消費者の窓
製造物責任法施行後の状況について






製造物責任法施行後の状況について

1.製造物責任法の制定

(1)大量生産・大量消費の現代社会においては,消費者に提供される製品が高度化,複雑化し,消費者と製造業者の間で情報や危険回避能力の格差が拡大し,製品の安全性確保は,製造業者に依存する度合いが高まってきた。

(2)このため,製品関連事故における被害者の円滑かつ適切な救済という観点から,損害賠償に関するルールを民法一般原則である「過失」責任から「欠陥」責任に転換することにより,被害者の立証負担を軽減することを目的として製造物責任法が制定された(平成6年7月公布,平成7年7月施行)。(資料1)

(3)同法の制定に際しては,(1)裁判の争点の明確化,判例の水準の平準化といった裁判に与える影響,(2)企業,消費者双方の製品の安全性に対する意識の変化と取組みの充実,(3)裁判外におけるクレーム処理の円滑化,さらには(4)国際的に調和のとれた制度の確立といった効果を期待した。


2.製造物責任法制定の影響

(1)事業者への影響

  事業者の製造物責任法施行に対する取組みとして,設計・製造段階での安全性確保対策の充実や,警告表示の徹底,取扱説明書の充実化が図られた。(資料2)

(2)消費者への影響

 製造物責任法施行後の消費者意識については,7割以上の事業者が変化したと感じている。(資料2)


3.製造物責任法に基づく訴訟

 内閣府で把握している限りにおいて,製造物責任法に基づいて提訴された訴訟件数は,平成18年2月28日現在で90件である。


4.都道府県等の消費生活センター及び国民生活センターにおける関連相談受付状況

 製造物責任法施行後,都道府県等の消費生活センター及び国民生活センターが受け付けた製品事故に係る苦情相談件数は,1年目は法施行前に比べると倍増したが,その後は安定的に推移している。(製造物責任法施行後10年目の製品事故に係る苦情処理調査


5.民間の裁判外紛争処理機関における関連相談受付状況

 製造物責任法の制定に伴い民間においても,製品分野ごとの専門的知見を活かした紛争処理機関の体制整備が図られた。それぞれの機関における相談受付状況は異なっているが,概ね安定的に推移している。


(資料1) 製造物責任法について

1 法の概要

(1)目的

 製造物の欠陥により,人の生命,身体又は財産に被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任(製造物責任)を定める。

(2)製造物

 製造又は加工された動産一般

(3)欠陥(欠陥責任)

 製造物が通常有すべき安全性を欠いていること。欠陥判断は製造物の特性,使用形態,引き渡した時期等を総合的に考慮される。

(4)製造物責任

 故意又は過失を責任要件とする不法行為(民法第709条)の特則として欠陥を責任要件とする損害賠償責任を規定

(5)責任主体(製造業者等の範囲)

 製造業者,輸入業者,製造物にこれらのものとして表示を付した者等


2 法の制定

 平成6年6月第129回通常国会にて成立し,平成6年法律第85号として,同年7月1日に公布,翌7年7月1日に施行された。



(資料2) 製造物責任法が消費者及び企業に及ぼした影響

製造物責任法施行を意識した事業者の取組み

図表を表示


製造物責任法の認知度

(1)法律の具体的な内容まで知っている

5.0%
(2)法律の具体的な内容は知らないが基本的な
趣旨は理解している

45.0%
(3)法律名程度しか知らない

34.9%
(4)法律名もきいたことがない

15.0%
(5)無回答

0.1%
N=1002


(出典:東京圏居住者に対する製造物責任法影響調査 平成9年3月)


製造物責任法施行後の消費者意識の変化

(1)大きく変化したと感じる

61社 14.6%
(2)やや変化を感じる

238社 57.1%
(3)どちらともいえない

45社 10.8%
(4)あまり変化を感じない

48社 11.5%
(5)全く変化を感じない

8社 1.9%
(6)無回答 17社  4.1%

(出典:製品の安全性に関する企業の消費者啓発活動について 平成10年3月)