消費者の窓
e-コンシューマー・ミーティング(第1回)議事要旨

1.日 時 平成13年9月19日(水)15:00~17:00

2.場 所 第4合同庁舎2階第3特別会議室

3.参加者

(参加団体)
インターネット消費者被害対策弁護団(弘中氏)、Web110(吉川氏)、シロガネ・サイバーポール(田島氏、遠藤氏)、日本技術者連盟TRUSTe認証機構(井戸田氏、高橋氏)、メーリングリストLife(行時氏)、全国消費者団体連絡会(日和佐氏)日弁連消費者問題対策委員会(紀藤氏)、ガーディアンエンジェルス(小田氏)

(アドバイザー) 町村亜細亜大学教授

(オブザーバー) 公正取引委員会事務総局、経済産業省、警察庁、国民生活センター相談部

(内閣府) 池田国民生活局長、太田総務課長、堀田消費者企画課長、井内調査室長、他

4.議事次第 1 参加者の紹介
2 匿名性について
3 フリーディスカッション
4 閉会

5.概要


《発表であげられた事例》

A.ニフティ事件
第1次ニフティ事件は第2審において、加害者の行為が名誉毀損とされたものの、プロバイダの管理責任は認められなかった。第2次ニフティ事件は加害者の表現行為について侮蔑的だとしたものの、違法性までは認めなかった。

B.オークションでの事例
1)送金したが、商品が送られてこない。先方とは電話などで連絡が取れるため、詐欺かどうかも判定されず、当事者間での解決を勧められることになり、警察で取り扱われない。

2)オークションで申し込んだが、商品が送られてこなかった。2ヵ月たっても返答がないため、「同事象がないか調査中」として現在にいたる。また、消費生活センターでも「催促してみる」との返答を得たが、進展がない。

C.携帯電話用掲示板におけるストーカー行為について
掲示板に被害者自身や被害者の職場に関しての情報を掲載され、職場まで電話がかかってくるようになったため、退職余儀ない状況に陥った(プライバシーの侵害及び名誉毀損)。

解決方法としては、
(1)掲示板管理者へ連絡を行い、削除を要請する
(2)プロバイダへ取消を要請
(3)民事訴訟による損害賠償請求
(4)警察に告訴を行う
があげられる。その結果(2)によって、削除はされたものの、発信者を教えてもらえなかったので、不安な日々が続いている。

D.掲示板での誹謗中傷等について
株価についての掲示板を開設し、その中で予想通りに、ある株が値上がりしたことを契機に、多方面からの誹謗中傷を含むメールが送りつけられるようになり、さらに自分の掲示板に似せた掲示板を開設する人物が現れた。プロバイダへの削除を申請し、偽掲示板は削除されたが、再度同じような掲示板が立ち上げられ、発信者が特定できないためにいたちごっことなっている。

E.メールの盗み見について
パソコンに詳しい知り合いにパソコンの設定等を依頼した後、メールを盗み見られているように感じ、プロバイダを変更した。


《匿名性における問題点とは》

(1)プライバシー保護と表現の自由等と匿名性
・匿名性の問題は「開示されないことの自由(プライバシー)」、「通信の秘密」「表現の自由」とバランスをどうとるかという難しい問題が根底にある。

・ サイバートラブルを救済するために国民全ての情報の傍受を許すことは、皆が納得しないだろう。

(2)プロバイダの責任
・利用者の情報を開示しないプロバイダが多いが、プロバイダの開示するべき情報についての決まりがないことによる。

・ 電話番号が分かる場合、弁護士会照会により当該電話番号の名義

・設置場所については電話会社によって開示されるが、ネットでは「通信の秘密」をたてにして開示されないのはおかしい。

・ 電話の場合は、通信自体と電話契約が分離して考えられるため、開示されているが、メール等の場合、そのメールアドレスは通信(メール送信)の一部とも考えられる結果、通信の秘密にあたるとして開示されないと思われる。

・プロバイダ責任についてのルール(プロバイダがどのような場合開示を行うか)を法制化したとしても、要件が成立せずに裁判所で加害者情報が開示されない場合が起きる。実態的に被害者をどう救済するかが課題となる。

・プロバイダの責任のルールは、ホームページ上のトラブルでは有効であるが、送信された後のメールはプロバイダの管理外にあるため有効でない。

・プロキシサーバを複数経由している場合、一つ一つ情報を開示させたとしても、時間がかかり追跡する意味がないので、一通の命令等で全てのプロキシを包括的に拘束することで、加害者を特定できるようにならなければ被害者解決は難しい。

(3)本人確認の問題
・フリーメールアドレス、匿名プロキシーサーバ、無料プロバイダ等、ネット特有のサービスと秘書代行、レンタルオフィス等の既存のサービスを利用することで、匿名性を悪用できる。

・悪用をはじめから考えている人は、申請の段階で虚偽の情報を用いて契約しているので、仮にプロバイダが契約情報(個人情報)を開示したとしても本人にまでたどり着かないこともある。

・ふさわしい利用者がふさわしいサービスを提供する、または受けているかが見た目で分からないことが問題。

(4)発信者を特定できない問題
・発信者を特定するにあたり、長期間アクセスログなどが保存されていることが重要になるが、コストがかかる。特に個人が管理する掲示板ではログを保存させるのは困難。

・紛争の当事者が海外居住者であった場合は海外の警察への訴えを起こす必要がある。

・発信者の追跡に時間がかかってしまう。最終的に海外のサーバを経由している場合は、その時点で追跡できなくなることが多い。

・消費者トラブルは一般に民事で解決するべき問題である。刑事は、犯罪や民事でも重大な問題に適応されるべきものであり、民事紛争にとっては補足的な存在である。現在は、被害が少額であったり、事件としてあつかわなければ個人情報を開示してもらえないことから、警察に訴えるなど刑事事件でしかインターネットトラブルを解決できないような状況になっている。

(5)その他
・ネットでの名誉毀損の補償額はマスメディア(TV、新聞等)によるものに比べて少ない。

・インターネット被害は遠隔地取引である上に少額な被害が多く、本来民事救済されるべき事案でも民事救済できない。

・インターネット利用者の心がけで解決・未然防止できるものも多いのにも関わらず、相した知識が教えられていない。

・警察内等で被害情報が共有化されておらず、被害拡大を抑える体制になっていない。

・警察の管轄の問題を整理する必要性。(被害が発生した場所はどこになるのか。情報を受信した場所になるのか。その人に帰属するのか(居住地など)。)

・特定商取引法のインターネット表示に罰則等の強制力がない。

*本議事要旨は暫定版のため、今後、修正がありえます。