消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

6 経済社会の変化に応じた対応

2.国際的な連携の確保

(1)輸入食品の安全性の確保

 輸入食品の安全性確保については、食品の輸入及び違反状況等を踏まえて毎年度策定する輸入食品監視指導計画に基づき、重点的、効率的かつ効果的な監視指導を実施しています。具体的には、これまでの違反(検出)事例や海外での情報に基づき、違反の可能性が高いものは、特定の品目ごとに100%検査を実施(検査命令)し、その他のものについてはスクリーニング的に抽出検査(モニタリング検査)を実施しております。モニタリング検査の計画件数については、統計学的に一定の信頼度で違反を検出することが可能な検査数をもとに、食品群ごとに違反率、輸入量を勘案して設定しており、2007年度は約7万9千件の実施を計画しています。
 また、2007年度には、これまでの施策を更に進めるとともに、残留農薬やBSEの問題など、輸出国における生産段階での衛生対策の確認が必要な場合には、輸出国へ専門家を派遣し、当該輸出国の衛生対策の確認を行うこととしています。
 なお、全国31海空港の検疫所に、輸入食品等の監視・指導や検査を行う食品衛生監視員を314名(2006年4月現在)配置するとともに、残留農薬等の高度な分析を行う輸入食品・検疫検査センターへの機器等の増設を行っているほか、検疫所が行う試験検査の一部を登録検査機関への委託を実施しており、輸入時検査体制の充実及び強化を図っているところです。

問い合わせ先
 ○厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課検疫所業務管理室
  電話 03―5253―1111(代)

(2)コーデックス委員会

 コーデックス委員会(Codex Alimentarius Commission)は、1962年に、消費者の健康の保護、食品の公正な取引の確保等を目的として、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により設置された国際的な政府間組織です。国際食品規格(コーデックス規格)の作成等を行っており、我が国は1966年に加盟しました。
 事務局はFAO本部(ローマ)にあり、2007年1月現在、174カ国1機関(欧州共同体)が加盟しています。組織は、食品の規格等の最終的な決定を行う総会のほか、その総会に対して各種勧告等を行う執行委員会や、個別の課題について検討を行う下部機関(一般問題部会、個別食品部会、特別部会、地域調整部会)から構成されています。
 コーデックス委員会は、科学的根拠に基づいた規格の策定を行うこととしており、世界各国の食品関係分野の専門家が参加し、食品中の化学物質等の安全性評価を行う国際的な専門家会合とも連携しながら、食品中の重金属、カビ毒等の汚染物質、残留農薬、食品添加物の基準値、遺伝子組換え食品の安全性評価に関するガイドラインや個別食品の規格等、数多くの規格の検討が行われています。
 コーデックス規格は、我が国における食品中の汚染物質等に関する基準や行動規範の策定など、食品のリスク管理に大きな影響を及ぼすものであることから、我が国では、厚生労働省や農林水産省をはじめとする関係行政機関や研究機関などが連携しながらコーデックス委員会の活動に参画するとともに、「バイオテクノロジー応用食品特別部会」の議長国を務めるなどして、その運営にも貢献しています。また、コーデックス委員会の活動についてコーデックス連絡協議会(厚生労働省及び農林水産省共催)を開催し、消費者をはじめとした関係者との意見交換等を行っています。さらに、農林水産省のホームページを通してコーデックスに関する情報提供を行なっています。

問い合わせ先
 ○文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室
  電話 03―5253―4111(代)
 ○厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課国際食品室
  電話 03―5253―1111(代)
 ○農林水産省消費・安全局国際基準課
  電話 03―3502―8111(代)
  ホームページ http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/codex/

(3)OECD/CCP(消費者政策委員会)

 OECD消費者政策委員会(CCP:Committee on Consumer Policy)は、消費者政策に関する加盟国間の情報及び経験の交換、討議並びに協力の推進を目的として、1969年にOECDに設置され、本会合は通常年2回開催されています(日本は副議長)。活動は、Consumers International(国際消費者機構)、Business and Industry Advisory Committee(経済産業諮問委員会)等にも密に相談し、進められています。

○現在の活動の概要

ア 消費者紛争解決・救済について、2005年に、各国の制度概要をまとめた報告書をとりまとめ、外部関係者や非加盟国も参加するワークショップを開催しました。
イ 2005年に、有識者を含めた「消費者政策のための経済学」円卓会議を初開催しました。消費者は従来の経済学が想定するような合理的な行動は必ずしもしないという発想に立つ行動経済学の視点も取り入れて消費者政策を分析する考え方が紹介され、今後の議論を深めていくことへの関心が呈されました。
ウ 消費者政策体制に関する調査の一環として、2005年に詐欺行為に関する情報キャンペーンに関する報告書、2006年に法執行体制の効果に関する報告書をとりまとめました。
エ 新技術及び新興事業に関する作業として、スパム(迷惑メール)対策に関し、情報通信コンピューター政策委員会(ICCP)と共同で2006年に、推奨される政策や手段をまとめたスパム対策ツールキット報告書をとりまとめ、スパム対策に関するOECD勧告が採択されました。モバイルコマース(携帯電話関係の取引)については、2007年1月に各国の調査報告書が取りまとめられました。
 なお、国民生活モニター調査の一環として2006年に実施した、「携帯電話及び携帯電話を利用した取引に関する消費者の意識調査」の結果については、国民生活局ホームページの「国民生活モニター」の欄(http://www.caa.go.jp/seikatsu/monitor/mobile060705.pdf)に掲載中です。

(1) 近年の実績

 我が国関係法律(特定商取引に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法及び特定電子メールの送信の適正化に関する法律等)や民間によるガイドライン整備の際に参考にされている次の2つのガイドライン等が作成されています。
1)電子商取引に係る消費者保護ガイドラインが、1999年にOECD勧告として採択されました。消費者がオンライン上の買い物を行う場合において、地元店舗やカタログ注文で購入する場合と同じように保護されることを目的としています。2003年には、各国における当該ガイドラインの実施状況に関する報告書が取りまとめられました。
2)国境を越えた詐欺的及び欺瞞的行為から消費者を保護するためのガイドラインが、2003年にOECD勧告として採択されました。国境を越えた商取引による消費者被害に関し、消費者保護法制の執行機関による円滑な取締りと被害救済を目的としています。現在、各国間における協力等の取組もなされており、我が国では、関係省庁からなる国際消費者トラブル対策ネットワークを設置しました((7)参照)。2006年には、各国における当該ガイドラインの実施状況に関する報告書が取りまとめられました。
3)2000年に、オンラインADRに関するワークショップを共催し、2002年にADRに関する法規制に関する報告書と電子商取引紛争を解決するためのADRに関するQ&A集を取りまとめ、また、支払カード保持者の保護に関する報告書を取りまとめました。後2者については、eConsumer.gov((4)参照)の消費者向け情報提供部分に取り込まれています。

※ 上の斜体字で記述された事項の原文資料は、OECDのウェブサイト(http://www.oecd.org/department/0,2688,en_2649_34267_1_1_1_1_1,00.html)からダウンロード可能です。)

(4)ICPEN(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク)

 ICPENは、1992年にロンドンで開催されたOECD/CCPアドホック会合により設立された、関係国における消費者行政の法執行当局をメンバーとする非公式会合です。国境を越えた不正な取引行為を防止するための取組を促進することを目的としています。なお、2003年4月に、IMSN:International Marketing Supervision NetworkからICPEN:International Consumer Protection and Enforcement Networkへと名称変更が行われました。

 ICPENにおいては、国境を越えたオンライン関連取引に関し、消費者に役立つ情報提供及び参加国の執行機関が一般消費者から苦情情報の収集を行うeConsumer.govプロジェクト、世界一斉にウェブの監視を行うインターネット・スウィープ、詐欺防止月間キャンペーン等の共同プロジェクトに取り組んでいます。

(5)日中韓消費者政策協議会
(1) 経緯及び概要

 2001年以来、国民生活センターと韓国消費者保護院により2回開催されていた「日韓消費者フォーラム」を発展的に解消し、2004年9月に、日中韓の消費者政策当局等による第1回協議会が韓国主催で開催されました。
 そして、2006年9月に、第2回協議会が中国主催で開催され、第1回後の3国における活動の進展、協力のあり方等についての議論を経て、3当局間の消費者保護分野における協力関係の覚書案について基本合意し、2006年11月に署名を完了しました。

(2) 第2回協議会の参加組織(下線が、覚書を署名した当局)

日本 内閣府国民生活局、国民生活センター
中国 国家工商行政管理総局消費者権益保護局(第2回主催)、中国消費者協会
韓国 経済財政省経済政策局(第1回主催)、韓国消費者保護院

(3) 覚書で確認した合意事項のポイント

・ 3当局間で、消費者政策協議会を、持ち回りで2年毎に定期主催。
・ 3当局間で、新しい消費者政策、所管法令、消費者苦情及び紛争における顕著な問題と傾向変化等について情報交換を行う。
・ 3当局間で、越境消費者紛争処理、消費者政策に関する重要かつ顕著な問題についての意見交換等を行う。
・ 各当局は、情報交換のため、窓口担当を設定して相互に通知。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095

(6)EU(欧州連合)における消費者行政

 EU(欧州連合)では、消費者政策関連の指令の策定等、消費者政策の積極的な取組がなされています。

 EUでは、これまで、消費者政策の分野で、積極的な取組がなされてきました。特に、欧州単一市場形成の流れのなかで、消費者が単一市場に参加し、そこから利益を得ることができるよう、消費者支援を強化するための様々な施策が講じられてきました。これまでに、消費者政策関連のEC指令として、「製造物責任に関する指令」(1985年、1999年改正)、「不公正な取引行為に関する指令」(2005年)等が策定されているほか、現在、訪問販売、遠隔地販売等の各種消費者保護関係の指令について見直し作業が進められています。

 また、欧州委員会は、中期的な消費者政策の方向性を示す「消費者戦略」を従来から策定してきていますが、2007年には新たな「消費者政策戦略(2007-2013)」を採択すべく作業を進めています。また、消費者政策の予算の枠組み等を定める「消費者保護プログラム2007-13」が2006年12月に理事会及び欧州議会により決定されています。

 消費者教育の分野では、生徒向けの教材(「欧州消費者日記」)を発行しているほか、2006年6月には大人向けのホームページ「Dolceta」(www.dolceta.eu)が開設されています。

 なお、日本政府と欧州委員会の協力の下、日本とEUの消費者団体が消費者団体の役割等に関して意見交換を行う日・EU消費者団体対話が3回開催(1999年9月、2003年3月、2005年3月)されました。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095
 ○外務省経済局経済統合体課
  電話 03―3580―3311(代)

(7)国際消費者トラブル対策ネットワーク

 我が国でも、近年の国境を越えた消費者トラブルの発生や、2003年のOECD理事会勧告「国境を越えた詐欺的及び欺瞞的商行為から消費者を保護するためのガイドライン」に則り対策に取り組むため、2004年の消費者行政担当課長会議において、国境を越えた消費者トラブルの対応策を取りまとめ、関係省庁からなる「国際消費者トラブル対策ネットワーク」を設置することが申し合わせられました。

 同ネットワークのメンバーとしては、内閣府、公正取引委員会、警察庁、総務省、法務省、外務省、経済産業省の担当官に加え、必要に応じ、国民生活センターやADR機関等関係組織の参加を求めています。

 同ネットワークの運営は、必要に応じ、随時、情報交換等を行う他、会議を開催し、国境を越えた消費者トラブルの制度的課題や具体的事案への対応について協議を行うこととしています。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095

(8)CI(国際消費者機構)

 CI(Consumer International)は、1960年にアメリカ消費者同盟、イギリス消費者協会、オランダ消費者協会、ベルギー消費者協会、オーストラリア消費者協会の5団体を理事として創設された非営利、非政府系の消費者団体の国際連絡組織です。創設時の名称は、IOCU(International Organization of Consumers Unions)でしたが、1995年1月に現在のCIに変更されました。イギリスのロンドンに本部、ガーナのアクラ、マレーシアのクアラルンプール、チリのサンチアゴに地域事務局が置かれています。
 加盟団体数は、113カ国から約230団体(2007年1月現在)で、我が国では全国消費者団体連絡会が正会員として加盟し、日本消費者連盟、消費者法ニュース発行会議、標準により消費者の利益を増進するコア・グループ(通称:NCOS(エヌコス))が提携会員となっています。
 創設当初は、主として商品テストを行う団体が加盟し、共同テストの企画や情報交換を行ってきました。しかし、その後、非営利で消費者利益のために活動する団体をすべて会員として受け入れるようになり、また国連との連携を強めることを通して、第三世界や中・東欧での消費者保護へと活動が拡大していきました。
 現在では、あらゆる消費者問題の国際的フォーラムとして機能しており、またECOSOC(国連経済社会理事会)、WTO(世界貿易機構)等において、消費者の利益を代表する活動を積極的に行っています。
 加盟団体が一堂に会する世界大会も開催されており、前回は2003年10月に第17回大会がポルトガルのリスボンにて、「消費者保護の今後:世界経済における消費者代表活動、規制及び消費者権利の強化」をテーマに開催(113カ国から約500名が出席)されました。第17回大会では、会長の改選が行われ、6年に渡って会長職を務めたルイーズ・シルバン氏(オーストラリア消費者協会)に代わり、ブラジル消費者保護協会のマリレーナラザリーニ氏が新会長として選出されました。次回は2007年10月末から11月初旬にかけて、オーストラリアのシドニーで開催予定となっています。
 CIのホームページ(http://www.consumersinternational.org/)では、最新の活動状況のほか、会員団体のホームページへのリンク、年報・各種調査をはじめとする出版物等の情報を提供しています。

問い合わせ先
 ○国民生活センター企画調整課
  電話 03―3443―6284(直通)

(9)ISO(国際標準化機構)/COPOLCO(消費者政策委員会)

 商品の購入に際し、品質の内容は外観だけでは分からないのが通常であり、消費者が安心して品質の良い商品を入手できるように、品質の内容を具体的に規定し標準化する作業が進められてきました。このような標準化の整備を国内だけではなく、国際的に推進しようとする活動も活発になされています。
 ISO(国際標準化機構)は、約150カ国の標準化機関が参加している組織であり、国際的な物とサービスの貿易を促進し、知的、科学的、技術的及び経済的活動の分野での協力を発展させる観点から、世界での標準化及び関連活動の発展を促進する活動を行っています。ISO対象範囲は、IEC(国際電気標準会議)が担当する電気・電子技術分野の標準化を除くすべての分野の標準化です。
 WTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)の発行に伴い、各国の国内規格はISOが制定している国際規格との整合性の確保が求められており、その重要性が益々高まっています。
 COPOLCO(消費者政策委員会)は、ISO理事会の下に設置された消費者政策に関する委員会であり、98カ国が参加し、消費者ニーズを標準化に反映させる方法や消費者の国内及び国際標準化活動への参加を促進させる方法の検討等を行っています。例えば、我が国の提案で検討が始められたISO/IEC政策宣言「標準化作業における高齢者・障害者ニーズの配慮」の作成を行ったほか、CSR(企業の社会的責任)、サービスの標準化、苦情処理、裁判外紛争処理(ADR)、中古品のガイドなどのグローバル市場における消費者の保護等の国際規格化推進の勧告をISO又はIECに対し行ってきています。この中で苦情処理については、日本において既に作成されていた「苦情対応マネジメントシステムの指針」をもとに議論が進められ、ISO10001(行動規範)が2007年発行予定、ISO10002(苦情対応マネジメント)が2004年7月発行、ISO10003(裁判外紛争処理:ADR)が2007年発行予定です。また、ISO/IECガイド71「高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針」のように各国の規格作成に大きな影響を与える指針として取り入れられているものもあります。
 また、アジア環太平洋地域の標準化における消費者関与について広く情報や意見を交換するために2002年に設置したAP-COPOLCO(アジア太平洋消費者政策委員会)は、2006年にANCO(The Asian Network on Consumers’ Participation in Standardization)として活動することとし、2007年2月には日本でのワークショップを開催しています。

問い合わせ先
 ○経済産業省産業技術環境局環境生活標準化推進室
  電話 03―3501―1511(代)