主要な消費者政策


1. 消費者取引の適正化
     
   経済社会が多様化・複雑化する中で,独占禁止法等の厳正かつ的確な運用に基づく公正かつ自由な競争の確保を前提としつつ,消費者取引の適正化のための環境整備を図る。
     
  [1]  消費者契約をめぐる紛争の事前防止,あるいは紛争をルールに基づいて円滑な解決に資することを目的として,あらゆる消費者契約に適用される具体的な民事ルール,すなわち消費者契 約法(仮称)の法制化について国民生活審議会において検討されており,とりまとめられる報告を踏まえ適切に対応する。
  [2]  近年の訪問販売,連鎖販売取引等による被害の多発に対応するため,関係機関と連携を図りつつ,「訪問販売等に関する法律」のより一層の周知及び厳正な運用を図る。
  [3]  賃貸借関係におけるトラブルに占める退去時の敷金等の清算問題の割合が非常に大きくなっていることにかんがみ,現状回復の費用負担の在り方についての一般的な考え方を示すものと して,「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成し,幅広く普及・啓発を図る。
  [4]  本格的な高齢社会の到来を控え,高齢者・知的障害者・精神障害者等の財産等を保護すべき必要性が高まっている状況を踏まえ,高齢者・知的障害者・精神障害者等の行為能力制度や財 産管理等を内容とする,いわゆる成年後見制度の見直しについて,法制審議会において検討し,平成11年通常国会に所要の法案を提出する。
  [5]  一般消費者が供給者側と対等の立場で安心して住宅を建設・取得できるよう,瑕疵保証の充実,性能表示の整備,専門的な紛争処理体制の充実を通して,住宅の生産からアフターサービ スまで一貫した住宅の質が確保されるような枠組みの構築を図る。
  [6]  多重債務者問題への対応を含めた適正な与信システム確立の観点から,個人信用情報の利用と消費者のプライバシー保護の在り方について検討を行った「個人信用情報保護・利用の在り 方に関する懇談会」 (大蔵省・通産省の共同の懇談会)の報告書を踏まえ,法的措置及び民間の自主ルールによる重層的な制度整備について検討する。
  [7]  消費者に商品や役務の売買代金の支払いに関して販売業者が消費者金融業者等の与信業者を紹介し,金銭消費貸借契約の書面を用いて契約がなされる事例が近年増加していることを踏ま え,このような取引における契約のあり方について検討を推進する。
  [8]  暴力団等に係る金融の被害から消費者を保護するため,暴力団員等による不当な態度による債権の取立てを暴力団対策法等により取り締まる。
  [9]  近年,電子商取引に関する消費者トラブルが増加していることから,内閣に設置された高度情報通信社会推進本部電子商取引等検討部会の報告書「電子商取引等の推進に向けた日本の取 組み」を踏まえ,電子商取引におけるトラブルを防止・救済する観点からの環境整備を検討し,個人情報保護等の制度的・技術的対応を図る。
  [10]  電子商取引の増加等による事業者の販売方法の多様化を踏まえ,不当景品類及び不当表示防止法の規制となる表示の種類等について所要の見直しを行うとともに,その内容の周知等を図 り,違反行為の未然防止に努める。また,訪問販売法に基づく表示の適正化を事業者に促すこと及び不適正事業者の排除により消費者取引の適正化を図る。
  [11]  OECDの消費者政策委員会が、作成している電子商・取引における消費者保護のためのガイドラインの来年の完成に向け,積極的に参加する。
  [12]  金融システム改革に対応した消費者取引のあり方については,「新しい金融の流れに関する懇談会」で新しい金融法制・ルールの枠組みの論点を整理したが,今後の取引環境の整備に向 け検討を推進する。
  [13]  平成9年12月に改正した「有料老人ホーム設置運営指導指針」の周知を図り,「有料老人ホーム等のあり方に関する検討会」報告書を踏まえ,引き続き有料老人ホームの健全育成及び利 用者保護を図る。
  [14]  代金引換郵便を悪用した一方的な送り付け商法の発生を未然に防止するため,代金引換郵便物への差出人の住所・氏名の記載の義務付けを行ったが,引き続き,配達時における受取人の 受領意思の確認に努める。
  [15]  いわゆる継続的役務取引のトラブルの増加を踏まえ,これらの取引の適正化を図るための方策について検討を推進する。