国民生活審議会第2回消費者政策部会議事録

平成14年4月8日

国民生活局消費者企画課


議事次第

平成14年3月8日(金)9:30~11:00

中央合同庁舎第4号館 第4特別会議室(406号)

1.開会

2.内閣府大臣政務官あいさつ

3.農林水産省説明

4.厚生労働省説明

5.公正取引委員会説明

6.討論

7.閉会


委員名簿

部 会 長

落 合 誠 一  東京大学大学院法学政治学研究科教授

委   員

有 馬 真喜子  国民生活センタ-会長

岩 田 三 代  日本経済新聞社編集局生活情報部長

浦 川 道太郎  早稲田大学法学部教授

加 藤 真 代  主婦連合会参与

田 中 尚 四  日本生活協同組合連合会副会長

野 村 豊 弘  学習院大学法学部教授・常務理事

福 川 伸 次  株式会社電通 電通総研研究所長

福 原 義 春  株式会社資生堂名誉会長

増 田  滋   食品関連産業別労働組合連盟会長

松 本 恒 雄  一橋大学大学院法学部研究科教授

茂 木 友三郎  キッコ-マン株式会社代表取締役社長

山 中 博 子  全国地域婦人団体連絡協議会理事

臨時委員

浅 岡 美 恵  弁護士

伊 藤 穣 一  ネオテニ-株式会社取締役社長

大 羽 宏 一  大分大学経済学部教授

高    巌   麗澤大学国際経済学部教授

高 橋 宏 志  東京大学大学院法学政治学研究科教授

鍋 嶋 詢 三  社団法人消費者関連専門家会議理事長

宮 部 義 一  経済団体連合会経済法規委員会消費者法部会長

山 本  豊   上智大学法学部教授


出席者

(審議会)落合部会長,有馬委員,伊藤委員, 岩田委員,浦川委員,大羽委員,加藤委員,福川委員,増田委員, 松本委員,宮部委員,茂木委員,山本委員

(事務局)亀井内閣府大臣政務官,永谷国民生活局長,大石官房審議官,渡邊官房審議官,堀田消費者企画課長,幸田消費者調整課長, 藤本市民活動促進課長 ほか


〔 落合部会長 〕 ただいまから、第2回国民生活審議会消費者政策部会を開催いたします。

  本日はお忙しい中、急遽お集まりいただきましてありがとうございました。

  本日は、13名の委員のご出席をいただいております。

  なお、田中委員は、都合により本日の部会にご欠席のため、意見を書面で提出したいというお申し出がありましたので、資料としてお手元に配布させていただいております。

  それでは、早速、議事に入らせていただきます。

  本日は、亀井内閣府大臣政務官にご出席をいただいておりますので、消費者政策部会の開催に当たりごあいさつをいただきたいと思います。

 〔 亀井内閣府大臣政務官 〕 皆さん、おはようございます。

  ただいまご紹介いただきました内閣府大臣政務官を仰せつかっております亀井でございます。

  今日は、突然のご案内にもかかわらず、お忙しい中多数ご出席いただきましたことを心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

  最近の牛肉表示の問題を初めとして、連日、マスコミにこうした問題が出ておりましてこれは事業者の倫理の問題に絡む問題でもありますし、そういう意味では本当に腹立たしい思いで、私自身も新聞等を読んでいるわけでありますが、そういう思いは皆さん方も一緒ではないかと思うわけでございます。

  こうした問題は、食品の表示制度、ひいては食品の安全性そのものに対する国民の皆さん方の信頼を失うことでもございます。これについては誠に遺憾の限りでございます。

   そういう意味で、これからも法令等の遵守体制をしっかり確立していかなければなりませんし、また、違反行為に対する迅速な対応も考えていかなければならないということでございます。

  内閣府といたしましては、皆さん方のご意見を是非とも十分お聞きして、これを行政に反映していかなければならないという基本的な考え方を持っておりまして、そういう意味では、この14日には消費者団体の皆さん方のご意見もちょうだいしたいと思っておりますし、4月になりましたら、国民生活モニターの方々の意見も早急にお聞きして、これを行政に反映させるべく内閣府として努力していきたいと思っております。

  今日は、食品の表示に関する法律を所管する役所の農林水産省と厚生労働省と公正取引委員会の方においでいただいておりますので、これについての対応の状況や今後の方針等についてお話を聞きまして、その後、今後、食品の安全、表示に関する信頼を回復するには今後どうしたらいいかということについて、皆さん方の率直な忌憚のないご意見をちょうだいし、これを行政に反映していく努力をしていきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いしたいと思います。

  今日は、本当にありがとうございます。

 〔 落合部会長 〕 どうもありがとうございました。

  最近、食品表示の偽装事件が出てまいりまして、消費者の信頼を損なうケースが各地で続発しております。その結果、市場から退場せざるを得ない企業も出てきているという状況にあります。

  そこで、本日の消費者政策部会では、消費者利益の擁護という観点から一連の事件への対処の在り方、現在の食品表示制度の問題点などを審議、検討したいと考えております。 そこで、本日は、食品表示に関する法律を所管する農林水産省、厚生労働省及び公正取引委員会から担当の課長にお越しいただいておりますので、それぞれ食品表示問題に関しての取組み状況等を説明していただき、その後、審議、検討をお願いしたいと思っております。

  それでは、まず最初に農林水産省総合食料局品質課 小林課長からご説明をお願いしたいと思います。

 〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 法律で申し上げますとJAS法  (Japan Agriculture Standard)という法律ですが、JAS法を担当しております小林です。

  お手元に資料を何点かお配りさせていただいております。

  資料1JAS法に基づく食品の表示制度についてと、その他に3種類ほど、カラーコピーの小さい資料の「食品の品質表示」というものと有機食品、遺伝子組換え。遺伝子組換えは厚生労働省と一緒に出版させていただいている資料です。

  時間もごく限られているようですので、最初にかいつまんでご説明申し上げ、あとはご質問にお答えするという形にさせていただければと考えております。

  食品の表示の問題ですが、話の取っかかりといたしまして、横長の紙の「JAS法に基づく食品の表示制度について」の一番最後のページをご覧いただきたいと思います。

  ただいまもお話がありましたように、食品の不正表示事件がここ1か月、1か月半の間に続々と出てきているというよりも、過去にあったものが掘り出されているという状況になってきております。

  具体的に言いますと、1月28日に雪印食品の事件が起きました。2月中旬には四国の肉屋さんのカワイ。2月22日にはスターゼン、これも全国的な食品メーカーです。つい先日は、農協の全国団体であります「全農」という組織がありますが、その子会社の全農チキンフーズというニワトリを対象としているところが輸入鶏肉を国産鶏肉と偽った事件が起きております。

  こういった事件はいずれも農林水産省が立入検査を、ほぼ即日ないし翌日から大体1週間、場合によっては2週間実施し、指示あるいはそういったことを皆さんにお知らせするということをやってきております。

  この過程で、食品の表示について一体どういうことになっているかと皆さんからいろいろお叱りもいただいておりますので、少しまとめてご説明申し上げたいと思います。

  資料1の1ページをご覧いただきたいと思います。食品に関係しましては、ここにも3省庁の人間が来ておりますようにいろいろな法律が関わっております。食べて体に良いか悪いかという衛生面については厚生労働省の食品衛生法の方で基本的には管理・監督しておられます。

  それに対しまして私どものJAS法は、基本的には一応安全であるという前提の下で、消費者の方の選択に役立つような情報をどうやって提供するかという観点から規定されております。そういった意味では役割分担がされております。

  1ページの下のところですが、雪印が輸入牛肉を国産牛肉と偽って売ったという問題につきまして、それが仮に衛生上の問題がなければ、その点については食品衛生法では問題がないわけですが、表示が誤っているということになりまして農林水産省のJAS法違反という問題が起きてきます。

  生鮮食品についてこういうルールが決められましたのは実はごく最近の平成12年の7月で、1年半前でございます。これ以前にこういう問題が起きていましても法律違反にはなっていなかったという状況でした。

  2ページにまいりまして、3 生鮮食品の表示の③の畜産物のルールにつきましては、輸入品の場合には「どこの国から輸入したのか」、国産品の場合には「国産であるということを書きなさい」というルールになっております。都道府県名を書くことは必ずしも義務ではありません。雪印の場合には北海道産に対して「熊本産」というラベルを付けてJAS法違反で捕まっておりますが、あれは「国産」と書けば法律上十分なのですが、県名を書くことはもちろん認められておりますが、県名とか市町村名を書いた場合には「嘘をついてはいけない」というルールがまた別にあります。最低限「国産」というのを書かなければいけませんが、それ以上に付加的に書いたことが嘘であればJAS法違反になるというルールになっております。そのために雪印などについてはJAS法違反ということになったわけです。

  3ページにまいりまして、加工食品についても表示ルールが決められております。加工食品につきましては、かなりの部分が食品衛生法の表示義務と重複してまいります。つまり、衛生上の観点から義務づけられる事柄と、消費者の選択の上から義務づけられることが結果的に重複してくるということが起きております。これはまた後で触れさせていただきます。

  4ページにまいりまして、こういう品質表示基準について、一体どういう監視体制をとっているのかということですが、これにつきまして、品質表示基準自体は農林水産大臣が決めるという形になっております。生鮮食品の場合、水産物でも農産物でもそうですが、品質表示基準で表示しなければいけない事項は1つは名称、もう一つは原産地です。肉などはその他に「保存期間」だとかいろいろついておりますが、それはJAS法が対象としているものではありません。品質表示基準で、こういったものについて「正しい表示をしてください」ということを決めております。

  これに対して食品の販売業者、卸・小売りの方はこれを守っていただく必要がある。それを監視しておりますのが農林水産省で、実際、一番現場でやっておりますのが、独立行政法人の農林水産消費技術センターというところで、これは全国に8か所ありまして職員数が約 480名で、このうち食品の表示の監視に従事しておりますのが 120名という体制です。この体制で十分かというご指摘はまた別途あろうかと思いますが、現在はそういう体制でやっております。

  農林水産省がやっておりますのは広域業者を対象にしたところです。つまり、2県以上に事務所がある事業者の方を対象にしております。NPO法人の所管官庁と同じような仕組みですが、それが農林水産省の分担です。

  それに対して、県内にしか事務所がない事業者については、都道府県が担当してモニタリングをしております。

  また、実際の立入検査も、こういう農林水産消費技術センターないし都道府県が行うという形になっております。雪印食品、カワイ、スターゼン、全農チキンといったところはいずれも2県以上に事務所を持つ広域業者ですので農林水産省の方で立入検査を行いました。

  今申し上げました以外に県内業者に対する立入検査は各都道府県でかなり行われております。

  5ページにまいりまして、現在の監視体制ですが、従来から農林水産消費技術センターが1年間に1万件を超えるモニタリングをやって買い上げなどをやっておりました。やっておりましたが、現在のような状況を抑えるということができなかったということで、(3)表示の適正化のための緊急の取組みということで新しい対策をいくつか打っております。「食品表示110番」という特別の電話を国、地方農政局、消費技術センター、食料事務所を合わせて60数か所に設けております。開設しました直後は大体 200件強の電話が毎日ありました。少しずつペースは落ちておりますが、最近でも50~60、70件ぐらいはご連絡をいろいろいただいております。こういったことで情報、通報を受け付けております。その他、今日出席しております関係3省で連絡会議を開く、あるいは食肉の実態調査を2月の末から始めております。

  来年の予算が成立いたしましたら、消費者の方々にもご協力いただいて「食品表示ウォッチャー」という形で、食品監視にご協力いただければありがたいと思っております。このようにいくつかの手立てを講じ始めているところであります。

  雪印食品を契機にいたしましていくつかの事件が続々と出てくるが、これは一体どうなっているのだというご指摘をいただくことがあります。これはいままでこういうことがあったということについて,結果的に我々の方が十分に監視できなかったという点について、我々の監視体制について十分反省すべき点があるということについては、そのとおりであると認識しております。

  しかしながら、逆に、我々の方といたしましては、雪印食品を契機にして、今、申し上げましたように「食品表示110番」、これは端的に言えば「情報があればください」ということです。

 それから、実態調査で立ち入りでいろいろ見ております。これはこちらの方から出向いて掘り起こしているということです。膿は一気に出したいと考えて一生懸命掘り起こしております。そういった意味で膿んでいるところにメスを入れているということです。メスが心臓に達するということもあり得ないことではないのですが、それもやむなしという覚悟でメスを入れておりますので、その結果、いろいろな事案が沸き上がってきているとご理解いただければありがたいと思います。その意味で言えば、今後とも出てくる可能性はあります。我々の方はそこはどんどん掘り起こしていって、この際、一気に出してしまいたいということで精一杯努力しております。

  その意味で、今後、出てきます事案については、そういう意味合いのものであるとご理解いただければありがたいと考えております。

  6ページにまいりまして、不正事案が出た場合のJAS法に基づいての対処ですが、フローチャートに書いてありますように、まず、都道府県、農林水産省消費技術センターが立入検査を行います。その結果、不正が見つかった場合には指示を行います。これは法律に基づく行政指導とご理解いただければけっこうかと思います。「ちゃんと是正しなさい」ということで指示を行います。指示に従わない場合には「公表」を行います。公表してもなお従わない場合には「命令」を発して、命令を発してもなお従わない場合に「罰則」という手順がJAS法で規定されております。こういうステップで事柄が進んでいくということです。

  この手順につきましてはいろいろとご批判あるいはご指摘をいただいております。「あまりにもステップが長すぎるではないか」、あるいは「罰則の金額が低すぎるのではないか」、さらには「指示に従わない場合に公表というのではなくて、指示と同時に公表すべきではないか」といったようなご指摘をいただいております。その辺のことについてはまた後でご説明させていただきたいと思います。

  7ページにまいりまして、これは関係しますいくつかの法律等の対比表です。実は表示というものは、食品のみならずいろいろな法律で規制がかかっております。ここには書いてありませんが、例えば刑法に「詐欺」というのがありますが、「人をだまして売る」ということになりますと「詐欺罪」も当然適用される場合があります。

  ここに書いてありますのは、もう少し表面的なといいますか、表示についてのルールということで書いてあります。主なものだけでも4つあります。最初の2つが主に食品に限定したもの。残りの2つは食品以外のものについて一般的なルールです。

  食品につきましてはまずJAS法、これが最初に申し上げた私どもの法律で「消費者の選択」という観点から規定したものです。「表示目的」、「表示項目」、「違反の場合のペナルティー」という形になっております。

  続きまして「食品衛生法」、こちらは主に衛生上の観点からの規定です。そういった観点から表示事項が決められ、さらに違反の場合のペナルティーが決められております。

  最初にも申し上げましたが、例えば加工食品などの場合にはJAS法と食品衛生法の規定内容、これは左右対照して見ていただきますと共通している部分もかなりあります。ただし、内容量などにつきましてはJAS法上では問題ですが、食品衛生法上は「量がいくらあるか」ということは、そんなに大きな問題ではないということで義務ではないということで多少の違いはあります。

  それから、「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)、こういった法律でも、あまりフェアでない競争条件にならないようにという観点から表示の規制が行われております。これにつきましては違反の場合には「排除命令」、「事業者名を公示する」という手続きが行われていると聞いております。

  さらに一番右の「不正競争防止法」、これは経済産業省所管ということになっておりますが、これは最終的には警察の方で取り締まるというルールになっております。この場合には、「商品の原産地を偽る」、「数量を誤認させる」という虚偽表示について大変重いペナルティーがかかっておりまして、「3年以下の懲役あるいは 300万円以下の罰金」という規定になっております。当然、食品もこの対象になっておりますので、今回問題になっておりますいろいろな事案につきましてもこういった法律がすべて適用の対象になってまいります。

  私どもの方は行政処分でやっておりますので、比較的迅速にできるということで直ちに立ち入りをして、直ちに処分をしたということですが、残りのものにつきましては刑法の規定になってきますので、警察の方で取り締まっていただく必要がある。もちろん公正取引委員会でやられるものもあると思いますが、残りの罰金、罰則となりますと、警察が摘発して検察庁で立件するという手続きを踏まないと次のステップに進んでいかないという意味です。したがって、こういった事案につきましては場合によっては水面下で事柄が進んでいる可能性がありますが、そういうところについては私どもとまた別のラインで行われているということです。

  以上、時間をちょっと超過しましたが、概要はそういうことになっております。説明不足の分は、あと質問にお答えする形でご説明させていただきたいと考えております。ありがとうございました。

 〔 落合部会長 〕 ありがとうございました。

  最初にそれぞれ説明していただいた上で、あと一括してご審議、ご検討をお願いするという仕方で進めたいと思います。

  それでは続きまして、厚生労働省の食品保健部企画課の吉岡課長からご説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

 〔 厚生労働省食品保健部企画課 吉岡課長 〕 厚生労働省所管の「食品衛生法」に基づきます表示制度につきましてポイントをご説明いたします。

  ただいま農林水産省の方から若干食品衛生法についても触れられましたので、重複を避けながら資料2に基づきましてご説明させていただきます。

  1ー1をお開きいただきたいと思います。食品衛生法における食品表示制度の概要ですが、(1)の表示の目的にありますように、食品衛生法の目的は「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止」となっておりまして、当然、規制法の一環ということで運用しております。したがいまして、食品等の流通にかかります経済的側面についての規制、取締りは本法の対象ではありません。したがいまして、食品衛生法に基づく表示規制も、後ほどご説明しますようにあくまで公衆衛生の見地、すなわち、国民が召し上がって衛生上の危害が発生するかどうかという観点からの表示で、例えば、原産地表示につきましては食品衛生法に基づく表示の対象とはしておりません。

  ただ、(1)の第2パラグラフにありますように、食べ物の安全性というのは消費者にとって非常に大事な、むしろ基礎的な条件であるということから、食品衛生法が対象にしております表示の中身につきましても、消費者の方から見れば、単に公衆衛生の見地だけではなくて商品選択の1つの手がかりになる。消費者に対して食品衛生法上の表示といえども選択の手がかりになるという面があることは、皆様、ご認識のとおりであります。 (2)に表示が必要な食品の範囲が書いてあります。「乳、乳製品及びこれらを主原料とする食品」の他、その下に書いてありますように「マーガリン、清涼飲料、食肉製品、ハム」等に対象が及んでおります。

  1ー2にまいりまして、(3)表示すべき事項ですが、先ほど言いましたように公衆衛生の見地からの表示ですので、JAS法に比べて、重複もありますが食品衛生法の表示の対象は比較的限られております。

  すなわち「食品の名称」、「消費期限」、「品質保持期限」、「製造所又は加工所の所在地」、これは万一食中毒の事故等が起きた場合に、製造者の手がかりをきちんとトレースできるという観点からこういうものを要求しております。

  それから「製造者、加工者の氏名」ですが、最近の偽装表示で問題になりました「輸入者の氏名、名称」。要するに輸入の牛肉を国産品と偽った場合には、それが輸入品であれば、当然、輸入者を書かなければいけないのですが、そういう偽装をすることに伴って輸入者の表示を記載しなかったということは食品衛生法の違反になるわけです。

  その他、「保存の方法」も食の安全に関わる部分ですので、こういったものを食品衛生法に基づく表示の対象としているわけです。

  これの関係で次の1ー3に、先ほども若干触れましたが、JAS法と食品衛生法の表示対象の比較ということで図に落としております。

  上の欄の食品衛生法の○がついたところが食品衛生法の表示事項で、左からいきますと「食品の名称」はJAS法と共通で求めておりますが、「原材料」、「原産地又は原産国」、「内容量」につきましては食品衛生法上は求めておりません。

  一方、「品質保持期限」等につきましては、JAS法と同様に「保存方法」まで求めております。

  「製造者」につきましては共通。

  「輸入者」につきましては、輸入者の名称自身はJAS法では求める対象にしておりませんが、食品衛生法上は求められております。

  昨年4月からスタートしました「遺伝子組換え食品を含む食品」につきましては、JAS法と同様、食品衛生法上も公衆衛生の見地からも必要であろうということで表示制度を導入しております。

  一方、JAS法になくて食品衛生法にある表示が2つあります。これも昨年4月からスタートいたしました。「アレルギー物質を含む旨」というのは、微量でもアレルギー物質を含む場合にアレルギー患者さんに非常に重篤な健康危害を及ぼしうるということで、これも公衆衛生上の観点から必要であろうということです。JAS法では求めておりませんが食品衛生法上の表示の対象になっております。

  それから「各種の食品添加物」、これを含む旨の表示を食品衛生法では求めておりますが、JAS法ではございません。こういったところが主な違いです。

  1ー4は、最近の食品等の表示に係る事例について。これも先ほどご説明がありましたので重複を避けますが、1月23日の雪印食品以下、各メーカー等に係ります違反の事例を書いてありますが、アンダーラインを引いた部分、例えば雪印食品で申し上げますと○の2つめ、牛肉の原産地につきましてはJAS法ですが、加工者名について虚偽の表示を行った。本来、輸入者名を書くべきところにつきましては、こういう形で食品衛生法違反の対象になっております。

  食品衛生法に基づく表示の監視体制ですが、全国 600の都道府県等の保健所におられます食品衛生監視員が主として対応しております。食品衛生監視員は、表示も含めて日々食品衛生監視に従事する方が約 1,700名おりますが、その他の業務と兼務しながら、これに関わるものを含めれば全国で約 7,500名の食品衛生監視員を動員しうるという体制になっております。

  なお、食品衛生法で義務化されております表示に違反した場合の罰則等は、公衆衛生に関わりがある場合には、場合によっては6か月以下の懲役、あるいは罰金という重い罰則も用意はされております。また、販売業者あるいは製造業者が食品衛生法に基づく違反を起こした場合には、それぞれの営業の取消しということを含む処分もありえますし、今般、雪印食品の問題に関しまして、当該関西ミートセンターにつきましては無期限の営業停止という措置をとっているところです。

  時間の関係で触れませんが、2ー1以下は遺伝子組換え食品に関する表示、それから、先ほど触れましたアレルギー物質を含む食品に関する表示。これはこの4月から1年間の経過措置の後、法律上の制度として運用する予定です。ご参考まで後ほどご覧いただければと思います。以上です。

 〔 落合部会長 〕 ありがとうございました。

  それでは最後に、公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課の寺川課長からご説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 〔 公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課 寺川課長 〕 限られた時間ですので、簡単に説明をさせていただきたいと思います。

  先に2つの法律の概要についてもご説明されましたので、私どもの方でも簡単に触れさせていただきたいと思います。

  資料3ー1の他に資料3ー2というのを用意しておりますが、これは単に参考として、最近、私どもが公表した資料を紹介させていただいたわけですが、この資料の本文4ページの次のページに(参考資料)として私どもの表示規制の概要を紹介しております。恐縮ですがそこをご覧いただきたいと思います。

 公正取引委員会では、景品表示法に基づきまして表示を規制しておりますが、この表示は広い範囲に及んでおります。単に商品のパッケージというだけではなく、広告物などのチラシ、ポスター、新聞広告、最近ですとインターネット上のホームページの表示というものも含めて幅広く規制しております。

 また、対象商品も、先ほどもちょっとご紹介いただきましたが、食品に限らずすべての商品またはサービスについて行っております。

 どういうものを規制しているかというのは次のページに書いておりますが、特に今回の事件に関係する話としては、「商品の内容について実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示」というものが対象になっております。

 それから、小売りですと価格面も非常に重要でして、二重価格表示などが不正に行われる場合が有利誤認として規制されております。

 それから、もう一つ、優良誤認、有利誤認以外に公正取引委員会が4条3項で指定しているものとして、昭和48年に「商品の原産国に関する不当表示」ということで、例えば国産のものを外国産と偽ったり、逆に外国産のものを国産と偽る表示を一律に景品表示法違反として取り締まるということになっております。

 食肉につきましても、これまで法律に基づく排除命令を行った事例はありませんが、過去に何件か、原産国を偽った表示、価格の表示の仕方について偽った表示について公正取引委員会で警告をしたという事例もありました。

 最近の公正取引委員会の取組みにつきまして資料3ー1に簡単にまとめましたので説明させていただきます。

 1つは、違反に対しては厳正に対処していくということですが、ただ、今、残念ながらこの場でご説明できる話はございません。近いうちに公表できる事案が出てくるのではないかと思っております。

 代表的な例は、今、最近の食肉表示問題でご紹介がありましたが、この問題をきっかけにして、各地域ごとに小売り業者でも原産国を偽る表示などがあるのではないかということがいろいろ言われるようになってきております。そこで、各都道府県でもいろいろな対応が対処されているということで、こちらにもいろいろな照会があるということから、各都道府県でも景品表示法の積極的な取組みを要望しまして、また、これまで各県でも景品表示法の運用というのは行われてきていたのですが、どちらかと言えば、人員が少ないことから注意をすることにとどめているという例が多かったものですので、法的な対応をとっていただきたいということで、その手法などについても意見交換するための場を緊急に設けて会議を行ったりしております。

 さらに、適正な表示の推進ということのために、景品表示法では公正競争規約という、業界が自主的なルールを作って表示を守るための仕組みがあります。これに基づいて食肉についても、これは小売り業者が作っている団体ですが食肉公正取引協議会というのがありまして、そこで公正競争規約という自主ルールを作って適正な表示の推進に努めてきていたわけですが、その遵守の徹底をこちらから要望しております。

 今回の事案は、卸売業者の表示の問題が出てきています。そういう問題が出てくれば小売り業者が表示を守るというだけでは、一般消費者に対して適正な表示というものを示せなくなるという問題が出てくるということから、卸売業者・小売り業者の連携した適正表示の自主ルールを作っていってはどうかということをこちらから提案しておりまして、業界の方で具体的な検討のための専門委員会を設置して検討に入るという状況になっております。

 この他、主要な小売り業者に対しても適正な表示の要望の徹底を行うことをお願いしているところです。

 このように景品表示法に基づきましては、行政機関としての厳正な対応ということと同時に、業界における適正な表示の推進に向けての対応ということも今呼びかけている状況です。以上です。

〔 落合部会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明が終わりましたので、まず最初に事実認識を共有する必要上ただいまのご説明に対して何かわからないところとか、質問がもしありましたら、まず最初にご発言をしていただいて、その上で議論という形に入りたいと思います。

 まず、今までの説明につきまして、何か事実関係の確認等につきましてのご質問がありますでしょうか。

〔 加藤委員 〕 まず、農林水産省にお伺いしたいのですが、何か疑わしいことがあった場合に、それを調査します。私どもとしましたら、そういう指示と同時に,それに従った場合と従わない場合があると思いますが、同じ事業者でも具体的な工場名とか経時的な事実の公表を、きちんと名前も入れてやっていってほしいと思うのですが、その辺のお取組みの覚悟というか、その辺をひとつ伺いたいと思います。

 もう一つは、厚生労働省、公正取引委員会にお伺いしたいのですが、在庫品の再包装時に消費期限の延長をしたり、無薬飼料飼育だという表示は、アレルギー体質の人たちとか弱い人たちは、それを手がかりにして食べるので非常に大事な表示で、一種の優良な商品という印象を持つわけですが、そういう虚偽表示に対して食品衛生法上は違反ではないというのですが、それだったら公正取引委員会の方では、それは嘘であったということで、何か取り締まりの対象になるのではないかということを、両者にお伺いしたいと思います

 もう一つは、食品衛生法の表示について、私どもは製造年月日を自分が商品を選ぶときの手がかりにするわけで、それから何日もつとかもたないということは消費者啓発の中であるいは家庭教育、学校教育、社会教育というようないろいろな場で、消費者が自分の知識として手に入れて、このぐらいまでに食べればいいと覚悟を決めればいいので、消費期限や賞味期限といったような、事業者サイドでここまでに食べてくれというご指示、そういうご親切をいらないとは言いませんが、製造年月日を外すことについてはずっと抵抗してきたのですが、今回、抵抗していた製造年月日がありさえすれば、このように次々と賞味期限を変えて古いものを新しいものに見せかけるという巧みな技術は使えなかったと思うのですが、もう一度製造年月日を戻すお気持ちがあるのかどうか、そこのところをお伺いしたいと思います。

〔 落合部会長 〕 3点あったかと思いますが、それぞれお答え願います。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 今、ご指摘いただきましたのは、横紙の(参考資料)で言いますと6ページのところになります。このあたりが一番ご議論があるところだと思いますので、このフローチャートにつきまして、先ほどの説明と重複いたしますが、少し説明させていただきたいと思います。

 まず、立入検査を行いまして、その結果、おかしな点があると指示を出します。例えば雪印食品の場合、2回に分けて入っておりますが、1回目のときは3日半、2回目は4日半で、つまらない話ですが、私は月曜日の朝3時半に農林水産省にまいりまして、雪印食品からこの情報を得て、午後4時には、もう神戸の方の立ち入り検査を実施しておりますそのぐらいのスケジュールでバーンと入りまして、それから3日半やって木曜日まで調べて、金曜日の朝一番に指示を出して業務の自粛を命じております。そういうスピーディーな措置でやるというのが立入検査と指示です。

 したがいまして、当然のことながら、警察が立件をするような万全な証拠集めというものまではできないまま、ある程度の心証的なもので処分を出します。スピードが要求されるということになりますので、すぐに出します。

 雪印とかスターゼンの場合につきましては、業者の側もある程度認めておりましたのであまり問題はありませんでしたが、おそらく、今後は、認めない業者あるいは物証がはっきりしない状況証拠だけの業者というのが出てくると思います。その場合でも、我々の方は指示を出さざるをえないというか、出さないといけないという場面が出てくる。そういう一種のスピードが要求される行政的な指導ないし処分であるとご理解いただく必要があります。

 法律上のルールはどうなっているかと言いますと、指示に従わない場合に「公表」。1回ウォーニングを発しても従わない場合に「公表」ということになります。この「公表」の意味合いですが、実際には、雪印は事実上倒産しております。カワイも事実上倒産いたしました。

 これは私どもの関係ではありませんが、大阪の食肉関係業者、別の案件ですが業者名が出て、これも倒産いたしました。

 「公表」というのは、出ますとかなりの確率で倒産するというペナルティーになります。おそらく罰金 100万円、 200万円ということではなく即死になるというペナルティーです。かつそのペナルティーを出すに至る指示というのは、我々が2日なり3日なり見に行って、変じゃないかと思ったら出す、公表する、即死するという手続きです。

 こういう手続きですので、「指示即公表」ということについては、現在、法律の規定がありません。指示をして違反した場合に初めて公表できるという規定になっております。 これにつきまして、今、お話がありましたように、公表してもいいのではないかということでしたので、実は我々政府部内の法律の専門家の方に照会をかけましたところ、「現行法ではできない」という返事をいただいております。「現行法で指示に違反した場合に公表」という規定がある以上は、「指示に従っているにもかかわらず役所は勝手に公表する」ということは、最初に申し上げましたような考え方から言うとおかしいのではないかという返事をいただいております。

 そうだとすると、なぜ、私が今、雪印なりスターゼンなりを、実名を挙げて説明をしているのか、それ自体がおかしいではないかという議論になるわけですが、これは実は、そういったことについては先方の同意を取っております。「これは法律に基づく公表ではないですが、事実上公表いたします、やむをえませんね」ということの同意を取った上でやっているという形です。かなり苦肉の策ではありますが、できるだけそういった手続きを踏んだ上で、法律違反をしないでやっているということです。

 「すぐ指示しろ」というお話ですが、今後の立法論としてありうることだと思いますがその場合には、今、申し上げましたように、我々がやっておりますのがごく短時間、場合によっては物証もなしに出すという手続きの下で、スピードと、相手方にも言い分があるにもかかわらず、その中でやるという場合の利害のバランスを、どういう手続きとどういう条件で取るのか、そこは十分検討した上でやる必要があると考えております。それが現在の「指示と公表」の現状です。

 ただ、いずれにいたしましても、このあたりについて「見直しが必要だ」というご指摘は十分にいただいておりますので、それは今後見直しでいくことになりますが、現在の仕組みと考え方をご説明させていただきました。

〔 落合部会長 〕 他にもご質問ございましたが、それぞれお願いいたします。

〔 厚生労働省食品保健部企画課 吉岡課長 〕 厚生労働省から、今のご指摘の2点め、3点目についてご説明いたします。

 1つ、これは食品衛生法違反ではありませんが、雪印乳業におきまして在庫品のバターを再包装によって消費期限を延長したという事案につきましては、私どもが事情を聞いております範囲内では、3年程度保存が可能なものについて当初1年半の表示をしていて、在庫が残ったために衛生上問題のない範囲内で期限を延長されたという報告を受けております。これは当該バターにつきましては安全上の問題はなかったと担当都道府県から聞いておりますが、ただ、これは、一度付した消費期限を途中で延長するということは、それでなくても表示についての信頼が揺らいでいる昨今、企業の行動としては非常に好ましくないということで、その旨よく注意をしておりますが、食品衛生法違反ということには取り上げておりません。

 もう一つの全農チキンフーズの無薬飼料飼育をしていない鶏肉に「無薬飼料飼育という虚偽表示」をしたということがありましたが、ご案内のとおり、食品衛生法上、例えば鶏についてどういう飼料を使ったかということは表示を求めておりません。したがいましてこの件につきましても食品衛生法上の問題は残りませんが、ご指摘のように、当然、こういうことで差別化を図っているわけですから、「優良誤認」ということになるかにつきましては、公正取引委員会の方で何かご見解があるのではないかと思っております。

 3点目にご指摘いただきました、従来、「製造年月日」を用いていました表示につきまして、これを「品質保持期限」あるいは「消費期限」に改めたことにつきましては、平成7年に制度改正をしましたが、これの背景についてご説明いたします。

 当時、切り換えについていろいろなご説明をちょうだいしたということは承知しておりますが、近年、食品の製造、包装などのいろいろな技術が進歩してきておりまして、同じような食品であっても製造方法等の違いによりまして、どの程度日持ちするかということがだいぶいろいろ変わってきているということで、食品も1つの社会資源ですので、製造年月日ではなくて、専門家の目から見た品質保持の期限を付した方が資源のロスにもなりませんし、消費者の方にもいつまで食べられるかという目安の提供にもなるということで平成7年に製造年月日から現在の仕組みに改めたものです。

 また、国際的にみましても、国際食品規格において期限表示を採用されている。また、近隣のアジア諸国でもほとんどの国で期限の表示が行われているということから、平成7年に製造年月日からこういう形に変更したものです。

 ただ、ご指摘のように、製造年月日を求めていれば、今回のように安易な期限の先延ばしということはなかったのではないかというご指摘ですが、期限表示そのものが当然正しいもの、あるいは科学的に安全なものでなければいけないということは当然のことでして品質保持期限であっても当然正しい表示をしなければいけないことは当たり前のことですので、むしろ品質保持期限あるいは消費期限を前提に、きちんとした監視体制を今後とも敷いていきたいと考えております。

 先ほど触れませんでしたが、実は今日付けで、各都道府県に対しまして食品衛生法の観点からも、製造業者あるいは販売業者に、表示についてもう一度改めて立入検査等をやっていただくということで、今日、一部の新聞には出ておりますが、できるだけ各管下で多くの施設について立ち入りを含めた検査をやっていただくということで緊急に指示をする予定です。

〔 落合部会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、寺川課長、お願いいたします。

〔 公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課 寺川課長 〕 まず消費期限の話ですが、私どもの表示規制は、一般消費者に向けられている表示に対してなされるということになります。これは「消費者の誤認を招くような表示」ということを規制しておりますので、そういう意味では事業者の内部で使用する商品についての表示の問題というのは、もともと法律の規制にはなりません。

 その前提を除いた上で消費期限の問題ですが、優良誤認の考え方から言えば、消費期限を延長することによって、もともと品質が劣化しているものをごまかすということに結びついていれば、景品表示法の問題にはなりうるのではないかとは考えております。

 今、お答えできるのはこの範囲かと思います。

 それから、無薬飼料の問題については、先ほどちょっとご紹介した優良誤認というのは「商品の品質そのものについて一般消費者に優良と誤認される」ということをお話ししましたが、事例によっては、例えば消費者が「こういう商品であれば一般的には優良だ」とか、または「こっちの方を選好する」という事情があれば、そういう事情を背景にして優良誤認という認定をすることになると思います。

 ですから、一般消費者が、例えば鶏肉を買うときに「無薬飼料」のものを選好するという背景があれば、やはり優良誤認という認定で不当表示だと考えることができるというふうには考えております。

〔 落合部会長 〕 加藤委員、一応よろしいですか。

〔 加藤委員 〕 それは、一定数をおたくの方で契約しているモニターの皆さんを通して調査をするとか、あるいはたまたまマスコミがこの表示を見て、「一般の視聴者の皆さん、これは普通の鶏肉よりは優良だと思いますか、思いませんか」といったような一定の世論調査をして、その結果が「それは非常に特別のものである」とみんなが思ったときでないと公正取引委員会としては動けないのでしょうか。その基準はどうなるのでしょうか。

〔 公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課 寺川課長 〕 今回の話の場合ですとそこまで調査をする必要があるかどうかというのは、もう一般的にそういう認識があると言ってもいいのかもしれないと思います。

 ただ、微妙な問題があれば、こちらでは内部的には、こちらでお願いしているモニターまたは他の手段で、一般の意識がどうかということを確認した上で対応を考えているという場合もあります。

〔 落合部会長 〕 岩田委員、どうぞ。

〔 岩田委員 〕 農林水産省のご担当の方にお伺いしたいのですが、横長の資料の5ページで、「表示の適正化のための緊急の取組み」というのを書いていらっしゃるのですが、①で、毎日 200件から、最近でも60~70件寄せられているというお話だったのですが、具体的にどういった人からどういった情報提供が多いのかということと、それを省としてどういうチェック体制でどういう対応を、それこそいろいろな情報が寄せられると思うのですが、どういう対応、どういうスクリーニングをかけておやりになっていらっしゃるのか。

 あと、④で、「食品表示ウォッチャーによるモニタリングを14年度から始める」ということですが、これは、消費者ということは専門家でも何でもない。最近は、消費者レベルでは信用するしかない、どこをどういうふうにしたらおかしいということがチェックできるのかわからないというのが問題で、だからこそ、私なんかは、日本の風土になじむかどうかわかりませんが、内部告発法のようなものも、欧米と同じように考えなければいけないのかなということも考えたりしているのですが、 700人選んで何をどういうふうにウォッチして、どういう摘発をしようとしているのかをお伺いしたいと思います。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 まず、提供される情報ですが、今、申し上げましたように 200件、最近ですと60件とか70件とかそのぐらいのオーダーであります。ならしてみますと1日 100件ぐらいですが、内容的にはどこの業者がどうだというご連絡も一部にはありますが、かなりのものは「表示のルールがどうなっているのか」とか、あるいは「農林水産省はけしからん」とか一般的なご意見。場合によってはBSEの話をいただく、そういったものも含めての件数です。実際の情報ないしそれに近い件数というのはおそらく1割とか2割というオーダーの数字になります。

 それから、その中で我々が対処できるのは、業者名が特定されているような場合とか、個別に特定されていないと、「これは一般的に不審だと思う」と言われても対処のしようがないということになります。

 いただいたものの中で、衛生上の問題に関わる問題とか、そういったものについては、こういうふうに横の連携も取っておりますので、それぞれの、例えば保健所の方に連絡を回すとか横に連絡を流すということもあります。

 それから、さらにそうやって残ってきたものの中で、後は我々の方がどういうモニタリングをするかというので、いくつかのステップを切っております。1つは、かなり具体性があって、あるいは言われた方も責任を持って言っておられるという場合につきましては例えば、今回の事例で、今、私が申し上げた中にもあるのですが、立ち入り検査を直ちに実施します。

 しかしながら、もしかすると、本当かどうかよくわからない、対立する業者の方がおとしめるために言っておられる可能性がある、あるいはいろいろ私怨で事実と異なることを言っておられる可能性があるという場合もあるわけです。そこに直ちに立入検査をやりますと、そのとたん、その企業が倒産するということもありえますので、そういった場合については確証、確証とまでいかなくても、ある程度本当に疑わしいということになるまではいろいろ周辺を見ております。見まして、その結果、何割かの確率で「これはおかしい」となった場合には立入検査を実施します。そういうふうに2段階、3段階でやっております。

 そういう形でやっておりますので、現在でも周辺を見ているといいますか、ウォッチしたり、あるいは周辺の情報を集めたりというものが何件かあります。そういう形で処理をしていきます。

 ただ、寄せられたもののうちかなりの部分が都道府県で処理していただかないといけない事案があります。県内業者の場合には都道府県ですので、そういったものについては県の方にすべて情報を提供するという形で処理をするという分担になっております。

 続きまして、食品表示ウォッチャーのことですが、国の役所の予算の仕組みをご説明して申し訳ないのですが、雪印が問題になりまして、これだけ表示の問題になりましたのが1月に入ってからで、予算編成は12月の段階で終わっているわけです。それにもかかわらず「食品表示ウォッチャー」と付けておりますのは、実は雪印商品と関係なくこういう制度を作りたいということで予算要求をしていたものなのです。たまたま一致したので、こうやって都合よく報告させていただいておりますが、そういうものです。

 その狙いは、1つはもちろんこういう食品の表示についてプロの方、これはプロの方の知恵も借りないといけないので、そういったことについては今やっておりますが、消費者の方が日頃から見られまして、商店で店の方に声をかけていただく「これは本当ですか」ということが、商店の方の自主自立といいますか、規制するのに影響があるという面と、もう一つは、消費者の方にも我々の方がいままで説明が不十分だったのか、表示のルールについてご理解いただけてない面がありましたので、こういった 700人の方を核にして表示のルールが少しでも広がらないかという、そういった面も両方の面で表示ウォッチャー制度というものを発足させようというのが、去年の暮れまでの基本的な構想です。両面から、小売店の方にもできるだけ消費者から声をかけていただきたい。消費者の方にもいろいろこういったことを核にして、我々と情報共有をさせていただきたいという目的で始めたものです。

 そういったもので、見れば輸入品と国産品が本当に見分けられるのか。これはプロの世界の話になってきますので、こういった方については、我々の方でできるだけプロの方の知恵も借りながら監視というのは詰めていかなければいけない。

 二重、三重に見ていくということの1つのパーツだとご理解いただければありがたいと考えております。

〔 落合部会長 〕 岩田委員、よろしいですか。

〔 加藤委員 〕 ちょっと質問したいのですが、いいですか。

〔 落合部会長 〕 加藤委員、どうぞ。

〔 加藤委員 〕 ウォッチャーというものの半分の効果は、むしろ消費者啓発に消費者を駆り出すということですね。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 駆り出すというつもりはありませんが。

〔 加藤委員 〕 機会を提供するというか……。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 1つは、消費者の方にも、例えば食品の表示のルールについても、原産地がJAS法でルール化されていたということについては我々なりに努力してきたつもりですが、なかなか徹底しなかったという面があると思います。行政ルートでいろいろやらせていただいたのですが、こういったルールでなかなか徹底しないということもありますので、こういったところについて消費者のお力も借りられればなということで、駆り出すというつもりはありませんが、お力も借りたいということです。

〔 加藤委員 〕 言葉に失礼があったらお許しください。

〔 落合部会長 〕 事実関係のレベルで何かご質問ありませんか。

 伊藤委員、どうぞ。

〔 伊藤委員 〕 先ほどの話の延長で質問なのですが、私はアメリカの方で、匿名のメールとかそういうものをやっていますが、アメリカのアカデミア・オブ・サイエンスの方では匿名のメールというのは、リスクはありますが十分こういうときには価値があるということで認めている方向で動いているのですが、電話の場合もそうなのですが、雪印の場合、我々一般から見ると下請けの冷蔵会社が言ってしまうというのは、とても珍しいケースだと思うのです。

 先ほどおっしゃっていたように、国産の牛と輸入牛なんか見ても多分わからないと思いますので、外からではなかなかできないと思うのです。中の人たちが、これは失礼なのですが、今の国に対して自分のリスクを取ってまでこういう情報を出すというのはなかなか難しいと思うのです。先ほどおっしゃっていたように、公表してしまうと倒産しますが、公表しない形で、例えば匿名のいろいろな情報を集めてそこから捜査するとか、そういう情報を出す人をいかに守るかというようなことを何か検討されているかどうかお伺いしたいと思います。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 実はそこが一番難しい問題でして、情報提供者の保護というのを我々も大変気にしております。したがいまして、いろいろな事案につきまして、今、申し上げたような事案の中についても、どの事案について情報提供者があったのかなかったのかも含めて、我々は一切申し上げないというふうにしております。したがって、その点についてはご容赦いただかないといけないということです。

 それから、匿名かどうかについても、これもどういう場合に検査をして、どういう場合に検査をしないのかということも、一種の手の内ですのであまり申し上げられませんが、匿名であれば無視するということではありません。情報としてストックして、それは処理していくというふうにはしております。

 それから、内部情報については出てこないのではないかというお話ですが、おそらく一般的にはそうだと思います。一般的にはそうですが、過去の経験では必ずしもそういう場合だけではないということはあります。

〔 伊藤委員 〕 これはあくまでも意見ですが、今、国に対する不信感が多少高まっているところで、「名前を出さないで守ってあげます、教えていただいても外には言いません」と約束しても、多分、そういう気持ちにはなかなかならないと思いますので、匿名性を徹底的に、技術的に守っているとか、そういうような何かアピールというのも多少やると、もっと情報が出てくるのではないかなという、私の個人的な意見です。

〔 落合部会長 〕 ある意味で、今、伊藤委員が言われたような趣旨の内部情報が出てくるような仕組みというものについて、現段階でそれぞれどのようなことをお考えであるかというご質問であると理解した場合に、それぞれ農林水産省、厚生労働省、公正取引委員会として、もし,お考えがあれば簡単にお願いいたします。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 農林水産省については、我々の方にいただいた情報が外に漏洩したということは、今の時点では、そういうご指摘のようなことはなかったと思っておりますし、我々は、守秘義務がありますので、そこまでも信用されないということであれは、何か別の仕組みでも考えて出さないと仕方がないかなと思います。

〔 厚生労働省食品保健部企画課 吉岡課長 〕 有益な情報をいただいた方については、当然のことながら守秘義務をきちっとしまして、公務員の口からそういう名前が出ないように担保しておりますが、そういうインフォーマーを保護するような特段の制度的な仕組みは現在持っておりません。

〔 公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課 寺川課長 〕 公正取引委員会では、景品表示法は規制の内容は特別な法律で規定されておりますが、調査の手続きそのものは全部独占禁止法と共通というか、独占禁止法と同じ手続きでやっています。独占禁止法の方に申告という制度が入っております。実際に我々が一般的に景品表示法の違反を扱っている場合でも、申告というのは非常に多いです。ですから、従来からそういう内部情報なども入ってきて、それをもとに取締りをやっているという状況です。

 そのためもあって、独占禁止法には一般的な公務員の守秘義務というのは、公務員になれば誰にでもかかるわけですが、特別に独占禁止法自体に守秘義務というのはかかっておりません。ですから、そういう情報というものについての管理というのは、従来から特別の部門を設けて徹底しながら対応しております。

 ただ、一方で申告については、これは独占禁止法と共通ですが、匿名ではなくてきちっと名前を言われて、回答を求める旨をこちらに出してきて情報提供があった場合には、それに対して必ず回答するという義務が生じるというのも法律上ありまして、逆に、そういう担保によって申告が促されているという状況もあります。

〔 落合部会長 〕 他に事実関係についてありますか。

〔 福川委員 〕 農林水産省にお伺いしたいと思いますが、企業倫理というのが、今、非常に大事というか、これの反省を求めているような事件が起こっているわけですが、企業の自主的な取組みをどういうふうに扱っていらっしゃるかということをお伺いしたいわけです。

 公正取引委員会の方では、食肉公正取引協議会というもので1回会議をされ、また、専門委員会を作ってやっていらっしゃるという話ですが、確かに企業の中で自主的に例えば監視委員会を作るとかチームを作るとか、環境でもいろいろなことをやっていますが、こういう問題について企業の自主的な取組みはどういうふうにご指導なさっていらっしゃるか、むしろモデル企業でもあるのなら、そういうモデル企業を公表されたらいいと思いますが、そういった企業の自主的な取組みについての考え方、お取扱いはいかがというのが1つです。

 2つめにお伺いしたいのは、情報公開制度と行政評価制度というのが、今、動き始めているわけですが、この問題について情報公開というのはどういう運営をなさっているのかあるいはまた、行政の事前評価、事後評価いろいろありますが、この問題についての行政評価を再評価するとどういうことをお考えになっているか。その2点をお伺いしたいと思います。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 企業の自主的な取組みということですがまず、雪印食品の事件が起きました直後に、そのときには私どもはこれだけ続々と出てくるということまでは思っておりませんでしたが、その時点で、雪印食品の段階で、各業界の方に、もう一度業界内あるいは関係者の方で自主点検をしてくれという指導を行っております。その結果、各業界内での連絡だとか、もちろん点検ということも行われているのですが、正直申し上げまして、これだけ出てくる、しかも大手が続々と出てくるということになりますと、一体、どこまでの深さと広がりを持っているのか、果たして自主点検ということでいいのかどうかということにつきまして、正直言いまして、最初に言ったような通達のレベルでいいのかどうか見極めがつききれていないというのが現状であります。 最初に申し上げましたように、まず実態を、可能かどうかは別としまして、できる限り深く広く傷口を開けてしまって、その上で対策をとる必要がある。もちろん、今の段階でも順次やっていく必要はありますが、改めてそういったことを考えていかないと、後になって、えらく中途半端なことだったということになるというのもいけないのかなと思います。

 モデル的な事例ということになりますと、モデルで挙げたところが明日になったら変なことになってもいけませんので、わかりませんが、食料品につきましては、例えば由来といいますか、一体、どこでどういうふうにという記録がきちっと取られて、それがまた説明できる、食品の生い立ちみたいなものが説明できるというような努力は、各企業で先進的な事例ではかなり行われております。

 そういったことで言いますと、今日の日経新聞などに書かれておりましたが、食品の由来を示すような規格をJAS制度の中でというふうに書いてありましたが、そういった検討を我々の方もいろいろやっております。そういったことで、ある程度信用が保てるようなシステムを作らなければいけないと考えております。

 2つめは、私、ちょっと問題をよくつかみきれなかったのですが、情報公開と行政評価といいますのは、今回の問題について具体的にどの……。

〔 福川委員 〕 申し上げたかったのは、今、いろいろ公開制度が動いているわけですが、こういう問題についてどういうふうな情報公開の請求が出てきたら出して、どういうものは出さないようにしていらっしゃるかどうか。きっとルールがあると思うので、それをお伺いしたいということと、これだけいろいろ問題があると、やはり行政評価をもう1回し直すということが必要になってくると思いますが、それについてのお取組みはいかがかということです。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 今回、我々はいろいろな事案を扱っておりますので、情報公開のレベルがいろいろあると思いますが、まず1つは「食品表示110番」での通報だとか、そういったものにつきましては実名、匿名を問わず、おそらく匿名の場合も多分そうなると思いますが、件数ぐらいは別として、すべて明らかにいたしますと、それによって個人の方にたどっていかれるという可能性がありますので、情報公開についてはおそらくできないのだろうと思っております。

 それから、立入検査を行いました場合の、立入検査の例えば報告書だとかそういうものがあります。これにつきましては、おそらく金融機関の検査報告書だとか、その他の検査報告書も一般にそうだと思いますが、これは公表されないということが一般ルールになっいていると思います。それは、その企業及びその企業に関わるところ、要するに取引先を初めいろいろな名前が出てくるわけです。そこの皆さん方はべつに悪いことをしているというわけでもないところまで含めて全部報告書に出てくるという形になりますので、そのあたりについては、今後、出てきた段階で検討することになると思いますが、一般に立入検査報告書のたぐいについては外には出ていかないというのが一般的なルールになっていると思います。それはあちこちに波及するというようなことから、そういうことになってくるのだろうと思います。

 それから、指示書とかそういったものにつきましては、基本的な内容については、先ほど言いましたように一定の手続きをとった上になりますが、雪印の場合もスターゼンの場合もカワイの場合も、プレスリリースはしております。そういうことで、事実上、今、申し上げたようなことです。立入検査の結果と指示の内容ということであれば、立入検査の結果の部分については、今、申し上げたような手続きを踏んだ場合には外に出しているという形になっております。

 それから、評価の部分につきましては、私どもの方は俎に乗っている鯉の方ですので、また別途行政評価の中でしていただけるのかなと考えております。

〔 落合部会長 〕 いわば表示の適正化をいかにして確保するかという問題につきまして、企業の外部からモニタリングをする、法律を設ける、あるいは役所が監督強化する、そういう方向と、企業内部でのモニタリングシステムというものを強化するという2つの角度があろうかと思うのですが、国民生活審議会としては、いわば企業内部のモニタリング制度を強化しようということで、自主行動基準検討委員会というものを設けて検討をしているところですので、この自主行動基準検討委員会の検討の状況と、今、問題になっている表示の問題について、委員会の委員長を務めておられる松本委員、この辺、いかがでしょうか。

〔 松本委員 〕 前回の第1回の消費者政策部会以降、検討委員会を6回開催いたしました。現在、中間報告の骨子までご議論いただきまして、その骨子に基づき文章化するという作業を行っているところであります。

 中身としては、中間報告では3つの部分に分けて論じることになっております。最初の総論の部分では、「自主行動基準というのは一体どういう性格のものであるのか」、「自主行動基準を策定する場合にはどのようなプロセスをとるべきか」、また、「自主行動基準を運用するときにはどのような点に留意すべきであるか」といったことを論じております。

 作ったはいいが守らないというのがおそらく一番問題になることでありますので、いわゆるマネジメントシステム規格でよく言われております「 PLAN, DO, CHECK, ACT 」というP-D-C-Aサイクルをうまく回していくような運用をしていただきたいという趣旨を盛り込んでおります。

 また、個々の事業者が自主行動基準を作る場合と、業界団体で業界統一のものを作る場合とでは、公正競争等の観点から少し異なった点がありますので、業界レベルで取り組む場合についての留意点を特に挙げております。

 次に第2のパートは、「自主行動基準に盛り込まれるべき事項について」であります。どのような事柄を自主行動基準に盛り込むべきかということです。ただ、ここでは、「こういうことをすべきである」という法律による義務づけのような、事業者にやるべき内容まで指定するという意味ではなくて、ある事項、例えば広告について、あるいは商品の表示について、わが社はこのように考えて、このように実行しますということを盛り込んでいただきたいという事項の指定であって、その事項について何をすべきかまでは各事業者に考えていただくということであります。

 第3のパートが、「実効性確保の方法」という点で、おそらくここが一番重要なところかと思います。そこでは、企業内部で自主行動基準の運営に携わる人材の組織化とか、あるいは外部の評価組織を育成する、あるいは消費者に対して教育・啓発をするといったようなことに加えまして、先ほどかなりご議論がありました内部通報制度の在り方をどのようにすべきか。さらには、違反をした場合、特に法律違反の場合の制裁の面で、アメリカでは内部で自主行動基準をきちっと作って守る体制をとっている企業が、たまたま従業員の出来心で違反を行った場合には、制裁が軽くなるという制度があるようでありまして、そのような考え方を日本でも導入すべきかどうか。

 あるいは企業倫理、社会的責任を果たしている企業に対して、投資を行っている投資ファンドがあるとして、そのようなことを公表してもらうという制度を作るべきかというようなことを議論いたしております。

 自主行動基準と法律との関係でありますが、法律に義務づけられていることについては自主行動基準には盛り込まなくていいのではないか、二重に書く必要はないのではないかという議論もありますが、企業が実際の行動をする場合に、ここは法律上の義務であってここはそうではないということを、いちいち切り分けながらやっているわけではないと思いますので、法律に義務づけられていることも当然含めながら、企業としてさらにやるべきことを書き込んでいただくということで、両方入れていただくという方向にしております。

 最近の食品表示の状況を見ていますと、まるで景品表示法ができる前の昭和30年代の嘘つき広告自由野放し時代に逆戻りしたかのような印象を受けるわけですが、法律があるのになぜこうなのかというところをやはり考える必要があるのではないか。それは、企業の内部で最低限のミニマムのルールであるところの法律を守る体制がきちんととられていなかったということだろうと思います。

 その意味からは、ミニマムな法律のルールに加えて、さらに企業として果たすべきことを盛り込んだ、それ以上の社会に対するお約束である自主行動基準を守る体制をきちんと企業としてとっていただくことがますます必要になってくるだろう。

 そういう意味で、コンプライアンス経営ということを経営者の皆様には深く考えていただきたいと思います。

  本日の新聞に「食品表示に丸適マーク」というのがタイミングよく載っておりました。すなわち、企業がルールをきちんと守っているかどうか、そのような体制をとっているかどうかを外部の第三者機関が認証して、それを国民に公表することによって信頼を確保しようという方向でありまして、自主行動基準の実効性確保の方法として1つのやり方だろうと思います。

 ただ、最初の雪印乳業の牛乳の事件のときは、「HACCP(ハサップ)」という食品の安全確保のための非常に厳しい規格を満たしているという認証を受けていた事業者、工場であるにもかかわらず、あのようなことが行われたわけですから、第三者認証機関の信頼性をいかに確保するかという、もう一つ上のレベルのことも考える必要があるのではないかという気がいたしております。

 検討委員会といたしましては、あと2回委員会を行いまして、文章等のご議論をしていただいて一応中間報告としてまとめたいと思っております。

〔 落合部会長 〕 どうもありがとうございました。

 だいぶ時間も迫ってきているのですが、大体事実関係は明らかになったと思いますので短い形で恐縮ですがご意見がありましたらお願いしたいと思います。

〔 宮部委員 〕 今日は、農林水産省初め3省のご意見を承ったのですが、どう見ても切り口が違うのです。それから、「俺はここまでは関心があるけど、ここからは違うよ」というようなことで、これを視点としては消費者の目で全部統合できないのかなという気がするのですが、その辺について3省のご意見を承りたいと思います。

〔 落合部会長 〕 それでは、簡潔に、小林課長からお願いいたします。

〔 農林水産省総合食料局品質課 小林課長 〕 今のお話ですが、それぞれの法律の目的があって、それぞれに分かれてやっているということですが、消費者の目から見たら、また別の切り口で整理し直すということがいいのではないかというご議論だと思いますが、それはおそらく物事を縦軸で整理するのではなくて横軸で整理する、縦割ではなくて横割で整理し直すという議論はありうるだろうと思います。

 ありうるだろうと思いますが、実際には、そういう形にした方が結果的にうまくいくかどうかというようなことについて十分検証してみないといけないのだろうと思います。例えば衛生上の観点であれば衛生上の観点で別のセクションとの連携、リンケージというものももって行政されているでしょうし、我々の方は我々の方でまた別の農林物資との関係でやっているという面があります。それを組み立て直すことが本当にトータルとしてプラスなのかどうかということについて検証した上でなら、そういった議論は当然ありうるのだろうとは考えております。

〔 厚生労働省食品保健部企画課 吉岡課長 〕 消費者の方からご覧になって、各制度が入り乱れて非常にわかりにくいというご指摘は大変説得力のあるご指摘だと思います。

 ただ、それぞれ、例えばJAS法と食品衛生法というのは、私どもの考えでは食品衛生法の表示というのは、直接消費者の危害に関わる公衆衛生の担保のために必要な表示で、JAS法はプラスアルファ、例えば原産地表示等、品質に関わる部分を所管されております。例えば法律で一本化したり、あるいはわかりやすい制度の説明をするのは可能ですがこれを一方、実効性の担保というふうに考えますと、先ほど申し上げましたように、私ども公衆衛生に関わる一番コアのところの表示というところを非常に重視しております。

 したがいまして、食品衛生監視員という、獣医さん、薬剤師さん等のプロの集団ですがこういう方々の活動の対象として公衆衛生にかかわらない、例えば原産地表示のようなもののチェックに動員するだけの余裕ははっきり申し上げてありません。当然、優先順位をつけた上で公衆衛生に必要な、国民の健康保護に必要なところからプライオリティーをつけて監視していくということで、単に法律を一本化するかどうかだけではなくて、実行上の担保をどういう形でやっていくのか、何に優先順位を置いてやっていくのかというところは十分議論する必要があるのではないかと考えております。

〔 公正取引委員会事務総局取引部消費者取引課 寺川課長 〕 私ども、景品表示法ができた当時ですと、食品関係で言う表示規制というのは、今のうちと同じような形の部分というのはできてなかったと思います。それは他の業界でも同じことが言えるのですが、景品表示法は横断的にものを見ていますし、先ほどご紹介しませんでしたが価格面の表示というものも見ております。そういう全体を見ているものと、それぞれの業種ごとに表示を見るものというものは、一応補完し合って見ていくという必要はあるのではないかと思います。そうでないと、そこに漏れが出てくるという問題もあるかと思います。

 ただ、今回の事案などは、同じ事案についてそれぞれが調べているという実態もあって運用上どうすべきかという話は、今回のことをきっかけにそれぞれよく話し合っていきたいと考えております。

〔 落合部会長 〕 まだいろいろご意見がおありとは思いますが、時間が迫ってまいりましたので、もう一つ残っている議題がありますので、これに入りたいと思います。

 こういう重要な問題につきまして、国民生活審議会消費者政策部会としても何らかの発言が必要であろうということで、部会長談話を公表したいと考えております。

 この点につきましてはよろしゅうございますでしょうか。

 それでは、談話の原案を用意いたしましたので、お配りしたいと思います。

 それでは、事務局より読み上げていただきます。

堀田消費者企画課長「国民生活審議会消費者政策部会部会長談話」読み上げ

食品表示の問題について

1. 最近、食品表示の偽装事件が続いている。この結果、食品表示制度についての消費者の信頼が大きく損なわれ、食品の安全性そのものについても消費者は強い不安を感じるに至っている。市場からの退出を迫られる企業が現れた点に事の重大さが如実に示されているとおり、消費者の観点からはもとより、社会的に見ても誠に遺憾な事態である。事件の当事者である企業は、猛省し、早急に信頼の回復を図る必要があることは当然であるが、食品の製造・販売等に関わる事業者は、これらの事件を教訓に、消費者の信頼を損なうことのないよう、今一度法令等遵守体制を見直す努力をすべきである。

2. 国においても、JAS法(農林物資の規格及び品質表示の適正化に関する法律)等関係法令の違反行為に対して、厳正に対処すべきことは言うまでもないが、現在の法制度面についても全体的に問題点を洗い直し、法令違反事業者に対する罰則を強化する等の法改正を含め、必要な措置が早急に採られるべきである。また、法の実効性確保が重要であり、そのために検査体制の強化も必要である。

3. 食品表示制度は、複数の府省が関係する問題であることから、各府省が連携を強化し、総合的な対応が図られるよう努めるべきである。また、政府は食品表示に関する消費者の意識やニーズの把握に努めるとともに、食品の生産から小売までの履歴情報の提供システムの構築など、企業が消費者に対し情報提供を積極的に行う体制を整備することが重要である。

4. 企業のモラル(倫理観)の確保は健全な経済活動の前提であり、消費者はそれを信じて購買活動をしている。したがって、経営責任者は、今一度モラルの維持・回復、法令・社会常識等の遵守を徹底するとともに、そのための強い責任感を持って社内体制の整備・強化が必要である。国民生活審議会消費者政策部会は、昨年10月から自主行動基準検討委員会を設置し、事業者が消費者の期待に応えるための自主行動基準やその遵守体制を検討しており、4月にも中間報告をとりまとめたいと考えている。企業は、中間報告を十分踏まえ、再度自社の自主行動基準やその遵守体制を見直すよう強く期待する。

5. 関係府省及び企業の迅速な対応により、消費者の表示に対する信頼が早急に回復することを強く期待したい。

以上でございます。

〔 落合部会長 〕 ただいま、原案を読み上げていただきましたが、この原案につき まして、何かご意見ございますでしょうか。

〔 加藤委員 〕 私どもが申し上げたいことをよく表現していらっしゃると思うのですが、ただ、消費者から見ますと食品の表示については、例えばJAS法ですと消費技術センターとか食料事務所、景品表示法の方ですと自治体の消費者の係とか、あるいは公正取引委員会直接、食品衛生法の方は保健所というふうに、相談する窓口さえこんなめんどうくさいシステムで、ここのところをもう少し抜本的に窓口を一本化してそれをPRするという方向を出していただけないか。

 そのためには、今さら、3関係省庁あるいは委員会から自治体に人を出すということもやはり無理でしょうから、実際問題としては消費者行政がかなりやっていかなければいけない仕事だと思うのです。でも、実態を見ますと消費者行政はどんどん後退しているわけです。この辺の、表示だけではありませんが、こういう大きな事件のときに消費者をどうサポートするかという国民生活審議会そのものも、やはり役割があるのではないか。これは、よその省庁にばかりお願いする話ではないのではないか。一番最後のところにこの努力はしているということが書いてありますが、ちょっとそこのところ、わざわざ書かなくても談話でもけっこうですが、私は、他の委員にも部会長先生にも、事務方の皆様にもお考えいただきたいということでございます。

〔 落合部会長 〕 基本的には、国民生活審議会消費者政策部会として、この問題の重要性を考慮し緊急に部会を開催し検討しているわけでありまして、具体的な案を出すということになりますと、いろいろな論点を十分検討した上で具体的な方策というものを出さなければいけないということで、今日1回の部会だけで具体的なところまで踏み込むというのは非常に難しいということもあり、したがって、現段階においては、このような形で全般的な総合的検討というものが必要であり、それを至急、それぞれ部局連携の上点検した上で、しかるべき措置を至急とってもらいたいというアピールをこの段階で出すということで、あと、その後の推移を見つつ消費者政策部会として必要があれば、それに対して対応していくという、そういう長いステップの中の最初の段階ということですので、この談話でと、そういう趣旨でございます。

 他にご意見ございますでしょうか。

 もし、なければ、そういう形で談話を出させていただきたいと思います。

 この後、11時半から内閣府内の記者会見場におきまして、お配りしました談話(案)と同内容のものを消費者政策部会部会長談話という形で発表したいと思っております。

次回の消費者政策部会は、4月22日(月)10時から開催することを予定しております。詳細につきましては、後日、事務局よりお知らせいたします。

 本日は、お忙しいところをご出席いただきまして、ありがとうございました。これをもちまして閉会とさせていただきます。

 以 上