国民生活審議会第11回消費者政策部会議事要旨

平成14年12月3日(火)

内閣府国民生活局消費者企画課


1.日 時   平成14年11月28日(金)9:30~12:10

2.場 所   中央合同庁舎第4号館第3特別会議室

3.出席者

(審議会)
  落合部会長,浅岡委員,有馬委員,岩田委員,大羽委員,加藤委員,田中委員,高橋委員,鍋嶋委員,福川委員,福原委員,山本委員   

(事務局)
  永谷国民生活局長,田口官房審議官,河官房審議官,堀田国民生活局総務課長,中村消費者企画課長,幸田消費者調整課長 ほか


《 第11回配布資料一覧 》

議事次第(PDF:8kb)

資料1 苦情処理・裁判外紛争解決のあり方について(論点ペーパー)(<PDF:316KB>)

資料2 第41回全国消費者大会におけるアピールならびに特別決議について(加藤委員御意見)(<PDF:16KB>)

資料3 紛争処理に関する意見(田中委員御意見) (掲載略)


4.概要

    事務局より,「苦情処理・裁判外紛争解決のあり方について(論点ペーパー)」に基づいて説明が行われた後,論点ごとに,大要以下の議論がなされた。

(1)基本的考え方について

・国際間の苦情処理はどうなっているのか。各国の紛争処理機関はどういうものがあるのか、その仕組みやそれに対する批判などを教えてほしい。
⇒事務局より資料1の参考42に基づき説明。

・各省が抱えている苦情を統合して対応するような方法が採れないか。縦割りでは消費者が不利益を被る。

・消費者紛争のような少額事件は泣き寝入りせざるを得ないことが多い。クラスアクションや団体訴権といった悪質事業者を一網打尽にする仕組みも必要である。

・少額訴訟の利用実態はどのようになっているのか。
⇒利用数は年々増加していると認識している。

・少額訴訟は、敷金問題等法律上の争点が少なければ使えるが、クレジットカードの抗弁権接続の問題など、法律上の争点が多いと使いづらい。そのため,消費者問題にあまりなじまないのではないか。

・論点3に「特色を生かした」という記述があるが、多様な紛争解決機関とはどのようなものを考えているのか。ADRが多様化すると,どのADRを選べばよいのか、消費者の選択は難しくなる。また,制度設計や質の確保はどのように考えているのか。
⇒例えば、行政では公益の観点から公表した方がいいものを扱う、事業者団体では消費者が迅速な解決を図りたいものを扱う、法的な解決を望む方は弁護士会仲裁センターを利用するといったことがある。
     質の確保については、国民生活センターが各ADRと連携して取組むことなどが考えられる。また、ADR基本法で位置付けるといったことも考えられる。

・ADR機関の第三者評価はどのように行い、その結果はどう消費者に周知するのか。
⇒消費者団体が行ったり、国民生活センターが情報を提供するといったことが考えられる。

・ADR機関の評価,公的機関が全て行うことは困難。情報を出して,民間が行うようにすべきではないか。評価は、消費者団体が行うことも考えられるが、評価能力を高める必要がある。

・消費者団体がADRの評価能力をつけることは重要な課題。しかし,評価能力をつけるためには,前提としてADR機関の情報開示が重要。

・論点4について、日本では裁判制度の充実により判例等の蓄積が十分でなければADRも機能しないということは認識してもらいたい。弁護士報酬敗訴者負担制度導入は、消費者問題の司法へのアクセスを妨げる方向に働く。

・苦情・トラブル発生の抑止力をどう働かせるか検討する必要があるのではないか。情報公開、罰則の運用、コンプライアンス体制等についてどのように考えているのか。
⇒抑止力についての議論は別途行う予定。

・ADRは,簡易・迅速・廉価のほか,身近で信頼できるといったこともキーワードになる。

(2)事業者による苦情処理について

・業界によっては,アウトサイダーの方が活動しやすいといった状況もある。そのため,業界団体に多くを委ねることは難しい。


(3)行政による苦情処理・紛争解決

①消費生活相談について

・消費生活センターの数・職員数が増えているとはいえ,苦情件数の増加からいえば実質的にはマイナスである。市町村では消費者関連業務と他の業務の兼務している人もいる。予算は減っており消費者行政は後退している。人的・財政的措置がもっと必要である。

・消費者保護基本法が,あっせん業務等を市町村が行うこととなっているが,全体として行うことを明確にするべきではないか。

・諸外国に比べ我が国の苦情件数の数字はまだ小さく、これからもっと顕在化してくる。苦情処理業務を市町村だけでなく都道府県も行うよう位置付けることが必要。

・消費生活相談は苦情の受付窓口として重要,一般にもそのような意識が浸透しているので,今後も受付窓口としての機能を維持していくべき。消費生活センターは,苦情の振り分けを行い、紛争解決は専門的な機関にやってもらうといったことも必要。

・苦情処理、インフォーマルな形でのあっせんは、基本的な行政サービス・社会インフラとして今後も取り組んでいくべき。P.16からP.17の国民生活審議会報告は、立法論としても傾聴に値する。

・今後は予算面が厳しくなる。海外では、私法人が公的資金を受けて活動しているところもある。そのような取組も将来的には必要となるのではないか。

・消費生活センターの強化はお願いしたいところ。電話がかかりづらいとの批判もある。人員,予算措置が必要ではないかと思う。

・消費生活センターは,消費者に広く知られているが,ここで苦情の全てを処理するのは無理。商品テストなどは外に委託したほうが良い。

・行政には高度な判断が必要な問題を処理してもらいたい。

・紛争解決にあたっては消費者教育も重要。
⇒年明けに議論する予定。

②消費者苦情処理委員会について

・消費生活センターは,場所ごとに相談員の質のばらつきが多いという問題がある。

・消費者問題は分野が広い。特商法や消費者契約法の問題が多いが,それだけでも処理は大変。

・苦情処理委員会については,消費者の申立権を明確にするべきではないか。委員会にかけられる事案が少ないのは行政がスクリーニングをしているからではないか。

・申立権という権利を認めると,申し立てがあった場合に全て処理する必要があるため重たいだろう。限られた人員・予算をどう使うかという視点から、処理するのは重大な事案に限ることも必要。選択過程の透明化、消費者団体の意見を聴くというやり方もある。


(4)民間における苦情処理・紛争解決

・日本でも責任を持って紹介することのできるような事業者団体等が運営するADRがあるとよい。そのためには,処理の合議に消費者代表が加わるなどして中立性が保障されることが必要。

・消費者団体はADR機能を果たしたいとは思わないのか。

・お金があれば消費者団体でも苦情受付はやっていきたいとは思う。

・社会システムの一環として、消費者組織はどのような機能を果たすのか。消費者団体は消費者の代理人・サポート役なのか、団体として独自に活動しているのか。

・社会の組織として消費者組織がどうあるべきか。提案能力、紛争調停能力まで身につけるのか、問題提起だけとするのか。活動の裏づけとなる経済的基盤はどうするのか。自分達で議論すべきである。

・ADRの多様性の観点からは,公的機関からお金をもらって運営するADRもあってよいし,紛争当事者からお金をもらうADRがあってもよいだろう。

・事業者団体の役割は消費者保護基本法改正の際にはぜひ規定してほしい。ADRの実効性を高めることができる。

・JIS規格を使って苦情対応をしてほしい。形としては業界団体がやるのが一番よいのではないか。

・苦情処理・紛争解決の費用負担を分担する仕組みを考える必要がある。

・PLセンター等を機能させるには、国民生活センター等が処理結果をきちんとフォローする必要がある。また、PLの問題では初期の証拠保全が非常に重要なため、消費生活センターにおける相談時の対応も重要である。

・IT関係など,分野によっては事業者団体が整備されていないところもある。


(5)消費者への総合的な窓口機能・情報提供機能,(6)消費者トラブルにおける仲裁について

・国民生活センターにADR機関の苦情を申し立てたり、PLセンター等の客観評価ができないか。


次回開催は12月17日(木)9:00からの予定(議題:行政の枠組み・中間取りまとめ骨子案について)。

以 上

本議事要旨は暫定版のため、今後、修正がありえます。

     

  [問い合わせ先]内閣府国民生活局消費者企画課(03-3581-9095)