消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

6 経済社会の変化に応じた対応

3.環境の保全への配慮

(1)環境に関する表示
エコマーク事業

 エコマーク事業は、環境にやさしい社会の実現に向けて、商品の選択という側面から環境にやさしい生活様式(エコロジカル・ライフスタイル)を提案しようとするものです。

(1) エコマーク事業の目的

 都市生活型公害や地球環境問題をはじめとする今日の環境問題を解決するためには、行政による規制のみならず、社会を構成するすべての人々が一体となって、環境への負荷を低減するための行動を積極的に行うことが求められています。
 エコマーク事業は、日常生活に伴う環境への負荷の低減などを通じて環境保全に役立つと認められる商品に「エコマーク」を付けることにより、商品の環境的側面に関する情報を広く社会に提供し、環境にやさしくありたいと願う消費者による商品の選択を促すことを目的としています。

(2) エコマーク事業の概要

 エコマーク事業は、(財)日本環境協会が1989年2月から環境省と連携を図りつつ実施しており、商品の製造者等の申請に基づき、以下の要件を満たす商品にエコマークを付けています。
 1)他の同様の商品と比較して、その商品の製造、使用、廃棄等による環境への負荷が相対的に少ないこと。
 2)その商品を利用することにより、他の原因から生ずる環境への負荷を低減することができるなど環境保全に寄与する効果が大きいこと。
 1996年3月、エコマーク事業実施要領が改正され、エコマーク認定基準の策定にあたって、資源採取から廃棄に至るまでのライフサイクル全体にわたる環境への負荷の考慮や透明性を高めた手続面の整備が行われました。
 2006年12月末現在で、100%古紙のトイレットペーパー、台所水切り用濾紙袋、再生PET樹脂を使用した衣料品など、47商品類型5,000商品がエコマーク商品に認定されています。
 こうした環境保全に役立つ商品を推奨し、環境にやさしい生活を目指す取組は、ドイツやカナダをはじめとする諸外国でも行われて、エコマークとの相互認証についても検討されており、コピー機については、北欧のルディックスワンと既に部分相互認証を開始しました。

エコマーク  OECD、ISOなど国際機関においてもこうした環境ラベリング制度について論議が行われており、今後国際的な取組がさらに進むものと思われます。

問い合わせ先
 ○(財)日本環境協会エコマーク事務局
   電話 03―5114―1255
   ホームページ http://www.ecomark.jp

グリーンマーク事業

 グリーンマークは、財団法人古紙再生促進センター(以下「古紙センター」)が所有する登録商標(下図参照)で、1981年5月に制定されました。以来、古紙センターは、広報宣伝活動の一環としてグリーンマークの普及を図っています。
 紙の原料のほとんどは、木材と古紙ですが、資源の有効利用、環境保全などの観点から、古紙の利用を拡大し、紙のリサイクルを進めることが循環型経済社会構築の観点からも重要な課題となっています。また、紙のリサイクルは、古紙を分別回収に出すだけではなく、古紙利用製品を普及させることで初めて成り立ちます。そのためには、紙の再生利用の必要性を広く認識するとともに、古紙の回収や利用の促進を図るため、古紙利用製品を選ぶための指標が必要であると考えられます。そこで、古紙センターは、上記の趣旨に賛同し、また協賛する製造業者や販売業者などの古紙利用製品に対し、グリーンマークの表示を認めています。
 グリーンマークを古紙利用の識別表示として使用するための基準は、古紙を製品の原料に原則として40%以上(ただし、トイレットペーパー、ちり紙については100%、新聞用紙、コピー用紙については50%以上)利用していることです。これらの基準は、品種ごとに古紙利用製品の実情に合わせてあまり無理のないところで設定されています。つまり、過度に古紙利用を促すのではなく、可能な範囲で少しでも古紙を利用してもらうことで古紙利用の底上げを図ることを目的としています。
 制度の発足当時は、今と違って古紙利用製品に対する印象が必ずしもよいものではなかったことから、製品に古紙を利用していることをマークを通じて公表することに協力がなかなか得られませんでした。しかし、リサイクルが社会の注目を浴び、古紙利用を謳った様々な製品が市場に出回るようになると、それに伴ってグリーンマークの表示件数も一挙に増加するようになりました。現在、グリーンマークは、紙や雑誌、新聞、トイレットペーパー、ちり紙、段ボール箱、学習帳、図書教材などの紙製品のほか、断熱材などに使用されるセルローズファイバーや緩衝材などに使用されるパルプモウルドなど紙以外の製品にも広く表示されています。(2006年12月末時点・協賛会員169(うち団体会員5))

グリーンマーク

 紙のリサイクルが省資源、省エネルギー、地球環境の保護などに役立つことをご理解いただくとともに、紙のリサイクルを進めるため、これらの製品を積極的に使うように心掛けて下さい。

問い合わせ先
 ○(財)古紙再生促進センター
   電話 03―3537―6822

省エネルギーラベリング事業
(1)省エネルギーラベリング制度

 省エネルギーラベリング制度は、省エネルギー性能に関する機器間の相対比較が可能となるもので、省エネルギー性能のより高い家電製品及びガス・石油機器等の普及に資するものです。本制度は、2000年8月にJIS規格として制定されました。

 省エネルギーラベルは、1)製品の省エネ性能に関する情報の所在を示すシンボルマーク(省エネ性マーク)、2)機器間の省エネ性能の比較が可能となる省エネルギー基準(注)の達成率等により構成され、分かり易く省エネ性能の識別・比較が可能となるものです。本制度の対象となる機器は、エアコンディショナー、ジャー炊飯器、電子レンジ、蛍光灯器具、テレビジョン受信機、DVDレコーダー、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、ストーブ、ガス調理機器、ガス温水機器、石油温水機器、電気便座、電子計算機、磁気ディスク装置及び変圧器の16種類の製品で、カタログを中心に表示されます。

省エネルギーラベル

 なお、省エネルギー基準を達成した省エネルギー性能の優れた製品(省エネ基準達成率100%以上の製品)には、緑色のマーク(例2)が表示され、未達成の製品には橙色のマーク(例1)が表示されます。従って、緑色のマークが省エネ性能の優れた製品を選ぶときのひとつの目安となります。

省エネルギーラベル 2種類

(注)省エネルギー基準
  「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に定められた目標年度までに製造事業者等が達成すべき省エネルギー性能の目標基準値。

(2)統一省エネラベル

 2006年10月から、エアコン、電気冷蔵庫、テレビについては、市場における製品の省エネ性能の高い順に5つ星から1つ星の5段階の星で表す統一省エネラベルを導入しました。エネルギー消費効率等をより身近なものとするため、一年間の目安電気料金に換算した表示もしています。

統一省エネラベル

(2)省エネ普及推進優良店制度

 2003年度から、省エネルギー型製品の積極的な販売や省エネルギーに関する適切な情報提供を行っている販売事業者の取組を評価し、優秀な店舗を「省エネ型製品普及推進優良店」として決定する制度を実施していますので、家電製品を購入する際の参考にしていただきたいと思います。

省エネ型製品普及推進優良店のマーク

問い合わせ先
 ○経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部
  省エネルギー対策課
  電話 03―3501―1511(代)

国際エネルギースタープログラム事業

 OA機器の待機時における消費電力を低減し、効率的なエネルギー使用を可能とする製品の開発・普及促進を目的として、1995年10月から日米両国の間で実施されている省エネルギーマーク表示制度事業が「国際エネルギースタープログラム」です。

 本プロクラムでは、「必要なエネルギーを必要な時に効率よく使う」という省エネルギーの観点から、スイッチを入れた状態で長時間稼働することの多いOA機器の、待機時における消費電力の抑制を主眼としています。対象製品は、コンピュータ、ディスプレイ、プリンタ、ファクシミリ、複写機、スキャナ及び複合機(マルチファンクション機)です。2005年4月末現在、日本でのOA機器全種目の登録累計は、約15,000モデルです。

エネルギースターのマーク

問い合わせ先
 ○(財)省エネルギーセンター国際エネルギースタープログラム
   プロジェクト室
   電話 03―5543―3011(代)
 ○経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部
   省エネルギー対策課
   電話 03―3501―1511(代)

建築物総合環境性能評価システム

 建築物総合環境性能評価システム(CASBEE:Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency)は、住宅・建築物の居住性(室内環境)の向上と地球環境への負荷の低減等を、総合的な環境性能として一体的に評価を行い、評価結果を分かり易い指標として示すシステムです。2001年から進められた産学官共同プロジェクトにより開発されたもので、環境に配慮した設計を自己評価する際や、建築物の環境性能を比較する際に活用することができます。

(1) CASBEEの目的

 近年、地球温暖化問題や廃棄物問題が深刻化する中で、我が国のエネルギー消費において約3割を占め、建設廃棄物の排出量において約3割を占める建築分野は、環境問題に対応する上で、非常に大きな役割を担っています。このため、建築物の環境性能を向上させ、持続可能なものへと誘導していく必要があります。CASBEEは、(1)建築物の環境性能の向上を図ろうとしている建築主等に対して、その取り組みを評価する手段を提供し、かつ検証可能な共通の評価項目や目標値を提供するとともに、(2)評価結果の公表を通じて、建築主や設計者が環境性能に優れた建築物を整備するインセンティブを高めること等により、持続可能な社会の構築に向け、市場を通じて環境性能に優れた建築の整備を推進することを目的としています。

(2) CASBEEの概要

 CASBEEは、「建築物の環境品質・性能※1」を「建築物の環境負荷※2」で除した数値(環境性能効率:Building Environmental Efficiency)を評価指標としています。この結果、より小さな環境負荷で、より大きな環境品質・性能を実現させる建築物ほど評価が高くなります。

CASBEEのイメージ

※1 建築物の環境品質・性能
   音、温熱、光といった建築物の室内環境や、耐震性や耐用年数といった建築物のサービス性能などの総合評価。項目ごとに5段階で評点をつけ、重要度に応じて重み付けを行って、数値化したものです。

※2 建築物の環境負荷
   エネルギーや資源消費など地球環境に与える負荷や騒音、排水など建物が敷地外に与える影響などの総合評価。項目ごとに5段階で評点をつけ、重要度に応じて重み付けを行って、数値化したものです。

(3) CASBEEの充実

 CASBEEは、ライフサイクルを通じた評価が環境性能に優れた建築ストックの形成に必要不可欠であるとの観点から、ライフサイクルを通じての評価が可能となるように、新築、既存建築物、改修のそれぞれの評価ツールが既に開発されています。
 また、ヒートアイランド対策やまちづくりの評価ツールが開発されたほか、戸建住宅の評価ツールも開発中です。

(4) CASBEEの活用

 第三者による評価結果の認証や地方公共団体におけるCASBEEを活用した環境計画書の届出の義務付けが始まるなどCASBEEを活用するための環境が整いつつあります。

1)建築物総合環境性能評価(CASBEE)認証制度

 CASBEEによる評価結果を第三者に提供する場合には、その信頼性と透明性の確保が重要となります。このため、2004年7月に、(財)建築環境・省エネルギー機構による評価結果の認証制度が開始され、愛知万博日本政府館など16件が認証されています(2007年1月末時点)。

2)CASBEE評価員登録制度

 CASBEEを活用するにあたっては、建築に関する総合的な専門知識と技術を必要とすることから、2004年7月に、(財)建築環境・省エネルギー機構により評価を実施する評価員を養成するための講習及び登録制度が開始され、1,341名が登録されています(2007年1月末時点)。

3)地方公共団体の取組

 地方公共団体の建築行政においてもCASBEEを活用する動きが広がっており、3都道府県(京都府、大阪府、兵庫県)、6政令市(名古屋市、大阪市、横浜市、京都市、神戸市、川崎市)において、一定規模以上の建築物についてCASBEEを活用した環境計画書の届出制度が導入されています。

 また、CASBEEによる評価結果を、容積率の緩和や補助などの優遇措置の要件にする、評価結果をマンション広告に表示することを義務づけるなど、より積極的な取組も始まっています。

問い合わせ先
 ○国土交通省住宅局住宅生産課
  電話 03―5253―8111(代)
 ○(財)建築環境・省エネルギー機構
  電話 03―3222―6681(代)
  ホームページ http://www.ibec.or.jp

グリーン購入ネットワーク

 環境への負荷の少ない商品・サービスの購入・調達(グリーン購入・グリーン調達)の取組をより一層促進するとともに、大口消費者であり社会的責任も有する地方自治体や企業が率先して取り組み、さらに一般消費者にも広げるような動きを作るために、企業・行政・消費者団体等による緩やかなネットワーク組織「グリーン購入ネットワーク」が1996年2月に設立されました。2007年1月現在、会員は2,879団体(企業2,295・行政300・民間団体284)となっています。

(1) 活動状況

 理事会(45名)を運営主体とし、ガイドライン・データベースの作成、普及・広報活動の企画等にそれぞれ取り組んでいます。1996年11月に決定されたグリーン購入基本原則は、製品ライフサイクルの考慮等、グリーン購入を推進するための基本的な考え方を示していますが、グリーン購入の定義、購入の際の必要性の考慮及び事業者の取組等を明文化して、2001年6月に改定されました。また、「紙類」、「OA・情報機器」、「文具、事務用品」、「照明」、「自動車」、「家電製品」、「オフィス家具」、「制服、事務服、作業服」等についての購入ガイドラインを策定し、購入ガイドラインに基づいた「グリーン購入のためのGPNデータベース」を運営しています。これらの情報は、インターネットのホームページで閲覧することができます。

(2) グリーン購入基本原則(前文抜粋)

 現在の大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会システムとそこから産み出される製品やサービス(以下、製品)は、私たちに物質的に豊かで便利な生活をもたらしましたが、同時に、地球温暖化、オゾン層の破壊、砂漠化、生態系の破壊、資源の枯渇、大気・水・土壌の汚染、増大する廃棄物など深刻な環境問題をもたらしました。私たちは、使い捨て型の社会や製品のあり方を根本から見直し、持続可能な循環型社会を構築していかなければなりません。
 そこで、私たち購入者は必要性を十分に考えた購入を心掛け、環境に与える負荷ができるだけ小さい製品の優先的購入を進める必要があります。
 本ネットワークは、グリーン購入が環境配慮型製品の市場形成に重要な役割を果たし、市場を通じて環境配慮型製品の開発を促進し、ひいては持続可能な社会の構築に資する極めて有効な手段であるという認識のもとに、わが国におけるグリーン購入の取組を促進することを目的としています。
 私たち本ネットワークの会員は、購入者としての責任と影響力を認識し、事業活動や生活の中で積極的にグリーン購入に取り組みます。
 この基本原則は、グリーン購入を自主的かつ積極的に進めようとするさまざまな個人や組織の役に立つよう、グリーン購入の基本的な考え方をまとめたものです。

問い合わせ先
 ○グリーン購入ネットワーク事務局
  電話 03―3406―5155
  ホームページ http://www.gpn.jp/

(2)廃棄物、リサイクルガイドライン

 廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者の自主的な取組を促進することを目的として、事業者が廃棄物処理・3Rの推進のために取り組むべき事項を整理したものです。1990年に初めて策定され、累次の改定を経る中で対象品目・業種の拡大を図るほか、取組内容の充実を図ってきています。

 廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、35の品目、18の業種別に策定されており、また以下の性格を有しています。

・ リサイクル関連法対象でない業種についての自主的な取組の集大成
・ リサイクル関連法対象である業種についての実施指針

(1) 品目別ガイドライン(35品目)

 紙、ガラスびん、スチール缶、アルミ缶等、プラスチック、自動車、オートバイ、タイヤ、自転車、家電製品、スプリングマットレス、オフィス家具、カーペット、布団、乾電池及びボタン電池、小形二次電池等、自動車用鉛蓄電池及び二輪車用鉛蓄電池、カセットボンベ、エアゾール缶、小形ガスボンベ、消火器、ぱちんこ遊技機等、パーソナルコンピュータ及びその周辺機器、複写機、ガス・石油機器、繊維製品、潤滑油、電線、建設資材、浴槽及び浴室ユニット、システムキッチン、携帯電話・PHS、蛍光管等、自動販売機、レンズ付きフィルム

(2) 業種別ガイドライン(18業種)

 鉄鋼業、紙・パルプ製造業、化学工業、板ガラス製造業、繊維工業、非鉄金属製造業、電気事業、自動車製造業、自動車部品製造業、電子・電気機器製造業、石油精製業、流通業、リース業、セメント製造業、ゴム製品製造業、石炭鉱業、ガス業、工場生産住宅製造業

 2006年10月17日の産業構造審議会では、個別品目・業種毎のそれまで1年間の3R対策の進捗状況と今後行う予定の事項について点検を行いました。また、以下のものについて目標値の改定及び新設を行っています。
<目標値の改定>
・ 紙・パルプ製造業における古紙利用率
60%(2010年度) → 62%(2010年度)
・ ガラスびんのカレット利用率
90%(2010年度) → 91%(2010年度)
・ プラスチック【発泡スチロール製の魚箱及び家電製品梱包材等】のリサイクル率
40%(2005年度) → 75%(2010年度)
・ プラスチック【農業用プラスチック】のリサイクル率
60%(2005年度) → 70%(2006年度)
・ 建設資材【繊維版・バーティクルボード】廃棄物の減量化
20%低減(1998年基準で2005年度までに)
→10%低減(2004年基準で2010年度までに)
・ 建設解体廃木材の利用率  60%(1998年基準で2005年度までに)
→62%(2004年基準で2010年度までに)

<新たな目標値>
・ 容器包装(紙製、プラスチック製)・PETボトル・ガラスびん・缶(スチール、アルミ)について、軽量化等の目標値を新たに設定。
・ ぱちんこ遊技機等
2007年度に、回胴式遊技機のマテリアルリサイクル率75%
・ 紙・パルプ製造業における古紙利用率の改定
60%(2010年度) → 62%(2010年度)
・ ガラスびんのカレット利用率
90%(2010年度) → 91%(2010年度)
・ プラスチック【発泡スチロール製の魚箱及び家電製品梱包材等】のリサイクル率
40%(2005年度) → 75%(2010年度)
・ プラスチック【農業用プラスチック】のリサイクル率
60%(2005年度) → 70%(2006年度)

問い合わせ先
 ○経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課
  電話 03―3501―1511(代)

(3)環境報告書

 環境報告書とは、その名称並びに公表媒体に関わらず、事業者が環境コミュニケーションを促進し、事業活動における環境配慮の取り組み状況に関する説明責任を果たすとともに、利害関係者の意志決定に有用な情報を提供するためのものです。近年、環境報告書を作成する事業者が増加しつつあり、日本では2005年度に933の事業者が環境報告書を公表しています。
 環境報告書は、事業活動における環境配慮の方針、目標、取り組み内容・実績及びそのための組織体制・システム等、自らの事業活動に伴う環境負荷の状況及び事業活動における環境配慮の取り組み状況を、環境報告書の一般的報告原則に則り総合的・体系的に取りまとめ、これを広く社会に対して定期的に公表・報告するものをいいます。
 近年の環境に配慮した事業活動の進展に伴い、事業者が自らの事業活動における環境配慮の取り組み状況について積極的に情報開示し、社会からの評価を受けていくための、環境コミュニケーション及び社会的説明責任の重要性が認識されつつあります。また、消費者等が環境に配慮した行動等について意志決定を行う際には、事業者の環境配慮の取り組み状況に関する有用な情報が必要不可欠です。消費者はこのような情報を求めており、そのニーズに応じて事業者が必要な環境情報の提供、報告を行うことが重要です。そして、政府では、このような重要な役割を果たす環境報告書の普及促進を図ることとしており、「循環型社会形成推進基本計画(2003年3月閣議決定)」では、取り組み目標の一つとして、上場企業の約50%及び従業員の500人以上の非上場企業の約30%が環境報告書を公表することを掲げています。
 このような流れを背景として、環境省では「環境報告書ガイドライン」、「環境会計ガイドライン」、「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン」等の各種ガイドラインを策定し、様々な形で環境報告書の普及促進を図ってきました。また、2005年4月1日に、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮促進法)」が施行され、環境報告書の普及促進と信頼性向上のための制度的枠組みの整備や一定の公的法人(特定事業者)に対する環境報告書の作成・公表の義務付け等が規定されています。このほか、海外においても、グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)より、「サステナビリティ・リポーティング・ガイドラン」が公表されるなど、国内外の取り組みが進展しています。

問い合わせ先
 ○環境省総合環境政策局環境経済課
  電話 03―3581―3351(代)

(4)消費者啓発及び教育の充実と関係主体間のネットワーク化
地球温暖化防止「国民運動」の推進

 2005年4月28日に閣議決定された京都議定書目標達成計画では、地球温暖化対策の基本的考え方として、国、地方公共団体、事業者、そして国民一人一人が協力して、地球温暖化対策に取り組まなければならないとされています。
 これを受けて、政府では、地球温暖化防止のために国民運動を推進する集中キャンペーンを実施しています。温暖化防止に関係する各団体によるイベント・キャンペーン等と効果的に連動し、経済界を始めとする各界と連携しながら、各種メディアを効果的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに、6つの具体的な温暖化防止行動の実践を促しています。

■6つの具体的な温暖化防止行動の呼びかけ

冷房は28度に、暖房は20度にしよう(温度調節で減らそう)
蛇口はこまめにしめよう(水道の使い方で減らそう)
エコドライブをしよう(自動車の使い方で減らそう)
買い換える時はエコ製品を選んで買おう(商品の選び方で減らそう)
マイバッグやふろしきを利用しよう(買い物とゴミで減らそう)
コンセントからこまめに抜こう(電気の使い方で減らそう)

(1) 「チーム・マイナス6%」について

 「チーム・マイナス6%」とは、地球温暖化防止のための「国民運動」の愛称です。京都議定書による我が国の温室効果ガス削減約束である“マイナス6%”の達成に向けて、個々人や各企業・団体が、みんなで一つの“チーム”のように力を合わせ、チームワークの意識を持ち、一丸となって地球温暖化防止に立ち向かうことをコンセプトとしたものです。

(2) 統一ロゴマークについて

 地球温暖化対策推進本部において、地球温暖化防止のための国民運動の推進に関し、行政、事業者、国民が一丸となって取り組むシンボルとして、統一ロゴマークが決定されました。
 各府省の他、チーム員としての登録をいただいた地方公共団体、経済界、労働団体、NPO等各団体が、地球温暖化についての情報提供や普及啓発を行う場合に、ポスター、パンフレット、社内報、CM、名刺、ホームページ等様々な媒体にこのマークを使用しています。また、呼びかけ文は、地球温暖化対策の推進を呼びかける言葉であれば、個別の活動に応じて変化させることが可能です。「地球」の図柄は「地球規模での取組」「すべての人々の参加」を表しています。「緑の線」の図柄は、「幅広い主体の連携」を表しています。

チーム・マイナス6%

(3) 「チーム・マイナス6%」への参加方法

 「チーム・マイナス6%」のチームメンバーの登録窓口、情報交換の場として、専用ホームページを開設しています。
 http://www.team-6.jp
 個人の参加希望者は、「チーム・マイナス6%」のURL(www.team-6.jp)にアクセスし、画面に沿って申し込みを行うことで、簡単に登録することができます。
 団体・企業として参加を希望の場合は、所定の手続きを経て参加登録をいただくことで、ロゴマークを使用することができます。これは自主的な啓発活動や削減行動を行う際に活用できます。

問い合わせ先
 ○環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室
  電話 03―3581―3351(代)
  ホームページ http://www.env.go.jp/earth/
 ○「チーム・マイナス6%」運営事務局
  電話 03―3573―4026

循環型社会に向けた3Rの普及啓発

 私たちの社会は経済の成長に伴い物質的には非常に豊かになり、社会にはモノがあふれています。こうした大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システムにおいては大量の資源を消費し、製品を使用した後には大量の廃棄物が発生します。このような社会経済システムを環境と経済を統合した持続可能なものへと見直し、廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用・処分により、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会を形成することが急務となっています。

 2000年に成立した循環型社会形成推進基本法では、廃棄物・リサイクル対策の優先順位を明確に示しています。具体的には第一に廃棄物の発生を抑制し、第二に廃棄物を再使用し、第三に再生利用し、第四に熱回収を行い、最後にどうしても循環的利用のできない廃棄物を適正処分することとしています。循環型社会の形成のためには、こうした廃棄物等の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)といういわゆる3Rを推進することが重要です。

循環型社会の姿(3Rの推進)

 日本には昔から、限られた資源を無駄にせず、効率的に活用する「もったいない」という考え方があります。この考え方を改めて根付かせ、3Rの活動を通じた循環型社会の形成に向けた取組を行うことが必要になっています。
 3Rの取組を広く一般に広めるために、関係省庁では3Rに関するイベントやポスターコンクール、ホームページの開設、パンフレットの作成などの様々な普及啓発活動を行い、3Rへの国民の参加を呼びかけています。

参考 3R推進のための国民参加を求めるイベント等

3R推進のための国民参加を求めるイベント等

 

問い合わせ先
 ○環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
  電話 03―3581―3351(代)
 ○経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課
  電話 03―3501―1511(代)

家庭生活における環境保全の取組支援

 我が家の環境大臣事業では、家庭を中心に身近な生活に着目した環境保全の取組に対する情報提供を行っています。
 本事業では、ウェブサイトを通じて環境に優しい活動をすることを宣言する家庭を「エコファミリー」として、その家庭の代表者を「我が家の環境大臣」として募集・登録しています。ウェブサイト上では、エコライフに関するコラムやエコライフアイデアのほか、毎月の電気・ガス・水道等の使用量を記録し、二酸化炭素排出量等をグラフで表示する機能を提供しています。この機能により、自分の家庭から排出される二酸化炭素量の状況を知り、環境に配慮した生活を送ることを目的としています。
 また、企業や地域の仲間等、団体での参加も募集・登録しており、登録すると、団体メンバーの各家庭での記録を自動集計する機能により、団体全体の二酸化炭素排出量が表示されます。今後さらに団体に対する支援内容等の充実を図り、環境に配慮した生活を推進していくこととしています。
(エコファミリーウェブサイト:http://www.env.go.jp/policy/wagaya/

問い合わせ先
 ○(財)日本環境協会
   我が家の環境大臣事業事務局
   電話 03―5114―1251
   ホームページ http://www.eco-family.jp/

環境カウンセラーの人材情報提供

 環境カウンセラーの中には、消費行動と環境の関わりについて助言、指導できる方が多く登録されていますが、それらの人材情報を広く帝京します。
 環境カウンセラーは、市民活動や事業活動の中で環境保全に関する専門知識や豊富な経験を有し、その知見や経験に基づき市民やNGO、事業者などの環境保全活動に対する助言など(=環境カウンセリング)を行う人材として、環境省の行う審査を経て登録された方々です。事業者を対象とした環境カウンセリングを行う「事業者部門」と市民や市民団体を対象とした環境カウンセリングを行う「市民部門」に区別されています。また、多くの環境カウンセラーが、環境カウンセリングを行うだけでなく、自ら積極的に環境保全活動を行ったり、市民、事業者、行政の間のパートナーシップ作りを行うなど、様々な活動を行っています。2006年4月現在、3,856名が登録されています。
 各環境カウンセラーは、環境問題の様々な分野についての専門的な知見・経験を有しており、消費行動と環境の関わりについて助言、指導できる方も多くいます。ホームページで専門分野ごとの環境カウンセラーを検索できる機能(http://www.env.go.jp/policy/counsel/index.html)があり、2006年4月現在、506名の方が、消費者教育を専門として登録されています。また、全国の各地域に環境カウンセラーにより組織されている協会等があり、環境カウンセラーの紹介も行っています(http://www.env.go.jp/policy/counsel/03-1.html)。

問い合わせ先
 ○環境省総合環境政策局環境教育推進室
  電話 03―3581―3351(代)
  ホームページ http://www.env.go.jp/policy/counsel/index.html

地方環境パートナーシップオフィス

 環境省では、環境パートナーシップ推進の拠点として1996年から東京・青山で国連大学と共同で地球環境パートナーシッププラザを運営していますが、これに加えて、地域の拠点と国の拠点とを結ぶ中間的位置づけをもつ広域型拠点として、地方環境事務所のブロックごとに「地方環境パートナーシップオフィス」(以下「地方EPO」という。)の開設を進めています。
 2004年度に近畿、中国及び中部地域に、2005年度に北海道、東北に、2006年度には新たに四国、九州に開設される予定です。地方EPOでは、国設置の利点を生かして国や国際的な動向を地域に伝えると同時に、地域の情報が地域を越えて流通する結束点としての役割を果たすことが期待されています。地方EPOにおいて、環境教育の現場、NPO/NGO、企業等のパートナーシップ形成を支援することにより、環境に配慮した活動の促進を図っていきます。

問い合わせ先
 ○環境省総合環境政策局民間活動支援室
  電話 03―3581-3351(代)
  ホームページ(地球環境パートナーシッププラザ)
  http://www.geic.or.jp/geic/

グリーン・プロダクト・チェーンの実現に向けて

 産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会製品3Rシステム高度化ワーキング・グループでは、製品のライフサイクル全体で天然資源消費量、廃棄物発生量及び環境負荷を最小化していくため、製造事業者における「グリーン・マニュファクチャリング」を促進し、それを消費者(グリーン・コンシューマー)や市場(グリーン・マーケット)が評価する形で経済システムに環境配慮対応を組み込むこと、すなわち「グリーン・プロダクト・チェーン」を実現するための措置を検討しています。「グリーン・プロダクト・チェーン」の実現のためには、市場で製品を購入する消費者の果たすべき役割は極めて大きいと言えます。

 循環型経済社会の構築に向けて、我が国では、各種のリサイクル法制やガイドラインの整備により、3R推進の取り組みを進めています。しかし、3Rを徹底するためには、下流段階の回収・リサイクルだけでなく、設計・製造といった上流段階においても、使用済となった後のリユース性・リサイクル性を考慮した対応が重要であり、これに対応するための法的枠組みとして、資源有効利用促進法に基づく環境配慮設計措置(リデュース配慮設計、リユース・リサイクル配慮設計)が規定されています。
 このような枠組み等を背景に、例えば家電製品の分野では、年間1,000万台を超える使用済製品が回収・リサイクルされるとともに、企業毎の製品開発の段階では世界的に見ても先端の環境配慮設計への取り組みが行われています。
 しかしながら、こうした製造事業者の環境配慮設計の取り組みについては、消費者を始めとする関係者がその取り組みを評価し、事業者の取り組みを一層促進していく好循環を作っていくことが重要です。消費者が果たすべき役割としては、1)環境配慮製品を選択的に購入すること、2)購入した製品の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を心がけること、3)使用済となった段階では使用者として適切な排出を行うこと、が考えられますが、製造事業者のみならず消費者、その他NPO、地方自治体や国といった関係主体がそれぞれ役割を異にしつつも、「グリーン・プロダクト・チェーン」の実現に向かって共働して取り組んで行くことが重要です。

問い合わせ先
 ○経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課
  電話 03―3501―1511(代)

(5)消費者に身近な化学製品に関する危険有害性情報の提供と理解の促進

 化学製品は、私たちの生活を豊かにし、また生活の質の維持向上に欠かせないものとなっている一方で、使い方によっては人の健康や動植物、生態系に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 このため、消費者が身近な化学製品に対する正しい理解をもって適正に利用できるよう、化学製品やそこに含まれている化学物質の種類、量、性質のほか、それらがどのように人の健康や動植物、生態系に悪影響を及ぼすおそれがあるのかといった情報を分かりやすく正確に提供することが重要です。あわせて、消費者の身近な化学製品に関する危険有害性情報の理解を促進するための取組を進めることも必要です。

(1) 身近な化学製品に含まれている化学物質に関する情報の提供

 環境省では、身近な化学製品に含まれている化学物質について、その用途、環境中での挙動、人や動植物、生態系への影響等の情報を分かりやすく整理し、簡潔にまとめた「化学物質ファクトシート」を、毎年度50物質程度ずつ作成し、公表しています。環境省ホームページ上では、家庭用殺虫剤、防虫・消臭剤、家庭用洗浄剤等の身近な用途ごとに検索して、該当する化学物質のファクトシートを入手することができます。
 (http://www.env.go.jp/chemi/communication/factsheet.html
 また、小中学生を対象に、自らの健康や動植物、生態系に悪影響を与えない化学製品の使い方、棄て方等について考える機会をもってもらうための冊子「かんたん化学物質ガイド」をはじめ、化学物質と環境に関する学習関連資料や子供たちも楽しく遊びながら学習できるパソコンゲーム等をホームページ上で紹介しています。
 (http://www.env.go.jp/chemi/communication/

(2) 有害化学物質の排出と移動に関する届出(PRTR)制度に係る取組

 PRTR制度は、事業者が環境中に排出したり事業所外に移動させる化学物質の量を個別の事業所ごとに届け出させ、国がそれら届出データ等を集計して公表するとともに、個別事業所ごとの届出データについては請求に応じて開示することにより、事業者等の自主的な化学物質の管理を促す制度です。この制度が充分に活かされるためには市民がPRTRによって得られたデータへの関心を高め、データを活用することが大きな力となります。
 環境省では、制度自体への理解を深め、最新データを読み解き、さらに消費者が実践できる取組の事例などを分かりやすく紹介するため、PRTRデータを読み解くための市民ガイドブックを毎年作成しています。
 (http://www.env.go.jp/prtr/archive/guidebook.html

(3) 情報提供を推進する人材の育成・派遣

 環境省では、消費者に身近な化学物質のリスク情報等について消費者に分かりやすく説明したり、消費者と事業者等との間でのリスクコミュニケーションの場に中立的な立場で同席し、客観的かつ正確な知識を提供する人材「化学物質アドバイザー」を育成、登録し、求めに応じて派遣する事業を行っています。
 (http://www.env.go.jp/chemi/communication/taiwa/index.html

問い合わせ先
 ○環境省環境保健部環境安全課
  電話 03―3581―3351(代)