I 危害の防止
消費者保護のための施策 既に講じた措置
(基本法制定後現在まで)
当面講ずべき措置
(現在以降昭和46年度中)
将来の措置方針
(昭和47年度以降)

1 食品

(1) 食品添加物の規制
 化学的合成品である食品添加物は,人の健康を損うおそれのない場合を除いては,製造,販売,輸入等が禁じられている。



[1] ズルチン,サイクラミン酸塩等の使用禁止,過酸化水素,漂白料,タール系色素の使用制限等を行なった。



[1] 食品添加物についての安全性の再検討(慢性毒性,催奇形性等の試験を実施する。
 予定品目

サッカリン,デヒドロ酢酸,サルチル酸,食用赤色102号,同104号,同105号,同106号,食用紫色1号,塩化アルミニウム等のおおむね10品目
なお,無害無益な食品添加物の有無について検討する。


[1] その他の食品添加物(ショ糖脂肪酸エステル,ジブチルヒドロキシトルエン等おおむね15品目)についても年次計画によりおおむね48年度までを目途に安全性の再検討を実施する。
[2] 食品添加物の規制の強化に資するため,主要食品における着色料,漂白料等の使用実態調査を実施している。(45年度,日本茶,紅茶,のり,ごま,マーガリン等) [2] 着色料,漂白料等の使用実態調査を実施する。(予定品目,たらこ,魚肉ハム,ソーセージ,黒パン,コーヒー,センベイ等おおむね35品目) [2] 食品添加物に関する調査研究の国際的分業体制の促進を検討する。
  [3] 食品等の安全性について有害の疑いがあるが,さらに信頼度の高い資料等に基づき判断することが必要であると認められるときは,その安全性が確認されるまで,製造,使用,販売等について所要の規制措置を講ずることとし,必要な制度の整備について検討を行なう。また,安全性が確認されたときは「安全宣言」を行ない,消費者の不安の解消を図るなど食品等に関する正しい知識を消費者に普及する措置を講ずる。 [3] 食品添加物使用実態調査を年次計画により47年度までを目途に実施する。(しょう油漬,味噌漬,辛子漬,水産つくだに等おおむね25品目)

(2) 食品の製造基準,成分規格の向上
 公衆衛生の見地から,販売用の食品,添加物の製造,加工等の基準,成分規格が定められたときは,その基準に合わない方法で食品の製造等を行ない,または,その規格に合わない食品の製造等を行なってはならない。

食品一般,乳,乳製品,清涼飲料,食肉,果実,野菜,添加物一般,亜塩素酸ナトリウム,亜硝酸ナトリウム等の成分規格,製造基準が定められている。

 

[1] 米,きゅうり,トマト,いちご,だいこん等14品目について,γ-BHC,DDT,エンドリン,デイルドリン,EPN等9農薬の残留許容量を設定した。

[1] 農薬残留許容量について調査試験し,逐次許容量を設定する。

調査試験予定品目
小麦,柿,みかん,レタス,小豆,そらまめ等おおむね20品目について,マンネブ,ジネブ,ジラム,ファーバム,デナポン等10
農薬牛乳,乳製品についてBHC,DDTおよびドリン剤
[1] その他の主要農作物,乳肉食品(しろうり,さといも,わけぎ,びわ,えんどうのおおむね5品目ならびに食肉,魚介類および鶏卵)およびその他の主要農薬(農作物に関しては,ケルセン,トリアジン,PCNB,MEP),乳肉食品に関しては,ドリン剤等)についても年次計画により48年度(乳肉食品については49年度)までを目途に調査試験を進め,早期に許容量を設定する。

[2] 上記農薬残留許容量(食品の成分規格)に対応する農薬の安全使用基準を設定した。

[2] 上記農薬残留許容量に対応して,農薬の安全使用基準を設定する。

 

[3] BHC,DDTの国内向製造の中止,有機塩素系殺虫剤(DDT,BHC,アルドリン,デイルドリン,エンドリン)の農薬登録に関する新規申請,適用病害虫等の変更の自粛指導,農薬の製造,登録の自粛指導を行なった。

[3] 農薬使用の規制を強化するため,農薬取締法改正法案を次期国会に提出する。  
[4] 牛乳のBHC汚染については,乳牛の飼料とする稲わらの汚染防止,汚染稲わらの給与禁止等につき指導している。    

[5] 牛乳中の抗生物質の残留防止については,乳房炎注入剤を着色して,抗生物質の残留が容易に判別できるよう措置している。

[4] 乳肉食品における抗生物質の残留調査を実施する。

予定
牛乳,肉および鶏卵についてペ二シリン,オキシテトラサイフリン等10品目

[2] その他の抗生物質についても年次計画により49年度までを目途に調査を実施する。

予定
カナマイシン,バシトラシン,ノボシオシン等15品目

[6] 飼料添加物公定書を作成し,家畜飼料に対する抗生物質添加の規制を指導している。

[5] 家畜に対する抗生物質使用(直接投与または飼料添加)規制について農家に周知徹底させる。  

 

[6] 抗生物質の使用規制をさらに強化するため必要な制度の整備について検討を行なう。  

 

[7] 農業改良普及員等による農薬,抗生物質等の使用についての指導等を強化する。  
[7] カドミウムについて,米の成分規格を定めた。 [8] カドミウム等微量重金属について,食品汚染の実態を把握し,食品成分規格を定める等により,これらによる食品汚染を規制する。  

(3) 器具,容器包装の規制
 食品,添加物の場合に準じて,有毒または有害物質含有の器具,容器包装の製造,販売,使用等が禁じられ,規格,基準の制定,規格,基準違反の器具,容器包装の製造等の禁止の規制がある。

陶磁器製,合成樹脂製,銅製,銅合金製の器具,容器包装,ほ乳器具,コップ販売式自動販売機,アイスクリームの容器包装,着色方法等について定められている。

[1] 塩化ビニル製食品容器包装に対する添加物使用の自主規制を指導した。

[1] 他の器具,容器包装についても自主規制の指導を進めるとともに,規格,基準の設定を検討する。  

(4) 検査,監視
 営業者からの報告聴取,立入検査等のため,食品衛生監視員が設置されている。

食品衛生監視員  4,767人

45年3月末現在

[1] 毎年,食品衛生監視員の交付税算出基礎の改善による増員,食品衛生指導員養成に対する助成,パトロール車設置の助成等により改善している。

[1] 食品衛生監視員の増員,待遇改善養成施設の増加等を行なう。 [1] 食品衛生監視員制度の強化を図る。
  [2] 食品衛生監視のための物的施設の整備を進める。(輸入食品検査器具の整備等) [2] 左記の措置をひきつづき実施する。
  [3] 食品衛生に関するモニター制の採用等により消費者情報の収集を行なう。  
  [4] 保健所における消費者の意見,苦情の受付,処理ならびにPRの窓口としての機能を強化する。  
(5) 試験研究体制の整備
 国立衛生試験所,都道府県衛生研究所等において食品衛生に関する試験研究を行なっている。
[1] (財)残留農薬研究所の設立について助成,指導した。 [1] 食品添加物,残留農薬,抗生物質,微量重金属等に関し,食品の安全衛生についての試験研究部門の一層の,拡充強化を図るとともに,各関係機関の連携を強化する。  
  [2] 海外における食品の安全衛生に関する情報収集の体制を強化する。