消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

6 経済社会の変化に応じた対応

1.高度情報通信社会の進展への対応

(1)IT安心会議

 インターネットの普及に伴う違法・有害情報の入手の容易化等が、犯罪や財産権侵害、人権侵害等のITに関連する新たな社会問題の発生を助長していると見られます。
 内閣官房では、国内外のインターネット上の違法・有害情報やITに関連する様々な社会問題の実態把握や対処方法、国民への周知等について、関係省庁の緊密な連絡・連携を図るため、「IT安心会議」(正式名称:インターネット上における違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議)を設けております。
 当会議においては、これら違法・有害情報等に関する情報とその対策を収集し、随時、本ホームページ上で周知しています。
 また、2005年6月30日には、集団自殺志願者サイトなどの対策として、1)フィルタリングソフトの普及等、2)プロバイダ等による自主規制の支援等、3)モラル教育の充実、4)相談窓口の充実等を柱とする「インターネット上における違法・有害情報対策について」をとりまとめました。(http://www.it-anshin.go.jp/index.html
 さらに、2005年9月には、インターネット上における違法・有害情報についての相談マニュアルを作成し、「IT安心会議」のホームページ(http://www.it-anshin.go.jp/QandA.html)において公表しておりますので、インターネット上で違法・有害情報を見つけたり、違法・有害情報によって被害を受けた場合には、参考していただきたいと思います。

問い合わせ先
 ○内閣官房情報通信技術(IT)担当室
  電話 03―5253―2111(代)

(2)電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律

 経済社会の情報化の進展に伴い、電子契約をめぐって1)インターネット市場における取引ルールの明確化、2)国際的な市場を形成するインターネット取引における国際的整合性のとれたルールの形成、3)ネット上の消費者トラブルへの有効な救済措置の整備等を図ることが必要になっています。そこで、消費者が行う電子消費者契約の要素に特定の錯誤があった場合や隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合に関し、民法の特例を定める法律が、2001年6月成立しました。

(1) 電子消費者契約における錯誤無効制度の特例

~消費者の契約無効の主張に対する事業者の重過失反証の制限~
 事業者と消費者間の電子商取引においては、消費者が操作ミスにより行った意図しない契約の申込みが生じやすくなっています。

●典型的なトラブル事例

 事業者により契約申込み前に申込み内容の確認機会が提供されなかった等の場合に、消費者が意図しない申込みを行うケース(例:キャンセルボタンを押すつもりが誤って申込みボタンを押した。1個買うつもりが12個と入力してしまった。)
 この場合、民法95条(錯誤)の規定により、消費者は「著しい不注意(重過失)」がない場合には、事業者に対して契約の無効を主張できます。しかし、操作ミスについては、消費者に重過失があったと事業者から反証されてしまい、結局、契約が無効とならない場合が多くなっています。そこで、電子消費者契約に関しては、事業者が操作ミスを防止するための措置を講じていない場合等には、たとえ消費者に重過失があったとしても、操作ミスにより行った意図しない契約を無効とすることができるよう措置しました(民法95条の特例措置)。

(2) 電子契約の成立時期の明確化(発信主義から到達主義への転換)

 隔地者間の契約の成立時期は、郵便という時間のかかる手段を前提としているため、迅速な契約の成立を図る観点から、契約を承諾する者が承諾の通知を発した時点とされています(発信主義;民法第526条第1項)。しかし、インターネット等の電子的な方法を用いて承諾の通知を発する場合には、瞬時に意思表示が到達するため、その契約成立時期を、承諾の通知が到達した時点へと変更しています(到達主義への転換)。
 これにより、承諾通知が到達しない限り、契約は不成立なので、承諾通知の不着のリスクは事業者が負うことになります。

問い合わせ先
 ○経済産業省商務情報政策局情報経済課
  電話 03―3501―1511

(3)電子商取引に関する準則

 「電子商取引等に関する準則」は、電子商取引に対する現行法適用の包括的な解釈指針です。電子商取引をめぐる様々な論点について、消費者団体、事業者団体や、内閣府・法務省・公正取引委員会・文化庁など関係府省からのオブザーバーの方々のご助言を頂きながら、産業構造審議会情報経済分科会ルール整備小委員会(委員長:中山信弘東京大学教授)において取りまとめた提言を踏まえ、経済産業省が現行法の解釈についての一つの考え方を提示するものです。準則自体は法令等とは異なり、強制力を持つものではなく、個別具体例に対する現行法適用の最終判断はあくまで裁判所が行うこととなります。

(1) 経緯

○2002年3月「電子商取引等に関する準則」を策定・公表
○2002年7月「電子商取引等に関する準則」を改訂・公表
○2003年6月「電子商取引等に関する準則」を改訂・公表
○2004年6月「電子商取引等に関する準則」を改訂・公表
○2006年2月「電子商取引等に関する準則」を改訂・公表
○2007年3月「電子商取引等に関する準則」を改訂・公表

(2) 背景・目的

 インターネットの登場は、電子商取引をはじめとした新たな経済行為を産み出していますが、民法を始めとする現行法の大半はこうした新たな技術を前提とせずに制定されておりますので、電子商取引について、現行法がどのように適用されるのか、その解釈が明確であるとは必ずしも言えない状況にあります。この準則は、電子商取引等に関する様々な法的問題点について、論点別に具体例を挙げつつ、民法をはじめとする関係する法律がどのように適用されるのか、分かりやすくその解釈を示し、紛争の未然防止、早期解決に資することを目的とするものです。電子商取引をめぐる取引の実務、それに関する技術の動向、国際的なルールメイクの状況に応じて、柔軟に改正されるべき性格のものと考えております。

(3) 概要

 「電子商取引等に関する準則」は「オンライン取引」と「情報財取引」とから構成されています。「オンライン取引」のパートでは、契約手法に関する問題や、新たな取引の発展に伴う問題、消費者保護に関する問題を盛り込んでおり、「情報財取引」のパートでは、ライセンス契約の問題や知的財産の問題を盛り込んでおります。具体的には、以下の論点等を取り上げています。

電子商取引等に関する準則

※詳細は、本文(下記ホームページからダウンロードできます)を参照して下さい。

問い合わせ先
 ○経済産業省商務情報政策局情報経済課
  電話 03―3501―1511(代)
  http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/index.html#01

(4)迷惑メール対策

 電子メールの普及に伴い、我が国においては2001年頃からいわゆる「迷惑メール」が急増しています。2002年には法規制が強化され、また、携帯電話事業者等も迷惑メールのフィルタリング機能等を導入するなどの対策を講じてきた成果もあり、最近では消費者が携帯電話で受信する迷惑メールの数は一時期より減少している(14通/週(2001年)→5通/週(2004年)経済産業省調査)ものの、パソコンで受信する迷惑メールの数は依然として増加しています(13通/週(2001年)→67通/週(2004年)経済産業省調査)。
 迷惑メールは、電子メールの開封・廃棄に時間が浪費されること、携帯電話であれば受信料がかかること、携帯電話で深夜・早朝に電子メールを受信すると生活の平穏を乱されることなどの点、架空請求・不当請求の手段としても用いられる点が問題です。

 迷惑メール対策については、総務省、経済産業省が協力して対策を行っています。
 迷惑メールを通信の適正化の観点から規制する「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(総務省)では、相手方の承諾なく一方的に広告メールを送る場合には、広告メールの表題部の先頭に「未承諾広告※」を表示することなどが課されておりますが、総務省では、「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」(2004年10月~)における議論を踏まえ、送信者情報を偽って送信する行為に対する刑事罰の導入等を内容とする同法の改正法案を国会に提出し、2005年5月に成立、2005年11月に施行したところです。同研究会では、このほか、電気通信事業者による自主規制、技術的解決策、利用者啓発、国際協調といった総合的・多面的な観点から迷惑メール対策の在り方が検討されました。なお、総務省では2007年1月現在、違法な迷惑メール送信事業者に対し、4件の措置命令を行っています。
 また、迷惑メールではアダルトサイトや出会い系サイトの紹介等が「特定商取引に関する法律」(経済産業省)の規定する通信販売にあたるため、同法にも同様の表示義務が課されています。経済産業省は、「通信販売の新たな課題に関する研究会」(2004年12月~)における議論を踏まえ、総務省と協力した官民連携プロジェクト「迷惑メール追放支援プロジェクト」を実施、自ら収集した迷惑メールについて、特定商取引法の表示義務違反であることを認定し、インターネット接続サービス事業者(ISP)等に当該メールの情報を通知することで、ISP等が利用停止等を措置することを促進しております。さらに、違法な迷惑メール送信事業者に対し、2005年6月及び2006年3月に業務停止命令処分を行いました。
 迷惑メール対策においては、利用者側から対策を講ずることができますので、以下をご参考にしてください。

(1) 迷惑メールを受信しないために

1)フィルタリング機能を利用しましょう
2)長くて複雑なメールアドレスを利用しましょう
3)掲示板等にむやみにメールアドレスを書き込まないようにしましょう
※詳しくは、ご利用の携帯電話会社やインターネット接続サービス事業者(ISP)に御相談下さい。

(2) 迷惑メールを受信した場合の対処方法

1)不審な電子メールを開封するときは十分注意しましょう
2)不審なURLにはアクセスしないようにしましょう
3)自らの個人情報の取り扱いに注意しましょう
4)架空請求・不当請求には応じないようにしましょう
5)しつこく請求される場合は、警察に相談しましょう
6)裁判所から文書が届いたら消費生活センターに相談しましょう

問い合わせ先
 ○経済産業省商務情報政策局消費経済政策課
  電話 03―3501―1511(代)
 ○総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課
  電話 03―5253―5111(代)

(5)インターネット通販

 近年、情報技術の進展、インターネットの普及等にともない、インターネット通販市場は、急速に発展しています。その理由として、事業開始に当たって自社のホームページを立ち上げる程度で新規参入が可能であり、初期費用がほとんどかからない点があげられます。
 通信販売を開始するために特に許認可等を受ける必要はありませんが、扱う商品等(例:アルコール類)によっては、店舗販売と同様、各種許認可等が必要な場合がありますので御注意ください。
 特定商取引法は、インターネット通販を行う者に対して一定の規制を行っています。同法の規制対象となる行為は、以下のとおりです。
 (1)事業者が、(2)郵便等の方法により申込みを受けて行う、(3)指定商品等の販売で、(4)電話勧誘販売にあたらず、(5)適用除外にあたらないもの
 (1)の「事業者」については、要件を満たせば、個人であっても特定商取引法上の「事業者」に該当することとなるので、注意が必要です。また、(2)には、通常のインターネット通販やインターネット・オークション等、インターネット上で申込みを受けて行う取引も該当します。インターネット・オークションで特商法上の「事業者」に該当する場合については以下をご覧下さい。
 【参考】インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン
http://www.no-trouble.jp/search/rules/pdf/auctionguideline.pdf
 通信販売を行う事業者にかかる規制の内容は以下のとおりです。違反した事業者は、行政処分及び罰則の対象となります。

(1) 広告の表示

 通信販売は、隔地者間の取引なので、消費者にとって広告は唯一の情報です。そのため、広告の記載が不十分であったり、不明確だと後日トラブルを生ずることになりますので、広告に表示する事項を次のように定めています。

1)販売価格(役務の対価) (送料についても表示が必要)
2)代金(対価)の支払時期、方法
3)商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
4)商品の引渡し(権利の移転)後におけるその引取り(返還)についての特約に関する事項(その特約がない場合にはその旨)
5)事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
6)事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名
7)申込みの有効期限があるときは、その期限
8)販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときは、その内容およびその額
9)商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
10)いわゆるソフトウェアに係る取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
11)商品の販売数量の制限など、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
12)請求によりカタログなどを別途送付する場合、それが有料であるときは、その金額。
13)電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
14)相手方の承諾等なく電子メールによる商業広告を送る場合には、そのメールの件名欄の冒頭に「未承諾広告※」

(2) 誇大広告等の禁止

 誇大広告や著しく事実と相違する内容の広告による消費者トラブルを未然に防止するため、上記(1)の表示事項などについての「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」は禁止されています。

(3) 前払い式通信販売の承諾等の通知

 消費者が商品の引渡し(権利の移転、役務の提供)を受ける前に、代金(対価)の全部あるいは一部を支払う前払式通信販売の場合、事業者は、代金を受け取り、その後商品の引渡しに時間がかかるときは、その申込みの諾否などの次の事項を記載した書面を渡さなければなりません。

1)申込みの承諾の有無(承諾しないときは、受け取ったお金を直ぐに返す旨と、その方法を明らかにしなければならない。)
2)代金(対価)を受け取る前に申込みの承諾の有無を通知しているときは、その旨
3)事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
4)受領した金銭の額(それ以前にも金銭を受け取っているときは、その合計額)
5)当該金銭を受け取った年月日
6)申込みを受けた商品とその数量(権利、役務の種類)
7)承諾するときは、商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期) (期間または期限を明らかにすることにより行わなければならない。)

(4) 顧客の意に反して申込みをさせようとする行為の禁止

 例えばインターネット通販で、画面上に<プレゼント>や<サービス>の表示が現れ、そのまま進むと商品が届いたりサービスが提供されるのですが、後から料金を請求され、無償と思っていた消費者とトラブルになることがあります。
 このようなトラブルに対応するため、申込みに関し分かりにくい表示などを行っている事業者は、業務改善指示などの行政処分の対象となっています。

〈インターネット通販などにおいて禁止される行為の例〉
1)あるボタンをクリックすれば、それが有料の申込みとなることを、消費者が容易に認識できるように表示していないこと。
2)申込みをする際に、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、訂正できるように措置していないこと。
※特定商取引法以外にも、景品表示法(公正取引委員会所管)や健康増進法(厚生労働省所管)等の法律により、虚偽・誇大な広告等が禁止されております。

問い合わせ先
 ○経済産業省商務情報政策局消費経済政策課
  電話 03―3501―1511(代)
  (参考)http://www.meti.go.jp/policy/consumer/contents4.html

(6)フィッシングの防止
(1) フィッシングとは

 フィッシング(Phishing)とは、クレジットカード会社や銀行、オンラインショッピング事業者などを装った電子メールを不特定多数に送り、銀行口座番号、クレジットカード番号、暗証番号やパスワードといった個人情報を巧みに詐取する行為です。インターネット版の「振り込め詐欺」とも言われ、電子メールのリンクから偽サイトに誘導し、そこで個人情報を入力させる手口が一般的に使われています。

(2) 各省庁における取り組み

 警察では、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口において、フィッシングに関する情報提供を受け付けているほか、関係機関、関係団体等との連携を強化してフィッシングに関する情報提供及び注意喚起に努めています。また、2006年5月、警視庁において著作権法違反等による検挙を行うなど、取締りを行っています。
 総務省では、フィッシングは、メールやウェブサイトがその主要なツールとなっていることから、インターネット接続サービスを提供する電気通信事業者を中心とする「フィッシング対策推進連絡会」を2005年1月から定期的に開催し、フィッシングに関する情報の共有を図るとともに、その効果的な対策について検討を行っています。2005年8月には、それまでの検討状況と今後取り組むべき課題等を記した「フィッシングの現状及びISPによるフィッシング対策の方向性」を取りまとめ、公表しました。
 経済産業省では、電子商取引の発展や情報セキュリティの確保などの観点から、具体的な被害が拡大する前に一般消費者に的確な理解と行動を促すことが重要であるとの認識の下、2005年2月、官民の連携した取り組みを進めるための「フィッシング対策協議会」の設立について提言をまとめました。この提言を受け、同年4月に民間団体・業界を中心とした「フィッシング対策協議会」が設立され、国内外のフィッシングに関する情報収集・提供、最新動向・攻撃手法の分析を行うとともに、技術的対応等について検討しています。

問い合わせ先
 ○各都道府県警察の「フィッシング110番」
  ホームページ 
  http://www.npa.go.jp/cyber/policy/phishing/phishing110.htm
 ○フィッシング対策協議会
  ホームページ http://www.antiphishing.jp

(7)個人情報の保護に関する法律
(1) 個人情報保護の必要性・法の目的

 近年、IT化の進展に伴い、官民を通じてコンピュータやネットワークを利用して、大量の個人情報が処理されています。こうした個人情報の取扱いは、今後ますます拡大していくと予想されますが、個人情報は、その性質上いったん誤った取扱いをされると、個人に取り返しのつかない被害を及ぼすおそれがあります。
 このため、誰もが安心してIT社会の便益を享受するための制度的基盤として、2003年5月に「個人情報の保護に関する法律」(以下「法」という。)が成立し公布されました(2005年4月1日全面施行)。
 法は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的としており、官民を通じた基本法の部分と、民間の事業者に対する個人情報の適正な取扱いのルールの部分から構成されています(国の行政機関や独立行政法人等の保有する個人情報の保護については、それぞれ「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」、「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」が、各地方公共団体の保有する個人情報の保護については、それぞれの条例が適用されます。)。
 また、この法律は、民間の事業者の個人情報の取扱いに関して、共通する必要最小限のルールを定めたものであり、事業者が、各省庁等が策定するガイドラインに即して、事業等の分野の実情に応じ、自律的に取り組むことを重視しています。2006年9月30日現在、各省庁において22の事業等分野で35のガイドラインが策定されています【別表1】。

(2) 最近の取組

 2005年4月に法等が全面施行されたことにより、個人情報保護に関する国民の意識が高まるとともに、事業者の取組も進んできている一方、依然として事業者からの個人情報漏えい事案が発生しています。また、法律に対する誤解等に起因して、必要とされる個人情報の提供までもが行われなかったり、各種名簿の作成が中止されたりするなど、「過剰反応」と言われる状況も一部に見られます。
 こうした状況を踏まえ、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を適切に保護するため、2006年2月、個人情報保護関係省庁連絡会議において、個人情報保護の円滑な推進について申合せを行い、政府一体としての取組を強化しました。
 また、2006年6月には、2005年度における法の施行状況の概要を取りまとめ、公表しています。

(3) 個人情報取扱事業者の義務

1)義務規定の対象になる事業者の範囲

 法では、5,000を超える個人情報をコンピュータ等で検索できるように体系的に構成した「個人情報データベース等」について、事業活動に利用している事業者(個人情報取扱事業者)が義務規定の対象となっています。

2)個人情報取扱事業者の守るべき義務

ア 利用・取得に関する義務

○ 個人情報の利用目的をできる限り特定し、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならない。(15条、16条)
○ 偽りその他不正な手段によって個人情報を取得することは禁止。(17条)
○ 本人から直接書面で個人情報を取得する場合には、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならない。間接的に取得した場合は、すみやかに利用目的を通知又は公表する必要。(18条)

イ 適正・安全な管理に関する義務

○ 顧客情報の漏えいなどを防止するため、個人データを安全に管理し、従業者や委託先を監督しなければならない。(20条~22条)
○ 利用目的の達成に必要な範囲で、個人データを正確かつ最新の内容に保つ必要。(19条)

ウ 第三者提供に関する義務

○ 個人データをあらかじめ本人の同意を得ないで第三者に提供することは原則禁止。ただし、法令に基づく場合や人の生命、身体又は財産の保護に必要な場合等は、本人の同意がなくても提供が可能。(23条1項)
○ 本人の求めに応じて第三者提供を停止することとしており、一定の事項をあらかじめ通知等しているときは、本人の同意を得ずに第三者提供することが可能(オプトアウト)。(23条2項)

エ 開示等に応じる義務

○ 事業者が保有する個人データに関して、本人から求めがあった場合は、その開示、訂正、利用停止等を行わなければならない。(24条~27条)
○ 個人情報の取扱いに関して苦情が寄せられたときは、適切かつ迅速に処理しなければならない。(31条)

3)義務の適用除外

 憲法上保障された自由に関わる以下の主体が以下の活動のために個人情報を取り扱う場合には、個人情報取扱事業者の義務は適用されません(50条)。
 (1)報道機関の報道活動、(2)著述を業として行う者の著述活動、(3)学術研究機関・団体の学術活動、(4)宗教団体の宗教活動、(5)政治団体の政治活動

(4) 苦情処理の仕組み等

 個人情報に関するトラブルや疑問については、個人情報取扱事業者自身の取組により解決することが基本となりますが、認定を受けた個人情報保護団体による苦情対応のほか、国民生活センターや地方公共団体による苦情相談等を受けられるようになっています。それぞれの連絡先については、内閣府ホームページにおいて公表しています(以下の問い合わせ先を参照)。
 また、個人情報取扱事業者が義務規定に違反し、不適切な個人情報の取扱いを行っている場合には、事業を所管する主務大臣が、必要に応じて、事業者に対し勧告、命令等の措置をとることができます。事業者が命令に従わなかった場合には罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象になります。

問い合わせ先
 1.制度の概要等について
   (1)個人情報保護法(民間事業者関係)
      内閣府 国民生活局企画課個人情報保護推進室
      電話 03―5253―2111(代表)
      ホームページ 
      http://www.caa.go.jp/seikatsu/kojin/index.html
      ※ 法律の概要・条文、パンフレット、国や地方公共団体の窓口一覧等を掲載
   (2)行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法
      総務省 行政管理局行政情報システム企画課個人情報保護室
      電話 03―5253―5111(代表)
   (3)地方公共団体における個人情報保護条例
      地方公共団体における個人情報保護担当課【別表3】
 2.個別の事案における個人情報の取扱いについて事業等分野ごとの所管省庁等
   ○国の個人情報保護窓口【別表2】
   ○地方公共団体における個人情報保護担当課【別表3】
 3.事業者による個人情報の取扱いに関する苦情相談について
   (1)独立行政法人国民生活センターの苦情相談窓口
       電話 03―5475―3711
       ホームページ
       http://www.kokusen.go.jp/hello/work.html#soudan
   (2)都道府県・市区町村の苦情相談窓口(内閣府ホームページに掲載)
       ホームページ
       http://www.caa.go.jp/seikatsu/kojin/kujyomadoguchi.html

個人情報保護に関するガイドライン等一覧
個人情報保護に関するガイドライン等一覧

国の個人情報保護窓口と 地方公共団体における個人情報保護担当課一覧
地方公共団体における個人情報保護担当課一覧
地方公共団体における個人情報保護担当課一覧

(8)情報セキュリティに関する知識の普及

 各都道府県警察では、情報セキュリティ・アドバイザーを設置し、電話、メール等により相談を受け付けているほか、消費者団体や教育関係者等と協力してサイバー犯罪防止に関する講演を実施しています。また、サイバー犯罪対策ホームページやインターネット安全・安心相談システムにおいて、サイバー犯罪にあわないよう、また、サイバー犯罪にあったときの対処方法等について、警察庁セキュリティポータルサイト(@police)においては、情報セキュリティに関する技術情報について情報提供を行っています。

問い合わせ先
 ○警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課
  警察庁情報通信局情報技術解析課
  電話 03―3581―0141
  サイバー犯罪対策ホームページ http://www.npa.go.jp/cyber/
  インターネット安全・安心相談 http://www.cybersafety.go.jp/
  警察庁セキュリティポータルサイト@police 
  http://www.cyberpolice.go.jp/
 ○各都道府県警察サイバー犯罪相談窓口
  ホームページ http://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm

(9)インターネット上の違法・有害情報対策

 常時接続型のブロードバンド・インターネットの普及を背景とするコンテンツ入手手段の多様化・拡大により、幅広い層の多くの利用者が、従来とは比較にならないほど手軽にさまざまなインターネット・コンテンツにアクセス、利用できるようになりました。この傾向は、ユビキタスネットワーク化の進展に伴い、今後益々強くなると考えられます。
 一方、手軽にアクセスできることにより、利用者が自分の意図に関わらず、違法・有害情報を含むインターネット・コンテンツやサービスに簡単に接続できてしまう現象が現出しており、違法・有害情報を含むインターネット・コンテンツやサービスに関係する可能性のある事件・犯罪が増加する傾向にあるのではないかと懸念されています。
 総務省では、ユビキタスネットワーク社会を迎えるにあたり、こうした状況に対処し、多くの利用者がインターネット・コンテンツやサービスを安心して手軽に利用できる環境を整備するため、以下の取組を推進しています。

(1) インターネット上の違法・有害情報に対するプロバイダ等の自主的対応

 2005年8月から総務省が開催した「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」の最終報告書が2006年8月に公表されたことを受け、電気通信事業者団体において、違法情報に対するプロバイダの対応指針となる「インターネット上の違法情報への対応に関するガイドライン」及び、インターネット上の違法な情報又は公序良俗に反する情報等の具体例及びこれらの情報を掲載した契約者に対する自主的措置の内容の例を記載した「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」を策定し、2006年11月27日に公表しました(詳細な内容については、http://www.telesa.or.jp/guideline/index.htmをご覧ください。)。
 これにより、インターネット上の違法・有害情報に対するプロバイダ等による自主的な対応が促進されることが期待されます。

(2) フィルタリングの普及促進

 インターネット上の有害な情報への対応については、受信者側で情報の取捨選択を行うフィルタリングを利用することが有効な対策です。フィルタリングとは、インターネットのページを一定の基準により「表示してよいもの」(子ども向けの健全なサイトなど)と、「表示禁止のもの」(出会い系サイトやアダルトサイトなど)等に分け、子どもに見せたくないページにアクセスできないようにする、とても有用な機能であり、総務省では、携帯電話事業者やプロバイダなどの業界と連携して、その普及に取り組んでいます。
 フィルタリングを実際に利用するには、パソコンの場合は、市販のフィルタリングソフトをパソコンにインストールする方法や、プロバイダが提供しているフィルタリングサービスに加入する方法などがあります。また、携帯電話の場合は、携帯電話各社がフィルタリングサービスを無料で提供しており、ご契約されている携帯電話会社に申込みを行えば、利用することができます。

(3) サイトの安全性を示すマークを活用した取組の推進

 総務省では、インターネット上における違法・有害な情報の増大に対処し、利用者がサイトの安全性を容易に判断できる環境を創出するため、一つの新たなアプローチとして、サイト開設者が自らのサイトの安全性を示すマークを活用した取組の推進を2004年度から実施しています。
 2004年度においては、この取組の仕組みの基本的な考え方とその運用イメージについて考察を行いました。2005年度には、2004年度に行った検討の結果を踏まえ、詳細な仕組みや運用の体制のあり方等について検討するとともに、運用システムの開発・実証等を実施し、その成果を広く普及することにより、これを活用した民間における自主的な取組を促進する予定です。

問い合わせ先
  (インターネット上の違法・有害情報に対するプロバイダ等の自主的対応)
  (フィルタリングの普及促進)
 ○総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課
  (サイトの安全性を示すマークを活用した取組の推進)
 ○総務省情報通信政策局情報通信政策課コンテンツ流通促進室
  電話 03―5253―5111(代)

(10)電気通信消費者支援連絡会

 情報通信分野においては、急速な技術革新や規制緩和の進展等によりインターネット関連サービスをはじめとする高度で多様な電気通信サービスが急速に普及しており、国民生活に大きな利便をもたらすものとなっています。その一方で、消費者が電気通信サービスの不適正利用の被害に遭うケースやサービス内容の複雑化等に起因するトラブルに巻き込まれるケースも多くなっています。
 このような状況の中で、消費者が安心して電気通信サービスを利用できるようにすることにより、消費者の利益を確保するとともに、電気通信事業に対する信頼を確保することが求められています。
 こうしたことから、総務省では、電気通信事業における適切な苦情・相談体制の在り方、消費者への情報提供の在り方、その他の消費者支援の在り方について、継続的に意見交換を行うため、消費者団体の代表者、学識経験者及び電気通信事業者団体等で構成される「電気通信消費者支援連絡会」を2003年1月から開催しています。

問い合わせ先
 ○総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課
  電話 03―5253―5111 (代)