平成13年12月26日
内閣府国民生活局消費者企画課
1.日 時 平成13年12月21日(金) 14:00~16:00
2.場 所 第3特別会議室(内閣府本府庁舎3階)
3.出席者 (委員)
松本委員長、池田委員、稲岡委員、川本委員、澤藤委員、高委員、滝川委員、
田中委員、タン委員、鍋嶋委員、坂東委員、宮部委員、山本(豊)委員、
山本(隆司)委員、吉岡委員
(事務局)
渡辺政務官、池田国民生活局長、大石国民生活局審議官、
堀田消費者企画課長、鵜瀞消費者調整課長、永松国際室長他
4.議 題
1) 事業者から見た自主行動基準のあり方 宮部 義一 委員
2) 警備業界における自主行動基準の取組み 武内 望 氏
3) 消費者から見た自主行動基準のあり方 吉岡 初子 委員
4) その他
5.会議経過
1) 宮部委員より、「事業者から見た自主行動基準のあり方」について報告。
〔主なポイント〕
・ 企業は生き残りをかけて顧客満足を高めることに不断の努力を続けている。特に情報化進展の中で、消費者対応の悪い企業は糾弾され、市場からの退場を余儀なくされる。
・ 消費者契約法の施行を「消費者の信頼を勝ち取る」営業戦略のための機会として活用し、消費者への積極的な情報提供に努めたり、契約書やパンフレットをわかりやすく改めたりした企業や事業者団体もある。
・ 経団連企業行動憲章は、1991年に発表したものを、内外の情勢変化に合わせて1996年に改訂したものであり、主な特徴は①申し合わせ事項として、内外に宣言したこと、②各ステークホルダーズとの関係や経営トップの役割を10カ条にまとめたこと、③「実行の手引き」を作成したこと、④憲章違反の事態に対し、経営トップが問題解決にあたるとともに、自らを含めて厳正な処分を行うこと、である。
・ 企業の行動指針は、マネジメントの一環として企業の視点から作るものであり、消費者対応に限ったものではない。また、国がモデルを作成し、その採用を実質的に強制するのであれば、規制改革に反しており、強く反対する。
・ ISOなどの国際的な規格作りに消費者の視点を入れることや、企業の自主的な取組みを消費者が評価し、その評価をもとに投資を行うSRI(社会的責任投資)を考える方が有益である。
・ ISOのような規格やSRIといった評価機能に向けた環境づくりのために、国や消費者団体は消費者教育を督励し、事業者はディスクロージャーを充実していくことが必要である。
・ 今後の消費者行政の方向性の明確化と各省庁でばらばらに行っている消費者行政の一本化を強くお願いしたい。
2) 武内氏より、「警備業界における自主行動基準の取組み」について報告。
〔主なポイント〕
・ ガイドライン作成の目的は、公表して、消費者の安心感・信頼感を得て業界の発展に繋げるという戦略的発想と、消費者契約法に基づいて取消されぬよう契約の安定化と解釈の明確化を図るためである。
・ 方向としては、「~すべし」という行動規範にしたことと、中小事業者を考慮して、違反者のペナルティを織り込まなかったことである。
・ 主な内容は、①消費者契約法の解釈の明確化、②消費者契約法の上積み(不適切な広告の禁止、努力規定の義務化、23項目の重要事項の具体化、契約書の作成義務、作成者不利の原則を守った約款の解釈、不当条項、不適切な勧誘方法の禁止)、③苦情処理のための窓口の設置義務と自主的解決への努力義務、④IT書面一括法への対応、などである。
・ 課題として、ペナルティ規定がなく実効性に疑問があること、作成過程に第三者が関与していないこと、相談窓口に斡旋機能がなく苦情処理体制が整備されていないこと、などが挙げられる。
3) 吉岡委員より、「消費者から見た自主行動基準のあり方」について報告。
〔主なポイント〕
・ 消費者被害の対策として行政規制を強めることも必要であるが、事業者による自主行動基準が作成されればより効果的に実効性が高められると考えられる。
・ 国際消費者機構(CI)では「消費者の8つの権利」を掲げているが、特に「安全である権利」、「知らされる権利」、「選ぶ権利」、「補償を受ける権利」を具体化するものであれば、評価可能であろう。
・ 消費者に向けて作られた自主基準は少なく、現状は不十分な状況である。また、作られていても金融商品販売法に基づく勧誘方針のように具体的でなく、それだけで企業を評価できない状況である。
・ 自主行動基準の実効性を消費者が評価するにあたっては、消費者が評価できる水準での具体化、より公正な公表方法の採用、策定や改訂における消費者の関与、といったことが必要である。
・ 消費者が企業を評価する際の基準の提示、行政罰における量刑ガイドラインの考え方の導入、より高いレベルで実効性のある自主行動基準の推進等を行政に期待する。
・ 消費者は、消費者に顔の向いた企業を応援する一方、行動基準を示さない企業を評価しない行動が重要である。
〔主な質疑〕
・ 経団連企業行動憲章の実効性の確保は、基本的に各企業の自主性に委ねているが、定款12条委員会によって、会員除名が行われるようになっている。実際には、経団連役職の辞任、経団連活動の自粛などが行われている。
・ 直接消費者に接しない企業であっても、いずれは必ず消費者に繋がっている訳であり、社会的に問題のある行為に対しては、流通企業が生産企業を選別する等、サンクションを受けることになる。
・ 業界団体でガイドラインを作る際には、メリットを生かしてデメリットをなくすことがポイントだが、デメリットすなわち競争制限については、公正取引委員会に相談する必要がある。
・ 消費者の関与の仕方については、①消費者と直接接しない企業には自主行動基準を公開してもらい、それを評価する、②消費者と接する企業には作成段階へ関与させてもらう、③消費者が推薦する専門家を代表として入れてパイプとなってもらう、といったことが可能。
・ 環境に関して国がガイドラインを作ったことがあるが、産業界が反発し機能しなかったことがある。当委員会で検討するものについても、細かいものではなく、企業の自主性が生きるフレキシブルなものにすべきである。
・ 今でも必要最小限のルールがない分野もある。また、HACCAPなど、必要最小限のものを守っていると証明する書類を持っていても、実際には守られていない状況もある。
・ 行政罰に量刑ガイドラインを入れることは考えてよい。
・ SRIは大きな役割を有しているが、ISOとSRIだけで企業を引っ張るには無理がある。しかもSRIは株式を公開している大企業が中心なので、中小企業に期待するのは難しい。
・ モデル約款も消費者への最低限のルールを示すものとして、逆に競争を促進する面もあり、正当に評価されてよい。
・ 生命保険業界の「契約のしおり」や、クリーニング業界の賠償基準など、消費者が関与したことによる成功事例もある。
・ 警備業界のガイドラインは、対業者向けのガイドラインであるが、消費者と契約する際のガイドラインで消費者にも受け入れられやすく、民事ルールを補完するものとして意義がある。
・ 紛争解決に消費者の代表を入れるという視点も重要であって、そうすることによって事業者の紛争解決機関への信頼が高まる。さらには苦情処理データの公開ということになれば、申し分ない。
・ 商業高校で教えている民商法の基礎である「商業法規」を全ての高校で教えるなど、契約法の基礎について若者への消費者教育を重点化すべき。
・ 消費者像を勝手に描いて、それに劣っている人がいることを批判すべきでない。
・ 最近は消費者の自己判断能力が欠如しており、消費者教育の中で考えて行く必要がある。
4) 次回日程は平成14年1月28日(月)14時からの予定。
以 上
* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。
問い合わせ先 内閣府国民生活局消費者企画課
3581-9095