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「食品表示に関する消費者の意識調査」結果【概要】

平成14年7月11日
内閣府国民生活局 消費者調整課



I . 調査の概要

1.目的
内閣府では、その時々の消費者問題に関する消費者の意識を適確に把握するため、消費者団体の協力を得て毎年「消費者の意識調査」を実施している。
本調査は、食品表示の信頼性、食品表示のあり方等に関する消費者の意識を明らかにすることにより、今後の消費者保護施策に寄与することを目的として実施した。

2.調査実施主体
全国地域婦人団体連絡協議会、日本生活協同組合連合会

3.調査時期
平成14年5月

4.調査時期
平成14年5月

5.調査時期
・ 食品表示の信頼性
・ 食品表示の分かりやすさ
・ 今後の食品表示のあり方
・ 食品表示に関する苦情相談先 等

6.調査方法
全国地域婦人団体連絡協議会:平成14年5月に、加盟50都道府県市地域婦人団体を通じて調査票を会員に配布・回収した。
日本生活協同組合連合会:平成14年5月1日から21日まで、日本生協連ウェブサイト上に調査項目を掲載し、会員生協の協力を得てインターネットを通して組合員に周知し、書き込まれたデータを回収した。
一部の調査項目については2団体で共通に調査したほか、各団体がそれぞれの調査項目について調査を行った。

7.有効回答数
全国地域婦人団体連絡協議会: 989人
日本生活協同組合連合会  :4326人



II . 調査結果のまとめ

1.共通調査項目の調査結果

(1)買い物の時に表示を見ている人は9割以上

普段、食品を買う時に、表示を「全般的によく見るほう」という人は45%、「自分が必要な表示のみを中心に見るほう」という人は47%、合計すると92%であり、大半の消費者が商品選択するための情報として役立てていることがわかる。 年代別では年齢が高くなるほど、「全般的によく見るほう」という人の割合が増える傾向にある。



(2)表示について苦情を言いたいと思った経験のある人は6割近く

食品の表示に関して苦情を言いたいと思った経験のある人は57%で、年齢別では30歳代から50歳代が、20歳代や60歳代以上と比較して、経験ありの割合がやや高い。



(3)正しい表示がされるために、「違反の公表」を求める意見が最も多い

食品に正しい表示をさせるために必要なこととして、最も多かったのは「表示違反があった場合はすぐに公表する」の54%、次いで「違反業者に対する罰則を、抜本的に強化する」「表示された内容が適正かどうか、行政指導や立ち入り検査を強化する」の47%と、行政による対応の強化を望む意見が上位を占めた。
また、「消費者団体・NPOによる調査・監視活動の促進」は40%と、消費者団体への期待がうかがわれた。



(4)表示をわかりやすくするために用語の統一と整理を

食品表示をもっとわかりやすく役立つものにするために必要なこととして、最も多かったのが「説明に用いる言葉は統一して、わかりやすく整理してほしい(賞味期限・品質保持期限など)」の82%で、続いて「誇大なキャッチフレーズなどはやめてほしい」が62%となっている。
表示に用いられる文字の大きさについて、「文字が小さくて見にくいので、もっと大きくしてほしい」が38%と「小さな文字でよいから、できるだけ詳しくより多くの情報を表示してほしい」の24%を上回った。これを年代別にみると、「文字を大きくしてほしい」は、年齢が高くなるほど多かった。逆に「より多くの情報を表示してほしい」は年齢が低いほど多く、30歳代以下では「文字を大きくしてほしい」を上回った。



(5)売り場での情報提供に期待が大きい

表示をわかりやすく役立つものにするために必要なこととして、「商品を選ぶのに必要な内容を優先して、その他は別の方法で情報提供してほしい」を選んだ人に、「別の情報提供の方法として有効と思うこと」について尋ねたところ、「それぞれの商品の売り場に説明を掲示する」が80%と最も多く、購入するその場での判断に役立つ情報提供が求められていることがわかった。


(6)表示をわかりやすくするために用語の統一と整理を

JAS法に基づく「賞味期限」と食品衛生法に基づく「品質保持期限」とは同じ意味であるが、このことを知っていた人は54%、知らなかった人は44%と、知らなかった人が半数近くを占め、消費者に混乱を招いていることが分かった。



2.全国地域婦人団体連絡協議会の調査結果

(1)食品表示のうち最もよく見るのは、生鮮食品では「鮮度」、加工食品では「賞味期限」

食品の表示を「よく見る」「必要なものだけ見る」と答えた人に、どの食品表示を見るか聞いたところ、生鮮食品では、最もよく見られているのが「鮮度」で88.0%、次いで「賞味期限」の80.2%、「価格」72.8%、「原産地・原産国」72.1%であった。

加工食品では「賞味期限」を見るとする人が最も多く80.7%、次いで「価格」66.0%、「食品添加物」60.1%、「原材料名」54.2%、「鮮度」53.1%と続いた。

≪表1≫ どの食品表示を見て選ぶか(上位5位)       (%)

生鮮食品(農産物・畜産物・水産物) 加工食品(調理食品・調味料・飲料等)
鮮 度 88.0 賞味期限 80.7
賞味期限 80.2 価 格 66.0
価 格 72.8 食品添加物 60.1
原産地・原産国 72.1 原材料名 54.2
有機・無農薬 53.7 鮮 度 53.1



(2)食品表示を見ない理由は「めんどうだから」が最も多い

食品表示を「あまり見ない」人にその理由を聞いたところ、「めんどうだから」とする人が最も多く41.3%。次いで「自分の目で選ぶから」26.3%、「信用ができないから」23.8%、「字が小さくて読めないから」22.5%、「見ても理解できないから」21.3%であった。


(3)半数以上の人は「原産地・原産国」の表示を信用できない

生鮮食品の表示のうち「あまり信用できない」ものを聞いたところ、最も多かったのは「原産地・原産国」とする人で63.6%、次いで「有機・無農薬等の表示」46.5%、「賞味期限」41.2%、「鮮度」39.2%、「遺伝子組み換え」34.4%と続いた。
加工食品の表示で「あまり信用できない」ものは、「原産地・原産国」で50.1%、次いで「賞味期限」46.6%、「食品添加物」41.1%、「原材料名」37.5%、「遺伝子組み換え」36.4%とする人が多かった。

≪表2≫ 食品表示のうちあまり信頼できないもの(上位5位) (%)

生鮮食品(農産物・畜産物・水産物) 加工食品(調理食品・調味料・飲料等)
原産地・原産国 63.6 原産地・原産国 50.1
有機・無農薬 46.5 賞味期限 46.6
賞味期限 41.2 食品添加物 41.1
鮮 度 39.2 原材料名 37.5
遺伝子組換え 34.4 遺伝子組換え 36.4


有機・無農薬 46.5 賞味期限 46.6

(4)加工食品には原産地の表示義務がないことを知っている人はおよそ3人に1人

JAS法の改正により、生鮮食品(農産物・畜産物・水産物)について、その食品を表す名称と原産地の表示が義務付けられたが、加工食品には、その食品を表す名称と産地の表示義務がないことを「知っている」と答えた人は、農産物で34.8%、畜産物では35.5%、水産物で27.2%であり、「知らない」と答えた人はそれぞれ63.2%、63.9%、71.3%と大勢を占めた。


(5)食品表示の苦情がある場合、半数以上の人は商品を買った店に相談

食品表示に関する苦情相談をしたいと思ったときは、「商品を買ったお店など」に連絡するとした人が最も多く50.9%、次いで「商品に表示されている会社のお客様相談室」は43.1%、「県や市町村の消費者センター」36.4%であった。
「保健所・公正取引委員会」(12.3%)、「消費者団体・NPOなど」(8.1%)、「農林水産省の機関」(3.3%)は割合が低かった。



3.日本生活協同組合連合会の調査結果(平成14年6月7日に公表済み)

(1)1年前と比べて表示が信用できなくなったという人が8割以上

1年前の今頃と比べて「表示されていることが信用できなくなった」人は78%、「前からそう」という人の4%を加えると、表示が信用できないという人は82%にのぼっており。多発した偽装事件が、消費者の信頼感に大きな影響を及ぼしていることがうかがわれる。

また、1年前よりも「遺伝子組換え原料を使っているか」「生鮮食品の産地・栽培方法」などを見て選ぶようになったとする人が51%、43%と大きな割合を占め、多くの消費者が食品表示に対する関心を強めていることが分かった。



(2)「肉類の産地表示」信頼できるは3割

各種の生鮮食品の表示について信頼できるかどうかを尋ねたところ、「肉類の産地表示」が「信頼できる」としたのは29%(「どちらかと言うと信頼できる」を含む)と最も低く、「肉類の消費期限表示」47%、「野菜の有機・無農薬等の表示」49%と続いた。

肉類の表示についての考えをきいたところ、「表示されている通りかどうか食べてもわからない」が81%を占め、消費者の不安や不信の背景となっていることが考えられる。

(3)多くの人が食品表示を不当と感じている

食品表示について、不当ではないかと感じたことはないか聞いたところ、多くの人がそうした経験があると答えた。その内容としては、「特別価格と表示されていても元の価格が曖昧」83%、「その食品が天然・自然のものと誤認させる」58%、「無使用・少量使用の原材料を商品名にしている」58%、「産地を誤認させる商品名・銘柄」56%などであった。

(4)食品表示に苦情を言いたいと思った人は6割以上

食品の表示に関して苦情を言いたいと思った経験のある人は63%と多いが、実際に苦情を言った経験のある人は9%と少なかった。

また苦情を言った際に、「納得できる対応で改善を約束された」人は、商品を買った店では48%、商品に表示されたお客様相談室では53%、県や市町村の消費者センターでは50%などと、ほぼ半数であった。

(以上)