国民生活審議会消費者政策部会第2回自主行動基準検討委員会議事要旨

平成13年11月26日

国民生活局消費者企画課

1.日 時   平成13年11月21日(水) 14:00~16:00

2.場 所   第4特別会議室(中央合同庁舎4号館4階)

3.出席者   (委員)

松本委員長、池田委員、稲岡委員、川本委員、澤藤委員、高委員、 滝川委員、田中委員、タン委員、鍋嶋委員、南条委員、坂東委員、 宮部委員、山本(豊)委員、山本(隆司)委員

(事務局)

池田国民生活局長、大石国民生活局審議官、渡邊国民生活局審議官、 太田国民生活局総務課長、堀田消費者企画課長、鵜瀞消費者調整課長 永松国際室長他

4.議 題

1)日本企業における倫理綱領の現状と評価  田中 宏司 委員

2)コンプライアンス体制のあり方と法制度的な環境変化  高 巌 委員

3)その他

5.会議経過

1)事務局より、「平成13年国民生活モニター(9月実施)調査調査結果」について報告。

2)田中委員より、「日本企業における倫理綱領の現状と評価」について報告。

〔主なポイント〕

・各種アンケート調査によれば、まだ5~7割程の企業が倫理綱領を策定しているにとどまっている。また倫理綱領策定理由としては、「企業価値の確立」が最も多く、欧州等と同じ傾向である。

・倫理綱領の役割と位置付けは、①創業の精神、経営理念等を頂点にして、②中間に「倫理綱領」が位置して、全ての企業活動における実践の行動指針、ガイダンスとして機能し、③その下部に、社内各種規定・業務マニュアル等がある、ということになる。

・最も主要なステークホルダーである消費者について具体的に規定した倫理綱領はあまりない。こうした中、消費者を重視した経営を行うために「消費者(顧客)重視経営の企業評価7基準」(田中委員私案)を提案したい。

3) 高委員より、「コンプライアンス体制のあり方と法制度的な環境変化」について報告。

〔主なポイント〕

・①コンプライアンス体制の確立、また倫理綱領(行動ガイドラインなど)と連動した形での消費者対応を定めた方針を公表すること、②個別企業によるコンプライアンスへの取組みが競争力となるような法制度的な環境を作ること、これらがポイントになる。

・コンプライアンスは、計画―実行―チェック―見直しのプロセスを繰り返し、継続的に経営のあり方を改善していく活動。それが目指すものは、公正かつ誠実な経営を実現することである。

・リスクを洗い出すことによって、企業にとっての問題を明確化し、その上でコンプライアンスマニュアル等を作成することが必要。対消費者でも同様。

・ヨーロッパにおいては、経済力強化に向けて企業の社会的責任(CSR)を促進するために、マーケットが企業を評価するSRI(社会責任投資)に注目し、情報開示義務の法制化を進めている。

・日本でも社会的責任を考えるにあたっては、どういう社会を目指すのかを描いてから枠組みを考え、促進していくことが重要。

4)タン委員より、「オーストラリアにおける事業者団体の行動基準」について説明。

〔主な質疑〕

・コンプライアンスを広めるためには、①社会的責任として政府が企業に迫る、②企業利益のためになるとして企業を啓蒙して自発的に取り組ませる、という2つのアプローチがあるが、両方が必要ではないか。

・確かに2つのアプローチがあるが、なるべく自主性を持たせるのが理想である。

・この委員会では①の役割も担っている。

・マーケットに任せるものもあるが、それだけではインセンティブがないため、ある程度政府による強制が必要。

・マーケットで企業を評価させてコンプライアンスを推進すると言っても、消費者、投資家の意識が変わらなければ機能しない。政府が社会的責任についてスタンスを示すことで消費者の意識が変わる。

・消費者(販売勧誘方針・苦情対応方針・製品安全方針)を外側に置くというイメージがよく分からない。倫理綱領の根幹にあるべきではないか。

  →ウェイトが大きくないという意味ではない。一般に倫理綱領などはあまり公表されない上、消費者が評価するには具体性を欠いている。それならば倫理綱領とは別に、販売勧誘方針などの形で社会契約として公表する方がよいという意味である。

・コンプライアンスについて、変わらないものと変わるもの(不易と流行)があると思う。本委員会の検討でも将来の社会環境を見据えて検討すべき。特に我が国がどういう社会を作っていくかを踏まえていくことが重要。

・グローバル化の進展によって、世界各国から日本も先進国のルールに合って行動しているかという尺度で見られるようになっており、法令を上回る倫理的行動を求められるようになっている。

・見える形にしていくというディスクロージャーが大きな視点となる。倫理・環境・社会などに対する行動を公表しマーケットがそれを評価する。SRI(社会的投資)もその例である。お互いが見えていれば公正に行動し、信頼も得られる。

・企業倫理の追求と利益の追求は矛盾するとの考えも根強くあり、また倫理を守る企業が競争社会の中で生き残れるのかといった問題もある。

・欧米では強制的に情報開示を促す法整備をするだけであって、倫理的取組みを義務付けている訳ではない。我が国でもアンケートを見ると、ほとんどの人が真面目な企業のものを買いたいと思いながら、でたらめな企業が儲けていて、このような社会はよくないと思っている。それを継ぐ仕組みが情報開示である。

・NGOやNPOが企業を評価する主体というが、そのためには消費者としての権限強化と企業の情報開示が前提として必要。

・社会が規制型から民事ルールへ変わる中、企業経営の中に民事ルールの精神が導入される必要があるが、そういう企業は少ない。そのための手段が倫理綱領であり、消費者への方針である。

・ファイナンスの格付け、ISO、ホテルやレストランの星数など企業を評価する基準はすでに存在する。これらと本委員会の取組みとをどう考えるか検討が必要。

・大企業でも中小企業でも企業規模にかかわらず、トップから姿勢が変わってきている。企業倫理を遵守すれば仕事がしやすく、周囲から受け入れられやすい、という認識になってきている。

・法律はいろいろな分野で存在しているが、実効性があがらず問題が起きているので、量刑ガイドラインのようなものが必要との議論があった。そもそも企業の規模を大原則では考える必要はない。

・オーストラリアの業界団体の取組みは、業界カルテルになる恐れがあり、事実アメリカではやっていない。公正取引委員会の監視だけで十分なのか。

・オーストラリアでは作成や運用にあたって、各段階で必ず消費者代表等の外部の参加があり、競争制限にならないようにしている。

5) 次回日程は11月30日(金)10時からの予定。

以 上

問い合わせ先

内閣府国民生活局消費者企画課

3581-9095

* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。