消費者の窓

〔2〕消費者政策の具体的施策

2 選択の機会の確保

1.消費者契約の適正化等

(1)総合的な取引の適正化
消費者契約法
(1) 背景

 現在、我が国では、国民の自由な選択を基礎とした公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会の実現を目指し、構造改革が推進されています。こうした中、政策の基本原則を行政による事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換することが求められており、「消費者のための新たなシステムづくり」が大きな課題となっています。
 その一方で、構造改革の進展に伴い、商品・サービスの多様化により消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報・交渉力の格差を背景に、消費者が事業者との間で締結する契約、いわゆる消費者契約に係るトラブルが増加しています。
 こうした中、公正で予見可能性の高い新たな民事ルールとして、消費者契約法は2001年4月1日から施行されています。なお、消費者団体訴訟制度を導入するための消費者契約法の一部を改正する法律が2006年5月に成立し、2007年6月7日から施行されることになっています。(消費者団体訴訟制度の詳細については104ページを参照。)

(2) 消費者契約法の概要
1)適用範囲

 消費者契約(消費者と事業者との間で締結される契約)に当たる限り、適用除外を設けず全取引を対象とする。(第2条)(なお第48条も参照)

2)消費者契約の締結過程に係るトラブルの解決

 消費者契約締結の勧誘に際し、事業者の以下に掲げる一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合、消費者は契約の申込み又は承諾の意思表示を取り消すことができる。

 ア 「誤認」類型

 (1)重要事項(当該消費者契約の目的となるものの内容又は取引条件であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの)について、事実と異なることを告げること(第4条第1項第1号)
 (2)当該消費者契約の目的となるものに関し、将来における変動が不確実な事項(将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額など)につき断定的判断を提供すること(第4条第1項第2号)
 (3)重要事項又は重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実を故意に告げないこと(第4条第2項)

 イ 「困惑」類型

 (1)事業者に対し、消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、退去しないこと(第4条第3項第1号)
 (2)事業者が勧誘をしている場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、消費者を退去させないこと(第4条第3項第2号)

(3) 消費者契約の契約条項に係るトラブルの解決

 消費者契約において、以下に掲げる消費者の利益を不当に害することとなる条項を無効とする。
1) 事業者の債務不履行による損害賠償責任を全部免除する条項(第8条第1項第1号)
2) 事業者の債務不履行(故意又は重過失の場合)による損害賠償責任を一部免除する条項(第8条第1項第2号)
3)事業者の不法行為による損害賠償責任を全部免除する条項(第8条第1項第3号)
4) 事業者の不法行為(故意又は重過失の場合)による損害賠償責任を一部免除する条項(第8条第1項第4号)
5) 有償契約の目的物の隠れた瑕疵(請負契約においては仕事の目的物の瑕疵)による損害賠償責任を全部免除する条項(第8条第1項第5号)なお、事業者が瑕疵修補又は代物提供責任を負う場合や他の事業者が同様の責任を負う場合を除く(第8条第2項第1号、第2号)
6) 契約の解除に伴う損害賠償額の予定のうち当該事業者に生ずる平均的な損害の額を超えるもの(当該超える部分)(第9条第1号)
7) 消費者が支払期日に遅れた場合、未払額に課される金利のうち年14.6%を超えるもの(当該超える部分)(第9条第2号)
8) 民法等の任意規定よりも、消費者の権利を制限し、又は義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項(第10条)

(4) 事業者・消費者の努力

 事業者は契約内容を明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、必要な情報を提供するよう努めなければならない。また、消費者は消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする(第3条)。

問い合わせ先
 ○内閣府国民生活局消費者企画課
  電話 03―3581―9095
         (参考URL http://www.consumer.go.jp