消費者の窓
e-コンシューマー・ミーティング(第2回)議事要旨

1.日 時 平成13年10月29日(月)15:00~17:00

2.場 所 中央合同庁舎第4号館第3特別会議室(2階226)

3.出席者

(参加団体)
インターネット消費者被害対策弁護団(弘中氏)、Web110(吉川氏)、シロガネ・サイバーポール(田島氏、遠藤氏)、日本技術者連盟TRUSTe認証機構(高橋氏)、メーリングリストLIFE(行時氏)、全国消費者団体連絡会(日和佐氏)日弁連消費者問題対策委員会(紀藤氏)、ガーディアンエンジェルス(小田氏)

(オブザーバー) 公正取引委員会事務総局、経済産業省、警察庁、国民生活センター相談部、東京都生活文化局

(内閣府) 池田国民生活局長、大石官房審議官、太田総務課長、堀田消費者企画課長、他

4.議題 匿名性について

5.議事概要



事業者の匿名性と電子商取引のトラブル事例について

ネットショッピングにおけるトラブル事例

・商品が届かないがHPの連絡先に連絡しても連絡がとれない。

・そもそも、HPに連絡先が掲載されていない。

・詐欺 「手作り商品を売るためのHPを貸す」というショップ。応募者は手作り商品を送り入会金を支払うことを要求される。しかし、手作り商品と入会金を送った段階で、何の連絡もなかった。

・あるショップに商品の申し込みをしたが届かない。ただ、ショップのシステムダウンで申し込みが届いていないだけだった。

電子商取引とは

・ 誹謗中傷の問題と比べて、電子商取引のトラブルは表現の自由に基づく問題がないこと、及び消費者が予防できるということが言える。

・ インターネットでは、HP運営者のせいだけではないことが起きる。

・ ネットという見えない経路を媒介するためにどこで、何が実社会でおきているかがわからないということからインターネットでは、HP運営者のせいだけではないことが起きる。また、実態社会では、人は店に実際に足を運び、実際の商品はもちろん、店の雰囲気や店員の態度、客の入り等によって判断することができるが、電子商取引では、画面上でしか判断できない。そのため、①HPの発行しているメールマガジンで雰囲気を知る、②お試し商品を利用することで問題がないかを確かめる、③店が実態のあるものか、問い合わせ住所等を確かめる、④メールだけに頼らずに電話等で実態を確認する等、消費者自身でも予防策をとる必要がある。

・ 論点を整頓したほうがよい。以下のように電子商取引のトラブルは分類できると個人的には考えている。
(事業者の)詐欺、詐欺と疑わしい事例、倒産、非道徳的態度、反道徳(的措置)である。

・ 倒産はネット特有の問題ではないのではないか。

悪質な業者の評価をするべきか

・ 一般商取引との違いは、電子商取引は素人も玄人も商売を行っているということである。通信販売等を手がけている大手事業者については、電子商取引であるからといって、問題は起きないのではないか。そのような事業者を見分けるためにトラストマークのようなものが消費者にとっては必要だ。問題はアウトローであって、悪質な業者についての情報を公開するということが必要になるのではないか。

・ メーリングリスト等の不特定多数の間で悪質な業者というものを名指しで指摘することはない。ネットには口コミ効果があって、一言、クレームを申し立てる人物がいたら、その噂が大量に流れてしまい、そのサイトが本当に悪質かどうか客観的判断が難しくなってしまうという問題がある。

・ 企業を特定して指摘すると、営業妨害になる可能性があるので、難しい。しかし、一消費者から「ある企業のケース」として問題が提起される分には名誉毀損にもならないし、他の消費者のためになる。また、よい企業をネットで評価するという方法がよいのではないか。

・ 何件かトラブルが起きているようなら、問題のある業態であって、実名を出しても問題がないのではないか。

・ 悪質サイト(情報提供サービスを申し込んだら、逆に個人情報を利用してゆすられたというもの。)を社名を載せて公開していたら、当の会社から苦情の連絡があった。なお、悪質で繰り返しのあるオークション出品者の情報を公開する際には、本人が主催者に登録している住所等がでたらめだということを確かめてから公開するようにしている。

・ 特定商取引法では、HP表示の義務については、指導のみで、罰則をつけないのはおかしい。

その他のトラブル

・ オークションサイトでの本人確認が始まったが、最近、再び新たなトラブルが見られるようになっている。


利用者のプライバシー保護と匿名性のバランスについて

・ 大学生へのアンケートで電子メール,BBS,チャット等で実名、ペンネームどちらをより使用するかを問うたものである。やはり、プライバシーや表現の自由のためにチャット等になるとペンネーム使用者が7割を超える。海外では匿名性を打ち出したネットサービスもあり、匿名性に対する消費者の需要は大きいと考えられる。

・ ネットサーフィンを利用するには匿名性の利用者でよいだろう。一方、電子商取引を行うサイトの場合、サイトの運営者は自分の情報はある程度明らかにする必要があるが、消費者の側はある程度匿名でも仕方ない。事業者は、だまされて商品をとられるリスクは、ある程度飲まなくてはならないかもしれない。また、自分の情報を明らかにする際には、自分の情報が悪用されても大丈夫な状態を作る必要がある。そのためには情報リテラシーをどう高めるかが重要である。トラストマークも個人情報を企業がちゃんと扱うようになることを求めてのものである。

・ 実名使用者が多いという調査もあったが、ある女性サイトの調査では多くのユーザーが匿名を選択しているとの回答であった。ただ、使う場面で基準が変わるのではないかと考える。自分の名札をつけて、店やフリーマーケットに行く人がいないように、消費者の側が匿名であるということは別段問題はない。消費者もしたたかで、個人情報に偽の情報を書く予防策等をとることもある。

・ 私は個人情報をHPに記入するということには抵抗がある。ただ、一度書いてしまうと、感覚が麻痺して、色々なところに個人情報を書くことが多くなるのが普通ではないか。

・ 匿名性はやはり打開する必要がある。ただし、そのためには、開示の明確なルール化が必要。何かされた時に防御等がないことが逆に匿名性をネットにもたらしている。今度のプロバイダ責任法は基準が重要ということと理解しているが、迅速な問題解決という視点が欠けていると思う。

・ 法人格をもった場合は代表者の住所等は必然的に明らかになる。一方で、法人格がない事業者だから匿名でよいことにはならないであろう。また、アメリカでは、実名評価が中心であり、企業名を挙げた批判等が従来雑誌等で行われている。ただ、法人格で、運営者側の情報を区別するのではなく、事業者と個人を分けるべきだと考える。難しいのは、事業者に満たない個人、事業者たる個人をどうするかということである。

・ 個人情報との関係でいえば、携帯電話でインターネットを利用すると、電話機が特定されてしまう場合があるように、流出するのは仕方ない時代になった一方で、個人情報を収集することを目的にサイトを設けることもあり、こうした人たちを避けるために、個人情報保護法制が必要である。個人のモラルの問題としては、他人の個人情報を与える場合には、より慎重になるべきである(例えば、自分の子供の情報等をどう管理するかという問題がある)。

・ CtoCの中でどのようにしてプライバシーを守るかということが必要である。例えばオークションで落札した人が本当に取引目的か個人情報を収集しようとしているのかが分からない中では、自分の個人情報を明らかにはできないのは当然。取引がちゃんと行われるならば、取引するお互いが個人情報を開示しあわなくても、主催者がそれぞれの個人情報を確認して取引を成立させる方法もある。その対処方法としてはまず、電子認証があるが、まだ利便性の問題がある。また、エスクローなどが利用できればよいが、そのためにはエスクローサービスを利用する際に生じる負担が軽減されなくてはならない。また、集めた個人情報が基本的にもれないようになっているかどうかということについては、判断しづらいものがある。

次回、12月13日に論点整理について会合を開くことが決まった。

(了)

※当議事要旨は暫定版であり、修正されることがあります。

[問い合わせ先]
内閣府国民生活局消費者企画課