消費者の窓

II-1消費者基本計画

(平成17年4月8日閣議決定 -抜粋-)

1.消費者基本計画策定の趣旨

 消費者が安全で安心できる消費生活を送ることができる環境を整備するため、消費者保護基本法が改正され、今日の経済社会にふさわしいものとすべく、平成16年6月、消費者基本法が制定された。
 消費者基本法においては、消費者政策の基本理念として、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を基本とするとともに、政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者基本計画を定めなければならないとされている。
 今般、消費者利益の擁護・増進に関する重要課題に政府全体として計画的・一体的に取り組むに当たっての基本的方針として、平成17年度から平成21年度までの5年間を対象とした消費者基本計画を定める。今後、政府はこの計画に盛り込まれた内容を強力に推進する。

2.今次基本計画が目指す消費者政策の基本的方向

 消費者政策の基本理念を具体化していくために本計画が目指す消費者政策の基本的方向と主な課題は、以下のとおりである。

(1) 消費者の安全・安心の確保

 食品をはじめとする商品やサービスの安全性に対する不安が社会的に高まっており、消費者の安全・安心を確保することが急務である。
 消費者の安全・安心の確保は、消費者利益の擁護・増進のために国が講ずべき最も基本的な施策であり、今後一層充実・強化を図る。

【課題】
(1) 消費者の身の回りからの危険な商品の排除

 自動車の分野をはじめ、リコール制度の強化・拡充を図る。

(2) 安全・安心づくりへの消費者の参加

 安全・安心の確保に対する消費者の関心の高まりを踏まえ、リスク分析を活用した行政運営を的確に推進するため、幅広い消費者のリスクコミュニケーションへの参加を促す。

(3) 消費者による食の安全・安心情報の入手

 食品とその生産履歴や流通経路等の情報を追跡・遡及することを可能とするトレーサビリティ・システムの普及を推進する。

(2) 消費者の自立のための基盤整備

 消費者取引の多様化及び複雑化を受け、従来の消費者取引に関するルールの隙間をつく形で、様々な消費者トラブルが発生している。取引ルールの整備や消費者団体の活動等により消費者の自立を総合的に支援し、消費者トラブルを効果的に防止する必要がある。
 また、消費者が、学校、地域、家庭、職場等の様々な場所で、生涯を通じて消費者教育を受けられる機会の充実を図ることにより、学生や高齢者をはじめ、消費者全体がトラブルを防止するために必要な知識を得ることができるようにする。
 さらに、京都議定書が平成17年2月に発効し、地球温暖化防止等、環境問題の重要性がますます高まっていることを踏まえ、消費者一人ひとりの環境問題への取組みを促す。

【課題】
(1) 消費者取引の多様化に対応したルールの整備

 消費者取引及びそのトラブルの多様化を踏まえ、分野横断的・包括的な視点に立って取引ルールを整備する。

(2) 消費者団体訴訟制度の導入

 市場における事業者の行為の監視など消費者団体の自主的な活動を促進し、消費者トラブルの未然防止・拡大防止を図るため、消費者団体訴訟制度を導入する。

(3) 消費者教育を受けられる機会の充実

 消費者教育の推進体制の強化、消費者教育の担い手の育成・支援、教材の開発・提供、消費者教育の体系化等により、消費者教育の充実を図る。

(4) 環境に配慮した消費行動の促進

 地球温暖化をはじめとする環境問題への危機意識を具体的な行動へとつなげる消費者の取組みを支援する。

(3) 緊要な消費者トラブルへの機動的・集中的な対応

 最近、架空請求・不当請求、偽造キャッシュカードによる預金の引き出し、フィッシング、外国為替証拠金取引等に関する消費者トラブルが急増し、社会問題となっている。こうしたトラブルを含め、国民生活センターや各地の消費生活センターに寄せられる消費者からの苦情相談は近年急増しており、抜本的な対応が求められている。
 今後、緊要な消費者トラブルに対しては、新たな手口や形態の迅速な把握に努めるとともに、悪質事業者の監視・取締り、広報・啓発活動等をはじめ、政府一体となって機動的・集中的に施策を講ずる。

【課題】
(1) 消費者からの苦情相談を活用したトラブルの未然防止・拡大防止

 消費者から寄せられる苦情相談情報に基づいて消費者トラブルの抑止のための方策を講じていくために、関係機関の連携を強化する。

(2) 緊要な消費者トラブルへの対応

 架空請求・不当請求、偽造キャッシュカードによる預金の引き出し、フィッシング、外国為替証拠金取引に関する消費者トラブルに対して機動的、集中的に施策を講ずる。

3.今次基本計画における消費者政策の重点

 上記の基本的方向と主な課題を踏まえた消費者政策の重点は、以下のとおりである。

(1) リコール制度の強化・拡充

 自動車については、自動車が安全確保及び環境保全上の基準に適合しない又は適合しなくなるおそれがある場合に、自動車メーカーが行政にリコールの届出を行うこととしているが、近年、自動車メーカーによる虚偽報告、リコール隠しといった悪質な不正行為が相次いで発生している。このため、メーカーからの定期報告の義務づけ等の情報収集の充実、監査体制の強化等、リコール業務の運用体制の強化が必要となっている。
 また、自動車以外の製品の中には、行政が事業者に製品の回収を命令することができる仕組みが設けられているものもあるが、事業者から行政への危害・危険情報の報告は任意となっている。昨今の事故の状況を踏まえれば、事業者から行政に対し危害・危険情報が的確に提供されるための仕組みを強化・拡充していく必要がある。
 さらに、以上の取組みと相まって、消費者が危害・危険情報を素早く入手し事故を回避できるように、事業者から消費者への社告等による製品の回収措置に関する情報については、できるだけ消費者にとってアクセスしやすい形で提供されるとともに、その内容を消費者にとってわかりやすいものとしていく必要がある。

(1) 自動車のリコールに関する不正行為の再発防止対策の徹底

 自動車メーカーに安全上重要な情報を定期的(四半期毎)に報告させるとともに、消費者等に対して不具合情報の提供を呼びかけるなど情報収集体制の強化に取り組む。これらの情報に基づいて、安全性に疑義のあるメーカーについては集中的な監査を実施するとともに、安全性に疑義のある自動車については、メーカー提出の書類確認にとどまらず、交通安全環境研究所等において現車確認、試験を実施する。
[国土交通省]平成17年度に実施する。

(2) 事業者から行政へ製品の危害・危険情報を報告させる仕組みの検討

・消費生活用製品(電気製品等を含む。)に関して、人の生命・身体に重大な影響を及ぼすおそれがある場合に事業者から行政に対し報告させる仕組みの充実について検討する。
 [経済産業省]平成17年度に一定の結論を得る。
・食品、医薬品・医療機器に関して、現行制度の施行状況を注視しつつ、制度の見直しの要否を含め点検する。
 [厚生労働省]平成20年度までに一定の結論を得る。

(3) 社告等による製品の回収措置に関する情報を的確かつわかりやすく消費者に伝える仕組みの構築

・消費者が容易に製品の回収措置に関する情報を入手できるよう、社告等を一覧できるポータルサイトのあり方について検討する。
[内閣府、関係省庁、国民生活センター]平成18年度までに一定の結論を得る。
・消費者にとってわかりやすい効果的な社告等のあり方について検討する。
[内閣府、関係省庁、国民生活センター]平成19年度までに一定の結論を得る。

(2) リスクコミュニケーションへの消費者の参加促進

 新たな科学技術の開発や流通の広域化などに伴って発生する様々なリスクから消費者の安全を確保するため、様々なリスクに関する正確な情報を関係者が共有し、相互に意見交換を図ってリスクを適正にコントロールするリスク分析の考え方の導入が進んでいる。消費者の関心の高い食品安全の分野では、科学的知見に基づくリスク評価、リスク評価結果に基づいて施策を実施するリスク管理、リスクに関する情報や意見の交換を行うリスクコミュニケーションにより構成される、リスク分析に基づいた食品安全行政が推進されている。
 食品の安全性の確保においては、リスクの評価・管理の過程において、事業者や行政のみならず、消費者の意見が適切に反映されることが求められている。このため、関係者が情報を共有し意見を交換して理解を深めるためのリスクコミュニケーションへの消費者の参加を促進していく必要がある。

(1) 消費者の関心を踏まえた実施

 消費者の関心が高い案件について積極的に情報提供するとともに、計画的に意見交換会の場を設定する。
[食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省]
 平成17年度以降継続的に実施する。その実施状況については毎年公表する。

(2) 消費者の視点による評価・検証を踏まえた手法・技術の向上

 欧米諸国の最新の事例について調査するとともに、実施したリスクコミュニケーションについて消費者の視点による評価・検証を実施し、リスクコミュニケーション手法の向上を図る。
 また、リスクコミュニケーションの方法と技術に精通した人材の育成を図り、コミュニケーション技術の全体的な向上を図る。
[食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省]平成17年度以降継続的に実施する。

(3) 食の安全・安心分野におけるトレーサビリティ・システムの普及推進

 食品に対する安全・安心志向が広がる中、消費者が食品とその生産履歴や流通経路等の情報を追跡・遡及することができるトレーサビリティ・システムへの関心が高まっている。トレーサビリティ・システムの普及により、食品事故が発生した場合に、その原因の究明や問題食品の回収を迅速・容易に行うことが可能となるほか、食品に関する様々な情報を消費者が簡単に入手できること等により、消費者と生産者とのいわゆる顔の見える関係づくりの進展が期待される。

(1) 最先端の情報処理技術の活用によるシステムの構築

・いつでもどこでも誰でも簡単にコンピュータを利用できるユビキタス・コンピューティング技術を活用した、
 ア.農薬をはじめとする生産資材の適正使用の徹底によるリスク管理の強化
 イ.情報の記録等の自動化・簡便化
 ウ.アレルゲン7情報等消費者が簡単に入手できる安全・安心情報の充実を通じてトレーサビリティ・システムの普及を図る。
 農林水産省]平成19年度までに実施する。
・トレーサビリティへの活用が期待されている電子タグについて、高度活用のためのネットワーク技術を研究開発する。
 [総務省]平成19年度までに実施する。
・電子タグの低価格化を図るための製造技術を開発する。
 [経済産業省]平成18年度までに実施する。

(2) 生産情報公表JAS規格の対象品目の拡大

 生産情報公表JAS規格8の対象品目の拡大に向けた検討を行う。
 [農林水産省]農産物については平成17年度、一部の加工食品については平成18年度に規格を制定する。

(3) 牛肉トレーサビリティ法の確実な実施

 牛肉については、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法に基づき、生産から流通の各段階で牛の個体情報を正確に伝達するため、個体識別番号を表示した耳標の装着、牛個体識別情報の届出、牛肉への個体識別番号等の表示の検査・指導、DNA鑑定による表示内容の確認等を実施する。
[農林水産省]平成17年度以降継続的に実施する。

(4) 分野横断的・包括的な視点に立った取引ルールづくり

 個別の取引分野ごとにルールを定める手法では新しい取引類型によって生ずる消費者トラブルへの迅速な対応が困難である等、縦割り行政の弊害が指摘されている。
 現在、消費者契約法をはじめ、より共通的な消費者取引ルールが整備されつつあるが、消費者が不当な勧誘に直面しないようにするなど消費者トラブルを効果的に抑止するために、分野横断的・包括的な視点に立った取引ルールの整備を加速させていくことが必要である。
 特に消費者トラブルが発生しやすい取引分野(金融、信用、ITを利用した取引等)については、各分野ごとに共通的なルールを整備する必要がある。

(1) 情報提供義務や勧誘のあり方等についての幅広い検討

 消費者契約法施行後の状況について分析・検討するとともに、消費者契約に関する情報提供、不招請勧誘9の規制、適合性原則10等について、幅広く検討する。
 [内閣府]平成19年までに一定の結論を得る。

(2) 景品表示法の厳正な運用

 景品表示法を厳正に運用するとともに、必要に応じ同法の執行体制の拡充を図る。
 [公正取引委員会]平成17年度以降継続的に実施する。法運用の結果については毎年公表する。

(3) 特定商取引法の厳正な運用

 特定商取引法を厳正に運用するとともに、必要に応じ同法の執行体制の拡充を図る。
 [経済産業省、関係省庁]平成17年度以降継続的に実施する。法運用の結果については毎年公表する。

(4) 金融分野における投資サービス法制の検討

 投資サービスにおける投資家保護のあり方について、投資サービスの範囲・定義、業規制の横断化・柔軟化等を論点として検討を進めていく。
 [金融庁]平成17年度に一定の結論を得る。

(5) 信用分野における消費者信用全体からみた幅広い検討

 消費者信用分野における諸問題については、各業態等における取引実態などを踏まえ、平成16年1月施行の新貸金業規制法附則等を踏まえた貸金業制度の将来的なあり方を含め、消費者信用全体の観点から検討する。
 [金融庁、経済産業省、関係省庁]平成17年度以降継続的に検討する。

(6) ITを利用した取引における利用者保護ルールの検討

・「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の施行状況について検討するとともに、迷惑メールを抑制・防止するための方策について検討する。
 [総務省]平成17年に一定の結論を得る。
・インターネット取引の普及に対応するため、消費者契約全般におけるルール・規制のあり方等について、幅広く検討する。
 [内閣府]平成19年までに一定の結論を得る。

(5) 消費者団体訴訟制度の導入

 消費者契約に関わる被害は、一般に、同種の被害が多数の者に及ぶことが多く、消費者被害の未然防止・拡大防止が重要な課題となっている。
 消費者団体は、消費者の利益の擁護を図るため、消費者に代わって、市場において事業者の行為を監視するなど、消費者の視点に立って活動することが期待されている。
 しかしながら、事業者の不当な行為の改善を求める消費者団体による自主的な活動だけではその実効性に限界があることから、消費者団体が消費者全体の利益のために訴えを提起することを認める制度を導入する必要がある。

・一定の消費者団体が、消費者全体の利益を擁護するため、事業者の不当な行為に対し、差止めを求める訴えを提起することを認める制度の導入に向けて、消費者契約法を基本として検討する。
 [内閣府]平成18年通常国会に関連法案を提出する。
・独占禁止法及び景品表示法における団体訴権の導入について検討する。
 [公正取引委員会]平成19年までに一定の結論を得る。

(6) 学校や社会教育施設における消費者教育の推進

 消費者基本法において消費者政策の基本理念として消費者の自立支援が規定されたことから、消費者教育の推進体制を強化する必要がある。
 また、履修者、実施場所等に応じて消費者教育を行うことができる専門家の役割が重要である。このため、消費者教育専門家を育成するとともに、消費者教育に携わる者が自由に活用できる教材やパンフレット等を充実する必要がある。
 さらに、消費者の生涯にわたる学習機会の充実に向けて、消費者教育の体系化を図る必要がある。

(1) 内閣府・文部科学省間の連携の強化

 内閣府・文部科学省間では、従来より消費者教育に関して連携がなされていたところであるが、消費者基本法の成立により、消費者政策の基本理念として消費者の権利の尊重とその自立の支援等が明確化されたことから、消費者教育の重要性が高まるとともに、両府省の更なる緊密な連携が必要となっている。
 このため、両府省間の連携を強化することにより、下記(2)から(5)の施策を強力に推進するとともに、地方公共団体等との意見交換、消費者教育の先進事例の普及等を行う。
 [内閣府、文部科学省]平成17年に連携の仕組みを構築する。

(2) 消費生活センターと教育委員会との連携強化

 消費者教育を推進するために、消費生活センターと教育委員会との連絡協議会を設置するよう都道府県等に対し要請する。連絡協議会では、地域の実情に応じて、消費者問題に関する情報や教材を学校や社会教育施設へ提供するとともに、消費生活相談員をはじめとする外部の専門家の学校や社会教育施設への受け入れの円滑化を図る。
 [内閣府、文部科学省]平成17年度に実施する。

(3) 「出前講座」実施の専門家育成

 国民生活センター及び消費生活センターにおける消費者問題講座修了者が学校や社会教育施設等で専門家として消費者教育を実施できるよう、その育成プログラム11を策定する。
 [内閣府、文部科学省、国民生活センター]策定方針について平成19年度までに一定の結論を得る。

(4) 消費者教育の基盤整備

・学校、地域、家庭、職域等において活用できる消費者問題の変化に即応した教材及びパンフレットや教員向け指導書等を年度ごとに作成し、関係機関に配布する。
 また、教員向け指導書等の作成に際しては、必要に応じ、消費者教育の場で活用できるロールプレイング等の体験型学習の実践事例について盛り込む。
 [内閣府、文部科学省、関係省庁、国民生活センター]
 平成17年度以降継続的に教材等を作成する。
・各省庁等で作成された消費者教育関連の教材及び実践事例、消費者教育専門家に関する情報等を集約したポータルサイトを財団法人消費者教育支援センターや金融広報中央委員会等の協力を得て構築する。
 [内閣府、文部科学省、関係省庁]基本方針について平成18年度までに一定の結論を得る。

(5) 消費者教育の体系化

 消費者教育を幅広く、かつ、効率的・効果的に実施していくために、広く関係機関の協力を得て、消費者教育の体系化を図り、これに基づく消費者教育の推進方策について検討する。
 [内閣府、文部科学省、関係省庁、国民生活センター]平成19年度までに一定の結論を得る。

(7) 環境に配慮した消費者一人ひとりの取組みの促進

 今日、環境の劣化はますます深刻になってきており、特に地球温暖化問題をはじめとする地球環境問題は日常の消費生活をも原因とするものであることから、その解決には消費者一人ひとりの取組みが重要である。今後、持続可能な社会を実現していく上で、「もったいない」をはじめとする日本人が古くから有している物を大切にする心を思い出し、自らのライフスタイルを環境への負荷がより小さいものへと変えていくとともに、環境保全の取組みに積極的に参加していくことが期待される。
 こうした取組みを支援するため、平成17年2月に発効された京都議定書を踏まえ、消費者によるCO2削減に向けた環境配慮行動を呼びかける「国民運動」等の展開を図るとともに、家庭や地域での環境教育等の推進や、消費者が環境負荷の小さい製品を選択できるようにするための情報提供の充実を図る必要がある。また、身近な化学製品等が身体や環境に及ぼす危険有害性を消費者が的確に認識できるようにするため、わかりやすい表示による情報提供の実施や、化学物質とその環境リスクに関するリスクコミュニケーションの促進を図る必要がある。

(1) 消費者によるCO2削減に向けた環境配慮行動を呼びかける「国民運動」の展開

 地球温暖化防止のため、消費者のライフスタイルの転換を促進することを目的とした集中的なキャンペーンや普及啓発・広報活動を行う。
 [環境省、関係省庁]平成17年度より実施する。

(2) 循環型社会に向けた3Rの普及啓発

 平成17年4月に開催される3Rイニシアティブ閣僚会合の結果も踏まえ、ごみの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)を呼びかける普及啓発を重点的に実施する。
 [環境省、関係省庁]平成17年度より実施する。

(3) 環境教育の推進

・日常の消費行動をはじめとする家庭生活における環境保全への取組みを支援・奨励するため、環境教育教材の提供や先駆的な取組みへの表彰を行う。
 [環境省]平成17年度より実施する。
・NPO・消費者団体等が実施する省資源・省エネルギー等に関わる先駆的な実践活動や普及啓発活動を支援する。
 [内閣府]平成17年度より実施する。

(4) 環境情報の提供の充実

 消費者に提供している、個別製品の生産段階から廃棄段階に至る全体的な環境負荷の大きさに関する情報について、その対象となる品目を拡大する。また、環境ラベル12など事業者等の環境情報の提供に関し、その方法や内容等の望ましいあり方について検討する。
 [経済産業省、環境省]平成17年度以降継続的に対象品目を拡大するとともに、平成17年度に環境情報提供のあり方についても一定の結論を得る。

(5) 消費者に身近な化学製品に関する危険有害性情報の提供と理解の促進

・化学製品の危険有害性を表示で分かりやすく情報提供するため、世界的に統一された分類表示ルール(GHS13)の導入について検討する。
 [経済産業省、環境省、関係省庁]平成20年までに一定の結論を得る。
・身近な化学製品等に関する危険有害性情報等について消費者の正しい理解が得られるよう、化学製品中の化学物質とその環境リスクに関して、正確でわかりやすい情報の提供や人材育成・派遣等を通じたリスクコミュニケーションを推進する。
 [環境省、関係省庁]平成17年度以降継続的に実施する。

(8) 消費者からの苦情相談の活用

 全国各地に設置されている消費生活センターは、消費者にとって身近な相談窓口であり、消費生活に関する数多くの苦情相談が寄せられている。これら苦情相談に適切かつ速やかに対応するとともに、苦情相談を消費者トラブルの未然防止・拡大防止など消費者政策に反映させていく必要がある。
 多様化・複雑化する苦情相談に適切に対応するため、消費生活センターの機能を強化するとともに、総合法律支援法を踏まえ、日本司法支援センター14や、裁判外紛争解決手続(ADR)機関、その他の関係機関・団体との連携を推進する必要がある。
 また、情報通信技術の発達に伴い国境を越えた消費者トラブルが増えていることから、これに対して適切に対応する必要がある。

(1) 国民生活センターと関係行政機関との連携の強化

 国民生活センターは、各地の消費生活センターに寄せられる苦情相談情報、危害・危険情報の分析に基づいて政策提言等を行う。
 政府は、これを踏まえ、消費者政策会議関係委員会議、消費者政策担当課長会議等を機動的に開催することなどにより、消費者トラブルの防止に当たる。
 [内閣府、関係省庁、国民生活センター]平成17年に連携の仕組みを構築する。

(2) 国民生活センターの中核的機能の強化

 各地の消費生活センターの苦情相談処理機能を強化するため、国民生活センターは、これらの中核的機関として、消費者トラブルに関する注意情報等の充実、経由相談への対応強化、相談員に対する研修の充実、原因究明テストの積極的な実施を図る。
 また、次期中期目標及び中期計画については、これらの施策の実績を踏まえた上で設定する。
 [内閣府、国民生活センター]平成19年度に中期目標及び中期計画を設定する。

(3) 消費生活センターと関係機関等との連携のあり方の検討

 消費生活センターで処理が困難な案件が円滑に解決されるよう、総合法律支援構想の具体化を踏まえつつ、消費生活センターと日本司法支援センターとの緊密な連携・協力関係のあり方を検討する。また、消費者に対して有効なサービスを提供するため、国、地方公共団体、民間ADR機関等の関係機関・団体によるネットワークのあり方について検討する。
 [内閣府、法務省、関係省庁、国民生活センター、日本司法支援センター]
 平成18年度までに一定の結論を得る。

(4) 「eConsumer.gov日本語サイト」の整備

 国際的な消費者トラブル事例を収集する「eConsumer.gov日本語サイト」を整備し、関係国の執行機関との間で情報を共有する。あわせて、「消費者保護及び執行のための国際ネットワーク」(ICPEN)15等を通じて、法執行機関の国際的な連携を図る。
 [内閣府、関係省庁]平成17年度に整備し、平成18年度より運用を開始する。

(9) 緊要な消費者トラブルへの対応

 架空請求・不当請求、偽造キャッシュカードによる預金の引き出し、フィッシング、外国為替証拠金取引等に関する消費者トラブルが社会問題となっている。これらの問題を含め緊要な消費者トラブルに対して、消費者への広報・啓発等機動的・集中的に施策を講じていく必要がある。

(1) ITの進展に伴う社会問題への連携体制の強化

 ITの進展に伴う社会問題に対して迅速かつ的確に対応するため、IT安心会議(インターネット上における違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議)において、国内外の情報を収集・共有化するとともに、対応策を広く国民に周知する。
 [内閣官房、関係省庁]平成17年度に実施する。

(2) 架空請求・不当請求の排除
ア.預金口座の不正売買の防止

・「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に基づいて、口座売買の取締りを強力に推進する。
 [警察庁]平成17年度に実施する。
・預金口座の不正利用に係る消費者からの情報等を金融機関等に提供する。
 [金融庁]平成17年度に実施する。

イ.携帯電話の犯罪利用の防止

 携帯電話事業者におけるプリペイド式携帯電話の契約者に対する本人確認の徹底措置を注視する。
 [総務省]平成17年度に実施する。

ウ.架空請求等に関する対策のフォローアップ
 架空請求等に関する対策について関係省庁等担当課長会議においてフォローアップを行うとともに、必要に応じて、消費者政策会議関係委員会議を開催する。
 [内閣府、関係省庁、国民生活センター]平成17年度に実施する。
(3) 偽造キャッシュカードによる被害の防止・救済

 金融機関の犯罪防止策や犯罪発生後の対応措置への取組み状況をフォローアップするとともに、犯罪防止策、犯罪発生後の対応のあり方、預金者への補償のあり方について、金融機関に対し要請を行う等、必要な措置を講ずる。
[金融庁、警察庁]平成17年度に実施する。

(4) フィッシングの防止

 フィッシングについて、効果的な対応策を検討するとともに、国民への注意喚起の仕組みを構築する。また、フィッシングに係る取締りの一層の強化を図る。
[警察庁、総務省、経済産業省]平成17年度に実施する。

(5) 外国為替証拠金取引の適正化

 勧誘ルールや監督体制の整備が措置された金融先物取引法を厳正に運用する。
[金融庁]平成17年度に実施する。

4.計画の実効性確保

(1) 消費者基本計画推進体制の充実・強化

 消費者政策会議を中心に政府一体となって本計画を強力に推進する。この推進に当たっては、内閣府を中心に関係省庁間の緊密な連携を図るとともに、各省庁において消費者政策の推進機能を充実・強化する。また、各省庁において広く関係者の協力を得るため、消費者政策の対外窓口部署を明確にする。

(2) 消費者基本計画の検証・評価・監視

 消費者政策会議は、毎年、計画の進捗状況につき、検証、評価、監視を行い、その結果を公表するとともに、当該結果に基づき、計画の必要な見直しを行う。
 また、消費者政策会議が、検証、評価、監視を行うに当たっては、国民生活審議会の意見を聴く。

(3) 消費者、事業者への広報・啓発

 消費者基本計画の内容や進捗状況等について、広く消費者、事業者に向けて情報を発信する。

(4) 地方公共団体、事業者団体及び消費者団体との連携

 消費者基本計画の進捗状況について意見交換を行うなどにより、地方公共団体、事業者団体及び消費者団体との連携を深める。

(5) 新たな消費者問題への機動的な対応

 新たな消費者問題の発生に際しては、消費者政策会議、消費者政策会議関係委員会議等を機動的に開催するなど、迅速に有効な施策を検討・実施する。
具体的施策 (略)


 事業者が危険な製品の回収等を図る制度

 例えば食品の分野においては、食品を通じてハザード(危害要因)を摂取することによって健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合において、その発生を防止する又は抑制する全過程をいう。
 リスクの評価のみにとどまらず、それに基づいたリスク低減のための管理に至るすべての過程をいい、リスク評価、リスク管理及びリスクコミュニケーションの3つの要素から構成されている。

 カード会社等の企業からのメールを装い、メールの受信者に偽のホームページにアクセスするよう仕向け、そのページにおいて個人情報(クレジットカード番号、ID、パスワード等)を入力させるなどして個人情報を不正に入手するような行為

 顧客が、約定元本の5~10%程度の証拠金(保証金)を業者に預託し、差金決済による外国為替の売買を行う取引

 平成15年度の苦情相談件数は約150万件で、10年前の7倍近くに達している。

 情報を集約化し、一覧できると同時に、検索などができるよう整備がなされたホームページ。

 アレルギーの原因となる物質

 生産者・販売業者が食品の生産情報を正確に記録・保管し、事実どおり公表していることを第三者機関が認定する規格制度であり、牛肉及び豚肉については既に制定済み。

 取引を希望していない消費者に対する勧誘(例:消費者への電話やメールなどによる一方的な勧誘)

10 高齢者や若者など消費者の特性(知識、経験及び財産の状況等)に応じた勧誘を行わなければならないという原則

11 消費者教育の履修者、実施場所等に応じた教育方法の習得等のためのプログラム

12 製品等が環境に与える影響に関する情報をラベルの形で表示したもの。

13 Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals の略。平成15年7月、国連より導入が勧告された。化学製品の危険有害性に関して各国の分類基準及びラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一したルールとして提供するもの。

14 総合法律支援法に基づき設立され、平成18年度から業務を開始する法人。関係機関・団体等と連携・協力しながら、国民に対して、法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資する情報や、弁護士及び隣接法律専門職者等の活動に関する情報等を提供する等の業務を行う。

15 OECD加盟国の消費者法執行機関を中心とし、国境を越えた不正取引行為を防止するための共同の取り組みを行うことを目的とした国際ネットワーク