国民生活審議会第12回自主行動基準検討委員会議事要旨

平成14年7月31日

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年7月29日(月) 13:30~16:10


2.場 所   中央合同庁舎第4号館第4特別会議室


3.出席者

 (委 員)   松本委員長、池田委員、川本委員、高委員、滝川委員、田中委員、鍋嶋委員、南条委員、坂東委員、宮部委員、山本(豊)委員、吉岡委員

 (事務局)   亀井大臣政務官、永谷国民生活局長、田口国民生活局審議官、堀田総務課長、中村消費者企画課長、七尾国際室長ほか


《 配 布 資 料 》

    議事次第【PDF:8KB】

    資料1 日本通信販売協会資料(以下掲載略)

                 ・JADMAパンフレット

                 ・JADMA NEWS 5月号

                 ・通信販売倫理綱領

                 ・通信販売業における電子商取引のガイドライン

                 ・テレビショッピングに関するガイドライン

                 ・通信販売業における個人情報保護ガイドライン

    資料2 日本訪問販売協会資料

                 ・(社)日本訪問販売協会のご案内【PDF:12KB】

                 ・(社)日本訪問販売協会 平成13年度事業「裁判外紛争処理機関(ADR)的機能強化の研究(資料)」【PDF:48KB】(一部非公表)

    資料3 日本百貨店協会資料

                 ・自主行動基準検討委員会ヒアリングレジュメ【PDF:8KB】

                 ・食品の安全性確保と表示等消費者対応問題について【PDF:16KB】

                 ・食品安全推進委員会の設置と委員長について(非公表)

                 ・百貨店の食品売場における危機管理マニュアル(非公表)


4.議 題

1) 社団法人日本通信販売協会からのヒアリング(万場徹理事)

2) 社団法人日本訪問販売協会からのヒアリング(丸山利弥事務局長)

3) 日本百貨店協会からのヒアリング(今井成价理事)

5.会議経過

 1) 日本通信販売協会の万場理事より、通信販売倫理綱領等について報告があった。

 〔主なポイント〕

・ 当協会は、特定商取引法に規定された協会であり、現在の会員数は、正会員328社、準会員65社、賛助会員165社。

・ 消費者からの苦情解決にあたる「通販110番」を設け、現在5名の消費生活アドバイザーが対応。2001年度に寄せられた相談総数は3,915件で、前年度比4.8%増加。うち会員社に対するものは苦情、問合せともに減少したが、非会員社に対するものは苦情、問合せともに増加。

・ 1984年、学識経験者、消費者代表、マスコミ、業界からなる倫理綱領制定委員会により、通信販売倫理綱領を制定。倫理綱領は精神的色彩が強く、具体的内容については通信販売倫理綱領実施基準にて規定。

・ 通信販売倫理綱領実施基準は、「表示基準」、「取扱商品基準」、「取引方法に関する基準」の3本柱からなる。また、平成6年3月8日の一部改正で、「原則として返品を受けるもの」とする返品条件を規定。

・ 電子商取引のガイドラインは、基本的に倫理綱領を踏まえつつ、電子商取引特有の規定として、「1.1 販売主体についての表示」、「1.4 申込みを受けるための画面構成」、「3.2 取引に関する電子データ等情報の取り扱い」、「3.8 個人情報保護」、「3.10 電子メールの送付」、「4.システムの保全義務」などを追加。

・ テレビショッピングに関するガイドラインは、映像に関する表示基準を規定している以外は、倫理綱領に基づくもの。

・ 個人情報保護ガイドラインは、旧通産省の指針を受けて作成したもの。基本的に指針をベースとしているが、「メール・プリファランス・サービス」規定を独自に追加。

 〔主な質疑〕

・ 通販110番と会員企業相談窓口との係わり合いはどうなっているのか。また、非会員に関する相談はどうしているのか。
→通販110番では、あっせんまで行っている。また、非会員についても同様に対応するが、強制力がないので、最終的には企業の自主性に委ねるしかない。

・ 返品特約など法律よりも消費者保護を高めた規定は、事業者の自由を損ねるという要素があるが、どのように基準決定に至ったのか。
→商品特性に基づき返品不可商品を予め広告表示することにより、コンセンサスを得た。倫理綱領は外部者を含む制定委員会により制定したが、その他のガイドラインは協会事務局、会員、顧問弁護士の協力を得て作成。

・ 協会員数、協会売上高は、業界でどれ位のシェアなのか。また、非会員が入会するに当たっての障害は何か。
→会員数のシェアは不明だが、オンラインショッピングが30,000店と言われている中で会員328社は少ない。売上高については9割程度と認識。中小にとっては、ガイドラインの遵守や会費等の負担があるかも知れない。

・ ガイドラインという手段は有効なのか。
→入会の際にガイドライン遵守の誓約書を取っており、有効性を確保している。ただし、零細企業が多いので全てを徹底することが難しく、セミナー等で周知を図っている。また、非会員向けには、昨年、全国4箇所で説明会を実施。

・ 特に消費者契約法の不実告知などは通信販売には適用すべきと思うが、なぜ見直しをしていないのか。また倫理綱領等の見直しを行わない理由はあるのか。
→理由は特にないが、現状のものでカバーしていると認識している。消費者契約法に比べて不足があれば改訂したい。

・ 消費者政策部会の中間報告に対してどのような感想を持っているか。
→自己宣言の考え方は非常に大切。今後勉強して盛り込むところは盛り込んでいきたい。

・ 実効性担保について、JADMAマークやオンラインマークの付与条件、条件遵守のモニタリングなど運営上の工夫はどのように行っているのか。
→JADMAマークを付与した会員については、ガイドラインや法令を遵守しているかチェックしているが、オンラインマークを付与した会員は零細企業が多いので全てをチェックするのは難しい。3ヶ月に1度ホームページを視認し、問題があれば指摘し是正を求めている。通信販売は数多くの広告媒体を使用しており、全ての広告をチェックすることは容易ではない。

・ ネット通販における国際的な動き、課題はどうなっているのか。
→日本、韓国、米国で覚書を締結した。そのうち、日韓についてはさらに提携を進めていく予定だが、基準、法律が違うので、今後細部を詰めていく予定。

・ ガイドライン違反に対する規定が見受けられないが、何か効力はあるのか。
→規定はないが、会員はガイドライン等の遵守を誓約しており、過去の例ではマークの使用停止(資格停止)などのペナルティを行ったことがある。また、過去に例はないが除名もあり得る。

・ 売上高は9割程度をカバーしているとのことだが、影響力から考えて、ガイドライン制定にあたり、公正取引委員会に相談したか。
→相談はしていない。

・ ペナルティを倫理綱領に記載しても良いのではないか。
→入会の時点で遵守が前提となっているので、遵守しなければ当然ペナルティを科すという考え方である。

・ 中国のダイエット食品などが話題となっているが、会員の中にそれらを扱っている企業はいるか。
→今回の商品を扱っている会員はいないと認識している。しかし、全社の全取扱商品を把握しているわけではないので、問題発生後すぐに会員に点検するように通知した。

・ 取扱商品基準に係る規定が少ないが、輸入が増えてくる中で問題ではないか。
→取扱商品が多く、個々の商品について規定するのは不可能。倫理綱領のレベルではこの程度だと思う。

 2) 日本訪問販売協会の丸山事務局長より、訪問販売業界ADR等について報告があった。

 〔主なポイント〕

・ 現在、会員は314社、13団体が加盟。協会売上高は、業界全体の8割程度と推定。

・ 自主規制策の推進として、(1)倫理綱領・自主行動基準、(2)倫理審査委員会、(3)訪問販売員登録制度、(4)消費者相談処理体制(訪問販売110番)、(5)訪問販売業界ADRの5つがある。

・ 訪問販売業界ADRとして、平成14年6月6日より、従来の「消費者相談室」に加え、「消費者苦情検討会」及び「消費者取引紛争処理委員会」を新設し、「消費者取引紛争処理機構」と総称。

・ 消費者相談室は消費者苦情の相談業務を行い、解決困難な場合は消費者苦情検討会にかける。消費者苦情検討会は両当事者の事情聴取と解決のためのあっせんを行い、不調となった場合は両当事者同意のもと紛争処理委員会にかける。消費者取引紛争処理委員会は費用1万円(両当事者で折半)で紛争案件の解決案を作成する。

・ 事業者は委員会の解決案に従うものとし、会員が正当な理由なくこれを拒否した場合は、理事会が定款の規定に照らして相当の措置(改善勧告、権利停止、除名など)をとる。

・ 訪問販売企業の自主行動基準の特徴として、(1)契約のプロセスに沿って細かく行動基準を定めたこと、(2)相談の多い11商品について商品毎に禁止事項を作成したこと、がある。

・ 連鎖販売取引に係る自主行動基準の特徴として、(1)相手方の理解を容易にするような情報開示に努めること、(2)具体的禁止行為を定めたこと、(3)返品(買戻し)制度について、訪問販売協会世界連盟に習い、申請から1年以内のものを90%以上で買い取ること、がある。

 〔主な質疑〕

・ 規制緩和を受けて業界ADRは重要だが、消費者は業界ADRでの裁定に心配があるので、業界寄りとならないシステムを担保することが重要。
→プライバシーに配慮しつつ、処理結果を公表し、疑義があれば受け付けるようにしている。また、委員名簿についても公表している。

・ 消費者取引紛争処理委員会は費用1万円を両当事者で折半するとのことだが、事業者に問題があることが大半なのに、折半で良いのか。
→相談室は無料で行っており、ADRまで到達する案件は少ないと予想している。またADRの簡易・迅速・低廉という観点から5,000円が相場だと思っているが、それでも問題があるというのであれば、状況を勘案しつつ検討していきたい。

・ 訪問販売の場合、高齢者等への販売について問題が多いが、適合性の原則に関する記載が抽象的で弱いのではないか。積極的な記載をお願いしたい。
→高齢者を年齢で分けて営業活動に制約を加えることは出来ない。訪問販売は高齢者にメリットの大きい販売形態と考えており、高齢者への被害防止には事業者の質を高めることで対応したい。業界の意見も踏まえて議論の末に出来上がったものであるが、本基準は早い段階で見直しを行いたいと考えているので、意見があれば申し出て欲しい。

・ 訪問販売業界は、不適正取引が多く報告されている業界であるにもかかわらず、本指針にはまだきれい事やグレーゾーンが多い。一定の指針を示すことが大切ではないか。
→協会としては具体的なものを策定したいが、一方で会員は手かせ足かせをかけられるという意識がある。意識改革・環境づくりの第一歩であり、今後充実を図っていきたい。

・ 連鎖販売の注意喚起文には、一定の行為が特商法違反であれば犯罪行為であるといった内容を織り込んでもよいのではないか。
→同趣旨のことは法律ですでに記載事項として入っているので、それとは別に、冷静に自分自身で判断して欲しい旨の自己責任の部分を入れた。

・ ADRには実績の積み重ねが大切だが、今年度の目標は何件位か。
→手探り状態であり、PR中でもあるので件数の推測は難しい。現状としては先ず業界内に周知徹底することを優先にしている。

・ 実際の紛争解決の中でどう生かされるのか。紛争解決規範として位置付けられているのか確認したい。
→会員は裁定に対して拒否できないので、機能すると考える。

・ 迅速な解決を図るという指摘があったが、紛争解決期間についての具体的記載がない。その点について議論された経緯があるか。
→指摘はあった。運営した状況を見て、中身に手を加えていきたい。

・ 商品別の細則は評価できる。このように細かく作らざるを得なかった協会の思い、会員の反応について教えていただきたい。
→相談件数が多い商品はほぼ例年変わらないので、その商品の相談を減らすことでかなりのトラブル件数を減らすことができると考えた。委員会の場では自主基準策定に対し反対する会員はいなかったが、ただ、個々の基準については本当に守れるのかは危惧がある。意識の高い会員もいるので、リーダーシップを取れるよう育てていきたい。

・ 中小の会員企業が多い中で如何に徹底するのか。また、基準は会員のみに周知するのか、消費者にも公開するのか。
→トップセミナーなどで経営者の意識から変えていかなければうまくいかないと考えている。また、すでにホームページに掲載して公表している。ただし、商品別の基準は会員に周知して抵抗がなくなるまで一般への積極的な公表は差し控えたい。

・ 通販のようなマーク制度はあるか。
→教育登録制度があり、教育登録証を交付している。それが安心の目安となるよう消費者啓発している。

・ 海外では、訪問販売を原則禁止としているところもあると聞く。消費者は本当に訪販を望んでいるのか根本から考えるべきではないか。
→このままで生き残れるのか危機意識がある。研究はしており、チャネルミックスのようなことも考えていきたい。

 3) 日本百貨店協会の今井理事より、「食品の安全性確保と表示等消費者対応問題について」等について報告があった。

 〔主なポイント〕

・ 現在、会員は113社、281店舗。売上高は85,700億円。

・ 6月25日、食品業界の代表企業7社のトップと、東京地区百貨店13社の食品担当責任者による懇談会を開催し、問題意識の共有化と両業界が共同して取組むコラボレーション事業について協議。両業界が危機意識を共有して対応することが不可欠であるという認識のもとに、共同で取組むべき事業について早急に具体化することとなった。

・ 両業界による具体的コラボレーション施策として、(1)食品の安全性チェックのための「チェック・デー」の創設、(2)表示適正化促進のための「ガイドライン」「表示事例集」の作成、(3)食品に特化した危機管理マニュアルの作成、(4)全国百貨店の食品担当者による情報ネットワークの構築、を開始。

・ 現在検討中の「百貨店の食品売場における危機管理マニュアル」について、概要の説明。

 〔主な質疑〕

・ 食品売場におけるテナントの比率、派遣社員の比率はどうなっているか。
→テナントについて、伊勢丹で270社、三越で350社、自前の売場は10%以下であろう。社員について、東武百貨店で1,000人、内社員150人程度。

・ 表示に関しては、公正競争規約で規定するのが一般的だが、自主基準で行ったのはなぜか。
→百貨店の食品取引先は限られているので、消費者への誤解防止と取引先の負担軽減という観点から自主的に統一した。

・ 消費者の関与はどのように位置付けられているのか。
→百貨店食品オンブズマン制度ができ、消費者が関与することを期待している。現在は内部体制の確立が精一杯であり、余裕がない。

・ 各百貨店のどのレベルの人が原案を作成しているのか。また、若い人向けに分かりやすさが望まれるが、どのようになるのか。
→食品担当部長、品質管理、消費者問題の担当者、法務担当などで検討している。また、必要最小限度のチェック項目でわかりやすく記載するようにしている。

・ 協会として一般に公開する予定があるのか。
→取引先には無料で配布する。内部向けの言葉遣いという問題はあるが、インターネットなどを通じて公開する予定。

・ オンブズマン制度、チェックマン制度はどれ位の規模で考えているのか。
→現在、まだアイデア段階であり何も決まっていない。

 4) 次回日程は、8月28日(水)14時00分からの予定。

以 上

* 本議事要旨は暫定版のため、今後修正があり得ます。