国民生活審議会消費者政策部会第6回自主行動基準検討委員会議事要旨

平成14年2月21日

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年2月19日(火) 14:00~16:00

2.場 所   第4特別会議室(中央合同庁舎4号館4階)

3.出席者   (委員)

松本委員長、池田委員、稲岡委員、川本委員、澤藤委員、高委員、滝川委員、

田中委員、タン委員、鍋嶋委員、南条委員、原委員、坂東委員、宮部委員、山本(豊)委員、山本(隆司)委員

(事務局)

亀井政務官、永谷国民生活局長、大石国民生活局審議官、

渡辺国民生活局審議官、堀田消費者企画課長、幸田消費者調整課長、

永松国際室長他

4.議 題

消費者に向けた自主行動基準の策定・運用に関する指針(案)について

5.会議経過

1) 事務局より、「消費者に向けた自主行動基準の策定・運用に関する指針(中間報告スケルトン案)」について、資料1に基づいて前回委員会後の変更点と、資料2に基づいて「Ⅲ.実効性確保・策定促進の方策」の論点について説明があった。

〔主な質疑〕

「資料1」について

・ 自主行動基準である以上、あくまでも企業が自主的に取り組むべきものである。市場原理で企業が主体的に判断して良いと思えば使うべきものであり、それ以上の義務付けは政令・法律でやるべきである。

・ 自主行動基準なので中身は各企業の自由だが、作成・公表も自由なのか。作成することの効果との関係で議論する必要がある。

・ 自主行動基準の対象範囲を「限定」というのは強すぎる。テーマによっては、他の要素もいれる必要が出てくるので、もう少し柔軟な表現にできないものか。

・ 対象範囲を「限定」したからこそ、明確な打ち出しができる。各種法律の規定・精神を実効あらしめるためにコンプライアンスプログラムのモデル指針を提示したと理解できる。各企業が限定された範囲で、どのようにコンプライアンスプログラムを作るかが基本である。

・ 情報開示・提供では「広告」が中心になっているが、今問題となっているのは「表示」なので、「表示」という項目を立てるべきではないか。

「資料2」について

 (資料2全体について)

・ 今日の表示詐欺事件は例外的な企業で、それをもって事業者全体を考えるのは不適切。

・ 今日の事件は氷山の一角。これは事業者が悪いというよりも行政がチェック機能を果たしていないため。

・ 行政=悪というのは如何なものか。

・ ①~③は良いが、④~⑥はこういうものもあるという程度で列挙するにとどめ、ADRは他の項目に移して⑦は削除するべき。

・ 政府調達についても議論の価値があると思う。

 (①運営に携わる人材の組織化)

・ 組織の中の検討だけでは限界があり、各種セミナーなどでのノウハウの共有化が有効である。そのためには担当者のネットワークを社会的に拡大していくことが有益となる。しかし、①営利の道に走らない、②自主自立、自発的活動の促進、ということに注意しなければならない。

 (②評価組織の育成と表彰)

・ 真面目に取り組んだ企業が社会に評価され、競争力を持てる仕組みが必要であって、そのためには司法・行政・市場という3つのアプローチがある。特に市場が評価する仕組みを作るには、NPOやNGOといった評価機関を育成する環境づくりが必要。

・ 経済産業省の「優良企業表彰」で、全く類似のものが機能しいているということ、資格をもった消費生活モニターが企業内で活動しているということ、の2点を考える必要がある。

・ 企業にとっては法律違反でない、報道に出ない、というのであれば、第三者評価は何も怖くないので、なかなか機能しない。そういう意味でも評価活動の全くのゼロからのスタートはとても大変だが、評価組織の育成と消費者教育はリンクして推進することは意味がある。

・ 消費生活センターなどを退職された方々は、能力を発揮する場所を求めているが、発揮する場が十分にない。そういう方々のことも含めて色々な制度設計を考えていけば、消費者団体のNPOというのは十分に可能性のある選択肢。

 (③消費者教育・啓発の推進)

・ 消費者教育は、あまりに何もやっていないのが現状。中高生を中心に、ゆとり教育の中で、社会生活で最低限必要なルールを教えるよう取り組んで欲しい。

・ 企業がやる消費者教育は、半分は宣伝であり、一定の限界がある。

 (④内部通報制度の考え方)

・ 内部通報者を社会的に保護することは社会全体の利益として必要であり、それによって企業利益が損なわれることはない。情報化社会では、企業の不利益情報はたくさん外部に出るわけで、問題が事前に上がってくる仕組みが必要。

・ 公益のために必要になってきたと同時に、ピラミッド型組織からフラット型組織へと移行する中で、企業内では極めて有益な制度。実際に会社として掴んでいなかった課題を事前に把握できたという実績もある。

・ 必要なのは分かるが、対消費者に限定した自主行動基準の中に入れるべき内容か。

・ ①~⑦を見てインパクトがあるのは④のみ。④のみが企業が自らやるものであり、実効性が高く、消費者に発表すれば値打ちがある。是非採用して頂きたい。

・ 企業側から実効性があがっているという報告があったので、何らかの形で報告書にしっかり書いておけば、議論に繋がるのではないか。

 (⑤「連邦量刑ガイドライン」的考え方の導入の是非)

・ 指針ではなく、法律に近づいてくる。1~2年勉強してみて必要ならばやればいいことであり、最初から取り入れると事業者側としても身構えてしまう。

・ 行政法に限定しているのはどういうことか。刑事罰の方が効果的であって、除くのはあり得ない。またこのような制度を検討することは、本委員会の域を大きく越えている。

・ 「Ⅱ.自主行動基準」で、事業者として独自に作成・運用することを規定しているが、この中に当然、社内での罰則規定が盛り込まれる訳であり、「Ⅲ.実効性確保・策定促進の方策」で、外側から支援するという枠組みではないか。

・ 「中央省庁行政罰ガイドライン」のようなものを検討すべき。

・ 企業の第一線で自主行動基準を作成・運営するには、インセンティブとなる制度的な仕掛けが必要。本項目は、報告書に是非残して欲しい。

・ 「行政法の罰則」とは何を意味しているのかよく分からない。課徴金、行政刑罰、秩序罰のうち、行政刑罰を想定しているのだろうが、一般的に行政刑罰は機能しておらず、実効性を高めるには限界がある。

 (⑥投資基準の開示義務の是非)

・ 自主行動基準への取組みは、利益率、研究、経営者の資質など多数ある投資基準のうちの1つの項目に過ぎない。

・ エコファンド、401Kなどもあるので、項目として残すことには賛成する。ただし一般人には分かりにくいので、分かり易い説明が必要。

・ 世界的にSRIのインパクトが大きくなっていること、日本でも実際に動きが出てきていること、量刑ガイドラインなどよりも施策に移すのが簡単なこと、以上のために、是非とも報告書にポジティブに書いてもらいたい。

 (⑦自主行動基準違反への対応)

・ 「ADRでの紛争解決の基準」という意味が良く分からない。また「事業者団体への加盟の条件」はカルテルに当る恐れがある。2点目の「法令違反とする考え方」は解釈の問題なので、公正取引委員会がやるべきことであって、本委員会がやることではない。

・ 本項目がないcode of conductは意味がない。

2) 次回日程は平成14年3月29日(金)14時から予定。

以 上

* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。