国民生活審議会第1回消費者政策部会議事録

平成13年11月2日

国民生活局消費者企画課


議事次第

平成13年10月4日(木)14:00~16:00

中央合同庁舎第4号館 第4特別会議室(406号)

1.開会

2.委員紹介

3.部会長代理指名

4.内閣府大臣政務官あいさつ

5.国民生活審議会消費者政策部会の公開について

6.消費者政策についての最近の動向

7.国民生活審議会消費者政策部会の今後の運営について

8.消費者契約の適正化に関する政策評価

9.その他

10.閉会


委員名簿

部 会 長

落 合 誠 一  東京大学大学院法学政治学研究科教授

委   員

有 馬 真喜子  国民生活センタ-会長

岩 田 三 代  日本経済新聞社編集局生活情報部長

浦 川 道太郎  早稲田大学法学部教授

加 藤 真 代  主婦連合会参与

田 中 尚 四  日本生活協同組合連合会副会長

野 村 豊 弘  学習院大学法学部教授・常務理事

福 川 伸 次  株式会社電通 電通総研研究所長

福 原 義 春  株式会社資生堂名誉会長

増 田  滋   食品関連産業別労働組合連盟会長

松 本 恒 雄  一橋大学大学院法学部研究科教授

茂 木 友三郎  キッコ-マン株式会社代表取締役社長

山 中 博 子  全国地域婦人団体連絡協議会理事

臨時委員

浅 岡 美 恵  弁護士

伊 藤 穣 一  ネオテニ-株式会社取締役社長

大 羽 宏 一  大分大学経済学部教授

高    巌   麗澤大学国際経済学部教授

高 橋 宏 志  東京大学大学院法学政治学研究科教授

鍋 嶋 詢 三  社団法人消費者関連専門家会議理事長

宮 部 義 一  経済団体連合会経済法規委員会消費者法部会長

山 本  豊   上智大学法学部教授


出席者

(審議会)落合部会長,有馬委員,伊藤委員,岩田委員,浦川委員,大羽委員,加藤委員,高委員,高橋委員,田中委員,鍋嶋委員,福川委員,福原委員,松本委員,宮部委員,茂木委員,山中委員,山本委員

(事務局)渡辺内閣府大臣政務官,池田国民生活局長,大石官房審議官,太田総務課長,堀田消費者企画課長,鵜瀞消費者調整課長 ほか


〔 落合消費者政策部会長 〕 ただいまから国民生活審議会消費者政策部会を開催いたします。本日は、お忙しい中をご出席いただきまして誠にありがとうございます。  本年の7月19日に開催されました第50回国民生活審議会総会におきまして、消費者政策部会長として指名を受けました落合でございます。消費者政策部会の議事の進行に当たらせていただきます。 それから、消費者政策部会所属の委員につきましては、塩野谷会長ともご相談いたしまして、それぞれの方に事務局の方からご連絡を申し上げましたが、本日は初めての消費者政策部会でございますので、まず、各委員のご紹介をさせていただきたいと存じます。 それでは、事務局の方から本日ご出席の委員のご紹介をお願いいたします。

〔 池田国民生活局長 〕 国民生活局長の池田でございます。よろしくお願いいたします。消費者政策部会につきましては、6月25日付で委員にご就任いただいた本委員に加えて、10月1日付で臨時委員にご就任いただいた方を合わせ合計21名で構成されております。 本日ご出席の委員の方々を五十音順にご紹介させていただきます。

 有馬(ありま) 委員でございます。

 伊藤(いとう) 委員でございます。

 岩田(いわた) 委員でございます。

 浦川(うらかわ)委員でございます。

 大羽(おおば) 委員でございます。

 高 (たか)  委員でございます。

 高橋(たかはし)委員でございます。

 田中(たなか) 委員でございます。

 鍋島(なべしま)委員でございます。

 福原(ふくはら)委員でございます。

松本(まつもと)委員でございます。

 宮部(みやべ) 委員でございます。

 山中(やまなか)委員でございます。  

山本(やまもと)委員でございます。  

本日は、この他に加藤(かとう)委員、福川(ふくかわ)委員、茂木(もぎ)委員が後ほどお見えになる予定でございます。  また、浅岡(あさおか)委員、野村(のむら)委員、増田(ますだ)委員につきましては本日はご欠席でございますが、本日は、最終的には、落合部会長を含め18名の委員の方々にご審議していただくことになっております。以上でございます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ありがとうございました。それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思います。  当部会の運営に関しましては、国民生活審議会令の規定によりますと部会長代理を指名することになっております。この規定に従いまして私から指名させていただきたいと存じますが、部会長代理につきましては、本日はご欠席ですが野村(のむら)委員にお願いしたいと存じます。  続きまして、本日は渡辺内閣府大臣政務官にご出席をいただいておりますので、消費者政策部会の開催に際しましてごあいさつをお願いしたいと思います。

〔 渡辺内閣府大臣政務官 〕 皆様、ご苦労様でございます。内閣府大臣政務官を拝命しております渡辺でございます。本日は、衆議院におきまして予算委員会が開催されておりまして、竹中大臣、松下副大臣が出席のため、こちらの方に出席することができません。代わりまして私が内閣府を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。 落合部会長をはじめといたしまして委員の皆様方におかれましては、国民生活審議会の委員にご就任いただき誠にありがとうございます。心から御礼を申し上げる次第でございます。 さて、現在の消費者を取り巻く状況をみますと、規制緩和の推進や技術革新、経済社会のグロ-バル化により商品、サ-ビスの質の向上、多様化が進んでおります。消費者の生活はその中で豊かさを享受しうる状況になっておりますが、その一方、消費者と事業者との間の情報力・交渉力の格差がどんどん広がっているという問題がございます。 これに対しまして、政府といたしましては消費者と事業者との間のトラブルについて公正な解決を図るために、1995年には「製造物責任法」、そして本年の4月から施行になりました「消費者契約法」、こういった民事ル-ルの整備を行ってまいりました。その立法に当たりましては、消費者政策部会にご尽力をいただいたところでございます。 こうした民事ル-ルを真に実効性あるものにするのは政府だけではできません。消費者、事業者がそれぞれトラブルを未然に防ぎ、信頼関係を築き上げていくことが大変重要だと思っております。 諸外国の例におきましては、事業者自らが自主行動基準というものを作成し、実効性ある社内体制の下その基準を遵守するというコンプライアンス経営が広がっておりまして、欧米の消費者行政におきましても、こういった企業の取組みについて法令を補完するものとして盛んに研究、試行が行われていると聞いております。 消費者政策部会においては、この自主行動基準の作成並びにそれを含むコンプライアンス重視の経営について、我が国での在り方やその促進策についてご検討いただきたいと思っております。この検討の結果が消費者と事業者との信頼の再構築につながるものと期待しているところでございます。 また、政府では、平成13年度から国の政策の評価というものが行われるようになりました。これは、国の政策について自ら評価するということですが、消費者行政については消費者契約の適正化についての評価を行いたいと思っております。政策評価は各府庁が自ら行うものでありますが、その客観性を担保することが必要であります。消費者契約の適正化に係る政策に関しましては、消費者政策部会において第三者的立場から、その必要性、有効性などについてご論議をいただきたいと思っております。 消費者政策部会においては、当面、以上の2点についてご審議いただきたいと考えております。委員の皆様方におかれましては、活発なご意見、そしてまた積極的なご提言を賜りますよう心からお願いを申し上げましてごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。続きまして、「消費者政策部会の公開」という問題につきましてお諮りしたいと思いますが、まず最初に事務局からご説明をお願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 まず資料について確認させていただきたいと思います。本日は資料が1番から6番までございまして、資料番号が右上に書いてございます。

 資料1は、本日の委員の名簿でございます。

 資料2は、消費者政策部会の公開についてという資料でございます。

 資料3は、今後の部会の運営に関する資料でございます。

 資料4は、消費者政策についての最近の動向という資料でございます。

 資料5は、消費者契約の適正化に関する政策評価という資料でございます。

資料6は、消費者と事業者の間の信頼の再構築という資料でございます。

 以上、6つの資料でございますが、もし、お手元にございませんでしたら、すぐにお持ちいたしますのでお申し出いただきたいと思います。 それでは、資料2の説明に移らせていただきたいと思います。 資料2は、消費者政策部会の公開に関することでございます。 先般の7月19日の総会におきましても、総会の運営等について原則公開という方向になっております。消費者政策部会につきましてもその方向で「原則公開」ということにさせていただきたいと思っておりまして、傍聴席に相当する人数の範囲内であればご出席いただくということにしたいと思います。 ただし、「特段の理由があると部会長が認めた場合には、理由を明示して会議の全部または一部を非公開とすることができる」ということになっております。 なお、仮に、こういうことはないと思いますが、公開をする場合、「もし議事の進行に妨害を加えるといったようなことがありうるような場合には、傍聴者に退席をしていただく」ということにさせていただきたいと思っております。 2番目は会議の資料に関してでございますが、資料も原則として公開するということでございます。ただし、「特段の理由があると部会長が認めた場合は会議資料の全部または一部を公開しないとすることができる」としております。 なお、会議が終わった後等、委員の方から別途資料の提出があった場合には、その次の部会において、直近の部会で部会長の承認を得た上で配布させていただくということにしたいと思っております。 議事録につきましては、発言者名を記した議事録ということで、会議終了後概ね1か月後に公表するということとなっております。これも「特段の理由がある場合には、理由を明示して議事録の全部または一部を非公表とすることができる」というふうにしております。 それから、議事録よりもう少し簡単な議事要旨でございますが、会議終了後、概ねワ-キングデイで2日以内ということで公表したいと考えております。 公開につきましては以上でございます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。  それでは、本消費者政策部会の公開につきまして、ただいま資料2に基づいてご説明があったのですが、このような方針で公開を行うということにしてよろしゅうございますでしょうか。

             ( 「異議なし」の声あり )

 それでは、そのようにさせていただきます。

したがいまして、今後、この部会については原則公開ということで臨むということであります。

それでは、議題の6「費者政策についての最近の動向について」ということで事務局からご説明をお願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 それでは、資料4に基づきまして、最近の消費者政策の動きについて簡単にご説明させていただきたいと思います。 まずペ-ジをおめくりいただきまして1ペ-ジをご覧いただきたいと思います。 この棒グラフは、 PIO-NET といいまして各地の消費生活センタ-と中央であります国民生活センタ-を結んで、消費者からの苦情相談といったものがどのように集められているかといったものを示したグラフでございます。 一番直近の平成12年度には、消費者から寄せられている相談件数は全体で54万件という数になっておりまして、一番左の平成元年と比べますと3倍の増加になってきております。中身を「販売方法」、「契約」、「解約」といったことについて見ますと、全体の約8割を少し超える82%が、消費者の相談で多い販売方法とか契約、解約に関するものであるということになっております。このシェアは年々高まっておりまして、安全の問題ももちろんあるわけですが、こういう契約に関するものがやはり増えてきているということがおわかりいただけるのではないかと思います。 ちょっととばしていただきまして4ペ-ジをご覧いただきたいと思います。 これは平成12年度以降ということで、まだ比較的新しいわけですが、成立または改正された主な消費者関係の法律のリストでございます。一昨年からかなり消費者関連の法律がいろいろ整備されてきているという状況を示しております。最初の「成年後見制度」の見直しから始まりまして、住宅に関する「品確法」と言われております品質の確保に関する法律が制定されております。さらに下の方では、消費者政策部会でご審議いただきました「消費者契約法」が本年の4月1日から施行になっております。 同じときに、「金融商品の販売に関する法律」も施行されております。 5ペ-ジにまいりまして、消費者問題と非常に関連の深い「訪問販売法」というのが名称が変わりまして「特定商取引に関する法律」というふうに改められております。中身としましても「内職・モニタ-商法に係る規制」といったものが新設されているということです。 その下のところで、インタ-ネットによる電子商取引が増えてきているということで、「電子消費者契約法」というのが成立しておりまして、本年の末ぐらいにこの法律は施行されるのではないかということになっております。消費者がインタ-ネットを使うときにクリックミスをして商品を、本来は1つでいいのに10個頼んでしまったとか、主にそういった場合の「錯誤」に関する特例を設けている法律です。 現在、国会で継続審議になっているものといたしまして、ここには載っておりませんが、「個人情報保護法」というのがございます。 6ペ-ジにまいりまして、これはご参考までですが、この部会とも非常に関連の深かった「製造物責任(PL)法」の概要が掲載されております。2.の製造物責任法の趣旨のところの2つ目の「・」ですが、「消費者の被害の円滑かつ適切な救済」という観点から、業者側に「過失」がなくても製品に欠陥があれば、賠償責任を負わせるといった点が含まれた新しい法律として製造物責任法が作られたということでございます。法改定につきましては省略させていただきます。 9ペ-ジにまいりまして4 消費者契約法の概要ということでまとめられておりまして、この国民生活審議会で約6年間にわたってご審議をいただきまして、今年の4月1日から施行となりました。 10ペ-ジにまいりまして、この消費者契約法の1 適用範囲でございますが、事業者と消費者の間の取引であれば、基本的にすべて対象になるという非常に包括的な法律でございます。2つの柱からなっておりまして、消費者が事業者からの勧誘のときに、「事業者の不適切な行為によって『誤認』とか『困惑』をした場合に取消しができる権利を付与している」というのが1つ目の柱でございまして、2つ目は、契約条項の中に、もし消費者にとって不当、不利な契約条項があれば「無効」になるというような規定を織り込んでいるということです。 今後のコンプライアンスの議論との関連で重要なのは、いくつかございますが4番目に「事業者と消費者の努力」という第3条の努力規定というのが入っておりまして、「事業者は契約の内容を明確かつ平易なものとなるよう配慮するとともに、必要な情報を提供するよう努めなければならない」という努力規定がございます。今後はこういった努力規定の趣旨を以下に果たしていくかということを考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。 最後の12ペ-ジでございますが、近年におけます消費者政策部会での主な検討テ-マをまとめさせていただいたものでございます。平成2年から製造物責任(PL)法に関する議論が始まり、平成7年から消費者契約法の議論が始まったという経緯をたどっております。 以上、簡単でございますが、最近の消費者行政についてご説明させていただきました。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 ただいまのご説明に対してご意見、ご質問等ございますでしょうか。 次の議題に進んでよろしゅうございますか。 それでは、次の議題は、7「国民生活審議会消費者政策部会の今後の運営について」という議題です。 7月に開催されました国民生活審議会総会におきまして、消費者政策部会では2つのテ-マが課題にされました。第1は「消費者と事業者の間の信頼の再構築の在り方について」であります。第2番目は「消費者契約の適正化に関する政策評価」、この2つにつきまして調査・審議をするということになっております。 そこで、当部会の今後の運営方針につきまして、これからご審議をいただきたいと思いますが、「消費者政策部会の今後の運営方針について」という資料3がございますが、これにつきまして事務局からご説明をお願いしたいと思います。

〔 堀田消費者企画課長 〕 それでは、資料3の説明に移らせていただきたいと思います。 資料3を1枚めくっていただきまして、2ペ-ジから「国民生活審議会の今後の運営について」という7月19日の国生審総会の資料がございます。 1.で、国民生活審議会の当面の調査・審議事項は次のとおりとするということで(2)と (3)がこの部会の審議に委ねられたということでございます。 1ペ-ジ目にお戻りいただきまして、こういうことで「消費者の契約の適正化に関する政策評価」、「消費者と事業者の間の信頼の再構築について」という2つのトピックがございます。これを今後どう審議していくかということでございますが、基本的に消費者契約の適正化に関する評価につきましては、後ほどまた詳しくご説明させていただきたいと思っております。 まず信頼の再構築の方ですが、この審議を行うに当たりまして、部会の下に、仮称でございますが「自主行動基準検討委員会」というものを設置していただきまして、そこで月1回程度以下の点について詳細な議論を行ってみたいと考えております。 どういったことを議論していくかということで、下に四角が2つございますが、ご覧いただきますと主な調査・審議事項といたしまして、第1点は「事業者の自主行動基準のモデル指針作成のための検討」ということでございます。第2点は「自主行動基準策定の促進策」、そういった自主行動基準を作ることをどう促していくかといったように促進策。それから、そういう行動基準及び法令等を企業の中でどのように遵守していくかといった、体制面も含めた問題につきましてご検討いただきたいと考えております。 3 調査・審議のスケジュ-ルでございますが、明日に、第1回目の自主行動基準検討委員会を開催させていただきたいと思います。3月頃を目途に中間報告をまとめていただき、その中間報告を消費者政策部会に上げていただきまして部会でのご審議をいただきたいと考えております。 併せまして、消費者契約の適正化の評価についてもまとめたいと思っておりますので、次回の部会におきましてはこの2つのテ-マについて再度ご審議をいただきたいと考えております。 自主行動基準検討委員会の中間報告後につきましては、中間報告の段階での議論にもよると思いますが、「分野別に自主行動基準はどうあるべきか」といった点も含めて引き続き詰める作業をしていただくなどして、再来年の春までには最終報告をまとめるというようなスケジュ-ルを念頭に置いております。  自主行動基準検討委員会の設置については、4に記載しております。「委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は部会長が指名する。」、「委員会には当該委員会を掌理する委員長を置く。」、「委員長は当該委員会に所属する委員または臨時委員の中から部会長が指名する。」ということにさせていただきたいと思っております。  引き続き「消費者と事業者の間の信頼の再構築」に関しまして資料を用意しておりますので、説明をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

〔 落合消費者政策部会長 〕 お願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 資料6をご覧いただきたいと思います。 1ペ-ジを開いていただきますと目次がございます。大きくパ-トⅠ.とパ-トⅡ.に分かれております。Ⅰ.は、自主行動基準につきまして日米でどういった状況になっているかということに関する資料を集めたものでございます。 お断りしておきたいのは、自主行動基準と言いましても、決して対消費者ということだけではなくて、企業にとっての非常に重要な利害関係者であります従業員とか、あるいは取引相手先とかさまざまなステイクホルダ-に対する自主行動基準が企業によってそれぞれ違った形で作られておりますので、Ⅰ.でまとめておりますのは決して対消費者ということではなくて、コンプライアンス全般をまとめているということでございます。 Ⅱ.の方は、欧米の消費者政策の中で自主行動基準づくりが今どういうふうに進められようとしているか、あるいは進んでいるかといったところのことを各国別にまとめさせていただいております。 まずパ-トⅠ.からご説明させていただきます。右下にペ-ジ番号が振ってありますが、1ペ-ジ目をご覧いただきたいと思います。 この資料は、コンプライアンスに関して米国に関する過去の動きをまとめたものでございます。コンプライアンスが進む背景にはいろいろな社会的背景、それに対する企業の対応といったような動きで進んでいっていると思いますが、当初はウォ-タ-ゲ-ト事件とか、ロッキ-ド事件とか、かなり政治的な事件等もあって、アメリカの中でもモラル改革運動と言っていいようなものが起こってきた。これが1つのきっかけになっているのではないかということです。ただ、この段階ではまだ非常に初期の段階ということになりますが、次第に法律制定による規制ではなくて、企業の自主的な対応が重要ではないかという意識が進んできまして、倫理綱領を策定するとか、あるいは不正違反行為の社内でのレポ-ティング、報告といったようなことが行われるようになってきたということがございます。 さらに80年代の終わり頃から90年代にかけて、環境問題とか、消費者問題との関連でいきますとPL訴訟、企業がさまざまな形で訴えられるといったようなPLの問題が生じまして、それに対して対応していく必要が生まれてきているということでございます。 「関係法令等」と書いてあります一番左側のところに「連邦量刑ガイドラインの発効」(1991) と書いてございます。現在、アメリカでは自主行動基準を作成している企業が90%ぐらいあるのではないかと言われておりますが、そういう高いレベルまで上がるようになった1つの理由としまして、この「連邦量刑ガイドライン」というものが示されたことがあるのではないかと言われております。 ちょっととびまして6ペ-ジをご覧いただきたいと思います。 連邦量刑委員会、これは裁判所の1つの基準でございまして、量刑は1段階から60段階と言われておりますが、7つの基準というものを定めまして、それをどの程度満たしているかということに応じまして、それぞれの段階が決められる。コンプライアンス経営が十分になされていないような場合には量刑が重くなるといったようなことがあるのではないかということであります。 7つの基準の中身を見ていただきますと、まず最初に、「予防手続きが社内できちっと成文化されているか」、あるいは「倫理綱領が策定されているか」といったことがあります。それから、「倫理担当責任者がきちっと任命されているかどうか」といったこと。4番目ですが、「社内で教育・研修プログラムというものを実施しているかどうか」といったようなこともございますし、場合によっては、⑥のように「社内において罰則規定などもきちっと置いているかどうか」といったようなことが7つの基準として挙げられております。 この基準が出された後、先ほど言いましたが企業の自主行動基準を作るといったような動きが活発になったのではないかとみられております。 2ペ-ジにお戻りいただきまして、これはアメリカの「peer review panel 」、アンケ-ト調査の一種だと思いますが、アメリカのフォ-チュ-ン 1,000社ということで大企業に対するアンケ-ト調査の結果。 1,000社に対してアンケ-ト調査をしまして回答が 244社ということでございます。 その中で次のような質問をしておりまして、① で倫理に関する価値や配慮を日々の企業の業務に組み込むために何らかの措置をとっていますかという質問に対しましては、93%ぐらいの「イエス」という答えがあるといったようなこと。 ③ 以下のどの手段を、会社に倫理規定価値を組み込むためにお使いですかという質問に対しては、「倫理綱領を作っている」という答えが93%ということ高い水準になっております。その他④では倫理トレ-ニングを行っているかどうか等いくつかの質問がございます。 4ペ-ジをお開きいただきたいと思います。 これはOECDがコンプライアンスに関する研究をまとめたものでございまして、特にエッセンスだけがそれぞれ紹介されているわけです。 左側から2番目のWard という人の調査によりますと、これはアメリカの 5,000社の企業を対象にしておりますが、86%が「正式なコンプライアンスの方針を持っている」という調査の答えを得ているようです。 どういうものがその中に含まれているかというのを8つの領域を示しておりますが、4番目のところで「環境」とか「健康」、「安全」といったものが65%ということで、そういった割合の企業が消費者に関連の深い分野の自主行動基準なども織り込んでいるというようなことではないかと思います。 右から3つ目ですが、これはオ-ストラリアについての1993年、若干古い調査ですが、オ-ストラリアでは86%が「全総従業員向けの行動指針を作成した」というようなことを紹介しております。 5ペ-ジにまいりまして、これは、「倫理の内部制度化の主な手段としてどのようなものかあるか」ということで書いておりますが、「倫理綱領を作る」とか「社内に倫理委員会を作る」とか、あるいは「トレ-ニング・プログラムを用意している」とかといったような手段を考えているということでございます。 7ペ-ジに移っていただきまして、それでは、日本ではどういう動きになっているかというものをまとめたものでございますが、日本におきましても90年代に公正取引委員会が「流通、取引慣行のガイドライン」というものを出しておりまして、公取の関係団体であります公正取引協会がコンプライアンス・プログラムというものの手引きを作っているという動きが91年にございました。 それから、その後、経団連が「企業行動憲章」というものを制定されまして、その企業行動憲章は96年に改定されているということでございます。 民間企業の中にも、こういうコンプライアンスを促進しようということで、経営倫理実践研究センタ-というものが98年に作られております。 8ペ-ジからは、経団連が作られました「企業行動憲章」の抜粋を載せさせていただいております。 10ペ-ジにまいりまして、やはり経団連が行ったアンケ-ト調査をまとめておりまして、最初の質問は「経団連の企業行動憲章を知っているかどうか」、あるいは「全体を読んだことがあるか」というような質問に対しまして、「全体を読んでいる」、「知っている」という答えが54%ぐらいということになっております。 14ペ-ジ目からは、経済同友会が同じように行ったアンケ-ト調査の結果を載せさせていただいております。「企業行動規範を作成した」というのが48%という集計になっております。 日本におけるアンケ-ト調査等を集めましたが、大体以上のような状況になっております。 次にパ-トⅡ.の紹介に移らせていただきたいと思います。 欧米で消費者行政の中でこういう自主行動基準づくりというものがどういうふうに位置づけられているかというものをまとめたものでございます。 27ペ-ジをお開きいただきたいと思います。 まず、1.アメリカの動きですが、アメリカにおきましては、連邦取引委員会が日本の公正取引委員会に近い役割を果たしておりますが、その連邦取引委員会が消費者行政について消費者保護の役割を担っているということでございます。 連邦取引委員会の設置法のようなものに当たります取引委員会法第5条で「公正な取引」ということを問題にしておりまして、消費者に特別な害があるような不公正な取引には、連邦取引委員会が業者に対して禁止命令等を出せるというものになっております。ただ、公正とか不公正という概念が不明瞭であるということから、アメリカではいろいろ議論がされてきたということです。 ②に書いてありますが、連邦取引委員会によります公正の基準といったものも示されているということでございます。 ただ、こういう基準を作っても、まだ実際の企業からしますとどういうふうに行動していいのか、必ずしもわからないところがございます。 28ペ-ジにまいりまして、こういったものを補完するために連邦取引委員会ではガイドを作っておりまして、そのガイドに基づきまして、場合によっては個別企業への助言とか業界に対する指導なども行っているということになります。このガイドは法解釈などの役割も果たしていると聞いております。 それだけではなくて、連邦取引委員会はできるだけ事業者に対して自主行動基準を作るようにという働きかけも行っているということで、技術の発展が非常に速いものですから法律を作るのがなかなか追いつかないということもあって、規制を作るよりは自主規制に委ねる方がいいのではないかという考え方が強まっているということでございまして、具体的には最近の例でいきますと、子どものオンライン・プライバシ-保護法といったようなものについて自主規制のガイドラインを承認するといったようなことがございますし、インタ-ネット広告といったものにつきましても自主規制を促しているというような動きがございます。 29ペ-ジはカナダの動きでございますが、カナダの場合には法律とのリンクは直接はないのですが、カナダの産業省と国家財政委員会事務局が共同で、「自主基準とは一体どうあるべきか」とか「どう進められるべきか」といったものをよく理解してもらうために作っているということでございます。いくつか詳細にわたって自主行動基準を作る手順とか作り方とか、そういったものの指針を出しているということでございます。その下の方にそういったことが書かれております。 31ペ-ジにまいりましてオ-ストラリアでございます。 オ-ストラリアも自主行動基準については積極的な国であるということで、1988年にまず行動規範の調査を行ったというふうになっておりまして、96年には連邦政府と州政府、オ-ストラリアは州政府の権限が強いところですので、州政府と共同で公正な取引慣行の確保を目的とする行動規範の指針というものを発表しております。 98年の取引慣行法の改正によりまして「行動規範に違反をしてはならない」という条文も作られているということでございます。 その行動規範の指針の方につきまして、下の方に少しまとめさせていただいておりますが、「行動規範の意義」でありますとか、「行動規範に盛り込むべき重要事項」、「基本的な原則」といったようなものが指針の中で示されているということでございます。 33ペ-ジにまいりまして、EUの方の動きでございますが、EUの中で一番自主行動基準に早くからやっておりますのがイギリスというふうに言われておりまして、イギリスでは公正取引法の第 124条によりまして、公正取引庁(OFT)の長官でありますが、そういう長官は団体に対して行動規範を作るよう普及啓発を行うといったような義務を負っているということでございます。 イギリスではこれまで何度か試みを試行錯誤でやってきているようですが、必ずしもこれまでのやり方が十分ではなかった。行動規範を作っても必ずしも消費者に十分認知されていないとか、アウトサイダ-が場合によっては制約になってしまうというような問題点もやはり出ておりまして、今年の8月から新しいやり方、新制度に移行しようという動きが出ております。 その関連の資料が(別紙1)ということで36ペ-ジから概要をまとめてありますが、2段階のアプローチと書いてあるところで、第1段階、第2段階と分けてやっていこうということで、まず第1段階では行動規範の基準の明確化をしていくというようなことをやりまして、第2段階では基準を作った上で、場合によっては実効性が確保されるように保証していくというようなことも行っていく計画になっているようです。 重点的に行動規範を作っていく分野ということで3.のところに書いてありますが、(1)の特定する基準というのが出ておりまして、消費者にとって問題のある分野とか、あるいは複雑な商品・サ-ビス、リスクの高いような取引といったようないくつかの基準を設けまして、そういうところを優先的に作っていくというような考え方のようです。 37ペ-ジにまいりまして、もう少し具体的に早くそういう行動基準を作った方がいいという分野としまして中古車、クレジット、葬儀、ダイレクトマ-ケティングといったような部門を示しているということでございます。 EUの中ではイギリスが一番進んでおりますが、33ペ-ジに戻っていただきまして、北欧の諸国、スウェーデンとかフィンランドといった国にはオンブズマンという制度がもともとありますが、そういうオンブズマンも単に消費者のトラブルを解決するだけではなくて、事業者に対して自主行動基準づくりを促していこうという動きが一部に出てきているということでございます。 34ペ-ジにまいりまして、大陸ヨ-ロッパの方ではイタリアとオランダが最近自主行動基準づくりに動きだしている。イタリアの場合ですと主に広告の分野を対象としたものに自主規制規則というものを作っている。大陸ヨ-ロッパにおいても一部動きが出てきているということでございます。 あまり自主規制を重視していない国もあるのではないかということで、フランス、スペインといったところではまだ遅れているのかなという感じを持っております。 35ペ-ジにまいりまして、EU全体としてどういう動きかということで、EU指令というものが出されている分野としまして、証券投資サ-ビス、遠隔地販売、電子商取引、こういった3つの分野につきましてはEUの統一指令という形で、EU全体として自主行動基準づくりを進めていこうという動きになっているようでございます。 説明が長くなりまして申し訳ございませんでしたが、以上とさせていただきます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 ただいまのご説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。 福原委員、いかがでしょうか。

〔 福原委員 〕 ここまでは既に伺っておりますし、資料もいただいておりますので、ある程度わかっているつもりで、特に質問はないのですが、ちょっと感想を申し上げますと、最初の方に大山先生のアメリカの表がございます。これは 1,000社の中の 200数十社しか答えていないのです。したがって、「実施している」というパ-セントがかなり高率なのです。したがって 1,000社分のやっている分というふうに考えないといけないのではないかということが1つ。 それから、この中でいろいろな、例えば「社内の規定があります」とか、あるいは「倫理基準を守るような措置がある」とか、「トレ-ニングをやっている」とか、「エグゼクティブに対するトレ-ニングをやっている」とかあるのですが、実はこれは連邦量刑委員会が定めたコンプライアンス・プログラムに沿ってそれぞれが会社がおやりになっているわけです。 実は、これをおやりになっていると、事件が起きたときに裁判とか和解というような時に、条件がかなり変わってくるということを前提においておやりになっているのであって、本当はこういうものと関係がなく、会社として社会に対してどういう責任があるかということを考えて実施すべきものであると私は考えるのですが、これは感想でありまして質問ではありません。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 それでは、消費者側の立場として、加藤委員、お願いいたします。

〔 加藤委員 〕 私どもは消費者としては長いこと生活していますと、社長さんがテレビなどで立派な企業倫理宣言をお話しになっていて、信頼できる会社だという会社がけっこうあるわけです。 それから、製品管理システムなども大変できていると知らされたりしている。ときには特定分野のマ-クの制度がありますので、そういうものをとっていらっしゃると、消費者としては大変信頼するわけです。 ところが、そういう消費者が信頼していた事業者がびっくりするような裏切り行為をやってしまったという、特に食品の安全性の問題、製品の安全性の問題などではがっかりするような事件に何回もこの30年ぐらいの間に出くわしているわけです。 そういう意味では、私たちの信頼を本当に保証するような取組みが、各社の中で自主行動基準としてきちんと作成されて遵守されているか。作って自分たちで点検チェックしていく、そしてそのことを公表することによって本当の内実ができていくということは大変けっこうなことだと思うのです。また、そういうものができていくということは、今後、いきなり裁判といったような場面にいかなくても、裁判の手前の紛争処理というか、紛争の解決にかなり役に立つのではないか。 アメリカの量刑委員会のレベルまでにこれが活用されるかどうかということは、今後のみんなの力とか世論の結果なのだろうと思いますが、そういう意味では、私どもはこの検討は歓迎したいと思っております。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 2つある我々の任務の1つの「消費者と事業者との間の信頼の再構築の在り方」という大きなテ-マの中で、Code of Conductというものを中心に考えてみようということで、自主行動基準検討委員会を置くというのがこの案の基本的な部分になっているかと思います。信頼の再構築の在り方というのは非常に大きな問題でありまして、いろいろなアプローチの仕方があろうと思うのですが、その中でとりあえずといいますか、今消費者政策部会では自主行動基準というものを中心に考えようという、それの絞り方、あるいは、いわばこれは自主行動基準ですから、これは自主的なもので行う。 他方、自主的でない法的な形での規制というものとの、自主的な部分と法的な強制的な部分との兼ね合いをどうするかというような問題も背後にあって、それらの兼ね合いをどの辺に置いて自主行動基準というもののウエイトというものを考えていくのかという問題がありそうに思いますが、これらの点につきまして、松本委員、何かご意見ございますでしょうか。

〔 松本委員 〕 コンプライアンスというアプローチをいたしますと、先ほど事務局からご説明がありましたように、消費者問題以外の環境とか、従業員とか、男女共同の問題、あるいは地域貢献とかいろいろ入ってくるわけですが、その中から消費者問題というふうに少し絞ってまいりますと、自主行動基準の中に入ってくるものがかなり限られてくるだろうと思います。 そして、おそらくそこでは、最初の事業者から消費者に対する働きかけであるところの広告の問題。広告につきましては日本でも広告審査機構という自主的な動きがあって、一定の成果を上げているところであります。 さらに、実際に取引をして何か不満があるという場合のクレ-ム処理の段階の問題。それから、当事者間での相対ではうまく処理ができなくて紛争が外在化してくる場合に、裁判に直接にいかないで、いかに解決していくかという、裁判外での解決システムを民間レベルで事業者主体でうまく作っていくことができないかというような問題。 それから、アフタ-サ-ビスの問題とか、そういう取引を軸にして広告から紛争処理あるいはアフタ-サ-ビスという流れの中で見ていけば、今、問題になっております行動基準の中に、単なる「かくあるべし」に加えて、消費者との間でのトラブル処理まで組み込んだ行動基準を考えていくことができそうで、そこまでカバ-しないと消費者の信頼というのは十分確保できないのではないかと考えております。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。
他にこの点につきまして……。
どうぞ、福原委員。

〔 福原委員 〕 ただいま自主行動基準の話が出ましたので、ちょっと付け加えさせていただきますが、私は、神奈川大学の水谷先生がやっていらっしゃいます経営倫理実践研究センタ-(ビジネス・エシックス・リサ-チセンタ-)、「BERC」(ベルク)と言っているのですが、私、今、それの理事長をお引き受けしております。 ここで論じておりますのは、自主行動基準を作ることは当然のことであって、むしろ行動基準をどうやって守るような組織を作るか。組織を作るといっても、組織を作ると、また組織というのは極めて責任の所在がはっきりしないので、BEO(ビジネス・エシックス・オフィサ-)という責任のある役員なり、あるいは部長なりを任命する。それが全社的に横断的に自主規制プログラムが行われているかどうかを監視する。何か事が起こったときは社内ではその人が責任を負うのだということをセットにしてやっていかないといけないということを、我々は力説しているわけでございます。 ところがこのベルクに加盟していただく会社がなかなか増えませんで、当初の30社から今やっと40数社になってきたというのが今の現状でございます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ありがとうございました。 他にご意見ございませんか。
福川委員、どうぞ。

〔 福川委員 〕 信頼関係をどうやって回復するかというときには、実はいろいろな側面があって,これは非常に包括的な面で、今、環境のお話もあったり、企業倫理の話もあったりするわけですが、私は、やはりこれを一たん広くとらえてみて、そして、全貌を明らかにした上で、今の消費者との関係をはっきりするという、1回マトリックスといいましょうか、何か全体の図を描いてみたらどうかと思うのです。 もちろん、企業が社会の信頼を得る、あるいは消費者の信頼を得るというのは、もちろん環境問題もあるし、情報の公開もある。あるいは価格形成の問題もありましょうし、いろいろなところが出てきています。 そして、システム的に見たときには、今、部会長もお話しのように法制度でやるべきものもあれば、仕事の性格によっては業界である綱領のようなものを作るという側面もある。 あるいはまた企業の行動というところもあるし、企業が自分で自分の社訓という形できちんとやっていくものもあるわけで、したがって、内容というか対象の問題と仕組みの問題というのでマトリックスでも作ってみて、そしてどういう位置づけをするかというのをはっきりしてみたらいいのではないかという気がするわけです。 福原委員もよくやっていらっしゃいます例えばメセナとかフィランソロピ-というような問題も社会との関係で言えば非常に大きな問題でありますし、これはまた確かに消費者の評価を得るということにもつながってきているわけであります。それから、例えば株価形成というようなもので見て、株価を通じて消費者が企業を判断するという側面が非常にあるのだろうと思うのです。ですから、そういったことを考えていかないといけないと思います。 もう一つは、企業のミッションというのは一体どこにあるのだというところの議論も1回してみる必要があるようにも思います。これはいろいろな言い方があると思いますが、私は、例えば、企業が追求すべきものは新しい価値の創造だと。そうすると、新しい価値とは何かというと、例えば1つは経済価値、要するに収益を上げる、値段を安くして生産性を上げて経済価値を高くするというのもあれば、それから、まさに顧客に対して新しい価値を創っていく。また、顧客の方もより良いものを欲しいとか、自分がもっと資質を高めるようなサ-ビスが欲しいとかいろいろなニ-ズがありますが、もう一つは、価値がいわゆる社会価値と言われるものがあって、これは企業の倫理を守らなければいけないとか、あるいは情報を公開しなければいけないとか、環境の負荷の低いものを出すとか、リサイクルしやすいものにしなければいけないとか、いろいろなことがあると思うので、やはり、企業というものに対する考え方というのが時代とともに非常に変わってきているので、それが今の時点で言うと、経済価値、顧客価値、そして社会価値という3つの価値が今一番求められているという気がするわけですが、それとやはり社会の進歩、進展によってそういう考え方が非常に変わってきて、それがまたいろいろ企業の行動に影響を与えるということになっていると思うのです。 ですから、いろいろなことを申して恐縮でしたが、ひとつ信頼関係を高めるためのものというのは、企業あるいは消費者への1つの情報提供という意味でもあるので、できればいろいろな仕組み、システムの問題と、やる対象の問題とでマトリックスを作ってみて、そしてまた社会、企業をめぐるいろいろな考え方を見ながら、企業に対する考え方の変化を見ながらマトリックスをチェックしてみて、そして、ここでおやりになる問題というのは、その中でどういう位置づけになっているのだということがはっきりすると、教育効果と言うと失礼かもしれませんが、情報提供効果としては大変大きいのではないかという気がいたします。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ありがとうございました。 どうぞ、宮部委員。

〔 宮部委員 〕 今回の議論と必ずしも一致しないかもしれないのですが、企業と企業の取引の場合に、今、ISOいくつという環境、品質の基準があるわけです。これを取った企業からの製品、原料については、すんなり取引が可能なわけです。これは非常にきつい審査を受けて「この会社のこういう製品は大丈夫ですよ」というのを1品ごとに取っているわけです。企業対消費者にも適用して、「この会社のこういう製品はISOいくつについて審査を受けてOKをもらっていますよ」ということにしてはどうか、私も消費者契約法をずっとやらせていただきましたが、大半の会社というのは、そこまでやればそれが受けられるような、ISOを取れるような会社であれば大丈夫だという感じがするのです。取れないような会社というのは非常に危ない可能性がある。 結局、皆さんが今これからここでやろうとしていることは、ISOに近いものを作っていこうというのか、それとも、ここにずうっとありますように、ある程度定義の非常に難しいものを含みながら、こういう方向で企業が自主努力してくださいよというところで終わるのか。やるのだったらISO的なところまで入ってしまうと、非常に変な、いいかげんな企業がリジェクトされる方向にはっきり出てくるのではないかなという気がして、先ほどのご説明を聞いていたのですが、その辺、いかがですか。

〔 落合消費者政策部会長 〕 アンケ-トで事務局から補足してもらいたいと思いますが、確かにどの程度のレベルで、しかもどの程度の役割を期待して、この自主行動基準というものを検討していくか。これはいままでご議論がありましたように非常に大問題であって、おそらくいろいろな考え方があるのではないかと思います。 したがって、ここでも部会においてもその点は今後さらにご議論いただきたいと思いますが、それらも含めまして自主行動基準検討委員会の方で検討してもらって、ある程度の線を出してもらおうというようなことで対応するということが、おそらく現実的ではないかなと。最初から部会で総論的ないろいろな議論をやってもなかなかまとまらないということがありますので、自主行動基準検討委員会の方でというような形はどうかなというふうに、私としては考えておりますが、事務局の方で何か補足する点がございましたらお願いいたします。

〔 堀田消費者企画課長 〕 説明を少し省略してしまって申し訳なかったのですが、先ほどの資料6の44ペ-ジに、今、宮部委員からありましたISOの下にCOPOLCOという委員会がございまして、そこにおきまして企業の社会的責任とか説明責任といったような問題につきまして議論が始まっていると思います。正確なところはまだ把握していないのですが、そういった動きがございますので、確かに認証制度をきちっと使うというのは1つの方向だと思いますが、消費者取引というのは非常に幅が広いものですから、すべてにそういった基準が当てはまるかどうかというのはまだちょっとわかりませんので、今後、委員会の方でもご検討いただきたいと思います。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ことに資料3の今後の運営という点に関しましてご意見ございませんか。 伊藤委員、どうぞ。

〔 伊藤委員 〕 私のバックグラウンドはインタ-ネット、IT業界なのですが、1つは、特に消費者に問題があるものというのは、ル-ルを守っていたとしてもセキュリティ-が悪かったとか、特に新しい技術ですと、ISOをきちっと守っていても消費者に迷惑をかけることがけっこう多いわけです。我々の業界ではインタ-ネットを活発に使っているお客様を中心とした商品を扱う場合、もう会社の壁の境目がなく直接社員と消費者が一緒になって話し合っているところが、実は一番信頼度が高くて、広報部だとかプロセスにこだわっているところというのは時間がかかって情報開示の遅さで消費者の信頼を失ってしまっているということがあります。だから、むしろ社長から社員から全員同じメ-リングリストとかディカッション・グル-プで消費者と一緒になって、彼らもプロセスに関わってもらう方がよいということになります。 そして、もう一つ重要なのは、消費者グル-プもインタ-ネットを使えば集まるコストが大変低くて、すぐにユーザーから意見が聞けるということがあります。いままでですとマスメディアを通じて広報部を通じてものすごく時間をかけて消費者との交流をしていたのを、リアルタイムに直接やってしまえるということです。 コンプライアンスの問題はたくさんありますが、先述のようなディスカッションを行っている企業に対しては、消費者は訴えてこない方が多いのです。例えばイ-ベイなんかそうなのですが、消費者と話し込んでから新しいポリシ-がインプリメントしているので、消費者が自分たちで作っている気になり、すごくもめ事が少ないと思います。そういう新しいメディアを使う考え方もあるのではないかと思います。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。
他にご意見ございますでしょうか。 それでは、この原案どおりで運営をするということでよろしゅうございますか。  

            ( 「異議なし」の声あり )  

ありがとうございました。  

それでは,資料3を今ご承認いただきましたが、この資料3の一番最後の4というところで自主行動基準検討委員会委員長及び委員というものについて、特に「自主行動基準検討委員会(仮称)に所属する委員については、消費者政策部会長が指名する」ということになっておりますので、この消費者政策部会の委員からは、以下の5名の委員の方々に自主行動基準検討委員会の委員をお願いしたいと思います。  

高 委員、鍋島委員、松本委員、宮部委員、山本委員の5名の方に検討委員会の委員をお願いしたいと思います。 なお、自主行動基準検討委員会のこの他の委員については、委員会の審議検討事項に造詣の深い方々から10名程度私の方で選出させていただきたいと思います。 それから、自主行動基準検討委員会を掌理する委員長につきましては、これも消費者政策部会長が指名するということになっておりますので、松本委員にお願いをさせていただきます。 松本委員、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 松本委員 〕 大変大きな課題でありますから、委員の皆様のご協力を得て少しずつ具体的な提言に近づけていきたいと思います。

〔 落合消費者政策部会長 〕 よろしくお願いいたします。 続きましては資料5の「消費者契約の適正化に関する政策評価について」という議題であります。この点につきまして事務局の方からご説明をお願いいたします。

〔 池田国民生活局長 〕 その前に、遅れて見えた委員のご紹介をさせていただきたいと思います。 加藤(かとう)委員、福川(ふくかわ)委員、茂木(もぎ)委員でございます。

〔 堀田消費者企画課長 〕 それでは、資料5の説明に移らせていただきたいと思います。 この部会のもう一つの議題でございます「消費者契約の適正化に関する政策評価について」ということでございます。 そもそも政策評価と申しますのは、今年から省庁が再編されまして新しいスタ-トがあったわけですが、我々がやっているさまざまな行財政施策についてできるだけ客観的な評価が必要ではないかということから、こういう政策評価制度というものがスタ-トしております。
(1) 経緯の上から4行目でございますが、各府省において標準的な指針というものがございまして、「政策評価に関する標準的ガイドライン」というものが作られております。さらに政策評価を行う対象を定めております年度計画というのがございまして、消費者契約の適正化は本年度最初に行う対象になっているということでございます。
(2) 政策評価の概要でございます。まず、①評価の目的といたしまして、

 ・国民に対する行政の説明責任(アカウンタビリティ)を徹底すること。

 ・国民本位の効率的で質の高い行政を実現すること。

 ・国民的視点に立った成果重視の行政への転換を図ること。

といったことが目的とされております。

 ②評価の観点といたしましては、その政策の「必要性」、「効率性」、次のペ-ジにまいりまして「有効性」、「公平性」、「優先性」といったような点で評価をしていくということが定められております。

③評価方法でございますが、評価のやり方につきまして3つほど方法が、アからウまで提示されております。

 ア 実績評価ということで、あらかじめその政策の達成すべき目標を設定いたしまして、それに対する実績を測定するということで達成度を評価していくというようなやり方でございます。

 イ 事業評価というのは、公共事業とか、これから新規に行う施策につきまして、事前に、政策を行う前に評価を行いまして、途中とかあるいは事後の時点でもその検証を行っていくというような評価のやり方でございます。

 ウ 総合評価ということで、その政策が導入されてから一定期間がたった時点におきまして、さまざまな角度から評価を行うということになっております。

 我々がこれからやります消費者契約につきましては、アの実績評価ということでやろうと考えております。 ④客観的評価に向けての取組と書いておりますが、アとして、評価を客観的にしていくために、できるだけ第三者機関の活用を図っていくということで、各種審議会といったところでご意見を聞くということになっております。 イとして、各種世論調査等の活用ということで、定量的に把握していくということに努めるということで、具体的な指標あるいは数値による定量的な評価手法を用いるよう努めるとされております。 ⑤実施のスケジュ-ルでございますが、大体1年サイクルでやっていくということで、我々のこれからの評価も来年3月ぐらいまでに行いたいと考えております。 2 消費者契約の適正化に係る政策評価でございます。まさに我々がこれからやるものにつきまして概要をまとめてあります。 なぜ消費者契約の適正化を選んだかということでございますが、これは最初に申しましたが、契約に関するトラブルが急増しているということで、契約に関していいますと平成12年度で43万件ぐらいの相談があるということでございます。 加えまして、本年4月1日から消費者契約法というものが施行されておりまして、この消費者契約法がどのように活用されているかということについて検証を行っていきたいと考えております。 最後のパラグラフですが、この消費者契約法につきましては、国会の附帯決議によりまして「法律施行後5年を目途に必要に応じて見直しを行う」という決議がついておりますので、我々としましてはこの消費者契約法のフォロ-アップをやっていく必要があるということで、平成17年度の見直しも視野に入れてやっていきたいと考えております。 (2) 政策評価を行う政策ですが、先ほど言いましたように実績評価でやっていくということにしております。 (3) 政策評価の観点・基準でございますが、この消費者契約法の効果的な運用ということからしますと、対消費者、対事業者というもので、消費者がこの法律を知っているかどうかということ。やはり消費者が知っていないと法律がなかなか活用されないということがございますので、そういった視点がまず必要かと思います。 第2番目に、事業者に関しましては、この消費者契約法の施行後に「契約の約款見直しを行ったかどうか」とか、あるいは「勧誘方針について指針を作っているか」といったような、契約法というのは本来裁判規範ではありますが、行為規範としても機能するということが期待されておりますので、そういった点について把握していきたいと考えております。 さらに、トラブルの解決という点につきまして、消費生活センタ-等の裁判外の紛争処理機関でこの法律がどう有効に活用されているかというようなことで、 PIO-NET などを使いながら把握していきたいというのが3つ目でございます。 4ペ-ジにまいりまして、(4) 政策評価の指標についてですが、今、申し上げました消費者に対するアンケ-ト調査ということで、「消費者契約法の認知度」を調べるといったことが指標の第1番目でございます。 第2番目として、事業者に対するアンケ-トということで、「事業者による約款・契約条項の見直し及び勧誘方針等の行動基準の策定状況」の調査を行う。 第3番目として、 PIO-NET を通じて集められました「相談に関する処理状況」を調査する。 この3つの指標を使いまして本年度末までに政策評価の案をまとめ上げたいというふうに考えております。 5ペ-ジにまいりまして、これはご参考まででございますが、(別紙)平成13年度の消費者契約適正化に係る主要施策ということで、全体では約1億円ぐらいの金額で、消費者教育でありますとか、消費者への情報提供、ホ-ムペ-ジを作るといったようなことも含まれます。 その他、契約関係のさまざまな意見交換の場を作るとか、あるいは消費者月間といったことでポスタ-を作るといったような活動も行っております。こういったことによりまして契約法の普及を現在図っているところでございます。 以上につきまして、こういった方針に基づきまして、これから我々の方で作業いたしまして、3月までの次回の部会までに結果をご報告させていただきたいと思っております。〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 消費者政策部会のマンデ-トとしては2つございまして、先ほどご議論いただいた「消費者と事業者との間の信頼の再構築の在り方」、もう一つが「消費者契約の適正化に関する政策評価」という問題でありまして、今、ご説明があったような方法で調査を行い、その調査の結果をもとにこの部会に来年の3月頃報告していただくということです。 本部会としては、その報告をもとに客観的な第三者としての立場から当該政策評価を議論するということになります。 そういたしますと、この手順、あるいは観点その他について、何かご意見とかご質問とかございますでしょうか。大体このような方針でやってよろしゅうございますか。 伊藤委員、どうぞ。

〔 伊藤委員 〕 ちょっと関連性がよくわからないのですが、個人情報保護法とか、今ちょっと議論されている国民番号、それと、これは日経か何かの噂でしか見てないのですが、総務省が今考えている被害者に対しての情報開示、このあたりは特にインタ-ネットを使っている消費者にはけっこう気になっていて、それがどういう形で契約に入ってくるかというのも私としては興味がある分野です。

〔 堀田消費者企画課長 〕 「消費者契約の適正化」というタイトルがついているものですから、関係省庁がやっている施策まで含めますと、非常に範囲が膨大になってしまいます。我々が、当面やることを期待されておりますのは、内閣府の施策が効果的に行われているかどうかという、ある程度対象を絞らざるを得ないということでございまして、先ほど、予算は大体1億円ぐらいで消費者契約法の普及を図っているとか申し上げましたが、ある程度そういう範囲に絞らせてもらっているということでございます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 伊藤委員、よろしいですか。

〔 加藤委員 〕 これは、消費者契約法の政策がどのような動き方をしたかということの評価でけっこうだと思うのですが、1つ教えていただきたいのは、誠に不調法な質問ですが、国の消費者に対する政策全体についての評価というものは、これは国会で取り扱われるだけのことなのでしょうか。といいますのは、消費者の立場から見ますと、最近、消費者行政が量的といいますか、はっきり言ってしまえばお金の面で、人材は減らされる、質的にも後退するという縮小ぎみで、果ては国民生活センタ-の在り方まで取り沙汰されるような始末では非常に不安を持っているわけです。 そして、一方で規制緩和はどんどん進んでいく。消費者行政というものは、規制緩和で自由主義経済が健全に進んでいくためには、むしろもっともっと進めなければならないものが後ろに退いているというこの実態に対する国の消費者政策に対する評価はどこがやるのでしょうか。

〔 池田国民生活局長 〕 消費者行政というものは、各省それぞれ責任を持って執り行っているということだろうと思います。それぞれの分野においていろいろ行っている消費者関連の施策について、当然、各省で政策評価というものを。それは各省いろいろな政策をやっておりますから順番があると思いますが、そういう形で取り上げられていくものだと、私どもは認識しております。全体での評価ということになると、ちょっと今のシステムの体制になってくると、それぞれ消費者政策を各省庁がまずやるということが基本であって,それ以上の、例えば消費者保護会議というような会議があって、全体的なメリハリをつけるというようなことはやっておりますが、この政策評価がそれに当たるか、そこでやれるかという話はまたちょっと別な話だと思います。

〔 加藤委員 〕 非常に末端の丁寧な仕事としてこの評価をすることはけっこうだと思うのですが、せっかくの機会ですので、渡辺内閣府大臣政務官にお聞きできればうれしいですけれども、いかがでございますか。

〔 渡辺内閣府大臣政務官 〕 今回、省庁再編に伴いまして、各府省の政策評価というものを採り入れたわけであります。その根本は、やはり国民に対するアカウンタビリティ(説明責任)をどのように果たしていくかという、これが大きなポイントでありますが、特に政策というものは国において大変広く行われておりまして、万般の評価というのはなかなかしにくい部分があります。平成14年度から法制化されますが、その中にまたそういった全体的なものをどうするのかということも議論させていただきたいと思います。したがいまして、今回の政策評価においては、平成13年度におきまして、まずは消費者として大変重要な、平成13年4月に施行になりました消費者契約法、この政策に対してどのように評価させていただくかということに絞らせていただきたいと思っておりますので、ご了解いただきたいと思います。

〔 加藤委員 〕 せっかくの機会に申し訳ございませんが、消費者団体として大きなレベルでの希望を持っているということを是非お受け止めください。

〔 渡辺内閣府大臣政務官 〕 はい、わかりました。

〔 落合消費者政策部会長 〕 山中委員、どうぞ。

〔 山中委員 〕 同じ内容に関連でございますが、3ペ-ジの下から6行目「さらに……」から始まるパラグラフですが、「さらに、トラブル解決の解決に当たっては、裁判所とともに、裁判外紛争処理機関が大きな存在である。消費者トラブルにおいて重要な役割を果たしている」と明記しておりますものの中に、今、おっしゃられました「国民生活センタ-」とか「消費生活センタ-」という言葉が入ってきているわけです。 それで、現実はといいますと、全国レベルで、ちょっと私、今日までに把握できておりませんが、こういうセンタ-が今減少しているのは事実でございます。先ほどの1億円の中に入っているのかどうか、そこから出ているのかどうかわかりませんが、今、センタ-がなくなって各市町村レベルの窓口に移行しているところがだいぶございます。そういうところには「インタ-ネットをお使いなさい」と、府県を通してでしょうかお金が出ているようでございますので、それは大変けっこうなのでございますが、これから、先ほど、あちらの委員もおっしゃいましたように、インタ-ネット社会になって、行政自身、こういうトラブルの解決場所といいますか、そういうところもこれから変わってくることを見越して、財政のこともあると思うのですが、消費生活センタ-とかも今閉じ始めておりまして、いくら市民が運動を起こしましてもだめなのです、現実に閉じていくケ-スがあるわけです。ですから、ここであまりはっきりこれをうたい過ぎているものですから、多分、加藤委員もそのように言いたくなってしまったのではないかと思うのです。 これからの評価の中で、その辺が、これからインタ-ネットを使ってということに移行していくという行政のお考えというか、そういうところかなと私は思いながら我慢しているといいますか、落ち着かせている状況なのでございますが、いかがでございましょうか。有効性とか必要性とか、そういう観点から、ここに「重要である」とうたいながら、今、消えていっているという現実をどのように消費者は理解して、将来に希望を持っていけばよろしゅうございましょうか。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ややかなり一般的な重要な問題が提起されておりますので、ちょっと整理いたしまして、政策評価の問題につきましては資料5にあるような方向で進めさせていただくということで。

〔 山中委員 〕 それはけっこうです。

〔 落合消費者政策部会長 〕 よろしいですね。

〔 山中委員 〕 ええ。

〔 落合消費者政策部会長 〕 これは、各委員、よろしいでしょうか。 岩田委員、どうぞ。

〔 岩田委員 〕 ちょっと質問なのですが、4ペ-ジの(4)の①②はけっこうなのですが、③の PIO-NET を通じて収集された契約・販売方法に関する苦情相談に係る「あっせん処理の状況」調査というのが、具体的にどういうものなのかなと。実はそういうトラブルの現場、消費生活センタ-とかの現場で働いていらっしゃる相談員の方の手応えみたいなものもできれば知りたいなということがあったものですから、そういう相談員へのアンケ-トとか聞き取り調査とか、そういったものも入ってくのかどうかちょっと確認させてください。

〔 堀田消費者企画課長 〕 本年4月1日から消費者契約法が施行されまして、それを受けて消費者契約法との関連でこういう相談処理がどう行われているかというのを、一応これはネットで使える、 PIO-NET を使ってできるように1つはしております。 それから、ご指摘のように個別の事例についてよりきめ細かく把握していくために、我々、相談員に対してヒアリングを行いまして、もう少し事例に則して実態を見ていきたいと思っております。

〔 落合消費者政策部会長 〕 岩田委員、よろしいですか。 それでは、こういうような方法で政策評価についての調査を行って、それの報告をこの部会にしていただいて、部会としてはそれをもとにまた議論をするという方針で行うというのはよろしゅうございますか。 それでは、政策評価についてはそのようにご決定いただいたということにいたしまして、若干大きな問題が出ておりますし、予定されている時間もまだ若干ありますので、残りはフリ-ディスカッションということにしたいと思うのですが、先ほど、山中委員の方から提起されましたトラブル解決において重要な役割を果たしている消費生活センタ-というものが減少しつつあるというようなことも含めて、紛争処理機関の在り方というものについてどのように考えるべきかという点が出されましたが、この点について事務局の方でいかがですか。

〔 鵜瀞消費者調整課長 〕 全国の消費生活センタ-の現状についてちょっとご説明したいと思います。 数でございますが、毎年、国民生活局で一定の基準に基づいて消費生活センタ-というのを把握しておりまして、平成11年4月1日現在で 412か所、平成12年4月現在で 431か所でございます。 山中委員がご指摘のように、都道府県レベルの支所が廃止されるという動きがあるというのは事実でございます。それから、消費生活センタ-の部門の一部門、例えば商品テスト部門がなくなるとか、そういう動きがある。それから、全体的に予算が減らされている、これも事実でございます。 ただし、市町村で新たに消費生活センタ-を開くという動きもまたございまして、それで数としては 412から 431というふうに増えております。 例えば、去年、消費者政策部会でも、市町村と都道府県の苦情処理体制の在り方についてご議論いただいたわけですが、神奈川県につきましては、県が消費生活センタ-の支分署を持っていたわけですが、例えば横浜市に置かれていたもの、川崎市に置かれていたもの、横須賀市に置かれていたものがそれぞれ廃止されている。それから、厚木市に置かれていたものも、この3月31日に廃止されたというのは事実でございます。 ただ、その代わりというか、体制といたしましては、いままで県がカバ-していた地域については、市町村が新たに窓口を強化して、住民サ-ビスとしては低下しないような形にはなっているというふうに聞いております。 それから、去年の消費者政策部会でご議論のあった報告書の中で、都道府県が窓口を閉めてしまうのは、都道府県の消費者行政のセンサ-機能を失うのではないかというご議論がございましたが、去年の報告書を受けて神奈川県の方も考え方を変えて、一部、直接の相談窓口は残すという形で最終的には決着しているというふうに聞いております。 もう一つ問題になりました広島県につきましても、確かに条例が廃止されて消費生活センタ-というのがなくなるということにはなったのですが、実態は県の消費者政策の本課が引き続き業務を引き継いで、正式名称は消費生活センタ-ではないのですが、通称としては消費生活センタ-として残っております。 それから、広島の場合はさらに支分署も一応残しておりますし、むしろ市が新たに窓口を開設するという動きがかなり強まっておりまして、全体としては広島県の場合は、消費者に対するサ-ビスとしては良くなっているのかなというふうに思います。 ただ、相談業務については、苦情がどんどん増えておりますので、市町村あるいは都道府県におきましても対応は維持ないし増やすという方向になっておりますが、それ以外の業務で確かに予算が減っておりますので後退しているというところはあろうかと思います。それが事実ではないかと思っております。これは事実関係ですが、以上でございます。〔 落合消費者政策部会長 〕 山中委員、いかがでしょうか。

〔 山中委員 〕 そのとおりなのでございますが、いままでのセンタ-が消えて窓口が市町村に行ったから、それでプラスマイナスゼロと、そのところがとてもまやかしのように危ないのです。 といいますのは、今、どこでも財政難でございまして、それと同じように人員ですとか、研修ですとか、それがなかなかいたらないのです。週に2回だけ窓口を開くとか、相談専門職の実質はそうなっているわけです。ですから、私が申し上げたのは、トラブルがますます多くなる時代に、あえてそういうことに踏み切ったというのには意味があるのではないかと、そちらを答えていただきたかったのです。 というのは、多分、インタ-ネットの社会を見越してではないですかという意味だったんですね。それで変わるものに変えていくのだという意味なのかなと思いましたが、あまりに「すごく重要である」という文章が出てきたものですから、それでは、その「重要である」という政策評価、今後、それが閉じた場合にもきちんと政策評価を比べていただきたい。お願いでございます。特にここでどうのこうのときちっとお答えはけっこうでございます。

〔 加藤委員 〕 IT時代に移行していくということが大変言われていて、それはそれなりの意味もあるだろうし、せっかくできてきた新しいメディアを否定するものではありませんが、まだまだデジタルデバイドの問題は解決もついていないから、別の部会でこのことを審議するような、まだ時代がそこまで、揺籃期である中で消費者行政のメディアをIT化の方にシフトするということは非常に危険だと思っています。 というのは、一方では高齢者もどんどん増えてきているわけですし、高齢者トラブルも PI0-NET なんかを見ますと若者と両極を占めております。ですから、広い意味で消費者行政を充実することが、本当に我が国の健全な国民経済の発展につながっていくのだというふうに、消費者主権ということをもう少し国の政策の中に高く位置づけて人権政策としてやっていただきたい。そのためには国のレベル、都道府県のレベル、そして市町村のレベルと、三段構えでやっていただかないと、私たちはすき間によってなかなか救われない部分がまだまだあるということを、是非、ご関係者の皆さんにもわかっていただきたいと思います。くどくは申しません、以上でございます。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 他に基本的な問題、消費者行政、あるいは消費者保護の問題につきまして、何かご意見等ございますでしょうか。 高 委員、どうぞ。

〔 高 委員 〕 おそらく、今、議論されていることは、事後的な処理の仕方についての仕組みを今の段階では緩めるべきではないということだと思うのです。事後的な処理の機関が、ある意味では力が抜けてきているような形になってきている。これは止めなければいけないとは思いますが、それと同時に、多分、ここでやろうとしているのは、コンプライアンスの仕組みを作ってもらおうというのは、そういう問題が起こらない事前の体制を作り上げていこうということだと思うのです。 それと同時に、消費生活センタ-のレベルだけの苦情処理ではなくて、企業自身にそういう窓口を設けて対応していこうと。ですから、これは全体として一つまとまったパックとして進んでいくような議論をここでやるのかなと思っているのですけれども。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ありがとうございました。基本的にはそういうト-タルな視点からこの問題を取り上げるという点は一貫して基底にあると理解しております。 他にご意見等ございますでしょうか。 鍋島委員、どうぞ。

〔 鍋島委員 〕 感想になるかもしれませんが、この政策部会で「消費者と事業者の間の信頼の再構築の在り方」の検討ということですが、実は私どもは、企業の消費者対応部門の会です。去年の6月の末から去年いっぱい消費者対応部門は大変な苦情の数で、相談部門が、はっきり言えば大変な苦労をいたしました。実は現在も食品業界の相談部門の人は私共の会議にも出られないぐらい狂牛病の対応で苦労しています。今回の狂牛病のような場合は、メ-カ-、企業の対応がどうこうというのではなく、政府の対応の問題です。 ただ、去年の場合には結果として何が残ったかと言いますと、企業に対する消費者からの信頼が落ちました。大企業であろうとも同じことです。その信頼を回復することが非常に大切です。 もう一つは、これは私は良いことだと思いますが、消費者の権利意識が強くなったことです。 この2つの問題にどう対応するか。特に信頼の再構築の在り方として、このコンプライアンスという形を持ってきて、内閣府でこういう会を作っていただいたというのは非常に感謝いたします。これからも進めていかなければならないと思います。私がいつも言っているのは、企業はいままでの対応だけではなくて、ここにも書いてありますが今後は各企業の倫理観が一番大切になってくるのではないでしょうか。それが消費者にわかるように説明できるようにしておかなければならないかなということです。各社のコンプライアンス絡みのものを1回調べたこともあるのですが、これが難しく、社是とか、経営理念とか書いてあるのですが、コンプライアンスに絡むものは一体どこまでだろうということで非常に難しい思いをしたことがあります。 今回、検討委員会の方にも、私、名を連ねることになりましたが、その辺を教えていただきながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。 ほかにご意見ございますでしょうか。 伊藤委員、どうぞ。

〔 伊藤委員 〕 今、狂牛病の話が出ましたのでちょっとその点で。 個人的な体験なのですが、コンプライアンスの後ろに隠れて倫理観が薄まるというケ-スはけっこう多いと思うのです。今回の場合ですと、7月ぐらいには英字新聞にはずいぶん出ていたのです。まず日本の新聞に載っていなかったということと、インタ-ネットでは、英語で詳しい情報がたくさんあちこちにあるということが分かりました。大学の先生とかとメ-ルをやりとりすると、日本に対する不満が海外からいくらでも情報が入ってくるわけです。そういう情報を直接聞きながら新聞を読んでいたりテレビを見ていたりすると、どうしても信頼はどんどんなくなって行きました。県は「肉は大丈夫ですよ」と言いますが、チェックして、本当に大丈夫だという確信は実は学者は持っていない。 そういうようなインタ-ネットを利用したり、近くに使える人がいると本物の情報がリアルタイムで出ていってしまいますので、コンプライアンスはともかくとして消費者は基本的にリアルタイムで情報を手に入れている。むしろそういった情報は自分たちから出していないだけネジ曲がっている可能性が高い。国に言われてコンプライアンスする以前の問題で、経営者としては自分の会社のお客さんとの信頼を考えてなるべく早く情報を開示するわけです。 今、ちょうどウェブペ-ジで自分の会社の成績を出すこともできるかできないかという話もあるのですが、こういう情報もインタ-ネットではリアルタイムで出ていってますので、記者会見から何時間かたたないと出ないというのは、当然、株主との信頼は薄まってくるので、時間がコンプライアンスとちょっと反している部分を明確に理解すべきであると思います。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。
茂木委員、どうぞ。

〔 茂木委員 〕 先ほど食品の安全性の問題が出ましたので、私も食品会社に勤務しておりますので一言何か申し上げなければということで手を挙げたのですが、今、鍋島委員からお話がありました昨年の食品産業の品質安全性の問題、これは確かに大きな教訓でございまして、食品産業は品質の問題を特に気をつけなければいけないということは、当然、以前から強く認識しておりましたが、昨年、一層再認識したということだと思います。 これは、長い年月かけて築いてきた信用、消費者の皆さんからいただいている信用も、一つ間違いをおかすとアッという間に崩壊してしまう、崩れ去ってしまう。この間のニューヨークのワールドトレードセンタ-の崩壊以上の崩壊があるという感じを、去年、強く持ちまして、私ども食品業界としては、より一層安全性に注意しなければいけないということでございまして、私どもの企業でも、新製品を出すとき、あるいは製品の改良をするとき、もちろん日常もそうですが、品質の安全性についてはより一層注意を払っていくということでございます。それから、今、倫理の問題が出ました。要するに規則以外の、法律以外の倫理の問題も非常に重要だという鍋島委員のご指摘がありました。これもまさに全くそのとおりだと思います。 これは別な言い方をすればマナ-ということも言えると思います。企業のマナ-だと思うのです。要するに規則に書いていないけれども、法律に書いてないけれども、こういうことはきちっとやらなければいけないという、そういうマナ-の問題でもあると思います。また別な見方をすれば倫理ということになると思います。これは非常に大切でございまして、その積み重ねによって消費者の皆さんから信頼を得るということになると思います。ですから、これは毎日の積み重ねが必要だということでございまして、まさにおっしゃるとおりだという感じがいたします。ですから、そういうことで消費者の皆さん方との関連、信頼を築くという意味において、企業がやるべきことはたくさんあるということで努力しなければいけないわけですが、と同時に、やはり企業にできないこともあるわけです。これはどういうことかといいますと、今度の狂牛病の問題なんかまさにそれなのですが、行政でやっていただかなければいけないことだろうと思うのですが、これは基本的な安全に関する情報とか、先ほど伊藤委員からもお話がありましたが、本当にそうなのかという疑問が消費者の皆さん方にあるわけでございまして、そこら辺については企業としても限界がありますから、行政にやっていただかなければならないと思います。そこら辺の行政のご努力と同時に企業も努力を日々重ねることによって、そうして初めて消費者の方々の安心という、「あの企業なら大丈夫だ」という安心を得ることができると思うのです。 ですから、その辺も是非お願いしたいと思っております。

〔 落合消費者政策部会長 〕 ありがとうございました。 他にご意見ございますでしょうか。高 委員、どうぞ。

〔 高 委員 〕 コンプライアンスのこういう議論をするときに、消費者からの企業行動に対する評価とかそういうのをやる場合に、難しいのですが結果だけを見て議論すると、結局、消費者もそうですが、危険な社会を作る可能性が十分にあるわけです。 例えば、狂牛病はコントロールできないでしょうが、雪印の食中毒事件等であれ、「あんな結果が出た、ひどい会社だ」ということでたたかれれば、企業はああいった問題が出たときには絶対表に出さないように努めますよね。そうすると結果的に危険な社会を作ってしまう。 そうではなくて、むしろコンプライアンスで求めるのはプロセスを評価してあげる。ふだんからそういう問題が起こらないように努めていたかどうかを見てあげる。仮にそういう事件が表に出ても、事件とか事故というのはどんな組織でもあるもので避けられない。「それは絶対起こらない」と考えること自体がおかしいと思っているのです。それが起こったときに責任ある対応をとったかどうかというような形で、マスコミも結果だけを批判するという部分に問題がありますが、プロセス、日頃の努力、事後の対応といったところまで見てあげるようなコンプライアンスの提言をやっていくべきではないかなと思っています。

〔 落合消費者政策部会長 〕 どうもありがとうございました。他にご意見ございますでしょうか。それでは、本日は数々の貴重なご意見をいただきましたので、これは非常に大変ですけれども、自主行動基準検討委員会の方でも今日のご意見を踏まえて、よろしくご検討のほどをお願いしたいと思います。 それでは、本日の審議はこの辺にさせていただきたいと存じます。次回の消費者政策部会は、平成14年の3月頃に開催することを予定しております。 本日は、これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 以 上