消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

2 選択の機会の確保

4.公正かつ自由な競争の促進等

(1)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)

 独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進することを通じて、一般消費者の利益を確保することを目的としています。公正かつ自由な競争を促進することによって、消費者の選択の幅を広げ、消費生活を豊かにするとの見地から、独占禁止法の的確な運用が図られています。
 独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限(カルテル)及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、公正かつ自由な競争を促進することを通じて、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の健全な発達を促進することを目的として、1947年に制定されました。
 公正かつ自由な競争を促進することは、直接的には、価格引上げのための事業者間カルテルや消費者を欺まんするような取引等を防止することにより、また、根本的には、価格メカニズムの活用によって良質で安価な商品やサービスの供給の確保に役立つことになります。
 特に近年は、国民生活を一層充実し、我が国経済を国際的により開かれたものとするとの観点から、構造改革の流れに即した法運用、競争環境の積極的な創造、ルールある競争社会の推進及び競争政策の国際的対応の強化に重点を置いて、競争政策の適切な運営に努めています。
 公正取引委員会では、一般消費者からの申告等に基づいて独占禁止法違反事件の審査を行い、独占禁止法違反行為を排除するため、排除措置命令等の措置を採っています。2004年度は35件の法的措置を、2005年度は19件の法的措置をそれぞれ行っています。また、1990年度以降、2006年度末までに、11件の刑事告発を行っています。
 なお、2005年4月20日に、課徴金制度の見直し、課徴金減免制度の導入、犯則調査権限の導入、審判手続等の見直し等を内容とする独占禁止法改正法が成立しており、2006年1月4日から施行されています。

問い合わせ先
 ○公正取引委員会事務総局官房総務課
  電話 03―3581―5471(代)

(2)著作物再販適用除外制度

 再販売価格維持行為は、原則として、独占禁止法違反となるものですが、独占禁止法第23条に基づき、一定の著作物については、例外的に独占禁止法で認められています。このような制度が著作物の再販適用除外制度(著作物再販制度)と呼ばれており、公正取引委員会は、2001年3月に当面同制度を存置することが相当である旨の結論を得るとともに、関係業界に対し、同制度の弾力運用等の推進を要請しています。
 再販売価格維持行為とは、ある商品のメーカー等がその商品の取引先である卸売業者や小売業者に対して、転売する価格(再販売価格)を示して、これを守らせる行為をいい、原則として、不公正な取引方法(一般指定)第12項(再販売価格の拘束)に該当し、独占禁止法第19条違反に問われるものですが、同法第23条第4項に基づき、著作物(書籍・雑誌、新聞及びレコード盤・音楽用テープ・音楽用CDの6品目)については例外的に再販売価格を拘束することが認められています。なお、この再販売価格の拘束は、事業者間による再販売価格維持契約の締結によって行われるものであり、必ずしも独占禁止法で義務付けられているわけではありません。(なお、消費生活協同組合法に基づいて設立された団体である生協等、独占禁止法第23条第5項に掲げる法律の規定に基づいて設立された団体とは、再販売価格維持契約を締結することはできません。)
 こうした中、公正取引委員会では、著作物再販制度を廃止した場合の影響等について、関係業界と対話を行うとともに、国民各層から意見を求めるなどして検討を進めてきましたが、2001年3月、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべきであると考える。しかしながら、同制度が廃止されると、文化・公共面での影響が生じるおそれがあるとし、同制度の廃止に反対する意見も多く、なお同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない状況にある。したがって、当面同制度を存置することが相当である。」との結論を得ました。
 また、同制度を当面存続するとともに、公正取引委員会は、同制度の下で可能な限り運用の弾力化等の取組が進められ、消費者利益の向上が図られるよう、関係業界に対し、非再販商品の発行・流通の拡大、各種割引制度の導入等による価格設定の多様化等の方策の実施を要請し、著作物の流通についての意見交換を行う場として、著作物再販協議会を設け、2006年度までに6回の会合を開催しています。

問い合わせ先
 ○公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課
  電話 03―3581―5471(代)

(3)公共料金分野の制度改革の推進について

 公共料金とは、その料金の決定に国会、政府や地方公共団体などの公的機関が直接関わっているものをいい、具体的には、電気代、固定電話通話料、水道料など日々の生活に不可欠なサービスの料金が挙げられます。
 公共料金は、家計支出の約2割を占め、その料金の動向が国民生活の安定に大きな影響を与えます。このため、政府は、公共料金の適正化の実現を目指し、以下の3点を基本的方向として公共料金の制度改革に取り組んでいます。

(1) 参入規制の緩和(競争条件の整備)

 以前は、公共料金の分野で新しくサービスの提供を始めること(新規参入)に対する規制があるために、ごくわずかな事業者が市場を独占または寡占していましたが、今ではこのような参入規制はなくなるか大きく軽減されるようになりました。このような状況では、市場において事業者どうしが競争すれば、事業が効率化され、料金の低廉化につながるものと期待されています。そのため、これまでの規制緩和の動きを活発な競争につなげるように、事業者どうしの競争の条件を整備することが必要となります。特に、既存事業者など特定の事業者や公的主体が独占している「ボトルネック施設」については、新規参入事業者が適正に利用できなければ、事業を行うことが困難であるため、その利用をどうやって担保するかが重要な課題となります。

(2) 料金設定方式の見直し

 事業者が料金を改定する時に届出だけでよければ、認可が必要な場合よりも負担が少なくてすみます。そこで、料金規制を今までの認可制から届出制に見直したり、料金の上限だけを認可してそれ以下であれば届出制にしたり、料金を引下げる時だけ届出制にすれば、事業者も料金の引下げを行いやすくなります。また、認可の際に類似の事業環境で独占的に事業を行っている複数の事業者間で相対評価を行う「ヤードスティック査定」が導入されているので、間接的な競争が進んで料金が抑えられるようになっていると考えられます。

(3) 情報公開の推進

 公共料金サービスは、誰もが使い暮らしに欠かせないものですから、料金の決まり方や料金が改定される時の理由、事業の経営が効率的に行われているかどうかなどが明らかにされていなければなりません。利用者がこのような情報をもとに、事業者を監視して不当な料金の設定が行われないようにチェックすることが、安い公共料金につながります。こうした考え方を踏まえ、情報公開ガイドラインの策定など利用者にわかりやすい情報が十分提供されるための努力が、事業者や所管官庁などで続けられています。
 また、このような公共料金の制度改革の3つの基本的方向を踏まえ、物価安定政策会議では、2006年6月に「公共料金分野における規制影響分析ガイドライン」を策定しました。このガイドラインに基づいた規制影響分析の取組を通じて、公共料金分野のより一層の制度改革を促し、公共料金の適正化に努めていくことにしています。

(注)ボトルネック施設………新規参入事業者にとって、利用者に対してサービスを提供するために既存事業者から借りなければならない必要不可欠な施設
  ヤードスティック査定…料金認可制のもとで事業者ごとのコスト削減などの効率化の度合いを共通のものさしで相対的に評価し、事業者に対する査定に格差をつける方法
  規制影響分析……………規制の導入や修正に際し、実施に当たって想定されるコストや便益といった影響を客観的に分析し、公表することにより、規制制定過程における客観性と透明性の向上を目指す手法

公共料金分野の制度改革

問い合わせ先
 ○内閣府政策統括官(経済財政運営担当)付参事官(物価担当)
  電話 03―5253―2111(代)