国民生活審議会第12回消費者政策部会議事要旨

平成14年12月25日(水)

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年12月17日(火)9:00~11:35

2.場 所   中央合同庁舎第4号館 共用第4特別会議室

3.出席者

(審議会)
  落合部会長,浅岡委員,有馬委員,岩田委員,浦川委員,大羽委員,加藤委員,田中委員,高橋委員,鍋嶋委員,福川委員,松本委員, 宮部委員, 山本委員   

(事務局)
  永谷国民生活局長,田口官房審議官,河官房審議官,堀田国民生活局総務課長,中村消費者企画課長,幸田消費者調整課長 ほか


《 第12回配布資料一覧 》

議事次第[PDF:8KB]

資料1 消費者に信頼される事業者となるために -自主行動基準の指針- (資料1-1:概要[PDF:16KB]/資料1-2:全文[PDF:76KB])

資料2 消費者行政の枠組みについて(論点ペーパー) (前半[PDF:227KB] 後半[PDF:60KB])

資料3 21世紀型消費者行政の在り方(中間報告案骨子)([PDF:28KB])

資料4 中間報告骨子案に対する緊急の意見(浅岡委員、加藤委員、山中委員御意見)   [掲載略]

資料5 消費者行政の在り方について(加藤委員御意見)([PDF:24KB])

資料6 消費者行政組織のあり方に関する意見 -「新行革大綱」策定の流れを受けて(高委員、鍋島委員御意見)([PDF:12KB])

資料7 公益通報者保護制度に関する意見(田中委員御意見)([PDF:12KB])

参考資料 消費者保護基本法の改正と消費者被害救済のあり方についての意見(大阪弁護士会消費者保護委員会委員長村本氏御意見)    [掲載略]

4.概要

    議題1 消費者行政の枠組みについて

    事務局より,「消費者行政の枠組みについて(論点ペーパー)」に基づいて説明が行われた後,大要以下の議論がなされた。

1.消費者行政の推進体制

(1)国・地方の推進体制

    (政府の推進体制について)

・ 消費者行政は内閣府がリーダーシップを取るべきである。公正取引委員会が内閣府に来るのだから、公正取引委員会の業務を見直しながら消費者行政の在り方も再考して欲しい。

・ 内閣府の消費者行政担当部門と公正取引委員会は高いレベルに位置付けて欲しい。

・ 消費者行政は各省庁がそれぞれ施策を実施している。八葉物流の事件でも取締りの連携がうまくいっていなかったことが被害拡大の原因となったのではないか。

・ 行政組織の整備、消費者保護基本法の制定とその後の法整備等により、消費者行政もよくはなってきているが、各省庁が個別に施策を実施している状態は変わっていない。

・ 各省の施策は、その設置法に基づき行われるので、産業政策に引きずられやすい。消費者行政は重要であり、産業政策を担う官庁の下に置くよりも必要なものは分離してまとめるべき。

・ 消費者庁の設立等は行革の行政スリム化の流れに反するのではないかという意見があるが、省庁再編後も独立行政委員会など新しい組織はできている。

・ 消費者行政の範囲をどこまでとするかはっきりさせるべきである。その上で、行政の介入が必要なのか市場に任せるのか考えるべき。資料に載っていること以外にも、消費者行政はたくさんのことを実施しており、関係しているものをよく整理して体系化を図るべき。

・ 各省庁が、どういう消費者行政窓口を持っており、どういう施策を実施しているのかまとめたものを出して欲しい。

・ 各省庁がバラバラに行っている施策を総合的に調整、推進する機能が不足している。

・ 従来の消費者保護会議や男女共同参画推進本部のような省庁間調整、儀礼的なものではなく、常駐・常勤の委員がいる実務的・実効的な組織を置くべき。

    (消費者保護会議について)

・ 常設の機関として考えた場合でも、民間の力を借りるなどして「小さな政府」で実施することも可能。

・ 政策決定の場に関しては、構成員の年齢分布も考えて欲しい。20代、30代といった、若い人たちの意見を吸収して欲しい。

・ 男女共同参画会議では、その下にある専門委員会が省庁横断的に具体的な提言活動を行っており、一定の効果をあげている。

・ 消費者保護会議を実効性あるものにするために、総合規制改革会議の勧告権を参考にしてはどうか。

    (その他)

・ 「消費者行政の枠組み」というテーマは、21世紀型の消費者政策の在り方のグランドデザインを議論した後に論じるべき問題ではないか。これではたたき台として不十分。

・ 今回の検討は21世紀型の消費者政策の在り方の目的も議論している。目的がはっきりすれば、その文脈の中で、その目的を効果的に実施できる枠組みも議論できる。

(2)国民生活センターの役割

・ この資料に書いてある内容では現状と変わらない。国民生活センターには、新しい紛争について先例的なものの紛争解決を図るなど、高度な役割を期待したい。

・ 国民生活センターは消費者保護基本法の中で位置付けるべき。運営については消費者の意見を反映させる仕組みを考えて欲しい。

2.違法・不当行為の抑止・監視

    (罰則について)

・ 制裁金も含め、罰則を課す際には企業のコンプライアンスに対する取り組み状況等プロセスを見ながらやるべきである。

・ 米国のFTCのように、悪質事業者への資産凍結命令、制裁金といったことを行っていくべき。後から真似して出てくる悪質事業者に対する抑止力にもなる。こうした海外の手法を検討してもらいたい。

・ 抑止のために何をするかは重要な論点。罰則の強化については具体的に検討を進めることが必要。資産凍結等についても具体的に検討すべき。

・ 罰則について、どのくらい発動されているものなのか教えて欲しい。罰則規定はあっても、活用されていなければ効果はない。

・ 両罰規定は整備されてきたといえるが、これで十分なのか、現状について教えて欲しい。

    (事業者名の公表について)

・ 事業者名の公表は、「制裁」の意味だけでなく「国民への情報提供」といった観点も含め幅広く考える必要がある。

・ 悪質な事業者名の公表、それを消費者に広く知ってもらうための手法などが重要である。

・ 事業者名を公表して、後で間違いであったことが分かった場合、損害賠償で訴えられる。情報が入った時点で公表するというのは難しい。司法警察職員としての権限がなく、かつ証拠も集める必要があるとすると、現場は大変である。実情を教えて欲しい。

・ 行政は、事後の責任問題を考え取締り等を躊躇することがある。市民自身が抑止力の主体となる制度がほしい。

・ 消費者法分野で2倍・3倍額賠償制度を検討してはどうか。

・ 外国の消費生活センターのホームページは悪質事業者名を公表している。民事で訴えられるリスクもあるが、名誉毀損で訴えられても戦う覚悟が必要。その過程で判例も蓄積される。

・ 行政が事業者名公表等を行おうとすると、行政手続法的な重い手順を踏む必要があり、機動性に欠ける。民間団体による情報提供を「事実の公表」としてとらえるのはどうか。

    (監視について)

・ ヤミ金融はなぜ警察が動かないのか。欧州では消費者行政は基本的に刑事問題であるととらえられている。

・ 「消費者による監視機能の活用」については、モニター制度や申出権の活用が念頭におかれているようだが、それらの事例について教えてもらいたい。

・ 悪質事業者を駆逐するためには敏速な実情の把握が必要。公益通報者保護や消費者からの情報の吸い上げの体制を考えなければならない

・ 監視は大規模な体制で取り組まないと実効性あるものにならない。ポリシーミックスでやることが必要。

・ 規制緩和で事後チェック体制の強化が言われているが、海外の監視体制がどうなっているか教えてほしい。

・ 具体的手段が強く打ち出されているが、消費者保護基本法見直しの視点としては「協力」の視点が必要。国だけでなく民間にも取り組んでもらう、ととらえることで、公益通報者保護制度の活用も考えられる。

・ 監視機能を有するNPO等を育てることも大切である。



    議題2 自主行動基準検討委員会最終報告について

松本委員長より、自主行動基準検討委員会最終報告について説明が行われた後、大要以下の議論がなされた。

・ 消費者の役割として評価が言われているが、その場合、十分な情報の公表・公開が前提。その点について「望ましい」という既述では心もとない。

    →事業者が自発的に取り組むものという視点である。ただし、消費者対応の自主行動基準については公表する必要があるとした。全事業者への義務付けを行うためには法律が必要になる。事業者それぞれの判断に任せたい。

・ 事業者団体が自主行動基準を作り、各社がそれを守るとした場合、団体が傘下の事業者を守る行動に出て実効性の確保が得られなくなるのではないか。

    →ルールは同じでもそれをどう守るかというやり方は事業者ごとに変わってくる。業界団体の役割としては、標準的な約款の策定、違反企業への制裁等が考えられる。



    議題3 消費者政策部会中間報告案骨子について

 事務局より、論点ペーパーに基づいて説明が行われた後、大要以下の議論がなされた。

「Ⅰ.なぜ今21世紀型消費者政策の検討が必要か」について

・IT化の進展により市場における情報の流れが生産者主導から需要者主導へとシフトする中で市場がシフトしてきているということを記載すべき。

・消費者のニーズに基づき生産者が生産を行うという社会になってきている。しかし、これで情報力格差がなくなったと捉えると、消費者政策部会での議論そのものが無意味になってしまうので注意すべきである。

・科学技術の進歩にともなう新たな製品・サービスの発生を記載すべき。

・ここだけ「消費者・生活者」という文言を用いているのは何か意味があるのか。

    →消費者保護会議決定等を踏まえ、幅広くとらえたもの。

・有効性と効率性を明確にすべき。また、民間の活用も記載すべき。

・科学技術の進歩にともなう問題についてその要因をもう少し分析すべき。

・なぜ今企業不祥事の問題が出てきているのか分析が必要。個々の在り方ももう少し分かりやすくしたほうがよい。 

・企業不祥事は、企業の倫理観の欠如からきており、コーポレートガバナンスの構築と消費者によるチェックが必要。

・30年経過したことが問題なのではなく、21世紀という時代にふさわしいものとすることにプライオリティを持って考えるようにしてもらいたい。

「Ⅱ.21世紀型消費者政策の基本的考え方」について

・自立した消費者として、消費者を尊重されるべき対象と行政が考えることが必要。それにより講ずべき施策が変わってくる。

・CIの「基本的ニーズが満たされる権利」を消費者の権利とすべき。消費者政策をどの範囲までと考えるのかによって異なるが、憲法上の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が実現されるようにすべき。

・知る権利と選択の権利は別である。「十分な情報の下で適切な選択を行えること」は妥当でない。

・韓国は健全な環境の中で生活する権利がある。そこまで考えられないか。

・消費者が経済社会の当事者となるために武器を与えるということを明確にすべき。

・行政と民間とのネットワークの中で21世紀の消費者の権利を守る社会システムを守ることを考えることが必要。そのため、消費者団体の訴権はもちろん、事業者団体とコンプライアンスなどが課題となるのではないか。

・ 現行の消費者保護基本法と同じ主体が書かれているが、団体の役割についても記載すべきではないか。現在の法令でも、事業者団体の位置付けが明確になっているものもある。消費者団体についても、個々の消費者とは役割が異なるところがあるので、明確に位置付けるべき。

その他

・ 司法の役割についても触れてもらいたい。行政のかかわりだけだと全体が見えてこない。司法制度の中で敗訴者負担制度をどうするか考えてもらいたい。また、司法制度の中でADRがどうあるべきか位置付けるべき。

・ 公益通報者保護制度の対象は、民間だけでなく行政も含めるべきである。

・ 消費者問題も裁判で解決されるようにしてもらいたい。そのため、敗訴者負担制度の問題も議論すべき。

・ 公益通報者保護制度において、外部への通報を制限し一義的に社内で解決するようにすること、通報先も主務大臣のみとすることに反対する。



次回開催は12月24日(火)14:00からの予定(議題:中間報告案について)

以 上

本議事要旨は暫定版のため、今後、修正がありえます。

     

  [問い合わせ先]内閣府国民生活局消費者企画課(03-3581-9095)