国民生活審議会第6回消費者政策部会議事要旨

平成14年8月2日(金)

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年7月31日(水) 9:30~12:30

2.場 所   中央合同庁舎第4号館第4特別会議室

3.出席者

(審議会)
  落合部会長,浅岡委員,有馬委員,岩田委員,大羽委員,加藤委員,高委員,高橋委員,田中委員,鍋嶋委員,野村委員,福川委員,福原委員,増田委員,松本委員,宮部委員,山本委員

(事務局)
  亀井内閣府大臣政務官,永谷国民生活局長,田口官房審議官,大石官房審議官,堀田国民生活局総務課長,中村消費者企画課長,幸田消費者調整課長,七尾国際室長 ほか


《 第6回配布資料一覧 》

議事次第(PDF:4kb)

資料1 消費者政策の基本的考え方(論点ペーパー)(表紙<PDF:12KB>)

1.消費者政策の理念と目的PDF: 36KB
2.新たな消費者政策の体系化のための論点
 (1)消費者の権利PDF:520KB
 (2)包括的なルールの必要性
 (3)自主行動基準の位置付けPDF:464KB
 (4)消費者保護基本法の性格と位置付け

資料2 参考資料<PDF:340KB>(消費者保護基本法の条文掲載略)

資料3 全国消費者団体連絡会からの意見<PDF:386kb>

資料4 日本生活協同組合連合会からの意見<PDF:14kb>

資料5 浅岡委員からの意見<PDF:12kb>


4.概要

    事務局より,「消費者政策の基本的考え方(論点ペーパー)」に基づいて説明が行われた後,論点ごとに,大要以下の議論がなされた。

(1)消費者政策の必要性について

・ 国の消費者政策に何を期待しているのか。自殺者,ホームレス問題の深刻化等を考えると,「生活における基本的ニーズ」を満たすような消費者政策が求められているのではないか。
→ 消費者政策部会は,21世紀型の消費者政策のグランドデザインを議論しており,議論の範囲を限定することは考えていない。意見をいろいろ出してもらって,部会として賛同が得られれば,報告書に記載することも考えられる。

・ 消費者問題は,誰が被害を受けたのか分かりづらいといった問題を加えるべきではないか。その際,企業に不当な利益を得させない仕組みが必要。

・ 情報の信頼性を確保することのできる仕組み作りが必要ではないか。事業者倫理の確立を強調した方がよいのではないか。

・ 消費者被害の特性として,少額被害が多い一方,消費者全体の被害は大きいということも考えるべき。そこから,団体訴権の必要性といった議論が導かれるのではないか。

・ 市場経済メカニズムが機能することが目標で,そのためには,消費者の立場で選別し,健全な事業者を育成していくことができるようにすることが必要。消費者政策部会では,まず,市場で起こっていることを中心に考えていくべきではないか。

・ 我が国は生産者の発展を軸に政策が展開され,その一環で消費者問題も議論されてきた。しかし,現在のように成熟した社会では,事業者と消費者が実質的に対等の立場になることが必要であり,それが今後の議論の前提になるのではないか。

・ 事業者と消費者との違いを再認識すべき。生身の消費者は,生命,健康,身体に影響が及ぼされる。個人の権利が確立されるよう,国のあり方を変えていくのだという高い理念に基づいた消費者政策を展開してもらいたい。

・ 公益サービスなども消費に含めて考えるべき。消費の範囲も考えていく必要がある。

・ 消費者政策は,市場の不完全性をどう補完するかが問題。技術の進歩が早く,ルールが追いつかないこともある。消費者の生命

・安全にかかってくるものなどは事後救済ではだめだろう。

・ 消費者は,自立していても,民法で考えるように事業者と対な等当事者でない場合もある。それをどのように是正するのかが消費者政策。消費者に判断力があっても,負担能力の問題も多くある。

・ 良い経済,良い社会,公正な社会など,高い理念を掲げるべきではないか。

・ 物からサービス,ハードからソフトへと取引形態が変わってきている点が,現在の法制ではカバーできていない。

・ 今までの基本法にどこが問題があり,今後どうしていくべきかはっきりさせるべき。
→ それをはっきりさせるのが部会の使命ではないか。

(2)消費者の多様性

・ ネットオークションなどでは,消費者がそのまま事業者たりえてしまう。ダイヤルQ2,ワン切り問題等は誰が被害を受けているのか特定しにくい。よって,被害をどこで解決できるのかも明確でない。こうした問題に対応する必要がある。

・ 消費者像は一概に決めていくというものではない。問題によって消費者の範囲は異なってくる。高齢者や子供などの問題もある。個別課題を検討していって,最後にそれらを踏まえて全体を検討することが必要ではないか。

・ 21世紀の100年を考えて消費者像を考えると,抽象的規定にならざるを得ない。消費者保護基本法も30数年で見直しを議論していることを考えると,100年先のことを考えて規定することは難しい。

・ 20世紀の企業,業界などは,30年が寿命といわれている。21世紀全体を見据えることを考えずに,今足りないものを議論し,10年程度持たせて,必要があれば見直せばよいのではないか。

・ 事業者であっても,学者であっても,個人としてみれば,皆消費者であるということを認識してもらいたい。

(3)消費者政策の理念・目的

・ 積極的に権利を主張していく消費者を基軸にし,それを担保する仕組みもセットで構築するべき。その中で,社会的弱者についても考えていく必要がある。

・ 「生活」というキーワードを使うと焦点がぼけるデメリットがあるが,「よりよい生活を目指す」という政策の一翼を担う重要な政策が消費者政策と位置付けられる。一方,「市場」という概要は今まで消費者政策で使われてこなかったが,市場の役割を消費者が担うことをもっと強調してよい。

・ ①消費者の自立への環境整備,②情報の非対称性の解消等情報の適正な提供による公正な取引,自由な選択の確保,③「危害」をプライバシー問題等も含めて考えること,④ごみ問題等消費者が社会に対して被害を及ぼすこともあることから「環境保全」、等を理念・目的に含めるべきではないか。

(4)21世紀型消費者政策の目指すべき方向性

・ 市場は完全ではない中で,「市場の機能」とは何かを再認識する必要があるのではないか。

・ 国の責務としては今後,消費者政策の国際的協調が最も重要になるので,盛り込んでもらいたい。各国で整合性をとって,安全等については考えてもらう必要がある。

・ 消費者は自立しているが情報が足りないとみるのか,自立していないからそのための支援が必要なのか。消費者保護基本法第5条では,消費者が努力しているのであれば,消費者はすでに自立していると考えるべきなのか,それともそうではないから規定していると考えるべきなのか。これらの問題を考えていく必要。

・ 消費者問題は,複合的に絡み合っている。安全は市場だけは確保できない。消費者は生身であるため,健康被害を受けやすいといった側面がある。

・ 自立とは何かということを深めて議論をしてもらいたい。安全問題などは自立していようがいまいが無関係に影響を受ける。

2 新たな消費者政策の体系化のための論点

(1)消費者の権利

・ 今の消費者保護基本法のようにお経のようなものではなく,消費者の権利を明確に規定することが必要ではないか。ケネディの4つの権利くらいは規定すべき。また,その権利と各法律が連動することが望ましい。

・ 「法的権利」と「理念」の両方が必要。特に救済の権利については基本法の推進体制の規定として具体化していくことも一つの方法。

・ Consumers International の権利を出発点として議論してもらいたい。その際,実質的な権利となるようにしてもらいたい。

・ 法的権利として構成するには,要件・効果をつめて考えなければならない。時間的に十分議論することは不可能。一方,理念としての権利は,国,事業者等の責務として書くのと違いがあるだろうか。権利は努力して勝ち取っていくものであり,重い言葉なので,簡単に「権利」という言葉を使うことには抵抗がある。

・ 日本の消費者保護基本法は,消費者が直接使える規定がないが,アジア各国では,権利を明記した実体法がほとんど。日本でも,憲法に準ずるものとして基本法で消費者の権利を記載するべき。基本法がお経のようなものだといっても,指導理念たりうるので,意味のあるお経である。

・ 具体的な権利は,基本法の下の個別法として実現するということも考えられる。また,基本的理念を実現するための仕組みを取り込んだ,基本法と個別法の折衷といったものも考えられる。

・ 基本法の枠を維持している限り,理念としてしか書けないが,これを書くことによって,国として次に何を行うのか義務付けられる。また,基本法に権利を明記することによって判決の指針にもなりうる。あまり抽象的でなく,如何に記載するかが重要。

・ 権利については,将来,充実・強化できるように書くべき。どこまで具体的権利に近づくかは今後の社会情勢にもよるだろう。プログラム規定も意味があるものであり,基本法が全ての消費者政策の土台になることを目指すべき。

・ 消費者の権利は,理念的なものとして書かざるを得ないと思う。ただし,権利の中でも理念とそれ以外のものがあり、峻別すべき。

・ ケネディの権利のうち,「選ぶ権利」は意味がなくなっており,「公正な取引の確保」が必要。

・ 権利は理念として堂々と書くべき。一方,今の国の責務規定は抽象的で意味がない。また,「法的権利」については出来ることならなるべく具体的なものをいくつか入れるよう,議論を追及すべき。

・ 基本法第7条危害の防止はあまり役に立っていない。行政措置の明確化など新しい時代に合った規定を入れるべき。

・ 消費者の権利は,各法で補完することができる。理念としてでも消費者の権利が明記されることにより,事業者などは,倫理規定等でそれを具体化することができる。

・ 現在の消費者保護基本法第4章が,基本理念を具体化するためのシステムであると考えられる。システムをどうするかが今後の問題。

(2)包括的なルールの必要性

・ 包括的ルールのメリット・デメリットについて議論する必要がある。

・ 包括的ルールのベースは,民事ルールということが原則。その上で行政的措置をするという形にすべき。

・ 公正取引委員会も,競争政策と消費者政策について研究している。それとのすり合わせも必要ではないか。
→ 当部会では,消費者政策の観点から競争政策を議論していくべきであろう。

・ 消費者問題をつかさどる包括的な独立機関があればよいが,現実的には,取引については公正取引委員会の役割が重要となる。

(3)自主行動基準の位置付け

・ 法令とのリンクを考えるならば,自主行動基準の具体的要件を明確にするべき。

・ 論点11の1)は,団体レベルの問題と,個別の企業レベルの問題を分けて考えるべき。また,作り方,認定の要件を規定しないと危険なことになる。

・ 現存の自主行動基準は,社員向けのものが多く,我々が想定している消費者向けのものと性格が異なる。自主行動基準とはどのようなものなのかきちんと定義するべきではないか。

・ セーフハーバー規定の概念は,自主行動基準を遵守していれば法令違反に問われず免責ととられるおそれもあるので、行わないほうがよい。

・ アウトサイダー問題にどう対処するかも検討すべき。

次回開催は8月29日(木)9時30分からの予定(議題:消費者契約の適正化)。

以 上

本議事要旨は暫定版のため、今後、修正がありえます。

     

  [問い合わせ先]内閣府国民生活局消費者企画課(03-3581-9095)