施  策  項  目 第18回消費者保護会議決定
の内容
決定後現在までに講じた
措置(60年11月1日以降現在まで)
第19回消費者保護会議決定
の内容
当面(61年11月以降62年度中)
講ずることとしたい措置
5. 市民生活侵害事犯の取締りの強化 [1] 60年11月に全国一斉の「金融事犯取締り強化月間」を実施し,消費者に損害を与える悪質事犯の集中取締りを行うのをはじめ,訪問販売,割賦販売,商品先物取引,証券取引,現物まがい取引,不正商品販売等にからむ不法事犯等消費者に危害を及ぼし,又は不利益を与える悪質な事犯の取締りを更に強化するとともに,取締りの実効を期するため,経済事犯捜査研究会及び経済事犯捜査担当者講習を開催する。
 なお,これらの取締りと併せて消費者が被害にあわないように啓発活動を積極的に推進する。
 また,消費者信用にかかわる消費者保護を図るため,販売信用及び消費者金融にかかる相談等の実態調査を行い効果的な取締りを推進するとともに,消費者の相談に適切に対処するための指導を行う。

[1] 60年11月20日以降現在まで次のような措置を講じた。

[ア] 60年11月1日~30日までの間,全国一斉の「金融事犯取締り強化月間」を実施し,消費者に損害を与える悪質な金融事犯の集中取締りを行った。

[イ] 61年5月10日~6月20日までの間,全国一斉の「生活経済事犯集中取締り」を実施し,平穏な市民生活を侵害する悪質業者による経済事犯,保健衛生事犯及び公害事犯の取締りを行い,主要な事件として経済事犯 161事件  587人,不正商品関係事犯 37事件 224人,保健衛生事犯 54事件 198人,公害事犯 63事件  385人,その他諸法令関係事犯 13事件 68人,合計328事件 1,462人を検挙した。

[ウ] 金地金やダイヤモンド等の現物販売と称して現物を渡さない,いわゆる現物まがい商法による被害が多発したことから積極的な取締りを行い福井,愛知,大阪,福岡の各警察が詐欺罪等を適用して6業者を検挙又は捜査中である。

[エ] 先物取引等の知識に疎い主婦や高齢者が,海外市場における株価指数等の先物取引に巻き込まれ,トラブルが多発していることから,積極的な取締りを推進し,警視庁,青森,宮城佐賀の各警察が先物取引業者4社を検挙又は捜査中である。

[オ] 証券取引の知識に疎い主婦や高齢者が,株式売買による利殖熱をあおられ,「株式売買資金を融資する」「自社で保有している有望株を安く分譲する」などと取引に誘い込まれ多大な損害を受ける事案が跡を絶たないことから,積極的な取締りを行い,宮城,長崎,福岡,山口の各警察が4業者を詐欺罪等により検挙又は捜査中である。

[カ] 消火器やトイレファン等の商品を強引又は詐欺的に販売する事案が跡を断たないことから,積極的な取締りを推進し,詐欺・恐喝罪をはじめ訪問販売法,軽犯罪法,押売防止条例,迷惑防止条例等の法の多角的適用により,36都道府県の警察が39業者を検挙した。

[キ] 資産的に無価値に近い原野を高額で売り付ける.いわゆる原野商法により被害を受けたとの苦情が跡を断たないことから,その取締りを推進し,福井,北海道の各警察が詐欺罪を適用して2業者を検挙した。

[ク] 医学博士の肩書を利用して,アレルギー性鼻炎等の薬効を宣伝した著書多数を出版し,薬局,薬店を通じて無許可で製造した医薬品を販売するという悪質巧妙な事犯に対し,積極的な取締りを行い,警視庁が薬事法違反として8業者を検挙した。

[ケ] 販売網の代理店を等級を付けて区分し,売上高によって高額のマージンを与えるという,いわゆるマルチまがい商法により,医薬品等を薬効を標榜して売り付けたという悪質事犯に対し,積極的な取締りを推進し,福岡県警が薬事法違反で2業者を検挙した。

[コ] 駅前や繁華街等において,アンケート調査などと称して若い女性などを呼び止め,巧みに「これを飲めば宿便がとれてやせられる」などと強引に商品を売り付ける,いわゆるキャッチ・セールスによるトラブルが多発していることから,法の多角的適用による積極的な取締りを行い,千葉,京都,愛知,兵庫,山口各警察が薬事法,軽犯罪法,鉄道営業法等を適用して5業者を検挙した。

[サ] 61年4月~5月に全国5箇所において,いわゆる悪徳商法に重点を指向したブロック別の経済事犯捜査研究会を開催した。

[シ] 消費者信用に関わる消費保護対策に資するため,60年中の訪問販売,割賦販売に関する相談等の実態調査を行った。

[ス] いわゆる悪徳商法による消費者被害を未然に防止するため,政府広報マスコミ,各地域の広報紙等を通じて広報活動を行うほか,独居老人宅に対するリーフレットの配布等,更に積極的な消費者啓発を推進した。また,抵当証券販売にかかる消費者被害の発生が懸念されたことから,それらに関する相談等の実態調査を行ったほか,広報紙をはじめ,テレビ,新聞等のマスコミを通じて被害にかからないよう消費者啓発を行った。

[1] 引き続き,61年11月に全国一斉の「生活経済事犯集中取締り」を実施し,消費者に被害を与える悪質事犯の全国一斉の集中取締りを行うのをはじめ,商品先物取引,証券取引,預託取引訪問販売,割賦販売,不動産取引等にからむ不法事犯等消費者に被害を及ぼし,又は不利益を与える悪質な事犯の取締りを更に強化するとともに,捜査実務能力の向上を図るため,経済事犯捜査研究会,経済事犯捜査専科及び公害・保健衛生事犯捜査専科を開催する。
 なお,これらの取締りと併せて消費.者が被害にあわないように啓発活動を積極的に推進する。
 また,消費者信用にかかわる消費者保護を図るため,割賦販売等にかかる相談等の実態調査を行い,効果的な取締りに資するとともに,消費者の相談に適切に対処する。
[2] 消費者の資産形成に係る経済犯罪が多発傾向にあることから,それらに的確に対処するため,機構改革(生活経済課構想)を含めた経済事犯捜査体制を強化して,消費者に損害を与える各種事犯の指導,取締りを強化する。また,偽ブランド商品の製造・販売等の無体財産権侵害事犯が増加してきていることから警察庁に不正商品取締官を新設するなど体制を強化し,これら事犯に関する指導取締りを強化する。 [2] 61年4月5日付けで,警察庁に,消費者保護施策推進に一層の力点を置いた「生活経済課」を新設したほか,各都道府県警察においても,悪質な市民生活侵害事案に迅速,かつ,的確に対応出来るように組織改変を行う等取締体制を更に整備強化した。また,同日付けで警察庁生活経済課に「不正商品取締官」を設置するなど組織体制を整備して,不正商品事犯に対する取締りを積極的に行った結果,61年4月から7月までの4ケ月間に566件 434人を検挙した。
  また,不正商品を排除するため,警察庁及び通商産業省から小売業界等に対して協力を要請したほか,政府広報等による消費者啓発活動を推進した。さらに,61年8月には,商標権者,著作権者等の関係業界団体により,不正商品対策協議会が設立され,警察庁は同協議会と協力して,啓発活動のためポスター及びパンフレットを作成,配布した。
[2] 不正商品事犯が跡を絶たないことから,引き続いて取締りを強化するとともに,不正商品に対する監視や排除の気運を高めるため関係機関や業界団体との連携を密にする。