消費者の窓
e-コンシューマー・ミーティング(第3回)議事要旨

1.日 時 平成13年12月13日(木)14:00~16:00

2.場 所 内閣府庁舎3階第3特別会議室

3.出席者

(参加団体)
インターネット消費者被害対策弁護団(弘中氏)、Web110(吉川氏)、シロガネ・サイバーポール(田島氏、遠藤氏)、日本技術者連盟TRUSTe認証機構(高橋氏、夕己氏)、メーリングリストLIFE(行時氏)、全国消費者団体連絡会(日和佐氏)日弁連消費者問題対策委員会(紀藤氏)、ガーディアンエンジェルス(山本氏)

(オブザーバー) 公正取引委員会事務総局、経済産業省、警察庁、国民生活センター相談部、東京都生活文化局

(内閣府) 池田国民生活局長、大石官房審議官、太田総務課長、堀田消費者企画課長、他

4.議題 匿名性について

5.議事概要


〔消費者向けHP原稿案について〕

当会合で議論した内容を踏まえ、消費者向けHPを作成し、公表することとした。現在までの議論をふりかえりつつ、メンバーから意見が出された。

全体についての留意点

・ 消費者のために、原稿案の目的を明確化するべきである。

・ もっと分かりやすく、どんな人でも読めるようにしたい。消費者トラブルに関心のある人はこのようなHP等をしっかり見ているが、実際にトラブルに合う人などは、もともとトラブルに関心の少ない人であり、このHPを読まないという可能性がある。

・ 当会合中提案された意見については、誰に対してどのようなことを求めているか整理してくくりをつけるなどの必要がある。例えば、国などが制度的に取り組む課題なのか、消費者が対処する時に注意する点などメンバーからのアドバイスなのかを明確にしたほうが良い。

・ 消費者がトラブルに会った際の相談の仕方について記すべきである。初心者はどの点でどのようにトラブルにあっているかということについて、うまく相談できない。相談を受けた側は、相談者の相談内容の伝え方が不十分だと何度も相談者と連絡を取り合わなくてはならない。相談を受ける側として必要な情報をうまく伝えられるようにするには、どのような相談の仕方がよいかということについて記しておいたほうが良い。

・ 現在相談をうけつけるに当たって、各団体が行っている対応としては
(1)相談の雛型がないと、相談の内容がまちまちになってくるので、よく受ける誹謗中傷に関する相談については、相談を受ける側にとって必要な情報を把握できるような雛型を用意している。

(2)相談者に時系列で起こったことがらを書いてもらうなど、工夫している。

(3)誹謗中傷の場合などは被害を受けた掲示板やメールを保管、またはプリントアウトしておくよう呼びかけている。

・ 各団体の対応以外に、今後相談するにあたって、消費者に伝えるべきこととして以下の点が挙げられた。
(1)証拠が保存できないサイト(携帯端末やフレームの問題)もある点を注意するべきである。

(2)きちんとした相談先を選ぶよう呼びかけることも重要だろう。

(3)必要な技術(メールのヘッダ情報の表示方法、ページの保存方法)などを相談受付のHPなどに示す必要がある。例えば、掲示板の投稿記事を保存する場合に、それがcgiによって記事を表示させるタイプであった場合には、「webアーカイブ形式」で保存すると、常に1ページ目が保存されてしまうことになるので「HTML形式」で保存すべき。また、画面のハードコピーだけでなく必ずファイルのコピーを取っておく。
などがあった。

オンラインショッピングでのトラブルについて

―消費者へのアドバイスについて、以下の点のような指摘があった。

・ 事業者の確認の方法をもっと調べてできるだけ多く記載することがのぞましい。「HP上の事業者の住所や返品条件などを確かめる。」「取引の証拠を残す。」「検索エンジンを使って、その事業者がWeb上でどのようにかかれているか探してみる。」などの注意を呼びかけるべきである。

・ 消費者相談窓口や弁護士、警察の担当部署に連絡するように記載されている部分については、どこへどのように連絡していけばよいか、ということを具体的に記すべきである。特に、トラブルの初期段階で気軽に相談できる箇所を示すことが重要。(詐欺かどうかについて、一般の消費者が判断することは難しいので、都道府県警察本部等へ連絡するのは、気がひけるのではないか。)

・ 「裁判所に仲裁をもとめる」などの記載があるが、裁判所への手続き方法などが一般にはわからないので、具体的に記すべきである。もしくは、該当情報WEBページへのリンクが必要かと思われる。

・ 従来からトラブルが起こっている事業は、訪問販売を含め、業界団体がはっきりしているので、どこのだれが行っているかということについて、追求できるが、ネット事業者は本来その実在自体がわからないので、少額訴訟の問題等は重要である。

ネットオークションについて

―消費者へのアドバイスについて、以下の点のような指摘があった。

・ オークションサイト運営者の責任を問うことが困難であるため、「絶対安全なサイトはない」ということを示すべきである。のみの市で買った品物が劣悪品であったとしてもしかたがないと納得して参加するように、ある程度の覚悟をしてネットオークションに参加するべきなので。

・ 保険の対象外になる場合があるということも記入するべき。(例えば1位の高値提示者が購入を辞退した場合に、2位の高値提示者が落札者となるものの、前述の出品者が直接2位高値提示者に取引を持ちかけるケースが増えている。このようにサイトを経由しない場合にはサイト運営者が関与しないため、保険の対象外となってしまう。)

・ エスクローが品質を保証するサービスというわけではないなど、サイトが提供しているサービスの欠点についても示すべき。

・ 業者そのものの責任も考えるべきだが、エスクローと保険を組み合わせるなど、利用者にとって使いやすい仕組みを行政も促進するべきだ。

誹謗中傷について

・ 民事救済が脆弱なので、トラブルが解決できないという議論は必要である。アメリカでは不正に使用した場合などには、ネットワークの利用差止請求権等でネットを利用できないようにする「ネット死刑」という方法があるが、新しい手段についても記入してはどうか。

・ プロバイダ等がアクセスログを残すという意見があったが、一般的に受け入れられない意見なので、実現できないのではないか。

・ 「相談する際には掲示板のどこに記してあるのかという証拠を取る必要がある」などの補足を加えるべきである。

(少額賠償の問題について)

・ 遠隔地取引等の問題は、少額賠償の影響が大きい。特に、名誉毀損等では、実損害や賠償が少額となる。少額被害についての項目は必要である。ネットの場合は匿名性があるために相手を特定するのに調査費用がかかり、誰が負担するかなどの問題も必要である。

・ 少額訴訟の問題は誹謗中傷だけにとどまらないということや、匿名性だけの切り口では主要な問題点ではないが、工夫をしてこのHP案に取り入れる。

(「ワン切り」について)

・ 発信電話番号通知サービスが初期設定で全電話についているということが問題であり、本来同意原則を適用すべきものである。

・ チェーンメールで不確かな情報が流れて、混乱を起こしたことは問題。報道もチェーンメールにしたがって本当に被害情報があるかどうかを確認しないままで放送などをおこなったということも問題だった。「情報が正確なものであるか確認するべき」という点について啓発が必要である。

・ 知らない電話からかかってきた場合、公衆電話でかけるのも一案である。

・ メーリングリストへNTTドコモのURLなどを記して、「ここを見ましょう」と正確な情報リソースを教えるメールを送った人がいた。もし、人に情報を伝えるのであれば、正確な情報は何かということを伝えるべきである。

・ 以前は電話は一人一人に対してコールし、勧誘等を行わなくてはならないことから、電話での勧誘にはコストがかかるとされ、広告にコストのほとんどかからないインターネットと区別されていた。しかし、「ワン切り」に見られるように、コンピュータを利用して自動で大量に「ワン切り」を行える現状を見ると、今後、電話広告も迷惑メールと同列に考えて規制するべきである。(通常の場合は、やはり広告メールのほうが電話で勧誘するよりもコストがかからないので、メールと電話とを同列には考えられないのではないかという意見もあった。)

・ Q2やツーショットダイヤル自体の仕組みを知らないことが混乱を呼んでいる理由だと考えられる。Q2などの仕組みもっと啓発するべきではないか。

(迷惑メールについて)

次回以降の議題として迷惑メールを予定しているため、フリーディスカッションを行った。

―迷惑メールの範囲について

・ 迷惑メールには、①チェーンメール、②誹謗中傷メール、③コンピュータウイルスによって自動的に送られたメール、④広告メールなどがあり、その範囲は非常に広い。どこまでが消費者にとって迷惑メールと定義できるのかを考えたい。

・ 迷惑メールの定義を考えておくことで対応方法などの論点がはっきりするだろう。

・ 時に、受信者が、送られてくるメールに対して、勝手に迷惑だと考えているということもある。例えば、メーリングリストというしくみをよく知らずに参加して、配信されるメールを「迷惑だ」と感じる。それを「迷惑だ」「退会したい」とメーリングリストに流すことで他のメンバーにとって迷惑メールになるという悪循環が発生するケースが増えてきている。

・ 個人の対処として、メールアドレスを変更するという方法があるが、変更した後、その度に知人に通知しなくてはいけないなど、大変コストがかかる。また、不要メールを削除するなど煩雑な作業が増えるということは問題である。

―迷惑メールへの対処について

・ メールの正確によってマナーで対処できるもの、技術的対処ができるもの、法的規制で対応するべきものとを整理するべきではないか。

・ Opt-inなどを採用し、迷惑メールについての対処を行おうとしている国があるので、世界の動向についても調べるべきである。

・ 携帯にくるものと、家で扱うパソコンについてにくるものでは、その被害や煩雑さが異なるので、端末の問題も論点としてあげるべきだろう。

・ プロバイダ等各社が行っている指定アドレスの受信拒否サービスについては、10件までなどの制限があったため、次々とアドレスを変えて送られる迷惑メールなどについて対処しきれない。ある携帯電話会社では、暗証番号を通知しないとメールが送れないというサービスを行っていた。本来携帯電話のメールは知り合い同士でしか交換しないので、このようなサービスは良かったと思う。

6.次回日程等について