国民生活審議会第14回自主行動基準検討委員会議事要旨

平成14年10月4日

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年10月4日(金) 14:00~16:40


2.場 所   中央合同庁舎第4号館第4特別会議室


3.出席者

 (委 員)   松本委員長、池田委員、稲岡委員、川本委員、澤藤委員、高委員、滝川委員、田中委員、タン委員、鍋嶋委員、原委員、坂東委員、宮部委員、山本(豊)委員

 (事務局)   永谷国民生活局長、田口大臣官房審議官、河大臣官房審議官、堀田総務課長、中村消費者企画課長、幸田消費者調整課長ほか


《 配 布 資 料 》

    議事次第【PDF:5KB】

    資料1 日本信販株式会社資料

                 ・日本信販のコンプライアンスへの取組み【PDF:274KB】

                 ・コンプライアンス教育・啓発の推移【PDF:11KB】

    資料2 雪印乳業株式会社資料

                 ・雪印乳業株式会社 企業倫理徹底への取り組み【PDF:392KB】


4.議 題

1) 日本信販株式会社からのヒアリング(嶋津執行役員コンプライアンス統括部長、福島コンプライアンス統括グループマネージャー)

2) 雪印乳業株式会社からのヒアリング(高原企業倫理室担当取締役、日和佐社外取締役、岡田企業倫理室長)

5.会議経過

 1) 日本信販株式会社の嶋津コンプライアンス統括部長より、「日本信販のコンプライアンスへの取組み」について報告があった。

 〔主なポイント〕

・ 創業の精神「大衆には“信用”という無形の財産がある。この“信用”を活かす事によって物質的にも精神的にも豊かで明るい生活を営む事ができる」を受け継ぎ、企業理念「消費者の生活をより豊かに」がある。

・ コンプライアンスを「法令や規則を遵守する」、「倫理規範や社内規則といった社会規範を広く遵守する」、「公正な行動をとる」、「役員や従業員による違法行為を未然に防止する」と定義。

・ 倫理綱領は、基本方針から導かれたもので、役職員がコンプライアンスを実践していくための基準や行動の指針を示したもの。「人権の尊重」、「お客様に関する情報」、「金品等の取り扱いに関する倫理義務」など23項目からなる。

・ コンプライアンス委員会、コンプライアンス統括部、コンプライアンス連絡協議会、コンプライアンス責任者、コンプライアンス推進者、監査部、NICOSコンプライアンスホットライン(内部申告制度)をはじめ、就業規則に基づく賞罰等の審議を行う人事委員会、お客様相談室などによりコンプライアンス体制を構築。

・  実効性向上のため、役員、社員、嘱託社員用の「NICOSコンプライアンスマニュアル」、パート、アルバイト、派遣社員等臨時雇員用「NICOSコンプライアンスマニュアル(抜粋版)」を作成。また、経営幹部研修、全グループ役職員・臨時雇員を対象とした初期導入教育、階層別・部門別等の定着教育等を実施。

・ モニタリングとして、初期導入教育時アンケート、自己点検アンケート、各職場でのコンプライアンスミーティング、全社的顕在化・潜在化リスクの洗い出しを実施した。また、これらを対応策の策定などに結び付けていきたい。

・ ①対外的公表の実施、②実効性の向上、継続的改善策、③危機管理体制の再構築、④消費者参加が今後の課題と考えている。

 〔主な質疑〕

・ ホットラインは社外に設置した方が良いという考え方はなかったか。また、件数や内容はどうか。
→コンプライアンス統括部の中にあるが、データベースは限られた少数の者しか見られない上に、転送・印刷もできないようになっており、セキュリティには万全を期している。内容は相談・質問が主で、深刻なものはない。この3ヶ月間の件数は月に40件程で、以前より増えている。

・ 「倫理観」はコンプライアンスとしてどの範囲を規定しているのか。
→確かに幅広いが、常識・道徳を倫理とするのが企業の姿と考えた。

・ 過剰貸付等の顧客とのトラブルについて、どのように対応しているのか。
→主管部署が第一に対応し、大きくなればコンプライアンス統括部へ上がってくる。

・ お客様相談室とのリンク、全体の中での位置付けはどのようになっているのか。
→お客様相談室で集約し、必要なものはコンプライアンス統括部へ上がってくる。

業法に限らず、民事ルールも明確に遵守することを唱えるべきではないか。
→社会人として当然であり、マニュアルでは業法に限っている。

・ 加盟店管理において、加盟店のコンプライアンス状況もチェックすべきではないか。
→加盟店契約の際の審査は厳格に行っているが、加盟店のコンプライアンスのチェックはやっておらず、今後の課題。

・ 信頼を得るためには、一般へコンプライアンスマニュアルを公表すべきではないか。
→来年3月までに、ホームページ、アニュアルレポート、会社概要等で、順次積極的に公表する予定。

・ 公表による信頼と消費者参加を如何にやるかが重要。
→モニタリングなどでの消費者参加は困難であるが、今後の検討課題と考えている。

・ コンプライアンス体制構築のコストはどれくらいかかるのか。また、そのコストに見合う会社への貢献はあるのか。
→これまでの蓄積があるので、人件費を除けば、マニュアルの印刷費、教育等のランニングコスト程度で千数百万円くらい。貢献ということでは、目に見えたものはないが、士気・マインドの醸成として意義があったと考えている。

・ マネジメントサイクル(PDCA)を回すことが大事であり、中でもチェックが最も重要であるが、チェックにはアレルギーがある。にもかかわらず、アンケートの回収率が80%というのはモニタリングにしては高いが、どのようにやったのか。また、同時に課題を出させなかったのか。
→個人宛に社内メールを送り、クリックのみで回答できるようにした。また、メールだと個人が特定できてしまうので、問題のある場合はホットラインで受け付けることにした。

・ アンケートを踏まえ教育をするなど、仕組みで終わらずに継続的改善を行っているのは評価できる。信販業界の中では進んだ取組みをしていると思うが、業界全体に普及させる必要がある。業界としてはどうして行くのか。
→コメントする立場にはないが、個人的には、競争力に繋げるためにも業界が強くしばるものをつくるべきでないと思う。

・ マニュアルでは取組みが内向きに見えるが、消費者との関係はどのようになっているのか。
→消費者の参加は、今後の課題。どう組み入れていくかを考えていきたい。

・ リーディングカンパニーとして、業界として基本的なルールは全ての社が守っていくようにすべきで、業界へ働きかけるべき。

・ お客様相談室をコンプライアンス体制図の中に明確に組み入れること、民事ルールや加盟店管理等の問題を業界型ADRでどのように考えるかということを今後議論して欲しい。
→マニュアルの改定などの時に組み入れていきたい。

今回はコンプライアンスマニュアルをご説明いただいたが、これは内部的なマニュアルであり、「自主行動基準」そのものは外部向けに方針を示すものという理解が必要。

 2) 雪印乳業株式会社の岡田企業倫理室長より、「雪印乳業株式会社 企業倫理徹底への取り組み」について報告があった。

 〔主なポイント〕

・  事故再発防止と信頼回復に向けて、①経営諮問委員会の設置、②企業行動憲章・指針の制定、③お客様センターの設置、④商品安全監査室の設置、⑤食品衛生研究所の設立などを行った。

・ 経営諮問委員会では、企業風土の刷新・経営革新に向けて、各界を代表する有識者から客観的・多面的な助言・教示をいただいた。

・ お客様センターでは、お客様からの声に基づく商品の改良・改善の提案が約60件あった。

・ 企業体質変革のための新再建計画として、社外取締役の招聘、社外有識者による「企業倫理委員会」の設置、「女性アドバイザー」、「お客様モニター制度」の導入を行い、社員の自主的な変革への運動が始まった。

・ 社外取締役は、消費者の立場から取締役会で発言、企業倫理委員会の委員長として意見を取りまとめ取締役会に提言などを行っている。

・ 企業倫理委員会は、社外の有識者による企業倫理徹底のために設置し、取締役会の諮問機関として、企業倫理面及び品質面等に関する提言・勧告ならびに検証を行う。

・ 企業倫理室を設置し、企業倫理委員会の事務局を務めるとともに、雪印企業行動憲章、指針の普及活動、企業倫理ホットラインの周知徹底と活用促進を図っている。

・ 企業倫理ホットラインへの投稿状況は、7月に3件、8月に15件。結果については社長に報告。

・ 雪印グループへの企業倫理の取組みとして、食品表示監査、企業行動憲章・規範・指針等の制定と定着の確認、アンケートなどを実施。

 〔主な質疑〕

・ 消費者の信頼を一度失ってしまっているので、思い切った措置を取るメリットがあるのではないか。モニター制度をしっかりさせ消費者に納得させることが重要。例えば、内部通報制度を社外に置くなどが必要。
→ホットラインは社内の企業倫理室で対応しているが、対応結果は企業倫理委員会で評価、提言を頂いており、社外の意見が反映されている。現在、一番力を入れているのは、お客様センターでの苦情対応であり、社長への報告などお客様の声を第一にしている。

・ お客様センターの社内での位置付け、社長との距離が重要だが、貴社ではどのようになっているのか。
→副社長がお客様センター室長として管轄し、全役員に報告をしている。毎週、社長はじめ全役員、部長会の席上でお客様センターから報告があり、商品の改善等の討議を実施している。

・ お客様センターはもともとあったのではないか。今回新規に設置したのか、改善なのか。
→全国6地域にあったものを統合し、本社に一元管理できるようにシステムを改善した。全国どこで商品に係る事故などが発生しても把握、対応できるようにした。

・ 行動憲章もトップダウンではなく、社員が考え、そのアイデアをもとに作っていけば、明確で具体的になり、社員への徹底が図れるのではないか。
→現在、行動憲章の見直しを進めており、この見直しは社員全員と意見交換しながら作りたいと考えている。

・ 事件後、社内がどのように変わったのか見えない。継続的に取組みを情報開示することが重要ではないか。
→新再建計画では、この2年間の総括を実施し、ステップアップしていく指標にしている。他社でも信頼を回復するのに20年かかったという。事件を風化させないようにしたい。

・ 社外取締役として感じるところは何か。
→外にいたときの情報入手方法は、マスコミと行政しかなかったが、中に入ってみるとそれらは外向けの情報であり、実際には複雑な要因があることがわかった。情報量が違う。また、システムをよく作ることはできるが、如何に末端まで行き届かせるかが難しい。さらに、システム作りにおいてトップダウン式では全社員の参画がないので、今後実施していく「行動憲章の見直し」、「表示の見直し」等では、一定の方向性が見えた段階で社員の意見を聞き、合意の取れたものとしたい。

・ 社外取締役の役割は、本来、消費者問題に限らない。コンプライアンス体制に社外取締役が関わる形にしていくことが必要。

・ もっと情報公開して欲しい。コンセプトブックは外に出すといけないほどのものか。公開した方がメリットがあるのではないか。
→公開しない理由はなく、当時は他企業に倣った模様。見直し後の新しい行動憲章は公開する予定である。

・ 公開は望ましいが、リスクに関して社員の意見を聞きながら具体的なものを作ると、公開が逆にリスクになると思う。

・ 回復まで20年と言わず、取組みの成果を早く形にして欲しい。そうすれば、他社のコンプライアンスの促進になる。

・ どこの会社もお客様第一主義を掲げるが、その割に社員に対する消費者教育には取り組んでいない。アンケートによれば、社員生活の中で一生涯2~3回程度。もっと力を入れて欲しい。
→お客様の声に耳を傾けることが第一。生産者との対話も続けている。

 3) 次回日程については調整中。

以 上

* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。