ですから「賢明な消費者」という言い方の方がいいかと思います。

 最後ですが、せっかく2、3ページのところに"co-regulation" の話が出てくるのですが、そこだけでその後は消えているのです。ですから、せっかくその話が出ているので、文章としては「こういう行動規制を肯定する」、「いいよ」という文章だと理解しているので、当面になるのか今後になるのかちょっとわからないのですが、それについてもうちょっと詳しく書いていただけないでしょうか。

〔 池田委員 〕 5時が近づいてまいりましたので、Ⅳ.の前について意見を2つ申し上げたいと思います。

 23ページの「③主な利害関係者の役割」の「a)消費者の役割」に関して2つの意見を申し上げたいと思います。

 1つは、a)の後半のところで、「その際の留意すべき点は、消費者は事件・事故といった結果だけではなく……」、「一連の流れ(プロセス)の中で、事業者の取組みを総合的に評価することである」とありますが、これは理念としては極めて賛成でありますし同感であるのですが、反面、やはり結果責任というのが企業だけではなくて、いろいろな組織団体、個人も含めて、より徹底した向上・改善・改革の原動力になっているのも事実だと思います。この消費者の役割に対してこのように書かれていることに対して反対するつもりは毛頭ありませんけれども、やはり結果責任というところの重要性というのは企業としても認識をすべきでしょうし、それから消費者としても当然それが出てくるのではないかと。志しとしては極めてこれに同感でありますが、そういう点を感じることが1つであります。

 もう一つは、同じくa)のパラグラフの上の方「消費者はまず何よりも公表された自主行動基準に基づいて事業者の評価を行うことが大切である」ということで、これはこのページだけではなくて共通的に関わるところであると思うのでありますけれども、これはおそらく次回の検討テーマになると思うのですが、この中で出ております具体的な消費者に関連する契約、あるいは情報開示、広告云々のあり方等々という10ページ以降の消費者対応の項目のところですが、これが具体的にどのような形になっていくのかと、実はずっと頭の中で想像しているわけであります。

 この場でごく簡単に申し上げますと、これをきちっと、まさに明確に、具体性を持って、透明性を持って表現をするならば、かなりの大部のページ数になるのだろうという点であります。これはちょっと次回に具体的な検討を踏まえて申し上げたいと思うのでありますが、そうしたときに果たしてそれの有効性、それは組織内部への人間の徹底と消費者の方々、あるいはステイクホルダーの方々にご覧いただいたときに、例えば、これが全体で 100ぺージになるようなものだとすれば、それの理解のしやすさはどうなるのか。あるいは、逆にそれをもっと抽象化して基本理念に集約をすれば、今度はその明確性、具体性ということが少し離れていってしまうのではないか。これは「思いを大事にして知恵を出せ」ということであろうと思うのですけれども、現実、これを答申の中に盛り込むに当たっては、現実のでき上がった姿としてどういうことが想定されて、それが目的に対してどの程度合致するのか、しないのか。このあたりも、これは中間答申の段階の後のことかもしれませんが、具体的に検討した方がいいのかと。これはおそらく次回にそういう議論があるかと思うのですが、以上2点だけ申し上げます。

〔 永谷国民生活局長 〕〕 先ほど、タン委員がおっしゃった「今後、一層の取組みが必要な課題」というのはどういうふうに検討していくのかというお話に関連して申し上げます。

 いずれにしましても、ここで掲げられております3点、特に内部通報制度の話とか連邦量刑ガイドラインの話というのは、ある種非常に難しくて、日本の司法制度とか別のいろいろな制度に関わってくるような問題なのであろうと思うのです。聞くところによりますと、内部通報制度があるのは原子力関係で1つあるだけで他はまだない。そういうことで、それを日本的な風土の中でどういうふうに評価してどういうふうに定着させていくのかということで、まだちょっとやそっとではなかなか定着しない制度なのであろうと思うのです。

 そういうことで、これを中期的な課題という形で今回こういうふうに位置づけて、これをどうやってつぶしていくのかというお話でありますが、今の時点でまだ確固としてこうやっていくのだという成算があるわけではないのですけれども、いずれにしましても、今、私どもの方でも、要は今の消費者政策というのは30数年前にできた消費者保護基本法というのがベースになってでき上がっている世界であります。我々の方から言うまでもなく、世の中の流れは非常に速くて、いろいろ対応できていない部分というのは出ているのであろうと思います。

 そういうことも踏まえて、まさに消費者政策全体、消費者保護基本法のあり方まで含めて、ちょっと時間をかけて当方で見直してみたいということで、近々そういうことで作業を始めていきたいと思っております。そういう流れの中で、今の最後の「今後の中期的な課題」というふうに位置づけておりますけれども、そういうものも何らかの形で念頭に置くというか、解答を見つけるべく努力していきたいと、今のところは思っております。

〔 松本委員長 〕 局長からまとめのような発言が出されましたので、他にご意見がございませんようでしたら、本日のファースト・リーディングはこれぐらいで終えさせていただきまして、いろいろ出されたご意見に基づきまして、起草者グループでもう一度文章を練り直して、次回の4月4日に最終的なご決定をいただきたいと思います。

〔 堀田消費者企画課長 〕 次回の日程でございますけれども、4月4日(木)午後2時~4時とさせていただきたいと思います。場所は本日と同じ会議室でお願いいたします。

 今、お配りしておりますけれども、この本文とは別に、あくまでも参考として自主行動基準を作っていただくときに役立てていただく資料という意味でいくつかのものを用意しておりまして、中には用語解説などが入っております。項目別に関係法令や、あるいは実際、今、日本企業で自主行動基準を作っている場合のどういう例があるのかといったものを一応まとめておりまして、もしご覧いただきましてコメントがございましたら、恐縮ですけれども2日ぐらいまでにいただけますと、次回4日の会合にはまた修正して出したいと思っております。よろしくお願いいたします。

〔 松本委員長 〕 本日は3時間にわたりまして、長時間ご討議いただきまして誠にありがとうございました。                                                

 以 上