平成14年9月19日(木)
内閣府国民生活局消費者企画課
1.日 時 平成14年9月13日(木) 9:30~12:30
2.場 所 中央合同庁舎第4号館 共用第4特別会議室(406号室)
3.出席者
(審議会)
落合部会長,浅岡委員,有馬委員,大羽委員,加藤委員,高委員,高橋委員,鍋嶋委員,野村委員,福川委員,増田委員,松本委員,宮部委員,山中委員,山本委員(事務局)
亀井内閣府大臣政務官,永谷国民生活局長,田口官房審議官,河官房審議官,堀田国民生活局総務課長,中村消費者企画課長,幸田消費者調整課長,七尾国際室長 ほか
資料1 消費者契約の適正化について(論点ペーパー)その2[PDF:357KB]
1.教育サービスのうち「学校教育」に関するPIO-NET件数 [PDF:17KB] 2.介護サービスと介護商品にかかわる消費者相談<概要> [PDF:257KB] 3.介護が必要な高齢者のための住宅改修 [PDF:150KB]
4.概要
事務局より,「消費者契約の適正化(論点ペーパー)その2」に基づいて説明が行われた後,論点ごとに,大要以下の議論がなされた。
(1)表示・広告について
・表示・広告については,基本的理念をきちんと持つ必要がある。一般に,広告はある程度誇張して行うことが許されているといった風潮がある。法令も,「著しく誤認を与える場合」などと規定している
・表示・広告に関するトラブルを減らすための対応として,①規制の要件が適切か,②罰則が適切か否か,③執行体制が十分か,④企業の内部体制が十分か,の4点の検証が必要ではないか。
・消費者保護基本法は,表示についてに抽象的に規定しているが、詳細にすることも難しい。例示等で明確にしていくということも考えられる。公正競争規約も実質的に消費者の声が入る体制とすべき。
・表示に関する法令に違反した場合の罰則はどうなっているのか。諸外国の状況も調べてもらいたい。
・独禁法でも私訴が導入されたが、すでに被害にあった人にはメリットがなく、被害にあっていない人は誇大な広告と理解している。こうした中では消費者団体に団体訴権を与えることも考えるべきではないか。
・表示関係の規制の法律は,すべて「著しく」といった要件が付されている。なぜ消費者保護基本法の規定から「著しく」といった要件が出てくるのかわからない。
・テレビのサラ金の広告は規制できないものか。望ましくない広告というものも考えなくてはならないのではないか。
・景表法違反の措置が排除命令だけで,事業者の不当な利得を吐き出させる仕組みがないのは問題ではないか。事前規制をなくして事後チェックもやらなければその市場は悪質事業者だらけになってしまう。
・公取委が内閣府に移ってくるということなので,公取委に消費者保護機能を与えてよいのではないか。また,規制改革会議で提言された制裁金が導入されれば,事業者がコンプライアンス体制を構築していたか否かで量刑を変えるアメリカの連邦量刑ガイドラインのような考え方を取り入れるのがよいのではないか。
・特商法でも穴がある中で、どのような新手の取引が出てきても,消費者が選択を誤ることのないような環境が作られなければならないのではないか。
・消費者契約法は,勧誘に際して消費者に誤認を与えた場合に取消しを認めている。少なくとも消費者が当該広告で誤認し,事業者がその誤認を解けずに契約した場合などには消費者契約法で取消できると解釈すべきではないか。内閣府の逐条解説だと広告は勧誘とみることはないとのことだが,解釈の見直しを検討してもらいたい。
・民法でも錯誤,詐欺については取消しが認められているが,現実に適用するとなると難しい。事業者等の自主行動基準に広告等について規定させて,違反するようなことがあれば取消しができるといったことを検討してはどうか。
・消費者契約法は,情報提供については規定しているが,広告表示も情報提供の一つ。消費者契約法では努力義務となっている情報提供について法的義務にすることを検討すべきではないか。
・財・サービスの契約と表示・広告は一体として考えるべきである。日本ではそこが分離されている。
・ルールを決めても結局あいまいでこれをいくら議論しても建設的でない。きちんと罰を課すことの方が重要。
・景表法で排除命令が出ても,個々の消費者にとってはその後どのように対処されたかが重要。それがわかるようにしていくべき。
・インターネットを利用した取引等で書面等がきちんとされていないものが増えている。こうした分野で表示をどう行わせていくかが重要。
・広告と説明のための表示を一緒に考えるのは難しい。広告には表現の自由との関係もあるので,様々な分野での検討が必要。
・広告については,JAROが様々な検討をしており,その報告も出されている。不当な表示についてはやり得になっているので,制裁金のようなものを導入するのも一つの方策。
・表示・広告の適正化のためには,あらゆる手段を尽くす必要がある,民事ルールを活用できるのも一つの方策だし、団体訴権の導入も重要だが、公取がしっかりと法執行を行っていくことこそが重要。
・各種法律があるにもかかわらず被害が増えていることを考えてもらいたい。個別法でも対応しきれないのだから、包括法できちんとやるべき。その上で個別法において細かくチェックすることが必要。
(2)勧誘行為の適正化について
・消費者契約法では限定されたが,威迫的言動その他消費者の自由な意思形成を妨げるものを取消しの対象とすべきで,今後見直しの際に検討すべき。一方,困惑には「威迫して困惑」の他に「親切にして困惑」,「恋愛感情からの困惑」といろいろあるので困惑だけの要件だけで取消しを認めることは難しいだろう。
・「泣き落とし」で困惑させるといったことも行われている。困惑させるような勧誘を制限するといったことも必要ではないか。
・目的を隠した勧誘も多くある。市の水道からのアンケートなどと言って近づき,物を売りつけてくるようなこともある。
・FAX等による勧誘もきちんと手続きを踏んで勧誘されてくるものはほとんどない。また,電子メールについては一応制限はされているが,制限する根拠が消費者のためではなく,システム障害が発生する可能性があるためである。生活圏を侵害するような不公正な行為は許されないのではないか。
・不招請勧誘は契約の適正化に限定されず、むしろプライバシーの問題なので,もう少し大きな視点で考えるべき。消費者保護基本法にも、消費者のプライバシーについて「私生活の領域尊重」の規定を入れてもらいたい。しつこい勧誘の電話などは,迷惑であると同時に,個人情報が流れているといった問題もある。
・勧誘に際しては,オプト・インのシステムを導入できないかと思う。そもそも電話勧誘を行うことがふさわしくないものもあり,このようなものは勧誘自体を規制することも考えるべき。
・不当な勧誘は,どのような制裁措置を採れば抑制できるのか考えるべき。それでなければ,目的を隠した勧誘が横行しているような現状を是正することはできない。
・契約の適正化の中では公共サービスの契約の適正化についても考えていただきたい。
(3)クーリング・オフに関する問題について
・クーリング・オフは、突然の契約だから頭を冷やす期間を与えるというより,消費者と事業者の情報ギャップを根拠にしたものであり,クーリング・オフの考え方を広げるべきではないか。通信販売については,現在クーリング・オフが法令上認められていないが,トラブルの原因は事業者の情報提供が不十分であることが多い。また,クーリング・オフの行使期間についても検討する必要があるのではないか。
・日本のクーリング・オフ制度は,①契約について,頭を冷やす熟慮期間を与えるもの,②錯誤,詐欺で取消すことが望ましいが,実際には困難であるので,無条件取り消しを認め事業者に無過失責任を課しているもの、である。一方、EU等では,さらに商品到着後一定期間クーリング・オフを認めており,期待はずれ等に対応している。
・クーリング・オフ制度をすべての消費者契約に導入することはむずかしい。しかし,指定商品制度を見直すことはできるのではないか。規制すべき商品・役務を逐次指定していくことは行政的にもコストがかかる。また,クーリング・オフは民事ルールでもあるので,逆指定制度(適用除外を規定)といったことが考えられるのではないか。
・指定商品制度はやめてもらいたい。韓国でも指定商品制とはしないとのことであった。さらにサラ金等については海外では店舗販売でもクーリング・オフが導入されているようなので考えて欲しい。
(4)消費者信用に関する問題について
・リボルビング払い,分割払い, 一括払いなど支払い方法毎に実際の支払いが幾らになるか比較情報を出すようにしてもらいたい。
・消費者信用を議論するにあたっては,金利の問題は避けて通れない。ドイツやフランスでは金利規制が厳しくされている結果、貸金の問題は裁判に持ち込まれない。そういう社会に向かっていかなければおかしい。
・信用情報は,過剰与信を防止するためだが,それが顧客リストにも流用されている。このようなことについての制裁措置をきちんと採るべき。
・抗弁権の接続と加盟店管理については,事業者と信販会社等の共同責任を明確にすることが必要。それにより既払金についての返還も認められるようになる。
・過剰与信の問題は,契約の適正化のスコープを超えているのではないか。別の問題として整理すべき。
・高金利を維持するため、多少破産者が出ても、無理矢理払える人がいれば営業が可能な仕組みとなっている。それを変えなければ過剰与信の問題はなくならない。
・抗弁権接続が民事ルールであるということを考えると,その部分については指定商品制はやめることも考えられるのではないか。
・過剰与信は,適合性原則とも関係するので,それを踏まえて検討してもらいたい。
(5)公益通報者保護制度について
残りの時間で公益通報者保護制度についてフリーディスカッションが行われた。大要は以下のとおり。
・昨今の企業不祥事について,公益通報者が果たした役割は大きい。食品安全基本法の制定において公益通報者保護制度を入れる考えがあるかと尋ねたところ,国生審の議論を注目しているといわれた。しかし,包括的な法律とともに個別法でも規定すべきではないか。
・包括的な法律が必要。参考資料にアメリカの制度があるが,実際にアメリカはもっと複雑で,利用しようとするとどの法律を適用してよいかわからない状況。参考にすべきはイギリスの公益開示法だと思う。
・公益のために通報する取引事業者等も保護の対象とする必要があるのではないか。
・アメリカには不正請求法というものもある。
・内部告発は,社会的正義の観点からあたりまえのもの。特に原職復帰させる等,労働者の保護を図ってもらいたい。
・公益通報者保護制度を位置付けた上で,情報が外に出やすくすることが重要。
・食品安全委員会とはどのように調整しているのか。食品安全基本法に入らないから消費者保護基本法にも入らないといったようなことでは困る。消費者政策部会で早急に審議し,方向性を出してもらいたい。
・アメリカは,最初から内外問わずに告発できるのに対して,イギリスでは一義的には企業内で対処すべきとされているようだが,そういう理解でよいのか。
・アメリカでも,最初に企業内部での対処を義務付けている分野もある。一方,イギリスは,企業内部ではなく,企業内部と主務官庁の双方に告発することができる。いずれにしても,企業は自ら問題解決できる体制を作るべき。
・公益通報者保護制度を認めるのは,暴露する社会を奨励するのではなく,風通しのよい社会を作るためのものであることを認識する必要がある。
・法律は,内部告発を奨励するのではなく,通報することによって通報者が被る不利益を穴埋めするもの。公益通報者保護制度は,きちんとした経営を行わなければならないという企業の緊張関係を奨励しているもの。その点を外部にもきちんと説明していもらいたい。
・企業がヘルプラインを作って,そこで解決できなければ告発するといったような考え方が望ましいのではないか。
次回開催は10月21日(月)14:00時からの予定(議題:消費者安全)。
以 上
本議事要旨は暫定版のため、今後、修正がありえます。
[問い合わせ先]内閣府国民生活局消費者企画課(03-3581-9095)