消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

2 選択の機会の確保

2.計量・規格の適正化

(1)計量

 消費者が安心をして買い物をするためには、正しい計量や量の表示による公平・公正な取引が欠かせません。また、例えば大気中の汚染物質の濃度を正確に測ることが出来なければ、我々の生活環境の安全・安心が脅かされることになります。このように国民生活に深く浸透し、経済社会の基盤をなす計量については、計量法により取引・証明における正確性が確保されており、主に以下のような制度から構成されています。

(1) 計量単位の統一

 国内で使用する計量単位(m、kg、s(秒)、℃など)を国際単位系(SI=Le Systeme International d’Unites)を基に統一(法定計量単位)し、計量器や取引・証明行為における法定計量単位以外の使用を禁止しています。

(2) 正確な計量器の供給(特定計量器の検定)

 特に適正な計量の実施を確保する必要がある計量器(タクシーメーター、はかり、水道メーター等)については、都道府県、日本電気計器検定所、指定検定機関等の公的機関の行う検定に合格したもの以外の取引・証明での使用を禁止しています。

(3) 食品などを密封した商品の正確な計量(商品量目)

 特定商品(野菜、魚、洗剤等)の販売者は、商品ごとに定められた許容誤差(例えば、100gに対しては-2gまで等)を超えないように計量し、密封した商品については内容量を表記することを義務付けています。

(4) 正確な計量の結果の確保(計量証明事業)

 計量証明事業者は、産業廃棄物の質量、環境汚染物質(NOx、SOxなど)の濃度などの測定結果を公的に証明し、証明書を発行しています。

(5) 計量の「ものさし」による計量器の校正

 校正事業者(JCSS登録事業者)は、経済産業大臣が指定した国家計量標準(特定標準器及び特定標準物質)に連鎖して段階的な校正等を行い、計量器の精度(不確かさ)を対外的に証明するトレーサビリティ(計量器の校正履歴が国家標準までたどれること)を確保しています。

問い合わせ先
 ○経済産業省産業技術環境局知的基盤課/計量行政室
  電話 03―3501―1511(代)

(2)規格
(1) 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)

 JAS制度は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第175号)(JAS法)」に基づいて、農林物資の(1)品質の改善、(2)生産の合理化、(3)取引の単純公正化及び(4)使用又は消費の合理化を図るため、農林水産大臣が制定した日本農林規格(JAS規格)による検査に合格した製品にJASマークをつけることを認める「JAS規格制度」と、一般消費者の選択に資するために農林水産大臣が制定した品質表示基準に従った表示を全ての製造業者又は販売業者に義務付ける「品質表示基準」の2つからなっています。
 JAS制度は、1950年に農林物資規格法としてスタートし、1970年に品質表示基準制度を加えて現在の名称となりましたが、その後の社会情勢や消費者のニーズ等を踏まえて、制度の改正・見直しが行われています。
1999年7月…JAS規格制度の見直し、食品表示の充実強化、有機食品の検査認証表示制度を創設した。
2002年6月…最近の食品の偽装表示の多発を踏まえ、消費者への情報提供及び実効性確保の観点から、指示に違反した場合の公表を弾力的に行うことができるようにするとともに、罰則を強化した。
2005年6月…消費者の食料品等の選択に資するため、流通の方法についての基準を内容とするJAS規格の制定を可能にするとともに、JASマークを貼付することができる製造業者等を認定する登録認定機関の位置付けを国の代行機関から民間の第三者機関へと移行する措置を講じた。(2006年3月1日施行)

1)JAS規格

JASマークと特定JASマーク JAS規格は、加工食品等の農林畜水産物資(酒類、医薬品等を除く)について品質の基準と生産の方法についての基準をその内容としており、検査の結果、この規格に適合したものにはJASマークが付されています。
 品位、成分、性能等の品質に関する基準を定めた一般JAS規格は、2007年1月現在59品目について制定されています。制度発足(昭和25年)の頃は一次産品が中心でしたが、その後の加工食品の発達普及とともに、加工食品の規格のウエイトが増大し、いまでは消費者が加工食品を購入する際の重要な目安として機能しています。飲食料品及び油脂に制定されている一般JAS規格は39品目あり、このほか、林産物等と農産物についてのJAS規格が20品目あります。
 また、生産の方法についての基準を内容とする特定JAS規格(特別な生産や製造方法、特色ある原材料に着目した規格)は、2007年1月現在、熟成ハム類、地鶏肉や手延べ干しめん等5品目のほのほか、有機農産物、有機加工食品、有機飼料、有機畜産物、生産情報公表牛肉、生産情報公表豚肉、生産情報公表農産物及び生産情報公表加工食品について制定されています。

有機JASマーク 生産情報公表JASマーク、一般JAS、特定JAS

2)品質表示基準

ア 概要

 1970年にJAS法を改正して導入された品質表示基準制度は、消費者の経済的利益を守るために、JASマークの有無にかかわらず、品名、原材料名、賞味期限等の表示を事業者に義務づけるという制度です。当初は一部の品目に限定されていましたが、1999年のJAS法改正に伴い、2000年3月31日に品目横断的な品質表示基準として生鮮食品品質表示基準及び加工食品品質表示基準を新たに定め、消費者向けに販売されるすべての飲食料品に、品質表示を義務づけることとしました。
 また、これら品目横断的な品質表示基準に加えて、それぞれの食品の特性に応じて、個別に品質表示基準が定められている品目もあります。

a)生鮮食品品質表示基準

 生鮮食品については、名称及び原産地等の表示が義務付けられています。
 原産地の表示については国産品の場合、原則として、農産物は都道府県名、畜産物は国産である旨、水産物は漁獲された水域名又は地域名で表示します。また、輸入品の場合、原産国名を表示します。

b)加工食品品質表示基準

 加工食品のうち容器に入れ又は包装されたものについては、名称、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造業者等の氏名又は名称及び住所の表示が義務付けられています。
輸入品にあっては、原産国名の表示が必要です。

 いちごジャムの表示例

表示例のサンプル名称   いちごジャム
原材料名 いちご、砂糖、ゲル化剤(ペクチン)
     酸化防止剤(V.C)、酸味料
内容量  400g
賞味期限 07.04.15
保存方法 直射日光を避け常温で保存して下さい。
製造者  ○○食品株式会社
     東京都千代田区霞ケ関○-○-○

 また、従来から個別の品質表示基準により8品目について原料の原産地表示が義務付けられていましたが、2004年9月に品目横断的に生鮮食品に近い加工食品20食品群に拡大しました。(2006年10月義務化)

c)水産物品質表示基準

 生鮮食品のうち水産物には、生鮮食品品質表示基準に規定する表示事項のほか、解凍、養殖したものについて、その旨表示することが義務付けられています。

d)玄米及び精米品質表示基準

 生鮮食品のうち、容器に入れ又は包装された玄米及び精米については、名称、原料玄米、内容量、精米年月日、販売業者等の氏名又は名称、住所及び電話番号の表示が義務付けられています。

e)遺伝子組み換えに関する表示に係る加工食品品質表示基準第7条第1項及び生鮮食品品質表示基準第7条第1項の規定に基づく農林水産大臣の定める基準大豆、とうもろこし等の農産物(7作物)及びその加工食品(32食品群)について、「遺伝子組み換えのものを分別」、「遺伝子組み換え不分別」等の表示が義務付けられています。
 また、高オレイン酸遺伝子組み換え大豆を使用した加工食品については、「高オレイン酸遺伝子組み換え」等の表示が義務付けられています。

問い合わせ先
 ○農林水産省消費・安全局表示・規格課
  電話03―3502―8111(代)

(2) 日本工業規格表示制度(JISマーク表示制度)

 JISマーク表示制度は、消費者等が安心して「品質の良い」「互換性が確保された」「安全性が確保された」といった商品を入手できるように、これらの内容を日本工業規格(JIS)に規定して、そのJISに適合する製品にはJIS適合品であることを示す特別の表示(JISマーク)を付けることができるというものです。
 JISに該当する商品を製造する事業者等は、民間の登録認証機関から認証を受けた後、JISマーク(図1.)をその商品などに表示することができます。このJISマークが付いている商品がいわゆるJISマーク品といわれるもので、JISに適合した商品を選ぶ目安となっています(対象商品:日用品・台所用品・電気用品・家具類・建築資材など)。
 JISマーク表示制度は2005年10月1日より、国が工場を認定する旧制度から民間の登録認証機関が製品を認証する制度へと変更されています。そして、現在は旧制度から現行制度への経過措置期間中であり、2008年9月30日まで(現行制度開始から3年間)はそれぞれJISマーク・旧JISマーク(図2.)が付いている商品が市場に併存することとなりますが、消費者が安心して品質の良い商品を入手できることに貢献すべく、引き続き信頼性の高い制度として推進して参ります。

JISマーク 旧JISマーク

問い合わせ先
 ○経済産業省産業技術環境局認証課
  電話 03―3501―1511(代)