消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

2 選択の機会の確保

1.消費者契約の適正化等

(3)緊要な消費者トラブルへの対応

架空請求・不当請求トラブルへの対応

 2003年から各地の消費生活センターでは、葉書や電子メールなどで、一方的に、消費者に身に覚えのない有料情報利用料の支払いや、貸金の返済などを請求する架空請求・不当請求(以下、「架空請求等」という。)に関する苦情相談が著しく増加し、大きな社会問題ともなりました。
 このため、消費者政策会議(会長:内閣総理大臣、委員:全閣僚等)において、2004年9月10日に「架空請求・不当請求に関する消費者トラブルへの対応策について」を決定しました。その後、随時、担当課長(関係省庁等担当課長会議等)による会議を開催し、対策のフォローアップを行っております。
 その主な進捗状況は、以下のとおりです。

(1) 携帯電話の犯罪利用の防止

〇 携帯電話事業者におけるプリペイド式携帯電話の本人確認の徹底(2004年12月~2006年3月31日)
  携帯電話事業者による全てのプリペイド式携帯電話の契約者情報の確認・登録。確認できなければ利用停止(確認できなかった約30万回線について利用停止措置を実施)。
〇 いわゆる携帯電話不正利用防止法の成立(2005年4月8日成立、同5月5日一部施行、2006年4月1日全面施行)。

(2) 預金口座の不正利用の防止

〇 金融機関本人確認法の改正(2004年12月3日成立、同30日施行)
〇 金融庁による情報提供(2003年9月~)
  金融機関などへ預金口座の不正利用に関する情報を提供し、金融機関はこれに基づき調査を行い、必要に応じて預金取引停止、預金口座解約を実施。

(3) 警察当局による取締り

○ 警察庁に「緊急対策チーム」を設置(2004年12月13日)
  架空請求等の犯罪に対して警察庁に「緊急対策チーム」を設置(2004年12月13日)して、各都道府県警察が有する捜査情報の集約・分析や合同捜査・共同捜査が行われる際の指導・調整を推進。
〇 金融機関本人確認法及び携帯電話不正利用防止法の厳正な運用による取締りの実施

(4) 広報・啓発

〇 架空請求等を行う業者名の公表

 国民生活センターのホームページにおいて、2004年8月以降、架空請求等を行っている業者名を毎月公表。

〇 ポスター・リーフレットの作成等

・ 2004年11月以降、随時、架空請求への注意を呼びかけるポスター、リーフレット、ビデオの配布、街頭ビジョンの放映を実施。
・ 関係省庁、国民生活センター等のホームページを通じて架空請求等への注意喚起を実施。

(5) その他

○ 電子メールを通じて意に反する申し込みをさせる事業者に対する行政処分

 特定商取引法では、顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為を禁止しており、経済産業省はメールの画面上の絵やボタンをクリックすることが契約の申し込みになることを適切に表示せず、意に反する申し込みをさせていたアダルトサイト事業者に対して2005年6月に業務停止命令。

○ 迷惑メールを通じた不当請求に対する対応

 経済産業省は、総務省と協力して、違法な迷惑メールに関する情報を迷惑メールの送信等に利用されたインターネット接続サービス事業者に通知し、利用停止等の措置を促進する「迷惑メール追放支援プロジェクト」を2005年2月から実施。

○ 地上デジタルテレビ放送への移行に便乗した架空請求への対応

 総務省は、地上デジタルテレビ放送用のチャンネルを確保するためのアナログ周波数変更対策の実施に当たっては、不当請求をはじめ悪質商法等の被害の防止のため、総務省から警察庁へ定期的に対策開始地域や悪質商法等の事例の情報提供を実施。また、消費者への悪質商法等への注意を喚起。

 また、地上デジタルテレビ放送の移行に関し、実際に悪質商法等の事案が発生した際には、総務省及び(社)地上デジタル放送推進協会、(社)電波産業会、総合通信局等で連携を取り、事案発生地域の地方公共団体、警察、金融機関、消費生活センター等へ情報提供し、被害の防止に努めている。

 このように、関係省庁等において、政府一体となって架空請求・不当請求対策を推進しているところです。
 架空請求等の苦情相談件数については、関係機関の取組によって2004年度67.5万件をピークとして、2005年度26万件(2006年5月末現在までのPIO-NET登録分)と、前年度比約60%減となりました。しかし、いまだ消費生活相談総件数の約2割を占め、高齢者をターゲットにしたり、公的機関やその類似名称を名乗るなどの新手も現れており、今後も注意が必要です。引き続き、関係省庁等担当課長会議においてフォローアップを行うなど積極的に取り組んでいきます。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095
 ○警察庁生活安全局生活環境課(生活経済対策室)
  電話 03―3581―0141(代)
 ○金融庁監督局
  電話 03―3506―6000(代)
 ○総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課
  電話 03―5253―5111(代)
 ○法務省大臣官房秘書課
  電話 03―3580―4111(代)
 ○経済産業省商務情報政策局消費経済政策課
  電話 03―3501―1511(代)
 ○独立行政法人国民生活センター総務企画部企画調整課
  電話 03―3443―6284

悪質住宅リフォーム問題への対応

 2005年6月頃から、高齢者や認知症の方々を狙った悪質な住宅リフォームが大きな社会問題となりました。
 このため、2005年9月16日に消費者政策会議関係委員会議(官房長官主宰、関係8大臣出席)を開催し、「悪質住宅リフォーム問題への対応」を決定しました。
 この対応策は、(1)悪質事業者の排除、(2)高齢者の周りの方々による見守りの強化、(3)住宅リフォームに関する情報提供の強化、(4)消費者に対する被害救済の強化、(5)成年後見制度の利用促進、5つを重点事項としております。その後、随時、担当課長による会議(消費者政策担当課長会議)を開催し、対策のフォローアップを行っております。
 その主な進捗状況は、以下のとおりです。

(1) 悪質事業者の排除

〇 悪質住宅リフォーム訪問販売事業者に対する特定商取引法の厳正な執行と高齢者を対象とした住宅リフォームに係る悪質な特定商取引等事犯の取締りを強化。
〇 建設業者の不正行為等に対する指導・監督
  許可を受けないで建設業を営む者(無許可業者)に対する指導・監督のガイドラインの設定等。
〇 信販会社等による住宅リフォーム関連加盟店の総点検を実施、約700の加盟店が契約停止となり、約500加盟店に改善指導の対象となる。

(2) 高齢者の周りの方々による見守りの強化

〇 「消費者問題出前講座」の開催(2005年8月~随時)
  介護ヘルパー、民生委員等の高齢者の周りの方々を対象に「消費者問題出前講座」を開催。
〇 金融機関の窓口での被害防止のための声掛け励行
  銀行、郵便局等の金融機関に対し、金融機関の窓口において、高齢者等が、高額の又は次々に預金等を引き出す際に、顧客のプライバシー等に配慮しながら、被害防止のための声掛け等を励行するよう要請。
〇 「高齢消費者見守りネットワーク連絡協議会」の開催
  高齢者の消費者トラブルの防止を図るため、高齢福祉関係団体、消費生活関係団体、関係府省による「高齢消費者見守りネットワーク連絡協議会」を開催し、高齢者の消費者トラブルに関して情報を共有するとともに、高齢者の周りの方々に対して悪質商法の新たな手口や対処の方法などの情報提供を行う仕組みを構築。その結果、2006年8月から高齢者や周りの方々にメールマガジン「見守り新鮮情報」を開始。

(3) 住宅リフォームに関する情報提供の強化

○ リフォーム相談窓口の設置(2005年7月~)
  3年後には全国の市町村に相談窓口が設置されるよう取組みを進める。
〇 リフォネット登録事業者の拡充
  消費者が身近な地域から事業者を適切に選択できるようにするため、リフォネット登録事業者を拡充。

(4) 消費者に対する被害救済の強化

〇 苦情処理のあっせんのための助言
  各地の消費生活センターから国民生活センターへの相談に関し、一級建築士が苦情の処理のあっせんのために助言する等積極的に支援。

(5) 成年後見制度の利用促進

○ 地域包括支援センターを中心として成年後見制度の利用促進
  2006年4月以降、各市町村に設置された地域包括支援センターにおいて、成年後見制度に関する情報提供を行うとともに、成年後見制度の利用が必要と認められる高齢者について制度の利用を支援。

 このように、関係省庁等において、政府一体となって悪質住宅リフォーム対策を推進しているところです。今後とも引き続き、関係省庁等担当課長会議においてフォローアップを行うなど悪質住宅リフォームの問題に積極的に取り組んでいきます。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095
 ○警察庁生活安全局生活環境課(生活経済対策室)
  電話 03―3581―0141(代)
 ○金融庁監督局総務課監督調査室
  電話 03―3506―6000(代)
 ○総務省郵政行政局貯金企画課
  電話 03―5253―5111(代)
 ○法務省民事局参事官室
  電話 03―3580―4111(代)
 ○厚生労働省老健局計画課
  電話 03―5253―1111(代)
 ○経済産業省商務情報政策局消費経済政策課
  電話 03―3501―1511(代)
 ○国土交通省住宅局住宅生産課
  国土交通省総合政策局建設業課
  電話 03―5253―8111(代)
 ○独立行政法人国民生活センター総務企画部企画調整課
  電話03―3443―6284

偽造・盗難キャッシュカードによる被害の防止・救済

 2004年度から2005年度にかけて、偽造・盗難キャッシュカード等を用いた預金等の不正引出しによる被害が急増し、社会問題化しました。こうした事態を受け、預貯金者の保護を図る観点から、金融機関による被害者への補償制度や金融機関の犯罪防止措置義務を規定した「預貯金者保護法」が議員立法により成立し、2006年2月より施行されています。また、金融庁では、2006年3月から6月にかけて警察庁、財団法人金融情報システムセンター、各金融関係団体を構成員とする「情報セキュリティに関する検討会」を開催しました。本検討会では、ATMシステム等に関して、システム構築時や利用時等の各段階におけるリスクについて、国内外の犯罪事例や現時点で想定し得る犯罪手口に係る詳細情報を網羅的に収集し、各種対策の有効性を検証しました。加えて、当該検討結果を実効ならしめるため、2007年1月には「主要行等及び中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」を改正し、ATMシステム等の情報セキュリティ対策に関する監督上の着眼点を明確化しております。

(1) 預貯金者保護法の成立(平成2005年8月3日)

 (正式名称:偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律)

○ 偽造キャッシュカード等を用いて行われる機械式預貯金払戻し等

・ 偽造キャッシュカードが使用されたことによる損害は、原則として金融機関が全額を負担すること
・ 但し、預貯金者に故意又は重過失がある場合には、預貯金者が全額を負担すること
・ 預貯金者の帰責事由については、金融機関が立証責任を負うこと

○ 盗難キャッシュカード等を用いて行われた機械式預貯金払戻し等

・ 預貯金者が、(1)速やかに金融機関へカードが盗取された旨を通知すること、(2)遅滞なく金融機関へカードが盗取された状況について十分な説明を行うこと、(3)捜査機関へ被害の届出を行うこと、の3要件を充たしたとき、原則として損害の全額を金融機関が負担すること
・ 預貯金者に過失がある場合には、損害の4分の3の額を金融機関が負担すること
・ 預貯金者に故意又は重過失がある場合には、預貯金者が全額を負担すること
・ 預貯金者の帰責事由については、金融機関が立証責任を負うこと
・ 金融機関が負担する金額は、原則として、預貯金者による金融機関への通知(上記(1))の日前30日の間の損害に係る額に限ること

○ 施行日

  ・ 2006年2月10日

偽造カード等による被害と盗難カード等による被害について(イメージ図)

(2) 監督指針の主な改正点

○ ATMシステム等のセキュリティ対策に係る監督上の着眼点の明確化

・ 金融機関の内部管理態勢について、リスク分析、セキュリティ対策の策定・実施、対策の効果の評価・見直しからなる、いわゆるPDCAサイクルが機能しているか。
・ セキュリティの確保について、体制構築時、利用時、被害発生時の各段階におけるリスクを把握した上で自らの顧客や業務の特性に応じた対策を講じているか。
・ 顧客への周知が必要な場合、速やかに周知できる体制を整備するなど、被害を最小限に抑制するための措置を講じることとしているか。

(3) 偽造・盗難キャッシュカードによる被害の発生状況及び金融機関による補償状況

 2007年1月15日までに、金融機関から金融庁及び財務局に報告のあった偽造・盗難キャッシュカードによる被害の発生状況及び金融機関の補償状況の概略は以下の通り。

○ 偽造キャッシュカードによる預金等払戻し

・ 被害発生状況
  被害発生件数は、2002年度は8件であったが、2003年度に106件と急増し、その後2004年度467件、2005年度892件と大幅に増加した。2006年度は12月までの9ヶ月で357件であった。

(注)2007年1月15日までに当庁及び財務局に報告のあった被害件数であり、特に2006年度分については今後増加する可能性がある(以下、他の犯罪類型による被害についても同様)。
平均被害額は、2002年245万円、2003年度312万円、2004年度227万円、2005年度108万円、2006年度97万円と2004年度以降は減少傾向にある。

・ 金融機関による補償状況
  これまでに処理方針が決定している被害については、件数ベースで98.1%を金融機関において補償している。

(注1)金融機関が補償しないとした主な理由は、「預貯金者からの補償請求の取下げ等」、「預貯金者に重大な過失がある」などであった。
(注2)預貯金者保護法(2006年2月施行)施行後に発生した被害については、全ての事案で金融機関が補償している。

○ 盗難キャッシュカードによる預金等払戻し

・ 被害発生状況
  被害発生件数は、2005年度6,037件であり、2006年度は12月までの9ヶ月間に5,235件であった。
  平均被害額は、2005年度69万円、2006年度45万円であった。
・ 金融機関による補償状況
  これまでに処理方針が決定している被害については、件数ベースで67.3%を金融機関において補償している。

(注1)金融機関が補償しないとした主な理由は、「預貯金者からの補償請求の取下げ等」、「遺失、詐欺等による不正払戻し」、「預貯金者の配偶者等による払戻し」などであった。
(注2)遺失、詐欺等による不正払戻し等は預貯金者保護法の対象外(預貯金者保護法の対象は、偽造及び盗難キャッシュカードによる被害)。また、払戻しが預貯金者の家族や同居人等により行われた場合は、補償の除外事由に該当。

問い合わせ先
 ○金融庁総務企画局企画課、監督局銀行第一課
  電話 03―3506―6000(代)