| 1 安全確保対策の徹底 |
| |
消費生活において商品等が消費者の生命・身体に対して危害を与えることのないよう,71特別国会で成立した消費生活用製品安全法,有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律および化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律ならびに他の安全確保法の厳正な運用,食品,農薬,医療品等についての従来からの安全確保措置の拡充を図るほか,次の施策を実施する。 |
| |
(1) |
食品の安全性に関する調査研究の充実
水銀等微量重金属の各種毒性検査,食品中に含有する天然有害物質の調査等の基礎的調査研究の充実を図る。 |
| |
(2) |
食品の安全検査・監視体制等の強化
| (ア) |
食品の安全監視等の強化
公的試験検査機関の検査・分析設備の拡充,食品衛生監視員の増強を図るとともに民間指定検査機関の指定を促進する。 |
| (イ) |
食品の衛生管理体制の強化
食品製造業者等の有害物質取扱い基準の設定,食品衛生管理者の業務の強化について指導等を行う。 |
| (ウ) |
JAS制度の運用強化
JAS制度の運用にあたり,特に安全監視の必要な品目については,別に行う安全性の検査に合格したものでなければ,JASの格付けを行わないこととするとともに,JAS認定工場の審査,指導監督を強化する。 |
| (エ) |
民間の自主的な安全管理措置の指導助長
民間の食品衛生指導員を積極的に活用するとともに,加工食品の製造,流通における施設設備,工程管理等に関する指針の策定等によって,民間の自主的な安全管理措置を指導助長する。 |
|
| |
(3) |
飼料等の安全確保対策
飼料等が,畜産物を通じて,人の生命,健康に危害を与えることのないようにするため,試験検査体制を整備するとともに,飼料の品質の改善に関する制度の改善を含め必要な措置につき検討する。 |
| |
(4) |
特殊建築物・地下街の安全対策の徹底
不特定多数の者が利用する建築物,特に,既存建築物および地下街における消費者の安全を確保するため,(ア)建築基準法第10条の適切な運用,消防用設備等の保守制度の新設,スプリンクラー設備の設置の義務化等を内容とする消防法の改正案を次期通常国会に提出することを目標に検討し,防災改修,消防用設備等の設置に係る助成措置の拡充等を図るとともに,(イ)地下街の新設は,安全性が十分確保されないかぎり,原則として認めないこととし,既存地下街についても,その防災性を高めるため,必要な調査研究を進める。 |
| |
(5) |
テクノロジー・アセスメントの可及的実施
消費者の安全の確保等が,新たな商品・サービスの技術開発の段階において十分考慮されるよう,消費者行政の観点からも,テクノロジーアセスメントの手法,推進機構のあり方等について検討するとともに,民間企業等に対しテクノロジーアセスメントの実施を指導促進するための措置を講じ,また社会に対し大きな影響を与える新しい技術については,政府が自ら先導的にテクノロジーアセスメントを実施する。 |
| |
(6) |
その他
| (ア) |
洗剤の安全性の確認
洗剤の安全性の確認と使用の適正化を図るため,年次計画により,各種洗剤の毒性試験,果実・野菜等の細菌等の附着状況および洗じょう効果の調査等を行う。 |
| (イ) |
商品の危険表示の検討
消費者が危険な商品を容易に識別できるような危険表示のあり方について,諸外国の状況をも参考としつつ,検討を行う。 |
|
| 2 消費者選択の確保 |
| |
(1) |
比較情報の提供等
消費者が合理的な商品・サービスの選択に資するため,規格,表示,取引の適正化,消費者教育の充実に努めるほか,(ア)容器包装商品について内容量表記の義務付け等適正な計量取引の推進の観点から計量法の改正案の次期通常国会への提出を図るとともに,(イ)マスメディア,テレフォンサービスなどを通じた商品および金融,保険等のサービスの比較情報の提供および観光はじめ余暇に関する情報提供システム等の開発を行う。 |
| |
(2) |
選択阻害条件の排除
公正自由な競争を促進し,消費者の自主的な選択機会を確保するため,独禁法,景表法の厳正な運用,再販売指定品目の整理,おとり廉売の規制等を図るとともに,消費者が契約意思が不安定なまま選択せざるをえなくなることなどのないよう,訪問販売,通信販売などの特殊販売について.必要な規制措置等につき検討する。 |
| |
(3) |
浪費刺激的販売行為等の規制
消費者が,不用不急のものの購買を排し合理的な消費生活を営み,さらには,省資源,環境保全の要請にも合致できるようにするため,消費者意識等も調査のうえ,家庭用品が通常備えるべき機能,モデルチェンジおよびアフターサービス体制のあり方について検討する。 |
| 3 行政への消費者参加の促進 |
| |
消費者と行政とのコミュニケイションを円滑にし,消費者の声を行政施策に反映させるため,ひきつづき,関係審議会への消費者代表の参加,消費者との懇談会の開催,モニター制の活用などを促進するが,特に,消費生活上重要な商品・サービスの安全性に係る決定,料金の認可等にあたっては,一般消費者の理解をうるよう,広く専門家,消費者の意見をきくとともに具体的な理由の説明等を行うよう努めるものとする。 |
| 4 消費者救済制度の創設等 |
| |
(1) |
消費者救済制度の創設
消費者の被害を効果的に救済し,ひいては,消費者保護のための規制の徹底を図るため,売手危険負担の考え方を原則とする総合的な消費者救済制度につき調査検討を進める。
なお,食品,薬品による被害者救済制度については,すみやかに発足できるよう,創設に必要な事項につき別途調査検討を行う。
また,医事紛争については,総合的な対策の検討を進める。 |
| |
(2) |
苦情処理体制の強化
消費者が,いつでも,どこでも,消費生活に関し,苦情の申出,相談等ができるよう,地方消費生活センターの電話相談体制を整備する等苦情処理体制の強化拡充を図る。 |
| 5 消費者対抗力の強化 |
| |
(1) |
消費者団体に消費生活情報を定期的に提供するとともに,物価の安定はじめ消費生活の安定・向上に果たしている役割など活動の実態を調査したうえ,その育成策の拡充強化について検討する。 |
| |
(2) |
消費生活協同組合の育成を図るため,消費生活協同組合に対する融資の拡充に努めるとともに,地域制限の緩和等を内容とする消費生活協同組合法の改正について関係者間の調整を行いつつ,検討を進める。 |
| 6 事業者にかける消費者指向体制の強化 |
| |
事業者側における消費者指向を強化するため,公正競争規約,広告向上指針の作成など従来から行われている業界の自主的な事業を促進するとともに,消費者問題に関する事業者および事業者団体の社会的責任のあり方等について調査研究を行う。
|