国民生活審議会消費者政策部会第3回自主行動基準検討委員会議事要旨

平成13年12月4日

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成13年11月30日(金) 10:00~12:00

2.場 所   第4特別会議室(中央合同庁舎4号館4階)

3.出席者   (委員)

松本委員長、池田委員、稲岡委員、川本委員、澤藤委員、高委員、

田中委員、鍋嶋委員、南条委員、坂東委員、宮部委員、山本(豊)委員、

山本(隆司)委員、吉岡委員

(事務局)

池田国民生活局長、大石国民生活局審議官、渡邊国民生活局審議官、

太田国民生活局総務課長、堀田消費者企画課長、鵜瀞消費者調整課長

永松国際室長他

4.議 題

1) 「コンプライアンス経営」について      稲岡 稔 委員

2) 日本におけるコンプライアンスの具体的対応  池田 耕一 委員

3) ACAP会員企業アンケート調査結果     鍋嶋 詢三 委員

4) その他

5.会議経過

1) 稲岡委員より、「コンプライアンス経営」について報告。

〔主なポイント〕

・ 「コンプライアンス経営」とは、単なる「遵法経営」よりも広く、「企業倫理(Business Ethics)」、「コーポレートガバナンス」、「誠実さ(Integrity)」などを含む概念として捉えている。

・ 海外に比べて日本では社会全体の「温度」がかなり低いことが現在の課題であり、ムラ社会の意識構造に起因している。したがって、日本では理念からアプローチするのが苦手なので、連邦量刑ガイドラインのようなものや社会的責任投資(SRI)といった制度的アプローチが必要である。

・ 消費者の視座からコンプライアンス経営を見てこなかったのも課題。

・ 「ステークホルダーから信頼される企業でありたい」という会社設立以来の社是をもとにガイドラインを作成している。

・ ヘルプラインを設けており、誰でも匿名で相談できる体制を整備している。また受け付けた相談は、匿名で企業行動委員会を通じて対応している。実際にヘルプラインがないと、風通しが悪く、受け皿がないということがわかった。

・ 事業所毎にラインとは別にリーダーを1名設置し、さらに地域毎にリーダーを集めて意見を聞くなど、ライン教育とリーダーによる教育を行っている。

2) 池田委員より、「日本におけるコンプライアンスの具体的対応」について報告。

〔主なポイント〕

・ 1992年に制定した行動基準を、「経営理念のあくなき実践をめざす(いわば“不易”)」、「新しい価値基準への対処(いわば“流行”)」という視点から、1998年に抜本的に改定を行った。

・ 改定のポイントは、事業活動の局面での具体的事項を策定したこと、全員が目指す方向を明示するものとしたこと、海外でも使えるようにしたことである。

・ ホットラインについては、『相互監視は排除し、倫理的問題があればまず上司に』という考えから、1998年の改定時には盛り込まなかったが、2001年1月に設置を行った。

・ 改定の背景には、企業を見る社会の目が厳しくなっていることも挙げられる。社会の価値観も「フリー(自由競争)、フェア(公正)、オープン(公開)」の意識を強めており、企業への期待も倫理の確立と順守を求めるように変化している。

・ こうした社会的意識の変化は社員においても急速にウェートを増してきており、最近の企業不祥事のほとんどに内部告発が関係していることの源であろう。「フリー、フェア、オープン」に反する社内状況を示す文書などは、すべて社外に伝わると考えるべきである。

・ どのような社会を消費者と事業者で築いていくかを考える時期にある。

3) 鍋嶋委員より、「ACAP会員企業アンケート調査結果」について報告。

〔主なポイント〕

・ 消費者(顧客)に関する規定を含んだ自主行動基準を「制定している」企業は、181社中138社であった。

・ 周知方法については、「全従業員に配布している」が殆どであるが、中には自主行動基準を知っているかどうかを、人事考課の中に組み込んでいる企業もあった。

・ 自主行動基準に経営トップが関与する体制を整備し、倫理担当部署が存在する企業が殆どであった。また「監査」の仕組みについては、「特にない」との回答が半数以上あったが、4割はその仕組みを持っていた。

・ 社外公表については4割強の企業が行っていない。また自主行動基準とは別に組織単位で多くの「行動基準」が存在しているのが実態である。

〔主な質疑〕

・ 企業利益のためにどこまで消費者利益を重視するのが得策か、という考え方から抜け出した消費者の視座ということが本当に有り得るのか。

・ 経営倫理という言葉が何度も使われているが、その定義については記していないのは各種教育のプロセスで考えさせているからである。

・ 経営理念の根幹はお客様本位であるが、事業活動の個々の分野においては、株主、地域社会、取引先等が重要となる場合もある。

・ 消費者契約法によるインパクトは確かにあり、重く受け止め、教育の中で解説などを行っている。

・ 消費者に公開するにあたっては、例えば消費者団体など理解のある消費者をターゲットとして周知を図っていく方法をとるべきではないか。

・ 小売業は地域での集まりなどに呼ばれることが多く、そこで説明責任の一部と位置付けて考え方を説明している。

・ 作成過程、チェック体制に外部の意見が入るような仕組みが必要。

・ 作成の際には各種作成されているモデル規範などを参考にしている。チェック体制については商法改正により社外取締役の設置が義務付けられれば、より外部の声が重要視されるようになってくる。

・ 日本の場合、内部告発には暗いイメージがあるが、告発者の扱い、内部告発が消費者利益になるのならばその推進体制はどのようになっていくべきか。

・ 内部告発を生かして、企業体質を良くして行こうという方向で動きつつある。

・ 内と外を区別して内部告発を隠す時代ではないという意識に変わりつつある。

・ 他省庁も各々の立場から消費者保護にアプローチしているので、範囲・視点などのすり合わせをお願いしたい。

・ 政府が立法化する前に産業界がやらなければいけない時代。

・ 行動基準などは社員の権利や義務を決めるものであって、消費者によく分からないのは当然。よって行動基準を消費者に公表することは意味がなく、多くの情報の中から消費者が関心をもっていることを独立させて方針として公表すべきである。

・ 企業としても消費者に向けて具体的なものを作ることが必要になってきていると感じる。

・ ウェブサイト上の行動基準の公表は消費者のためではなく、SRIの機関投資家のために行っていると言える。

・ ラインとは違うリーダーを置いているため、ヘルプラインに届いた声から事業所長を否応なしに考課せざるを得ない仕組みになっている。

4) 次回日程は12月21日(金)14時からの予定。

以 上

* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。