消費者行政の推進について

昭和50年11月7日
第8回消費者保護会議


 政府は,「消費者行政推進の基本的方向」に即し,当面,特に次の事項に留意して施策の推進を図るものとする。
1 資源制約下における消費者利益の確保
  (1)  生産,流通体制の省資源・省エネルギー指向への誘導
   
(ア)  省資源・省エネルギー型製品の普及,開発等
 エネルギー効率にすぐれ,耐用年数のながい民生用機器,省エネルギーに資する住宅関連機器等の開発,普及について,各種促進策を検討するとともに,アフターサービス体制の整備,補修用部品の最低保有期間の遵守及び流通段階に対する指導の徹底を図る。
(イ)  過度のモデルチェンジの自粛及び過剰機能,過剰包装の適正化
 家電製品,自動車等の過度のモデルチェンジの自粛及び商品の過剰機能,過剰包装の適正化等について所要の指導を強化する。
(ウ)  資源・エネルギー消費量等の表示の適正化
 耐久消費財の資源・エネルギー消費量,食品等の保存方法,日付表示等の表示の検討を進め,環境変化に対応した表示のあり方の見直しを行う。
(エ)  単位価格表示の推進
 消費者の適確な商品の比較選択を容易にし,消費生活の合理化に資するため,単位価格表示を推進する。
  (2)  消費生活の省資源・省エネルギー指向の推進
 資源制約下の消費生活の合理化に資するよう消費者啓発の内容の充実を図るとともに,資源制約という新しい事態に対応して行政,消費者,事業者間の情報交換を活発化し,相互に意見の反映に努め,消費生活の省資源・省エネルギー指向への円滑な転換に資する。
2 安定成長下における競争環境の変化に対応した消費者利益の確保
  (1)  公正自由な競争の確保
 公正かつ自由な競争を促進し,競争阻害条件を排除するため,独占禁止政策の厳正な実施に努め,監視体制の一層の強化を図るとともに,流通販売部門における公正かつ自由な競争を確保するための調査,監視を強化する。
  (2)  不当景品類及び不当表示防止法の活用等
 景品表示法における不当な表示に関する告示,同法の運用基準の拡充等を行うとともに,公正競争規約締結の業種を拡大する等同法の効率的な運用による消費者保護の強化を図る。また比較表示の適正化についても検討を進める。
 さらに,家庭用品品質表示法,工業標準化法,農林物資規格表示法等に基づく表示に関する諸制度の活用による適正表示の推進に努める。
  (3)  特殊販売の規制
 通信販売,訪問販売については,消費者利益の保護及びこれらの健全な発展を図るため新規立法を図る等所要の措置を講ずるとともに,マルチレベル商法及びねずみ講について,所要の規制措置を講じ,弊害の除去に努める。
  (4)  消費者信用の保護
 消費者信用取引の増大及び多様化に対処して,その適正化及び消費者利益の確保を図るため,消費者に対する信用供与条件の開示,信用調査の適正化等の講ずべき対策について総合的な検討を進める。
3 行政,消費者,事業者間の信頼の確保
  (1)  苦情処理体制の充実
 関係省庁,国民生活センター,地方消費生活センター等の消費者苦情処理体制を拡充,強化し,苦情の迅速かつ適切な処理を図るとともに,苦情内容の行政への適切な反映に努める。
 また,事業者における苦情処理体制の整備,消費者意向を反映させる懇談会等の拡充につき所要の指導に努める。
  (2)  消費者意向の行政への反映及び消費者啓発の推進
 消費者意向を積極的に行政に反映させるため,関係審議会への消費者代表の参加を促進するとともに,消費生活にかかわる商品の各種安全性の評価,商品・サービスの料金認可等に関して,消費者に対する広範な情報の提供及び具体的説明に努める。
 また,各種懇談会の開催,モニター制度の活用等により消費者意向の吸収及び行政と消費者の意思のそ通を図る。
 さらに,学校教育,社会教育を通じて消費者教育が適切に行われるよう指導する。
  (3)  危険情報システムの拡充
 消費者危害の予防と拡大防止を図るため,商品による事故,食品・食品添加物の安全性,医薬品の副作用等に関する内外の情報を関係機関,消費者等から積極的に収集し,これに基づく所要の安全対策を迅速かつ適確に講ずるため,危険情報システムの一層の拡充を図る。
  (4)  消費者被害の効果的救済制度の確立
 消費者被害を効果的に救済するため,売手危険負担の考え方を原則とする総合的な消費者被害救済制度の確立の検討を進める。
 また,食品,医薬品,医療等にかかわる被害者救済,紛争処理制度の確立に必要な調査,検討を進めるとともに,家庭用品,住宅部品等にかかわる民間の自主的な救済措置の拡充を指導する。




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